green+の無人島 (original) (raw)

こんにちは、さしみです。先日の素数大富豪で遊ぼう会で4枚6桁の覚え方を発表させていただいたのですが、これがかなり好評だったため記事にもまとめておこうと思いました(割とずっと書くぞと言っていたネタではあります)(とか言いながらさらに半年くらい放置してしまいました)。会に関しては主催のはなぶさんの記事もぜひご覧ください。

https://mathingnow.notion.site/1ddd28aad3cb453d84ac9976e88e0d85

はじめに

4枚6桁に関しては、皆さんはどのような印象があるでしょうか。なんか中途半端な大きさだし、覚えなくていいか、と思っている初心者、エンジョイ勢の方も多いのではないかと思います。絵札と数札が混ざっているのも、特に語呂で覚える上ではハードルを上げる要因になります。

しかし、4枚出しのラリーをしていると、絵札を2枚だけ使いたい場面というのは意外と多いです。カジュアルなゲームでは最初に配るカードを7枚とするルールがありますが、その中では絵札が2枚のことが最も多いです。ガチ勢を目指すのであれば、KKKQの合成数出しなどを使った組み切りで、余った絵札を上手く役立てる必要があります。

というわけで、その重要性は4枚4桁などには及ばないものの、4枚6桁もある程度は覚えておく必要があります。ただ、その数はもりしーさんの素数表によると上位互換になっているものだけで222個もあります。全てを覚えるのは絶望的でしょう。

そこで、私は、覚えやすいものだけをピックアップすれば良いのではないかと考えました。そして作ったのがこの記事で紹介する、厳選62個の素数表です。TまたはQが最低1枚含まれる組み合わせ7グループに分け、それぞれ独特の覚え方を提案します。全部は難しい、という方も、面白いと思ったものから覚えてみてください。また、ここに載っていないから詰んでいる、というわけではないことにご注意ください。

素数

まずは以下に今回登場する素数素数表の形で載せておきます。見ただけでは覚えられそうになくても大丈夫です。これから覚え方を紹介していきます。

解説

まず、全体としては、使う絵札2枚の種類がTT,QQ,TQ,TK,QJ,TJ,QKの順番にまとまっています。先に述べた通り、JやKのみで構成される組み合わせは重要度が低いと思われるため載せていません。また、それぞれ本来は15~29個ある中で、大きいもの、特にまとめて覚えやすいものを中心に選んでいます。

記事全体を通して「ある数がその場所に入る」ことをxとyの文字を使って表現しています。例えば、x=9と書かれていればxの場所に9を入れることで素数を作ることができるという意味になります。xyとあるときに98と書いてあれば、その2枚の札を入れることで素数になります。注意が必要なものについては各項目でも解説します。

記号の右に書いてある言葉は語呂や、私が覚えるときにイメージしていることです。もう少し圧縮しているものもありますが、基本は復習するときから出すときまでこの通りに唱えています。意味はこれから解説していきます。

TT

TxTy(11個)

y=1,3,7,9 x=2,269,12458,68:ツーブロック全ロバ

他TT(2個)

9TT9,2TT9:7倍回避

さて、表の中で一つ目の項目は、Tを2枚使う素数です。これについては、TxTyの形で素数になるものが非常に多いため、主にそれを覚えることをおすすめしています。

この形では、xに入る数は様々であるものの、yは下一桁であることから1,3,7,9の4通りに限定されます。そのため、各yについてxに入る数を覚えてしまえばよいわけですね。それが x=2,269,12458,68 という数字の列の正体です。例えば、最後の68はT6T9とT8T9が素数であることを表しています。

語呂は好きなようにつけてほしいですが、一例として私の覚え方を載せておきます。唱えて覚えやすそうであれば採用してみてください。ただしy=7のときの「全」は、3と7の倍数にならないもの全てという意味です。xが3,6,9は3の倍数、7は7の倍数になることに注意してください。余談ですが、この「7は全部」という覚え方をするために、T7T1とT1T7では小さい後者を採用しています。

例外として、以上の札の配置では7の倍数になってしまう(2,9)と(9,9)については、数札で絵札を挟むことで素数にすることができます。特に9TT9は強いので、余裕があれば覚えてみてください(ちなみに8TT9も素数です)。

QQ

QxQ7(3個)

x=3,6,9:7終わりは優秀の369

xQQy(5個)

8QQ9:8きゅうきゅうきゅう

47/43/71/31:4先1後の3と7

次のQ2枚も、偶数絵札ペアということで覚え方が似ています。まず、先ほどの方法で大活躍した7が、ここでも役に立ちます。同様に、Q3Q7のような形で3つの数を入れることができるというわけです。

ただし、こちらは絵札を挟む形の方が充実しています。8QQ9は偶数の消費が多く強いため単独で取り上げました。次の行は、4を上の桁、または1を下の桁に入れて、残った方に3と7を入れることができるという意味です。これで、なんとなく似ている4QQ7,4QQ3,7QQ1,3QQ1をまとめて覚えられるのです。

TQ

xQTy,xTQy(7個)

x=9,y=3,71:9は3のない

x=6,y=97,3:6は苦難の3

8QT1:8QT素数

偶数絵札のみのものはこれで最後です。TとQが1枚ずつの形は、最も上の桁でまとめると覚えやすいです。

まず、最上位が9のときは、絵札がQTの順番で下に3、逆の順番で7と1が入ります。9QT3,9TQ7,9TQ1が素数ということですね。それぞれの数字をまとめて、順番に唱えるのが上の覚え方になっています。最上位が6のものについても同様で、語呂はともかくこのまとめ方は覚えやすいのではないかと思います。また、8については1つですが8QT1を載せてみました。

TK

xyTK(8個)

9/6-3/2:草TK(割引可)

86/84:ハム/箸TK

51/41:mod3共通の51/41

ここからは奇数絵札が入ります。自由度が上がり、数札が上2桁に入るものに限定しても十分な量の素数が見つかります。ここでは、そのような2桁を覚えやすいようペアやグループにしていきます。

一段目は、一桁目が9または6、二桁目が3または2のとき素数になるという意味です。これを、私は93TKの9や3を2/3倍しても良い、という風に覚えています。二段目の説明は不要でしょう。三段目は、後のxyQJと共通しています。

QJ

xyQJ(2個)

51/41:同上、5/4-J2J

xQxJ(6個)

x=1,3,4,6,7,9:xQxJは実質全部

先ほど説明した通り、51と41はTKにもQJにも付きます。こちらは5J2Jなどと出すことができるのも利点です。

しかし、この絵札の組み合わせで最も覚えやすいのは、その次の段です。xQxJはxに同じ数が入るという意味ですが、なんとこのxには1桁の数のうち全体が3の倍数にならないもの全てを入れて素数とすることができます。例えば、9Q9Jは素数で、5Q5Jは3の倍数です。

TJ

xyTJ(8個):

98/94/91:クッパ登場串食い

77/74/44:なななよよよ

46/68:白ロバ登場

こちらのTとJの組み合わせは、覚え方が分かりやすいものが多いと思います。グループごとにまとめて覚えてしまいましょう。個人的に、98TJは4枚6桁全体の中でも98KJと99KKに次いで大きく、奇数の使い方にも無駄がないので好きです。

QK

xyQK(10個):

84/64:箸/虫QK

76/72:プラマイ8

37/36:皆/見るQK

61/51/21:256イーブイさん

43:熱いさしみの上位互換

最後はQとKの組み合わせです。実はこれが一番使う機会が多いかもしれません。QもKもA2やA3と分解することができ、5枚、6枚出しに流用することができるからです。

この中では、まず偶数の多い84/64がつくというのを覚えましょう。そして、84と64の真ん中が74ということを思い浮かべます。すると、そこから2ずつ増減した72と76もつくと覚えることができます。それから、61/51/21については、11213「イーブイさん」という素数があり、それに2/5/6がつくとすれば覚えやすいです。

「熱いさしみ」は121343のことで、その上位互換43QKも素数です。

おわりに

今回は、個人的な4枚6桁の素数の覚え方を紹介しました。いくつか覚えるだけでも安定感が大幅に増すと思います。今日から実戦で使っていきましょう。

それから、このように、ある桁数の素数から一部を抜き出す方法は、素数を覚えやすくするのに役立つと思っています。また、作れる組み合わせを全て並べるより個数が減るため、これなら覚えられるのではとモチベーションも上がりやすいです。ぜひ皆さんもこの方法でオリジナルの素数表を作ってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

こんにちは、さしみです。このたび素数大富豪大会「金剛戦」を開催することにしたので、その告知をするとともに、目的やコンセプトを解説したいと思います。初心者向けの大会ではありませんが、参加、観戦する上で役立てていただければと思います。

目的

金剛戦は、上位プレイヤーを主な対象としています。各参加者が互いの実力を詳細に把握し、さらなる実力向上に役立てられるようにしたいと思い開催を決定しました。discordレート戦の対象としているのもそれによるものです。

日程・参加方法

金剛戦は2024年10月から2025年3月までの半年間で行われます。あまり長いとある時点での実力を見ることが難しい一方、一度に合計100セット程度の試合を消化するのは困難であることからこのような日程になりました。早く終わる分には望ましく、年内くらいを目指せれば理想だとは思っています。

参加は以下のフォームからお願いします。

https://forms.gle/jzvDnq9BLUjaAUnD8

大会の要綱は以下になります。

https://docs.google.com/document/d/1N9hWNWnUvu2zJaYykEU7iAf0S9mqmX4dTY_mgR9ds0I/edit?usp=sharing

開催までの経緯

もともと、鼎聖戦のコンセプトを気に入っていた一方で、2人対戦における同様の大会がないことを不満に思っていました。また、個人的な話になりますが、普段の対戦ではどうしても実力差を把握できていない格上のプレイヤーがいて、目標設定に悩んでいました。そこで、セット数が多く実力を把握しやすい大会を開催するべく、他のプレイヤーに相談しつつ形式を固めていきました。

ちなみに「金剛戦」という名称は「金剛力士」から取っています。二体で一つというところから、二人対戦の最強を決める大会にふさわしいと思いました。大会のテーマとなる素数も「2」です。

総当たり戦

金剛戦の特徴として、まず総当たり戦であることが挙げられます。これによって配置や相性による不平等がなくなり、その上で各参加者が様々なプレイスタイルに触れられるようになります。また、各試合の勝敗をつけずに全体の勝利数で順位をつけることで、運要素をできる限り小さくしています。1位でなくても上の順位を目指すモチベーションが維持できるのも良いと思っています。

多いセット数

それから、鼎聖戦やはち杯ヘビー級といった大会を超えるセット数を設けることで、より正確な実力が成績に反映されます。前項とも被りますが、試合の条件が平等であることで、勝率を実力の指標として扱いやすくなっています。それを活かし、大会後に各種データを提供する予定です。

多いセット数は、それぞれの試合をある程度長くすることで実現しています。各試合は長い場合16セットで1時間、24セットで1時間半程度かかることを想定しています。

試合調整の容易さ

また、審判を設けず、突発的な試合も許可することで、参加者間で予定の合う機会を増やしています。試合時間の短縮にも繋がると思っています。ただし、これは試合進行の手間を参加者に負担していただくことになるため、その分試合外でのサポートを積極的に行いたいと考えています。

おわりに

ということで、私の素数大富豪大会としては初、三四郎杯を含めても2回目の開催ながら、かなり大きな計画を立ててしまいました。参加者の皆さんと一緒に良い大会にしていければと思います。よろしくお願いします。

こんにちは、さしみです。先日、マスプライム杯に参加した際に「Qが余ってしまうことが多いのだけどどうすればいい?」という質問を受けました。そのときには素数をいくつか挙げたのですが、Qを活用するための考え方にまでは触れられませんでした。そこで、今回は、同様の悩みが出てきたときのために、参考になる内容をまとめておきます。初心者の快適な素数大富豪ライフ、それから大会での勝率アップに貢献できればと思います。

この記事では、最初になぜQが余りがちなのか私なりの解釈を述べた後に、そもそもある札が余るとはどのようなことなのか、どうすればそれを防ぐことができるのか、基本的な考え方を述べていきます。それから素数表を提示し、それぞれの素数について使いどころを解説していきます。例によって前置きが長いので、目次のリンクから素数表だけでも見ていってください!

なぜQは余るのか

それでは、なぜQが余るのでしょうか。言い換えれば、素数大富豪においてQを多く含む手札を使い切るのはどうして難しいのでしょうか。まず考えられる原因は「3枚出し以下において、Qを使う札の組み合わせが最も少ない」からです。これは以下のOTTYさんの2018年の記事で検証されています。

https://otty8121013.hatenadiary.jp/entry/2018/12/10/222005

特筆すべきはQが2枚出しを(グロタンカットを含め)2通りしかできない唯一の札であることでしょうか。これは、3枚出しをまだいくつかしか覚えていない初心者にとっては大きな脅威となります。そして、3枚出しについても、Qを使って素数を出せる組は最下位の29個であり、3の61個と比べると半分以下しかありません。

それから、上の記事ではあまり大きく取り上げられていませんが「Qを2枚使う3枚出しが存在しない」ことも個人的にはとても重要だと思います。Qが余ったとされるとき、最初に持っていたQは2枚か3枚でしょう。すると、どこかでQを2枚使うことができなければ、最大3回もQを使う手を強いられることになります。4であれば3枚持っていても443や449を出せば残り1枚にできるというのに。

最後に、3枚出しを覚えている方は、まずどのような素数から覚えたでしょうか。KKJ、素晴らしい。82Xの四つ子素数(821,823,827,829)、最高です。しかし、Qを含む4桁の素数を3桁の素数より先に覚えたという人はかなりの少数派でしょう。絵札を1枚だけ含む中途半端な大きさの素数が注目されづらいというのも、Qが余る原因としては無視できないでしょう。大きい数は適当に出したときに素数である確率も下がりますし。

なぜ札は余るのか

少し寄り道しますが、そもそもなぜある札が余るのか、余らないためにはどれくらいの知識が必要なのかについても触れておきます。後で紹介する素数表の前提にもなるので、読んでいただけると理解が深まるかと思います。

大前提として、トランプの54枚のうち、2枚出し以上の一番下につけられる札はジョーカーを含め26枚しかありません。そうでない札、2,4,5,6,8,T,Qが「偶数」と呼ばれますが、偶数の方が多いのです。ということは、ある程度運が良くない限りは、相手に関係なく2枚出しだけで上がることはできません。どこかで偶数を奇数より多く消費する必要があるのです。これが、初心者に最低限3枚出しまでは(ある程度)覚えてほしいとされる最大の理由だと思います。

それから、3枚出しをメインウェポンとするにも問題はあります。一つは、12枚を3枚出しに分けるとしても「奇数」が4枚必要となることです。偶数があまりにも多い場合は、ドローやカマトトで手札を増やすか特別に4枚出し以上をする必要が生じます。そのようなときに使われる素数がいわゆる偶数消費型素数になります。

もう一つは、同じ札を3枚持っていたとすると、その札を1枚ずつ消費することを考えたとき、似たような素数を3回出さなくてはならないことです。これは、3枚出し特有というよりは、知識が少ない場合全般に起こるものですが。

例えば、12334568889という手札を持っていたとします。これを4つの素数に分けようとすると、863,853,829,61などとなります。8が3枚あるため、8を含む素数を多めに使うことが求められました。もし、ここで883のような素数を知っていれば残りは12345689となり、残りの組み合わせの自由度を上げることができますが、Qの場合はそれが難しいことは上に述べた通りです。

以上から、勝ち負け以前にどのような手札からでもいつかは上がれるようにするために、3枚出しをまんべんなく覚え、それに加えて札の偏りに対応できる素数をしっかり押さえておくことが必要であるという結論が得られます。

Qの素数

ということで、Qが余る原因を潰せるように考えてきたのが、この素数表です。使いやすい3枚出しの大部分をカバーしているため、これと3枚3桁、切り札だけでも3枚出しにはほとんど困らないでしょう。それから、ピンポイントで必要なときに出せるよう、Qを2枚以上使う4枚出しも覚えやすいものを選んで載せています。

Qの素数表の解説

素数表を見ながら練習したり、とりあえず覚えてみたりするだけでも役に立つとは思います。覚えやすい並びを意識していますし。ここでは補足として、覚えやすさのコツや、使うと強い場面などについて解説していきます。

まずは2枚出しから、復習になるかもしれませんがQ7とQKで素数は全部です。意外にも合成数には便利なものが多く、特にそれぞれQ5=5^2×5、Q8=2^6×2、5Q=2^8×2などと出すことで奇数を全く使わないこともできます。

次に3枚4桁、10個とも重要度は高めです。語呂は「よい肉」くらいしか有名なものはありませんが、なんとかできるだけたくさん覚えたいところです。6Q1,7Q1については10倍したものを合成数出しすることでQを2枚、Tを1枚消費できてお得、しかも強いです。機会があれば狙ってみてください。

合成数を先に解説しておきます。8Q8については小ネタとして2^7-1=127よりQ7が素因数になる、ということがすんなり理解できると思い出しやすいです。これもQが2枚消費できるため便利ですが、4枚出し素数ほど出しやすいわけではないので無理に覚える必要はありません。

3枚5桁は絵札を2枚消費するため、相手に強い素数を出すかパスするかの選択を迫ることができます。QTには3以外の1桁奇数(1,7,9)をつけられて、残った3はTTにつけられると覚えると簡単です。それから、数札から始まるものは余裕があればQを含まないものも全て覚えると良いでしょう。

4枚出しに入ります。6桁ではまずQXQ7の形を挙げていて、このXには3の倍数が入るという覚え方ができます。同様のTXT7という並びも、Xに入る数が多くて便利です。次の4つは、1または4、3または7のペアが使えると覚えましょう。その上で、1はQQの後ろ、4はQQの前につけ、3と7はもう片方の端につけると素数になります。

4枚7桁はまず下に3がつくものが覚えやすいでしょう。Tも同時に消費できます。数札で始まるものは、QQKをつけられるのは4と9のみ、などと知っていると、他の数をつける間違いを減らせるのかなと思います。QQQJは4枚出しの中では5番目に強いです。

ところで、4枚出しは、Qが2枚以上あり、3枚出しだけで上がることが難しそうなときに検討すると良いでしょう。切り札として使うよりは、一度出して相手の出方を見るのが強そうです。相手がパスすれば3枚出しに移行しても良いですし、相手が無理にJやKを使って返してくれれば手札が有利になります。

最後に、5枚出し以上では、覚えたら強そうな素数の例を提示してみました。Qを3枚含む絵札だけの素数は、QQQJに加えて絵札を使うことで、より強くなるというものです。四つ子素はXに1,3,7,9を入れられるというもので、最初に覚える7枚出し以上として秘密兵器のように使うことを意図しています。

実戦例

上の素数の使い方をイメージできるよう、素数大富豪CPUとの実戦を解説します。相手は初心者の練習におすすめのver.3です(ver.4でも探索枚数を4枚以下にすれば同じ強さのようです)。数譜は数譜再生くんで見られる形にしています。

https://searial.web.fc2.com/tools/sosusaisei.html

you:A356678TJQQ

cpu:AA24689JQKX

you:D(6)66A

cpu:94K

you:QT7

cpu:2QJ

you:6QJ

cpu:D(6)%

you:853#

1戦目は絵札は4枚あるもののQが2枚ある上に奇数が少なく動きづらい手札です。12枚を3枚出し4つに分けるとなんとか足りるので661,QT7,6QJ,853と出すことにしました。幸いCPUが絵札を小出しにしてくれたため、6QJに返されず勝つことができました。強い人だとKKJを温存してきそうですが、それで負けたら諦めましょう。

you:A355679TQQX

cpu:A256899TTJJ

you:QQT3

cpu:8JTJ

you:%

cpu:T=2*5

you:X[IN]

you:57[GC]

you:5X|X=7[GC]

you:69A#

2戦目もQが2枚あり、今度は様子見でQQT3を出すことにしました。パスされれば57,57,691で勝つことができます。CPUは8JTJと強めの数で返してきたのでここはパス。困ったCPUはTの合成数出しをしてきて、ラッキーなことに2枚目のジョーカーを引いたので当初の予定通りに勝てました。ドローが他の札ならとりあえずジョーカーを出して9始まりの3枚出しをするくらいでしょうか。

コラム:上級者はどうQを使いこなすのか

ところで、初心者にとっては使うのが難しいQを、上級者はどのように役立てているのでしょうか。

一つは今までに説明してきたことの延長線上にある、絵札としての強さです。知識さえあれば、Qは大きな素数を作るのに他の絵札と同様に役立ちます。例えば、9QQTTJのような絵札が5枚の素数は、初手で出せば返されないことが多いです。また、手札が24枚になるような展開でも、相手が絵札を6枚消費すれば、切り札がほとんど残りません。このように、上級者は様々な枚数でQを絵札として活用しています。

もう一つ、QがKの次に大きいことによる強みも存在します。KKKQQQJという素数はKを3枚、Qを3枚使います。残り全てを相手が持っていたとしても、相手はジョーカーをフル活用してKを3枚、Qを1枚しか使うことができません。そのため、この素数は絶対に返すことができないのです。このように、上級者間では手札の強弱がKとXの枚数でなく、Qの枚数でも決まることがあります。

おわりに

この記事では、Qをどうにか使い切る方法から、上手く勝ちに繋げる方法まで解説しました。素数表の素数のチョイスには自信があるので、ぜひ練習や対戦に役立てていただければと思います。何か分からない点があればいつでもご連絡ください。

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

こんにちは、さしみです。私がマスプライム杯2023に参加し、素数大富豪を極め始めてから1年が経ちました。1年に一度といえば、マスプライム杯ですね! ということで、今回は、昨年と全く変わった立場で参加し、それでいて昨年以上に楽しめた、素数大富豪のお祭りについて書いていきます。この記事を通して、その盛り上がりが伝われば嬉しいです。

直前対策

今回は素数大富豪というゲームについてもその参加者についても熟知していたため、しっかりと対策を立てることができました。と言っても私はこの1年間、素数を覚え、素数大富豪で遊び続けてたわけですから、それが一番の対策になってはいます。ただ、やはり初めて参加した対面の大会ということもあり、直前期は特にモチベーションが上がったように思います。

覚えた素数としては、知識不足による負けを減らすための6枚6桁や6枚11桁、絵札を活かすための9枚9桁や9枚18桁が中心となります。直前の2週間で100個くらいは増えたかもしれません。一方で、最近特に対策が必要な超多枚や、サボり続けている4枚5桁などには、あまり手が回りませんでした。

また、オンラインの最強プレイヤーmickeyさんと練習をしたことで、かなり立ち回りが鍛えられました。3日間で134ゲームを行い59-75(勝率44%)と、今までになく高い成績が出せたことで自信もつきました。mickeyさんにも「今回の参加者の中で一番素数大富豪を理解ってる」と優勝予想を頂き、誰が相手でも互角以上の戦いをして、本気で優勝を目指そう、と決意が固まりました。

ところで、今回は運営から解説を依頼されていました。最初に聞いたときはそんな大役が自分に務まるだろうかと思いましたが、直前にOTTYさんから配信の流れや解説のコツなどについていろいろと教えていただいたおかげで、イメージが固まりました。マスプライム杯のデータについての資料を読むほか、各プレイヤーの出しそうな素数についてメモを取るなどの準備をしました。

当日

前日に早寝したおかげで、朝からの大会にも余裕を持って参加できました。嘘です。10時半、開始時間ギリギリに到着しました。ごめんなさい。運営の中にはプレイヤーを兼任しながら5時台に起きた方もいたそうで、本当に頭が上がりません。

私は去年ベスト4に入っていたので、他のベスト4と当たらないように別枠で抽選が行われ、キグロさんと一緒にくじを引きました。配置の運は並くらいかなと思っていましたが、結果を見てから言うのであれば、もう片方の山より最近好調なプレイヤーが多く厳しかったのかもしれませんね。

1回戦 対コロちゃんぬさん

1回戦は素数判定員とタイムキーパーはいるものの、配信がなく、普通のテーブルで行われました。コロちゃんぬさんは去年の予選でも同卓になったプレイヤーで、2017年から大会に参加し続けています。試合の中では、2枚、3枚出しを中心に出す印象があります。

じゃんけんには負けてしまい1セット目は相手の先手から始まりました。3枚出しに対して手札が弱かったためカマトトしましたが、さらに3枚出しと堅実に手札を減らしてきました。この時点でKKQは揃っておらず、KKJを出すと手札が弱体化しそうだったため、相手の切り札がKKJでないことを祈って一度3桁の素数で返しました。

ここで相手にKKJを返されるとKKQがなくほぼ負けの場面でしたが、QTKが来たためKJJ(KTJ?)を返してジョーカーを温存しつつ親を取ることができました。相手が切り札を使ったことで手札が少なくなっていることが大きく、その後は上手く知っている5枚以上の素数を出していき、テンポよく勝ち切ることができました。

2セット目はこちらの先手で、大きめの8枚出しが揃っていたため相手に何も出させずに上がることができました。これで2-0の勝利、準々決勝に進みます。

準々決勝 対3TKさん

準々決勝からは配信が行われました。和室でカメラに囲まれての対戦ですが、本格的な雰囲気の割には落ち着いていられたと思います。むしろ大会前の期間の方が常に気が張っていた気がしますね。

それから、カード立てがあるのが地味に嬉しいです。ただでさえ手札を並び替えて考える必要があるゲームですから、24枚にもなると絵札の内容を覚えて脇に置いておくくらいのことをしないと戦略が立てられません。一方、常に見える形で置いておけさえするのであれば、合成数を組み替えて出したいときなどはオンラインよりも楽になります。

さて、対戦相手の3TKさんは素数大富豪歴5年以上でありながらこの1年で大きく実力を伸ばしているプレイヤーです。昨年末には第2期梅森(オンラインタイトル戦)を獲得するなど大会にも強いですが、不思議と私から見た相性は悪くありません。大会では8-6(セット)、非公式の記録でも勝ち越しています。今回もなんとか勝ちたいところです。

またしてもじゃんけんで負けてしまい1セット目は後手となりました。相手はすぐに勝てる切り札がなかったようで全出しし、安心できたのも一瞬だけ、なんとHNPされてしまいました。これでいきなり1敗、頭を抱えるしかありません。

気を取り直して2セット目は先手、初期手札はドローしてA3557799JQQXでした。初手で上がれそうな手札ではありますが、残念ながら99KQQTJのような素数は知りませんでした。理想的には絵札がもう1枚欲しいと思いつつ、57の後ドローして形が崩れるのが怖く、そのまま97JTQQA3と出しました。

意図としては、絵札が4枚である上、97で始まるため、相手は絵札が5枚なければ知っている素数を出しにくいだろうというものでした。シミュレーションによると何も出させない確率は56%ほどのようで、思ったよりは低いです。理論上反撃できる場合にしっかりと知っている素数を出せるよう、いろいろ覚えておきたくなりますね。

今回はちょうど7の部分が効いてパスさせることができ、1勝1敗とすることができました。

交代して3セット目は後手、ここでも相手の初手は全出し、今度は素数ではなく勝負が始まったという感じです。自分も全出しに失敗して24枚、しかし引き終わって見ると絵札がなんと6枚しかありません。

AAAXとあったので革命すれば面白いところですが相手は6枚出し。Xを温存して9QKQTJを出すもKKKTTJで返されます。その後に同じ9QKQTJを出されて面くらいましたが当然何もできずパス、そのまま上がられてしまいました。相手は絵札を11枚持っていたということで、こちらが出す数の選択は悪くなかったもののどうあがいても勝てないゲームでした。

というわけで、1-2で負け、準決勝進出はなりませんでした。特にミスらしいミスもなかったので敗因がじゃんけんくらいで、悔しいというか仕方ないという気持ちが大きかったです。強いて言うなら3セット目のこちらの全出しは29の倍数だったので、シンキングタイムも合わせてゴリゴリに頭を回せば避けられたかもしれないというのはあります。今後の研究に期待ですね。

解説

さて、解説についてもいろいろと面白いことがあったので書いておきます。私が解説を担当したのは準々決勝の2試合、準決勝の1試合、それから決勝でした。配信は常に二人が話す形式で、私はOTTYさんとペアを組み主に解説を担当しました。

大まかな流れとしては試合の最初や空き時間にプレイヤーの紹介を行い、試合中はその内容について説明するというものでした。手札の内容から取れる戦略、素数を出した際はその意図などについて、プレイヤーの立場で、できる限り考えられることを語れたかなと思います。

最初の方は緊張していましたが、OTTYさんのパスに助けられました。聞かれたことから話を広げていけばよく、全出しや四つ子素数などといった用語も初心者に分かりづらい部分は上手く補足していただけました。

準決勝以降の解説は慣れてきたことに加え、自分の試合がなくなったこともあってのびのびと話せたと思います。また、マリンさんと3TKさんの試合は両者ともに高度な立ち回りをしていたため、解説には特に熱が入りました。

さて、全く予想していなかったことに、今回の解説は非常に好評でした。強豪プレイヤーだけでなく、普段素数大富豪の大会に出ない方にも分かりやすかったという感想を頂き、この大舞台を盛り上げられたことを嬉しく思いました。mickeyさんからも立ち回りの解説がしっかりしていると言われ、素数大富豪というゲームへの自分なりの「理解」を活かせていたのなら何よりと思いました。また機会があれば同様の解説をしてみたいですね。

まとめ

まずは、2023年のベスト4という成績を超えられなかったことは、やはり少し残念でした。ただし、昨年はこれ以上ないくらいの運に恵まれていました。素数の女神がいるとすれば、昨年の私には「素数大富豪の世界においで」ときっかけになる成功体験を与え、一方で今年の私には「これからも頑張ってね」と目標を残しておいてくれたのだと思いました。

次のマスプライム杯も今から楽しみなところですが、分かりやすい実力の証明としては他にも梅森戦やPQCSなど定期的なオンラインの大会があります。ひとまずはそちらに向けて練習していきたいです。

それから、今回の大会でもまた多くの方と話せました。初参加の方もいれば何年も前から参加している方も。ブログを読んでいただいていることが分かったり、素数についての質問を受けたりして、今後の活動のモチベーションが上がりました。4枚6桁素数の記事とか早く書きたいですね。

解説についても、まずは自分が楽しみながらできたかなと思っています。同時に、多くの人に素数大富豪の勝負の面白さを伝えられるものになったのは、本当に嬉しいです。今回の経験を、また解説記事や動画を作る上で役立てていきたい、というように夢も広がりました。

最後に、マスプライム杯という大きな大会を中心となって進めてくださった運営の皆様、優勝予想を頂いたmickeyさん・完全数さん、ペアとなって実況を盛り上げてくれたOTTYさん、それから参加者・観戦者の皆さん、ありがとうございました! また、これからも広がり続けるであろう素数大富豪の世界のどこかでお会いしましょう。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

こんにちは、さしみです。今回は、素数大富豪初心者が大会に挑むなら、という設定で、絶対に覚えておくべき素数を紹介します。去年のマスプライム杯の前に出ていたら自分の役に立っただろうな、と思えるような記事にしていきます。最後の方に立ち回りについても軽く触れますが、ルールは全て理解していることを前提とするのでもし不安な点があれば以下の記事で復習しておいてください。

https://primeqk.themedia.jp/pages/4500251/rules

KKJ

まずは3枚出し最強素数KKJです。これを覚えているだけで、どれだけ強い人が相手でも何もさせずに勝てる確率が5%くらいあります。と言ってもその活用方法はとても基本的なもの。3枚出しをして、次にKKJを出して、残りの札で上がるだけです。残りは基本5~6枚になりますが、3でさえ割れなければ適当に出しても3割くらいは素数になります。もし運よく57を持っていれば、3枚出しだけで全ての手を作れることもあります。

ところで、なぜこの何の変哲もない戦術でKKJが強いのか。強い人は最初の3枚出しに対し、合成数カマトトと呼ばれる、わざと手札の全てを使って間違った手を出すことで手札を24枚にする技を使ってくるからです。後に紹介するKJQJや、KKJより弱いKQKなどの素数で同じように上がろうとすると、高確率で24枚の手札からより強い切り札を出されて負けてしまうのです。

しかし、KKJより大きい数はKKQ=2^4×29×283とKKKしかなく、Kに加えて偏った数札を使うため、仮に相手の手札が24枚になっても3割くらいしか返されません。そのため、最も簡単・頻出かつ対策困難な戦術として、真っ先に紹介するだけの価値があります。

②KJQJ

次に、4枚出し最強素数のKJQJです。こちらも、4枚出しをして、KJQJを出して、残りの札で上がるという戦術が基本になります。残りが3枚出しになることがあるため、そちらに知っている素数を残して最初の4枚を勘で出す、というローリスクな行動ができるのは3枚出しに勝る点でしょう。

しかし、もし相手がカマトトして手札が24枚になっている場合は、そのままKJQJを出すのは危険な場合があります。KJQJを超える合成数(overKJQJ)はKKQより揃いやすいものも含め30種類以上あり、有名な10種類程度を覚えているプレイヤーにとって、KJQJは8割程度返せるものだからです。

もちろん、相手がoverKJQJを知らないと考えられる場合はKJQJは絶対的な切り札になりえますし、そもそも揃わないこと、返されてもどこかでミスがある可能性に賭けることもできます。ただ、ここでは相手がとても強い場合を想定して、もう一つおすすめの方針を紹介します。

それは、4枚出しに対して相手がカマトトしてきた時点で全出しをすることです。全出しとは、自分が持っている手札を全て使った数を出すことで、それが素数であれば一気に上がることができます。こうすることで、相手がカマトトしてきた場合でも、初めから全出しよりは高い確率で一発勝ちを狙えます。もちろん4枚出しに返された場合はKJQJを出せばよいです。

ちなみに、この全出しの代わりに確実に素数を出して上がれるような札を用意しておく、二刀流という技もあります。余分に覚える素数が増えますが、使いこなせれば強力なので、興味があれば以下の記事をチェックしてみてください。

https://hana3101382283.hatenablog.com/entry/2020/05/31/kaieda

③KTQJ

KJQJに似ている4枚出しをもう一つ紹介します。KTQJは絵札を1枚ずつ使うため、非常に揃いやすく様々な場面で役に立ちます。初心者同士の対戦であれば雑に切り札にしても良いでしょう。

強い人との対戦では、ほとんどKJQJと同じように使うことができます。同じ4枚出しなので、相手からはどちらを持っているのか分からないのも長所です。3枚出しの他の切り札を使う場合や、そもそも全く切り札を持たずに出す場合も同様ですが。ただしKTQJにはKJQJのほかKJTKという素数でも返せることは覚えておいても良いでしょう(KJTK自体はKKJが強く比較的重要度が低いのでうろ覚えでも大丈夫です)。

④KKQTJ

5枚出しにも触れておきましょう。KKQTJは並びが綺麗な、5枚出しで2番目に強い素数です。流石5枚出しでKが連続しているということもあって、KKJ並みに返されづらいのが魅力です。もしラッキーなことに初手に揃っていたら、最初の5枚を勘で出してでも活用してみましょう。

⑤KKQKJ

KKQTJが一見強そうなのでそれより大きい素数はないような気がしてしまいます(私だけかも)が、一つだけ上があります。それがKKQKJで、Kとして使える札が6枚(ジョーカー込み)しかない中3枚使っているため明らかに強いです。どちらも多く手札を抱えているときなど、相手がKKQTJで親を取ろうとしてきたら出すと効果的です。相手が30枚くらい持つ流れになると、合成数で返されることはあります。

⑥KK=13×T1

素数ではないですがKKも紹介しておきましょう。おまけっぽくなっていますがとても強いです。合成数出しというとハードルが高そうですが、1313は13で割れば101と簡単に素因数分解できるので覚えられると思います。これは2枚出しで、それ以上大きい数をどうやっても作れないため、絶対に返されることがありません。

初手にこの5~6枚が揃っていた場合、2枚出しをしてKK、残りとすることで知識があまりなくても勝ちを確定させられます。カマトトなど関係ありません。2枚出しを2回しても良いでしょう。

また、もし手札が増えてしまっても、しつこく2枚出しを続けることで相手にKKを警戒させてプレッシャーをかけることができます。

立ち回り

何度か言及していますが、強い人はすぐに全出しやカマトトをして手札を24枚にしてくる(そうしないのは相手が先手で勝ちを確信しているときが主)ため、それを前提にして少しでも勝つ確率を上げられる戦略の一例を示します。

まずは、今までに紹介した切り札があればそれを使って勝ちにいくことです。手札を減らして残りが分からないという事態になっても、初めから全出しするよりは上がりやすいことが多いです。もし余裕があれば他の強い素数を覚えるのも良いですが、数札や偶数が多い素数も重要です。

次に、困ったら全出しをするのが強いです(諸説あります)。個人的には、手札の増えた相手に無策で何か出すより、全出しをして少しでも勝ちの可能性を掴みにいく動きをしたいところです。失敗しても手札が強くなればKKQKJなどを出すチャンスが来るかもしれないですし。

それから、もし手札が増えた後、相手がすぐに上がってこなければ、まずはできるだけ何か出すようにしましょう。特に相手から何か出してきた場合は、全く分からなくても何か返そうとしてみた方が手番を取れる可能性が高くなります。その上で、上手いタイミングでKKJなどを出し、再び全出しできると良さそうです。

こちらから攻めたいときは、KKがあればちまちまと2枚出しをしていくと上がるチャンスを狙いやすい気がします。最悪KKを出せば絶対に親を取れるので。ただし、そうすると偶数が余りがちなので、864211や82654654X(Xは1,3,7,9のどれでもよい)のような偶数を大量に使う素数を覚えられればベストです。

最後に、これらの戦略は強い人(これが参考になるレベルからすると超強い人)相手のものです。同じ初心者やあまりカマトトをしないプレイヤー相手では、3枚3桁の素数(881,883,887など)をしっかり覚えて、淡々と3枚出しをしていくくらいが確実に上がりを目指せて良いかもしれません。相手の実績(オンラインのゴツそうな大会でベスト4とかに入っているとかなり強いです)やプレイングを見て判断してみましょう。

基本に忠実な立ち回りをするなら以下の記事がとても参考になります。

https://prime-hu.hatenablog.com/entry/2020/05/25/203419

おわりに

長々と書きましたが、素数を覚えるのが面倒だけど戦略を練って勝ちたい! という、この記事が刺さる人は本当にこれから出てくるのでしょうか。去年の私がそうだった(で、KTQJを間違えたしKKQKJの存在を知らなかった)ので個人的には結構有益記事なんですが、自己満足になってしまうかもしれませんね。

だとしたら、初めて大会に出る人に言えることはただ一つです。楽しんでください! 特にマスプライム杯をはじめとする対面の大会はとても盛り上がります。

こんにちは、さしみです。以前公開した記事で、競技素数大富豪、すなわちルールの範囲内で知識と立ち回りを極める素数大富豪が、なぜ盛り上がっていないのかについて、私の考えを述べました。そこでは、主にゲームの面白さを理解、体験するために求められる知識の多さを問題として挙げました。気になる方は、ぜひそちらの記事も読んでみてください。

https://greenplus.hatenablog.com/entry/2024/06/10/171506

ということで、今回は、競技素数大富豪で勝負することのエッセンスを詰め込んだ、しかし素数を覚える必要のないルールを提案します。初期手札を7枚にした上で枚数制限を追加することでゲームの流れを単純化し、素数表で最低限必要な知識を補っていることがポイントです。そうすることで、素数大富豪に触れたことがないボードゲーム好きに、爽快な勝ちパターンを体験してもらうことを目的としています。

……なのですが、関連して書きたいことばかり増え、さらにいろいろと作っているうちに力尽きてしまいました。そのため、この記事では最低限の枠組みだけを発表することにして、その解釈はまた別の機会に書くことにします。

小競技素数大富豪マニュアルver.1.0

まずは以下のファイルをご覧ください。これが、素数大富豪の競技性を保ったまま考えることを減らした「ミニ競技素数大富豪」です。最終的には、このようなドキュメント一つで初見の人同士が素数大富豪にハマれるようになることを目指しています。

https://drive.google.com/file/d/1hPT3HAPQ2H5L0yiURk8k_8SCZKpXXz2b/view?usp=sharing

素数大富豪初見の方へ

残念ながら、上の説明だけでミニ競技素数大富豪を十分に楽しむのは難しいでしょう。前提となっている素数大富豪のルールは完全に省かれていますし、経験者にしか分からない表記も多いです。もちろんやる気があれば不可能とは思いませんが、それだけできるなら普通の競技素数大富豪にも参入できるでしょう。

そこで、少しでも疑問に答えられるよう、こちらでも補足をしていきます。まずは、以下に挙げる素数大富豪のルールを読んでみてください。「素数大富豪で遊ぼう会」や「素数大富豪ランチ会」に参加し、教えてもらうのも良いでしょう。

https://primeqk.themedia.jp/pages/4500251/rules

素数大富豪のルールが理解できればもうあと少しです。ミニ競技素数大富豪の本質は、手札を7枚から始めることと、勝つことに最適化された素数表を見られることです。マニュアルの細かい部分が分かりづらければ、その2つだけを念頭に置いて自分で勝ち方を考えてみてください。

マニュアルに載っているフローチャートの意図はやはり現状では説明不足でしょう。それに繋がる、ミニ競技素数大富豪で体験していただきたい素数大富豪の勝ちパターンについては、今後別の記事でしっかりと解説する予定です。それまでの間、あるいはその後でも、疑問があれば遠慮なく(Twitterなどで)質問してください。

素数大富豪経験者の方へ

経験者の方には、この資料を競技素数大富豪布教の参考としていただければと思います。もし素数大富豪をガチでやりたいけど知識がない、どんなゲームか分からないという方を見つけたら、ぜひミニ競技素数大富豪やそれに近い形のルールを導入してみてください。細かいルールや素数表は変更していただいて構いません。

また、競技素数大富豪からいくらか外れた部分もあるのでこちらでは説明しておきます。大きなものは、カマトトの対策くらいでしょうか。二刀流用の素数表はありませんが、カマトトされた場合は全出しして手札を12枚以上にし、引き分けに持ち込めるようにすることでバランスを取っています。同様に全出し戦も判定により省略しています。

あとは合成数出しが軽視されていたり、経験者視点では有効な4-4の対策ができていなかったりします。この辺はある程度修正する予定ですが、完全に解決するのは難しそうです。初心者同士では大きな問題は起こらないと思っています。他にも、特に遊んでみて気になる点があれば、教えていただけると助かります。

おわりに

完成したとは言えないところですが、とりあえず公開できて安心しています。これから、様々な方の意見を取り入れて改善していきたいですね。最終的に競技素数大富豪の布教の助けになれば、あるいは新しいルールを考える参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

こんにちは、さしみです。少し前にPQCS2024夏の1次予選について参加記を書きました。その後、私は2次予選を1勝1敗で通過し、準決勝で敗退、ベスト4の結果を残すことができました。今回はそこでの全3試合を紹介していきます。前の記事と合わせてご覧ください。

PQCS2024夏参加記 1次予選 - green+の無人島

対ささらさん

ささらさんは2019年から大会に出ているプレイヤーで、二刀流戦術を大きな武器としています。実際、直前の鼎猫さんとの試合では、KQK、KJQJ、KTQJを切り札とした二刀流で3勝を挙げています。こちらとしては、全出しができるゲームをしっかり取っていきたいところです。

さしみ:(4678A3KT938)

ささら:(Q6K9JX44K6J)

さしみ:D(X)96T8X33AK|X=5

ささら:D(2)KKQJ4466J,P(ATJQ9A972)

さしみ:487#

第1セットは私の先手でした。全出ししても悪くないところですが、Xを引いて知っている9枚出しが揃ったのでそれで攻めることにしました。無事に通り、まずは1勝です。

ささら:(3A87AKQ3A77)

さしみ:(2JKQ8JK4TJQ)

ささら:D(Q)QQ33AAA778K,P(7642556XK24)

さしみ:D(9)JJJQ2Q4K8KT9,P(993XJ2T55T84)

ささら:D(6)24683

さしみ:D(3)84523

ささら:D(6)KQKQX|X=J

さしみ:KKQTJ

ささら:%

さしみ:948TT59

ささら:D(T)%

さしみ:XQJJJ|X=K

ささら:%

さしみ:9=3^2#

第2セットは後手です。相手は有効な手がなかったようで全出ししてきました。知っていればKKQJQTJ→842Jと組んで初手から勝負を決めに行っても良い場面でしたが、実戦はこちらも全出しに踏み切りました。

すると、こちらは絵札が12枚と、Kが十分にありJが4枚というその内訳も含めてとても有利な手札になりました。5枚出しに対して即座に負けることはありえないと判断できたため、5桁には5桁で返し、KQKQJにはKKQTJと有利を崩すことなく親を取れました。

ここで、自分の絵札は7枚、相手の絵札は多くても1枚であることが分かります。そこで、絵札が2枚入った素数を活かしつつ、相手にカマトトの隙を与えずに組み切ることができました。

さしみ:(Q35T2K7T62A)

ささら:(8787AJ5T93Q)

さしみ:72A2TQTK,P(352T74X8)

ささら:D(6)57[GC]

ささら:ATQ367889

さしみ:D(Q)867435XTK|X=6

ささら:D(J)%

さしみ:72QQTA23

ささら:%

さしみ:T=2*5#

第3セットは再び先手です。72QJTQJと間違えて72QTQTKを出してしまいましたが、これは3の倍数でした。そして、ペナルティを受けた手札は19枚、普段より少ないこともあり知っているoverKJQJがありません。もしKJQJの二刀流を組まれたら負ける、そう思ってひやひやしていました。

しかし相手は絵札に恵まれなかったようで、全出し寄りの動きをしてきました。そして9枚出しがHNP。即座に上がりとはならず命拾いしますが、普段よりこちらの手札が少ないこともあってやはり難しい局面にはなりました。

結局、時間いっぱい考えて、Xも使い、nishimuraさんの絵札可変型素数の一つである8674356TKを出しました。残りの手札はA222357TTQQと奇数が少なく捌きにくいものになってしまいましたが、四つ子素数の72QQTQXを見つけてTとQを消費でき、結果としては綺麗に勝ち切ることができました。

これで3-0のストレート勝ちです。運はかなり良い方でした。

対凪さん

2次予選は2つのトーナメントに分かれています。反対側で予選上位のカステラさんが勝ち抜けたことで、私はこの試合で負けても最多連勝の枠で決勝トーナメントに出ることができます。一方、相手の凪さんはここで負ければ即敗退となるため、気持ちとしては向こうの方が必死だったと思います。

とはいえ、手を抜くわけにはいきません。凪さんには記事にも書いた1次予選で既に負けており、ここでリベンジしておきたいところです。普通に決勝トーナメントでまた当たるのも怖いですし。

凪:(J7Q577823JQ)

さしみ:(6J824T6K3K8)

凪:D(T)8QQJTJ

さしみ:D(X)8KKXTJ|X=Q

凪:%

さしみ:D(9)983

凪:D(J)72J

さしみ:%

凪:57[GC]

凪:73#

第1セットは凪さんの先手でした。8QQJTJに対して奇跡的に5枚目の絵札としてXを引くことができたため8KKQTJで応戦、ここまでは最善の動きができました。

しかし、残りの手札は234668と微妙な感じです。私は6枚出しはさっぱりですが7枚出しはそこそこ知っています。5を引けば658246X、8を引けば284686Xが出せるなと思いながらドローしました。来たのは9、知っている素数での一発上がりは諦めるしかありません。そこで、相手も絵札を使い切っているだろうと読んで983→64=2^6で組むことにしました。

結局、読みは当たったものの相手は運よくJをドロー、72Jから上がられてしまいました。7桁のHNPは1001チェックを通しても1/3程度の確率にしかならないため、山札29枚に8枚しか眠っていない絵札を要求する983は、判断としては間違っていなかったと思います。864623と同レベルの素数を覚える日は来るのでしょうか(とか言いつつ面白い規則がある886243は覚えていますが)。

さしみ:(X68K6T5832T)

凪:(JK959Q62J27)

さしみ:D(4)T6T68K82345X|X=7,P(7QQT99375K38)

凪:D(4)24256JJQK799#

第2セットは私の先手になりました。特に切り札が見当たらなかったので全出ししたら、相手にHNPされました。はい。お互い24枚でもこちらにJがないことが確定しているのでだいぶ厳しそうですが。こちらの初手で人類が出せそうなのは62648QTTKとか82684QTTKとかでしょうか、覚えたくなってきます。

さしみ:(9T52J4957X6)

凪:(658KTQQT7K4)

さしみ:D(A)96TJ95X2A|X=6

凪:864TQTQKK

さしみ:%

凪:57[GC]#

第3セットは、勝ちたいなら関係ないものの連続して先手で気合いが入ります。しかし、自信を持って9枚出しをしたところあっさりと返されてしまいました。57で上がられていることから分かりますが、全出ししても負けています。

ということで、運にも恵まれず知識も足りずといった感じで今度はストレート負けしてしまいました。

対マリンさん

マリンさんは大会、オンラインともに常連で、このPQCSを前にして6回タイトルを獲得しているトッププレイヤーです。1枚出しから10枚出しまでのあらゆる素数を使いこなし、有利な状況での勝ちを絶対に逃さない立ち回りの強さを持っています。

この試合は私にとって3回目の大型大会の準決勝、初の決勝進出がかかった戦いになります。とはいえベスト4ともなるとどの相手も強く、今の実力と環境では10回の準決勝に出て1回優勝できるかといったところです。お祈りしつつ最善を尽くしましょう。

マリン:(3AXAKJ284X2)

さしみ:(3747986T57J)

マリン:KX=2*2^4*XA|X=Q|X=4

さしみ:D(K)%

マリン:J8A3#

第1セットはマリンさんの先手でした。初手KQから何もできずに組み切られました。これはどうしようもありません。ついでに私でも同じことができます。

さしみ:(QKK7A773Q62)

マリン:(58JXQ6A2K43)

さしみ:D(3)Q3Q3K7K7762A,P(Q95T229JT69X)

マリン:D(T)KQ=2^5*4A

さしみ:D(5)KK=TA*X|X=K

マリン:D(9)%

さしみ:D(A)5623

マリン:D(4)9643

さしみ:D(6)QQQJ

マリン:D(7)%

さしみ:D(J)659

マリン:D(K)KXJ|X=K

さしみ:D(A)%

マリン:T87#

第2セットはこちらが先手となります。全出しして悪くない手札になったところに、突然KQを出されました。なんとかKKで返すことはできたものの手札は大幅に弱体化、一度は4枚出しを制しますが絵札が足りなくなって組み切れませんでした。悔しい負けです。

とはいえ、実戦の状況から勝ち切るのは想像以上に難しいです。実は5623を出した場面で全出ししても相手は上がれなかったそうなのですが、そうしてもちょうどXと後のK3枚が拾えず意外と苦しくなります。途中で相手が都合よくカマトトしてくれればチャンスも回ってくるのですが。

いろいろと検討したところ、976231→Q2QQTJ→57→57→99623と組むのが一番人類向けに見えます。ただ、相手の合成数カマトトには全出しでぴったりK3枚まで取れますが、素数でカマトトされると厳しいような気もしますね。知らんけど。我こそはという方はnishimuraさんの数譜再生くんで最強の組み切りを考えてみてください。

https://searial.web.fc2.com/tools/sosusaisei.html

マリン:(T934KK935TJ)

さしみ:(AKQ94J76QA4)

マリン:D(5)55343

さしみ:D(3)96443

マリン:9JTKK

さしみ:D(K)KQKQJ

マリン:%

さしみ:7

マリン:D(8)9=8^T,P(AT7)

さしみ:AA#

第3セットは後手でした。相手の5枚出しに対して、ドロー次第では5枚10桁を返せるようにと、しっかり5桁の素数で返せたのは個人的には嬉しいポイントです。黒しじみ。相手の切り札は9JTKKとそこそこ強いですが、Tを引けばQJQTK、KまたはXを引けばKQKQJを返すことができます。運命のドローは……。

30枚中5枚の当たりを引きました。KQKQJで返します。とはいえ、残りの手札はAA7となっていて意外ときついです。理想を言えば、初手は76441のような素数を返してKQKQJ→139と即座に上がれるようにすべきでした。こちらならJドローでも9QKJJ→QA3で勝てますし。この辺りは突き詰めるとキリがありません。

ともかく、私には2つの選択肢がありました。返されないことに賭けて7を出すか、引いてみるか。これには悩みました。

ここで、出された札について考えてみましょう。Jは2枚、Kに至っては4枚が既に場に出されています。すると、相手は、JかXを持っていなければ素数で7に返すことはできません。しかし、今手札にそれを持っている可能性はとても低いです。もしJが手元にあれば切り札はKKJTJだったはずですから。

そして、山札29枚のうち、JとXは合わせて4枚。先ほど鬼のようなツモをした後で過信するものではありませんが、ドローに決めて3の倍数になるよりは確率が低いでしょう。そこまで考えて、実戦では7を出しました。

ちなみに、その理由として、ドローして知らない組み合わせになるのが怖い、とも思っていましたが、これは杞憂でした。詰まない組は8通り、どれも知っている素数で上がることができたようです。全部そこそこ基本ですね。ただし、やはり実戦の方が勝てそうです。

ということで、相手がドローしたのは8、少ない枚数で合成数もなく、無事にAAで上がることができました。

さしみ:(2A698J32A9T)

マリン:(5JK73446AK8)

さしみ:D(Q)9Q9A2T8J6A23,P(K877T74JJ559)

マリン:D(Q)JQKKA3445678,P(X5T8T4KAX3Q3)

さしみ:D(6)57[GC]

さしみ:D(2)57[GC]

さしみ:D(9)92692847J9,P(2Q65757)

マリン:57[GC]

マリン:D(5)885564A3A3

さしみ:D(7)987643A2TJ

マリン:KKKQQJXTTX|X=J|X=J

さしみ:%

マリン:443#

第4セットは先手となります。全出し後にK1枚絵札7枚と、勝ち筋の見当たらない手札です。数札が比較的均等なので超多枚を出そうと思いましたが、4抜きを十分に覚えていなかったため知っているものはありませんでした。

結局、山札の残りを回収して手番を渡し、10枚出しで組み切られてしまいました。手札の差があったので仕方ない面はあります。一応、超多枚を活用するなら998877665532KQTJQTJ→J1497と出せば勝つことができたようです。後ろはHNPを狙っても良いでしょう。

これで、1-3で負けが決まりました。第2セットでの綺麗な立ち回りか、第4セットでの超多枚からのHNPができればまだ勝機はあったと思いますが、全体的な運は若干の逆風だったと言えるでしょう。

まとめ

2次予選をなんとか通過し、決勝トーナメントに入ることはできましたが、準決勝は敗退、決勝進出はなりませんでした。また、その後の決勝ではカステラさんがマリンさんを破り優勝、タイトルを獲得しました。おめでとうございます。私もこれから優勝を射程圏内にできるよう、地道に知識を増やしていきたいですね。

おわりに

PQCS2024夏の参加記としてはこれで終わりになります。最後までお読みいただきありがとうございました。大会主催のマリンさん、対戦相手の皆さんにも深く感謝を申し上げます。それではまた次回!