カメのひとりごと (original) (raw)
*さすが、大物カメ輔! 背中に何かが乗っても、少しも動じる様子はありません。
吾輩は、何か嫌な予感がしていた。
すると、今度は奥さんが、吾輩に対してとんでもないことを言ったのである。
奥さん:カメ子、あなたは、どうしていつもガタガタと音を立てて水槽の壁をよじ登ろうとするの?カメ輔のお兄ちゃんなのだから、もう少し静かにしてなくちゃダメでしょう。あなたが私の家に来た時は、500円玉ぐらいの大きさしかなくて小さくてかわいかったのに、ずいぶん大きくなって大人になったものね。
吾輩は、奥さんの発言を聞き、愕然とした。
「ずいぶん大きくなって大人になったものね」とは、吾輩のことを今は大きくてかわいくない。と皮肉を言っているように聞こえてならないのである。
さらに、吾輩が驚愕したのは、水槽の上を網で覆ったのは奥さんだったということだ。
しかも、カメ輔の水槽には網を被せてはいない。
ああ~奥さんは、本当は吾輩のことが好きじゃないのか?
吾輩は、ショックで急に頭の中が真っ白になり、主人や奥さんと会話も交すことができなくなってしまった。
そして、とうとう水槽の隅の暗いところにうずくまり、いつの間にか眠りについてしまったのである。
今日は何か良いことが起こるような予感がしていたが、やっぱり違っていた。
そして、吾輩は、真夜中にふと目が覚めた。
ずいぶん時間も経過し、ようやく、ショックから立ち直ってきたようなので、隣で寝ているカメ輔に昨日起きた「あの事」を聞いてみることにした。
すると、カメ輔から予想もしていなかった言葉が返ってきたのである。
カメ輔:えっ、「あの事」っていったい何のこと?
ああ、「あの事」ね。そのことについて本当のことを言うと、今、僕は人間社会の金融について勉強しているのだよ。
そして、特に気になっていることは、「今後の円の値動き」なのさ。
一時、1ドル160円になったとき、奥さんと主人が、「あーでもない。こーでもない」と意見を交わし心配している様子だったので、僕も内心物凄く心配していた。
食料や燃料を輸入に頼っている現在の日本では、円の変動は、物の価格に影響し、我が家の家計にも影響する。僕たちの餌代と電気代もバカにはならないからね!
僕が金融の勉強をして、少しでも奥さんと主人の手助けができればいいなぁ。と思っているのさ。それで、you tubeから聞こえてくる金融の話を聞いて一生懸命勉強しているのだよ。
吾輩は、何も考えていない自分と比べ、しっかりした考えを持っているカメ輔のこの言葉を聞き、唖然として言葉を見失った。
すると、さらにカメ輔の口からびっくり仰天するような言葉が飛び出してきたのである。
カメ輔:カメ子兄ちゃん。水槽の上を網で覆った奥さんを嫌いにならない方が良いと思うよ。だって、奥さんが、カメ子兄ちゃんのためを思ってしてくれたことなのだよ。
いつだったか忘れたけど奥さんが、「カメ子は、いつも水槽の壁によじ登って外に逃げようとする。もし、私達が家に居ないときに水槽の下に落ちて脳震盪にでもなったら、ひっくり返ったままで、そのまま死んでしまうかもしれない。これは、カメ子のことを思ってやっていることで、決していじめているわけじゃないのよ」と言っていたのを聞いたことがある。
その時、「カメ輔が、吾輩のことを慰めてくれている。カメ輔もずいぶん大人になったものだ」と思い、心の底から感心した。
そして、「カメ輔は何かを持っている」という奥さんの洞察力は間違っていなかった。さすが奥さんの眼力はすごいなぁ。と思った。
そうか、奥さんは吾輩のことを思って温かく見守っていてくれていたのか。
ああ~本当のことが分かって良かった。奥さん、いつも吾輩のことを心配してくれてどうもありがとうございます。本当に感謝しています。
そして、カメ輔。奥さんが水槽の上を網で覆った理由を教えてくれて本当にありがとう。
あっ、そうだ、すっかり忘れていたが、全ての話のきっかけを作ってくれた主人にも「どうもありがとうございます」とお礼を言いたい。
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ある日の午後、主人が吾輩のいる水槽に近づいて来た。
吾輩は、「きっと、いつもの巡回だろう」と思い、相手にしなかった。
しかし、主人は、いつもとは違い、水槽全体に被せている板の一部をはずし、その隙間から吾輩をじっと覗いていたのである。
いつもは板もはずさず、こちらをちらっと見て、さっさとその場を立ち去るのに・・・。「なしか?※1」と不思議に思っていると、今日は何か良いことが起きるような予感がしてきた。
それで、吾輩は、主人に出来るだけ近づきたいと思い、水槽の壁をよじ登ったのである。
そして、主人は、吾輩の顔のすぐ近くまで自分の顔を接近させてきた。
吾輩は、「何か美味しい食べ物をくれるのかなぁ?」と期待して、普段はあまり使わないカメ語で、クスクスとのどを鳴らしたのである。すると、主人は、
主人:おい、カメ子いったいどうした?
いつもはテレパシーで会話をしているのに、今日は、わざわざカメ語で、「どうしたの?」と言ってきたりして。
でも、この後、吾輩が期待していた言葉が主人の口からは出ず、意外な言葉が返ってきたのである。
主人:お前も知っているように、今、我が家にはいろいろな出来事が起こり、ごたごたしている。
それで、お前達の水替えや三度の飯の支度を十分にしてやることが出来ず、迷惑をかけているので、謝罪をしに来たのだ。本当にごめんよ!
主人からは、吾輩が期待していたような良い話はなかったが、なぜかとても胸が熱くなり、「何だ。そんなことか。我が家の事情はみんなわかっているので、あまり気にしないでも良いよ」と答えた。
すると、この後、主人はカメ輔がいる水槽に向かって行った。
そして、水槽の中を覗き込み、主人は言ったのである。
主人:おい、カメ輔。最近ワシらがパソコンでyou tubeを観ているとお前はいつもこちらを向いているなぁ。
もしかして、人間の言葉や人間社会のことを勉強しているのか?
すると、奥さんが突然、主人とカメ輔の会話に割り込んできたのである。
奥さん:カメの世界では、賢いカメのことを「能ある亀は頭(ず)を隠す※2」と言われているみたいだけれど、もしかしたら、カメ輔はそうかもしれないわね。
カメ輔は、たくさんいるカメの中から激選して我が家に連れてきたカメだもの※3。彼は、一番先頭ではなく、いつも二番手を走っているような目立たないカメだったけれど、何か特別な物を持っていると感じたのよ!
彼を選んだ私の目に狂いはなかったわ。
吾輩はそれを聞き、「ほう、なるほど。でもちょっとカメ輔をかいかぶり過ぎだよ」と思った。
このことについては、今夜にでもカメ輔にこっそり聞いてみることにしよう。
そして、この後、奥さんからもっとびっくりするような爆弾発言が飛び出してきたのである。
次回の話は、ますますおもしろくなるので、乞うご期待!
※1:なぜ?(大分県の方言)
※2:人間社会では「能ある鷹は爪を隠す」というが、カメの世界では「能ある亀は頭を隠す」と言っているらしい。
※2:第142話 自我のめざめ
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※ 久々にカメ輔君が登場!
最近、どうやら、奥さんの体調が悪い様子だ。
大丈夫かなぁ?奥さんが病気になって寝込んだら、我が家は崩壊してしまう。
吾輩は、とても心配なので、いつものように二人の会話を盗み聞きすることにした。
主人:おい、体調が悪そうだなぁ。大丈夫か?
奥さん:それが、大丈夫じゃないのよ。明日、病院に行きたいから連れて行ってくれない。
主人:ああ、いいよ。
そして、翌日の朝になり奥さんと主人は、車で病院に行き、その日の夕方遅くに戻ってきた。
奥さんの病状が気になって仕方がない吾輩は、再び二人の会話を盗み聞きすることにした。
主人:先生から、どこが悪いと言われたの?
奥さん:先生に血液検査と診察をしてもらったけれど、特に悪いところはないと言われたの。
そして、体調不良の原因は、「あなた」が原因じゃないか?とも言われたわよ!
主人:なに~ワシが原因?
奥さん:先生から、最近、何か変わったことはありませんか?と聞かれ、今まで、ずっと昼間は、一人で過ごしていましたが、主人が退職し、ずっと家でゴロゴロして何も手伝ってくれないので、いつもイライラしています。
私が文句を言えば、主人が怒るので何も言えません。
私は、三度の食事の支度と片付け、掃除、洗濯などの家事に追われ、自分の趣味を楽しむ時間やゆっくりお茶を飲む時間もありません。と答えたのよ。
そうしたら、先生が「それが、原因の夫源病です」今、「夫源病」になるご婦人が多いのですよ。と、おっしゃったのよ。
今どきの若い男性は、積極的に家事をやる人が多いそうだが、あなた達ぐらいの年代の男性は、「男子厨房に入らず」というように育てられたので、自分から積極的に家事をすることはない。
それで、奥さん達のストレスが溜まって、体にいろいろな症状が出てくるのだって。
体って本当に正直ね。
妻に夫源病を引き起こす夫のタイプは、妻に何でも依存し、威圧的な話をする。わがままで身勝手な発言をし、気分屋ですぐ怒鳴るなどの特徴があるのだって。
まさしく、あなただわ!
主人:ワシが原因だったのか?すまんなぁ。
ワシは家事をやらないのじゃなくて、やったことがないから、やり方がわからないだけだよ!
ワシは、「坊ちゃん育ち」だからなぁ~
今度から、手伝うからやり方を教えてくれよ!
と言うと、素早く奥さんが切り返して言った。
奥さん:何言っているのよ。あなたは、「坊ちゃん」じゃなくて、「貧乏坊ちゃん」じゃないの。その言葉、よく覚えておくからね!
カメ子:吾輩は、主人のことをロマンチストだと思っていたが、奥さんにとっては、カッコいい人ではなかったらしい。それにしても、奥さんの体に異常がなくて本当に良かった。早く原因がわかり、主人も反省しているようなので、どうやら熟年離婚は、避けられたようだ。あとは、主人の精進次第だ。
奥さん、これからは、我慢しないで主人をこき使っていいからね!
でも、ちょっと不安だ。二人が喧嘩をすると、吾輩とカメ輔に、とばっちりが来るからなぁ~クワバラクワバラ。
読者の皆様へ
2024年8月8日16時43分の日向灘を震源とする地震で被害にあわれた方々へお見舞い申し上げます。
我が家も強い横揺れで、カメ子、カメ輔の水槽の水が大きく揺れて飛び散り、床は、ずぶ濡れ。びっくりしたカメ子は、目をクリクリさせていました。
皆様のお宅では、飲料水、携帯トイレ、食料品、医薬品、防災グッズ等の備蓄は出来ていますか?
すでに、スーパーマーケットの店頭からは、飲料水などが無くなり買えない状況になっているそうです。
何も準備が出来ていなくて地震がきたら不安だと思っている方は、楽天のネットショッピングでは、まだ、買えますので、10日分ぐらいの備蓄をしてください。
↑ ↑ ↑ 災害時は、冷蔵庫も使用できなくなりますので、飲み切りサイズがおすすめです。 |
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↑ ↑ ↑ 1台4役なので、災害時以外でも椅子や踏み台として使用できますよ! |
↑ ↑ ↑ 黒いビニール袋も全てセットになっていますので、便利ですよ! |
↑ ↑ ↑ 軽くて小さいので、バックに入れて持ち歩くのに便利です。 |
そして、避難場所、避難所までの経路の確認は出来ていますか?
暑いので熱中症に気を付けながら、ブロック塀、危険個所、到着時間などを徒歩で確認しておくことをおすすめします。
これから、近い将来起こるかもしれない南海トラフ巨大地震に備え、何が起こっても決して諦めない強い心を持ち、未曽有の災害に立ち向かっていきましょう。
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主人が、吾輩に向かって言った。
主人:おい、カメ子。いつの間にか随分たくましくなったなぁ~
お前に噛まれた指が、まだ、痛くてたまらんよ。
ところで、お前にとても残念な知らせをしなければいけなくなった。
今日のお花見は、奥さんの都合で中止することになった。
(カメ子:やっぱり、吾輩の嫌な予感が的中した)
期待させておいてすまんなぁ。その償いとして、お花見弁当に入れるはずだったウインナーを食べさせたのだ。どうだ、ウインナーは、おいしかったか?
以前に行ったお花見で食べた弁当を思い出し、楽しかったことを思い出してくれ。
カメ子:ああ~そうだったのか。昔どこかで、食べたことがある味だとは思っていたが、残念無念だ。
そう言い残し、主人は、次にカメ輔のいる水槽に向かって行った。
そして、例のウインナーをカメ輔に与えようとした。すると、カメ輔は、主人が指でつかんでいるウインナーに向かって突進してきた。そして、カメ輔も間髪入れず、ウインナーにかじりついたのである。それを観て、主人はびっくり仰天した。
主人:お~なんということか。お前は、そうまでしてウインナーが食べたかったのか。
いつもは、初めて食べる物は警戒して食べないのに、ワシがカメ子と話しているのを聞き、たった一度だけ食べたことがあるお花見のウインナーを思い出して食べたのだな。(カメ子:えっ?)
カメ輔、ごめんなぁ。今日は奥さんの都合で、お花見に行けなくなったのだ。その代わりにこのウインナーを食べて許してくれ。
その時、突然、奥さんが主人とカメ輔の会話に割り込み、主人に向かって言ったのである。
奥さん:あなた、バカなことを言うわね。昔、カメ輔を花見に連れて行ったことはあるけど、ウインナーは食べさせていないわよ。(カメ子:そうだろう。吾輩もそう思ったよ)
今日カメ輔は、物凄くお腹が空いていたので、無我夢中で食べただけで、お花見を思い出して食べたわけじゃないのよ。あなたはいつもロマン※4を追っていて、男の人ってロマンチストなのね。女性は忙しいので、夢を追っている暇なんてないのよ。本当に男性がうらやましいわ。
と言い、次に奥さんは、吾輩に向かって言った。
奥さん:カメ子、ごめんね。私の用事で、お花見が中止になってしまって。実は、急に病院に行かなければいけなくなったのよ。だから、朝早くから起きてお花見用の食べ物を作っていたのよ。次は、必ずお花見に連れて行くからね。そして、あなたの大好きなウインナーと卵焼き、プチトマト等も入れてあげるからね。
吾輩は、奥さんが病院に行かなければいけなくなった話を聞き、「ああ~そうだったのか。それじゃあ仕方がないなぁ」と思った。
奥さんは、自分の病気のことを淡々と話し、体調が悪いのに、朝早くから起きて花見の準備をしてくれていたのか。奥さんの言っていたとおり、女性は本当に忙しいので、夢を見ている時間なんてないのだなぁと思った。
さすが、奥さんはリアリスト※5だ。
一方、吾輩はどうも主人と同じでロマンチストのようだ。
御主人様、夢想に浸る時間があるなら、たまにはリアリストになって、奥さんの家事を手伝ってあげたらどうだい。
でも、奥さんの体調は、大丈夫かなぁ?
ちょっと奥さんの病気のことが心配になってきた。
(後記)
今回の出来事をもう一度思い出すと、何だかムカムカして腹立たしく思えてきました。
第187話は、これで一旦、終わりとしますが、気持ちはこれで修まりそうになく、次回はとんでもない話に発展することになります。
乞う、御期待!
以上
※1:素敵な出会い1 書籍(カメのひとりごと)
※2:素敵な出会い2 書籍(カメのひとりごと)
※3:第150話 フイアンセ
※4:甘美で情緒的なものを好み、夢や理想の世界に憧れを抱いている人のこと。
※5:第147話 リアリスト
リアリスト:現実を最重視する態度。 理想を追うことなく、現実の事態に即して事を処理しようとする人
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ある日の夜、主人と奥さんが何かひそひそ話をしているのが聞こえた。
吾輩は、今日も暇を持て余していたので、いつものように2人の会話を盗み聞きすることにした。
すると、2人の会話が終わったようで、主人が吾輩のいる水槽に近づき、いきなりこう言ったのである。
主人:おい、カメ子。良い知らせがあるぞ!
奥さんの都合次第だが、明日、お前達を花見に連れて行くことになった。
吾輩はそれを聞き、「なにっ!花見だと!」とびっくり仰天し、これはまさに、青天の霹靂(へいれき)だと思った。
コロナウイルスが流行って以降「花見」が全く出来なかったので、吾輩は「花見」という言葉をすっかり忘れてしまっていた。なんと懐かしい言葉だろう。
そして、その夜、吾輩はウキウキしてあまり良く眠れなかった。果たして以前花見に行ったのは、いつだったのだろうか?あの時に花見で出会った、おばあちゃんは今も元気にしているかなぁ~※1?
そして、刎頸(ふんけい)の友※2である鳩吉はどうしているだろうか?
あれから、一度我が家にフイアンセを連れて来た※3が、その後も2人で仲良く暮らしているのであろうか?
久しぶりにきれいな桜の花が見られると思うと嬉しい。ああ、早くきれいな桜の花が見たい。桜の花の下で、美味しい食べ物が食べたいよ。昔は良かったなぁ。ああ~あの懐かしい時に戻りたい。
早く明日が来ないかなぁ~
しかし、なぜだか自分でもよくわからないが、また、嫌な予感がしてきた。
そして、ついに、楽しみにしていた翌朝になり、吾輩は、いつもよりドキドキワクワクしていた。
と、その時、主人が吾輩のいる水槽に何か良い匂いがする物を持って近づいて来たのである。
その匂いは、主人の手から発せられているようで、今までに嗅いだことがある食欲がそそられる物であった。
そして、その物が吾輩の前に現れると、毒味もせずにいきなりガブッとかぶりついてしまったのである。ガブッ、ガブッ。実に美味であった。
すると、突然、主人が「痛い、痛い」と悲鳴をあげ「おい、カメ子、ワシの指まで噛むなよ」と言ったのである。
吾輩は、「やばい、やっちまった」と、思い、すぐ口を開けると、今度は、主人から吾輩を奈落の底に突き落とすような衝撃的な言葉が返ってきたのである。
果たして、その衝撃的な言葉とはいったい何だったのでしょうか?
次回を乞う御期待!
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※1:素敵な出会い1 書籍(カメのひとりごと)
※2:素敵な出会い2 書籍(カメのひとりごと)
※3:第150話 フイアンセ
どうも、最近、奥さんの様子がおかしい。
友達と頻繁に電話をし、その後、すぐにネットショッピングでいろいろな物を買っているようである。
吾輩は、「ケチな主人にバレたらヤバイことになるぞ」と内心ヒヤヒヤしていたが、とうとう恐れていたことが起こってしまった。
主人は、開口一番こう言った。
主人:おい、最近、やたらと宅急便の配達が多いが、まさか、俺に黙って洋服とか宝石とか買って無駄遣いをしているのじゃないだろうなぁ?
すると、奥さんはすかさずこう言ったのである。
奥さん:まあ、失礼ね!私は、洋服も宝石も何ひとつ自分の物は買っていないし、無駄遣いなんてしていないわよ!
ああ、また、ふたりの口喧嘩が始まった。いよいよ、樋下家の第三次世界大戦が勃発しそうな嫌な予感がしてきた。
吾輩は、とばっちりを受けないように静かにしていることにしよう。
くわばら、くわばら。
そして、主人が興奮した様子で、こう言い返した。
主人:じゃ~いったい、こんなにたくさん何を買っているのか?
その質問に対し、奥さんが答えた。
奥さん:2025年7月5日のAM4時18分に起こるかもしれないことのために備えているのよ。
主人:えっ、2025年7月5日AM4時18分に起こることっていったい何だい?
奥さんの拍子抜けの回答に、主人は、とてもびっくりした様子だった。
そして、奥さんは、その質問を待っていたかのように、間髪入れず話し始めたのである。
奥さん:最近、SNSで、2025年7月5日AM4時18分に巨大地震が起こり、東日本大震災の数倍の高さの大津波が日本に押し寄せるかもしれない。と噂になっているのよ!
だから、私は、災害が起こったとき家族が困らないように、水や缶詰、レトルト食品などの長期保存が出来る防災食を買っているのよ!
そう言うと、ますます奥さんは調子にのり熱弁を振るってきたのである。
奥さん:いつも電話をしている私の友達は、防災士の資格を持ち備蓄の達人で、5年保存できる無洗米を120㎏、カセットコンロ用のガスボンベを290本(300本を超えると消防署に届け出と許可が必要)、携帯トイレやポータブル電源、缶詰、レトルト食品、15年保存水、日用品などを家の納戸にたくさん備蓄しているそうなのよ。
この話を聞いた負けず嫌いの私は「私の備蓄なんてほんの少しで、彼女の足元にも及ばない。今からもっとたくさんの品を備蓄をしなくちゃ」と思い、ネットショッピングで買い物を始めたのよ。
主人は、「まあ、上には上がいるものだなぁ」と唖然としていた。
そして、心を落ち着かせた主人が言った。
主人:ああ、そうだったのか。全然知らなかった。家族のことを思って買ってくれていたのだなぁ。何も訳を聞かずにいきなり悪いことを言った。すまん。すまん。
ところで、そんなSNS上の噂話を信じて、本当に大丈夫なのか?
すると奥さんは、
奥さん:だって、今年になってやたらと地震が多いと思わない。私は、近い将来何か起こりそうな、不吉な予感がするのよ!それに、最近見た夢の中に私のご先祖様が現れて、「近い将来、大変なことが起こる。その前に高台に逃げよ!そして今から出来るだけたくさんの水や食料品を備蓄しておけ」と言ったのよ!
あなたは、そんな私に訳も聞かず、すまん。すまん。じゃ済まされないわよ!ああ、だんだん腹が立ってきた。本当に巨大地震と大津波が来たら、あなたには、水も食べ物も一切あげないからね!
主人:(ああ~いつもの悪い癖が出てしまい、また、余計なことを言って奥さんを怒らせてしまった)
主人:ごめん。ごめん。疑った俺が悪かった。
そんなこと言わずに、巨大地震と大津波が起こったときは、俺にも水と食べる物をください。
奥さんは主人の最後の言葉を聞き、かわいそうだと思ったのか、「まあ~謝ったから許してあげるわ」と言った。
吾輩は、喧嘩の火の粉がわが身にもかからず、戦争に勃発しなくて終わったようなので、内心ほっとした。
しかし、しばらくすると、今度は吾輩に一抹の不安がよぎってきたのである。
奥さんは、家族の水と食べ物は買って備蓄をしていると言っていたが、果たして吾輩とカメ輔の餌と水はどうなっているのだろうか?
多分、奥さんのことだから、吾輩たちの分もしっかり備蓄してくれているとは思うが、もし、備蓄してくれていなかったらどうしよう!今度、奥さんの機嫌が良さそうなときに聞いてみることにする。
そして、ひとつだけわがままを言わせてもらうと、災害時は体力と気分が落ち込みがちになるので、いつもより高級で物凄く美味しい食べ物が食べたいなぁ。(相変わらず災害時でも贅沢である)
読者の皆さまへ
本当に2025年7月5日AM4時18分に巨大地震と大津波が起こるかどうかは誰にもわかりません。
まだ、準備をする時間は充分にありますので、いつ災害が起きても困らないように水や食料品、日用品などの備蓄をしてください。
もし、本当に日本に巨大地震、大津波が起こったとしても、事前に充分な準備が出来ていれば、慌てずに落ち着いて避難が出来ると思います。
そして、一人でも多くの尊い命が救われることを願っています。
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白いモヤの向こう側から、突然、謎の黒い影が現れた。
奥さんは、「あなたは、いったい誰?」と大きな声で叫んだ。
奥さんは、強い恐怖心を感じたが、それは、どこか見覚えのある姿をしていた。
そして、その黒い影が徐々に近づき、ついに奥さんの目の前で立ち止まった。
すると、突然、謎の黒い影にスポットライトがあたり、その正体があらわになった。
なんとその謎の黒い影の正体は、カメであった。
そして、奥さんは、そのカメに尋ねてみた。
奥さん:あなたは、いったい誰なの?
すると、そのカメからビックリするような発言が飛び出してきたのである。
謎のカメ:あなたとは、昨日お会いしましたが、お忘れのようですので、もう一度、自己紹介をしたいと思います。
奥さん:あらっ、そうだった?
昨日、私の夢の中に出てきたカメは君だったの!
謎のカメ:私は、あなたの家で暮らしているカメ子の子孫で、カメ子と申します。
私は、30世紀の未来からやって来ました。
(詳細は、第151話 未来からの訪問者Part1を見てください)
あなたの家で暮らしているカメ子は、私の御先祖様で尊敬しています。それで、本人に了解を取り、私は、カメ子という名前を拝借させて頂いております。
実は私の御先祖様から、「奥さんがあることで思い悩んでいる。何とかしてくれないか」と言う相談を持ち掛けられました。そこで、微力ながらお手伝いさせて頂きたいと思い、夢の中でお目にかかることとなりました。
奥さん:30世紀のカメ子の子孫の登場にびっくりして頭の中が真っ白になり、この後、何を言っていいのかわからなくなってしまった。そして、しばらくして落ち着いたので、カメ子の子孫に尋ねてみた。
奥さん:カメ子が言った私が思い悩んでいることとはいったいどんなことなの?
すると、子孫が言った。
30世紀の子孫:奥さんは、変形性膝関節症で悩んでいるそうですね!御先祖様は、「何とかしてやってくれないか」と言っていました。
そこで、私は「若返りシール」をご用意しました。30世紀では、このシールが薬局のようなところで簡単に買えるのです。もちろん、犯罪等の悪いことに使用する場合は、売ってはいけないことになっています。
話を戻しますが、このシールを体に貼ると、その人の体の一部が、その当時の若い体に戻ることができるのです。
例えば、「若返りシール18」を貼ると、その人の18才当時の体に戻ることができます。あなたは18才の時には、まだ、変形性膝関節症になっていなかったので、シールを貼った時点で、変形性膝関節症は消失してしまうということです。
もちろん、18才当時の体に戻れるので、膝関節以外の臓器も若返ることができます。
しかし、脳と髪の毛と皮膚だけは、どうしても若返ることができません。
そして、もうひとつ大切なことは、シールの有効時間は限られているということです。しかも、遡及年が大きければ大きいほど、その有効時間は短くなるのです。
例えば、10年遡るとその効果は10日間で、20年遡ると効果は5日間となるのです。
あなたの足の裏をちょっと見てください。
奥さん:自分の足の裏を見た。すると、そこには、「若返りシール18」が貼られているではないか。
謎のカメ:あなたは、「若返りシール18」を足の裏に貼り付けて病院に行きましたね!その効果はいかがでしたか?
奥さん:カメ子の子孫の話にはついていけず、しばらくの間放心状態だった。そして、急に眠気がしてきて、とうとう眠ってしまったのです。
すると白いモヤの向こう側から、主人の声が聞こえて目が覚めた。
あれっ、今までの出来事は夢だったの?「若返りシール18」は本当にあるのかなぁ?いったいどうなっているの?しばらくしてから、あることを思いついた。
奥さん:確か「若返りシール18」は、足の裏に貼っていたはずだわ。と思い出した。
そして、自分の足の裏側を見た。すると、シールが貼ってあるではないか。私は、嬉しくなり、急に水槽の中にいるカメ子と話しがしたくなった。
奥さん:カメ子、私の体のことを心配してくれてありがとう。「若返りシール18」を貼ってもらったら足の調子がとても良かったよ。これからもシールが必要な時は、あなたの御先祖様に頼んでね。
ところが、カメ子は、「若返りシール18」が、いったい何のことだかさっぱりわからない様子で、ただ、「うん、うん」とうなずくだけだった。
そして、「奥さんが昨日から、訳のわからないことを言っている」と一人で呟いていたのです。
こんなやりとりのあった3日後、奥さんの足の裏に貼られていた「若返りシール18」は消えてなくなっていたそうです。そして、これを境に奥さんのへ膝関節は以前の状態に戻ってしまったのです。その後、奥さんは整形外科病院に行き、先生からこっぴどく怒られたそうです。
先生:おい、どうした?この前は見違えるほど、足の状態が良かったのに。今日は、以前の悪い状態に戻っているじゃないか。ワシが「家でやれ」と言った体操をちゃんとやっているのか?この病気は、自分で治していかなきゃ一生治らない病気なのだぞ。
こう先生から怒られた奥さんは、二度とカメ子の子孫に「若返りシール18」を貼ってとお願いすることはなかった。
将来若返りができるようになればいいですね!
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