大好き!「陳情令」 (original) (raw)

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『風起洛陽』

気づけば残す放映は最終話の1回のみ!

最後の最後に…

とんでもない黒幕が明らかになるらしい !! (;° □ ° )ノノ))

との噂は耳にしてましたから、正直な話もう後は…

アノお方しかいないわよネ…《滝汗》

などと、内心確信もしていましたが…ゴニョゴニョ。

そうかぁ…もう終わっちゃうんだぁ《涙》

『陳情令』とはまた全然違うテイストだったけど、本当にあらゆる点で上質なドラマだっただけに…。もう今からお別れするのが悲しくてしょうがありません。でも、1週間なんて本当にアッという間ですよネ。

そう、実際にあの…

『陳情令オーケストラコンサート アンコール公演@東京国際フォーラム

からだって、早くも1週間が過ぎてしまったんですから!

ハイ。ついに念願かなって、リアルにこの目で、この耳で体感して参りました♪

『陳情令オーケストラコンサート アンコール公演』!

「アンコール」と銘打たれただけに、演奏された曲目から曲順から…。全てがまんま再現された内容だった様です。

曲ごとの印象や感想などは、前回および前々回の記事に書きました。(←あれこれ不完全な形ではありますが《汗》)それに関してご興味のある方は、よろしければそちらを覗いてみてくださいネ ↓

illya0.hatenablog.com

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今回はコンサートそのものよりも、その周辺のドタバタエピソードのお話です。

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2022年9月1日。そう、コンサート前日。この日はよりにもよって夜勤入り。夕方4時半から勤務が始まり、連続16時間勤務して解放されるのはコンサート当日の朝9時半。つまり「地獄の夜勤明けdeコンサート@東京」なのであった。

もちろんできる事なら、この日は丸1日お休みにしたかった。しかし前後3日間の予定がビッシリ詰まっていて、その全てをこなすためには…

「1日夜勤・2日明け・3日休み」

というシフトを組まざるを得なかったのである。

それでも時間通りに上がれればまだラッキーだったのだが、こんな時に限って残業のオマケつき。その上しょっちゅう「鹿との衝突で遅延」になる中央本線は、何も無くても1時間に2本あるかないか。職場を出るタイミングがほんの少し遅れただけで、下手をすると帰宅は朝で無く昼になる。

明けたらその足でいつものように職場近くのネカフェに直行し、まずは仮眠を取るべきだったかもしれない。しかし、念願のコンサートに行く前に、わたしにはまだやらなければならない事が山積みだったのである。

「靴も無けりゃ~、服だって無いじゃんけ!」(←注:甲州弁)

その事に思い至ったのは、夜勤入りの直前、9月1日のお昼過ぎ。あくまでキッチリお堅いオーケストラコンサートとは違うから、たとえGパンで行ったとしても入場を止められる事は無いのだろうが…。せっかくのコンサートなのだから、それなりにオシャレして行きたいものである。季節も考慮して、しばらく袖を通していなかったデコルテも露わなノースリーブのドレスを、2着引っ張り出して鏡の前に立ったのだが…。

「ウワァ…もうこんなん着れないわ。」

己の年齢を実感せざるを得ない瞬間だった。

これはどうにかしなくては!

正直かなり焦っていた。しかし同時にこの時閃いたのである。この際だからいっその事…

♪♪「 にわか姑蘇藍氏もどき」になっちゃおう ♪♪

確か笛の音と琴の調べさんのブログで、以前得た情報だと思うのだが…。オーケストラコンサートに参加する『陳情令』ファンは、それぞれの推しキャラをイメージした色やモチーフを、当日のファッションに取り入れて楽しむらしいのだ。

そう、わたしも含めたファンにとって、これはコンサートである以前に一種のお祭りみたいな一大イベントなのである。要するに…

楽しんだ者勝ちでしょ《爆》 *1

ちなみに白のパンツはかろうじて持っているものの…。ブルー系のアイテムは普段から全く手を出さない人なので、アクセサリーどころか靴下ひとつ無い《笑》

しかし今、何より無いのは時間である。

勝負は2日当日の夜勤明けから、コンサートにギリギリ間に合う16時17分石和温泉発新宿行きの特急「あづさ」に乗るまでの数時間。この数時間で、パンツ以外の全てのアイテムをかき集めるのだ。しかもできるだけ低予算で《爆》

今にして思えば、結構クレイジーなお話である。が!こういう時にこそ、ファンならではの火事場の馬鹿力が発揮されるのだ。

職場の最寄駅で、とにかくやって来た上りの各停に乗り、甲府駅で途中下車。駅ビルの某店で白の上着を1着Get!

さらに別の店でブルー系と白系の靴下を計3種類Get!

また別の店では、グラデーションカラーのスカーフを色違いで2種類Get!

残念ながらイヤリングと靴は、納得のいく物がみつからなかった。でも立ち止まっている暇は無い。次だ、次!

再び上りの各停に乗り、石和温泉駅で下車。

駅前の「IEON」でもう1着白の上着をGet!(←甲府の駅ビルでGetしたアイテムにするかコチラにするかは後で考えよう! とにかく後悔しない様に、とりあえず今は買っておく《笑》)

イヤリングもここでGet!

2Fの100円ショップでは、シュシュをGet!

靴は使えそうなのが無いなぁ…。

ダメ元で次は「しまむら」へ。

運が良ければたまに好みのデザインのサンダルや、パンプスが置いてあったりするんだけど…。時期的にオシャレな白いサンダルなんて残って無いか…残念!

そうだ「ABCマート」行ってみよう!

少なくとも白のサンダルかパンプスは、季節を問わず最低限の品揃えがあるはず。そう、この時点で期待していたのは「最低限」《汗》

いや、いや「ABCマート」さん…

「舐めててスイマセンでした!!」m(;_ _ #)m

この色、見た瞬間タメ息出ちゃいました。

♥♥抹額さんが、まんま靴になってるよ♥♥

しかも「最後の1足」ですと?!

ウワァァ~ン《涙》

わたしのために売れ残っててくれてありがと~~~!!

一気にテンション爆上がり ♪♪

靴まで揃えたところで、イイ加減終わりにするハズが…。「抹額さん」との運命の出会いで、さらに欲が出て来てしまった。できる事なら最後にもうひとつだけ…

薄手のブルーのはおり物or丈短めのベストがほしい!

って事で、よせば良いのにさらに「B-style」で古着を物色しようと「ABCマート」を後にしたとたん、ポツポツ雨粒が落ちて来たと思ったら…。ものの5分としないうちに土砂降りに!

わたしゃ藍湛と対峙したアノ窮奇道の魏嬰かい?!

ってくらいずぶ濡れに《滝汗》

なにせお馬さんならぬママチャリで、店を一軒々々回ってましたんで《爆》

まあ一旦帰宅したら、どっちにしてもひとっ風呂浴びて、着替えてから特急に乗り込むつもりだったから…。どんなに濡れても一緒だし、もうイイやって感じ…ワハハハ。

Getしたアイテムは、幸いそれぞれビニール袋に入っていたからノープロブレム。ご本人は濡れネズミだけど、もちろんめげずにそのまま「B-style」へ。

何度もお世話になってるけど、ここってアイテム別なだけでなく、色別に陳列されていたりする。だから今回みたいに時間が無い時、さらにはほしい色が決まっている時なんてホントありがたい。「無いものは無い」の判断もすぐにできるから、時間を無駄にする事無く諦めもつけられる。

どうやらブルー系の薄手のカーディガンは無いらしい。それならばベストは?

広い店内には所狭しと無数のアイテムが吊るされていたが、目的の物を見つけるのに、おそらく10分とかからなかっただろう。

ブルーグレーのベストだよ ♪♪ しかも袖口と裾と襟元のカットがフェミニンで可愛いじゃないの!!

ヨシ!これで一通りアイテムは揃った。後はびしょ濡れの服を全部脱ぎ捨て、汗を流したら石和温泉16時17分発の特急「あづさ」に飛び乗るだけだ!

しかし汗を流した後時計を見ると、もうGetしたそれぞれのアイテムのタグをひとつひとつ切っている時間すら無い。結局白のパンツをはいて、イヤリングだけはしたものの、それ以外はとりあえず手近にあったものを着て、タグがついたままのアイテムは全部持って行くカバンに詰め込む。そうそう、現地で衣装替えの続きをするために、タグを切るハサミも忘れずに。これまた現地で簡単に済ませるメイク道具もご同様《笑》

どうにかギリギリ乗り込んだ特急「あづさ」。新宿までの1時間34分が、コンサート前の唯一にして貴重な睡眠時間だ。万一にも降り損なう事の無い様に、携帯のアラームをセット。雨でも降り方によっては遅延もあり得るので、どうにか無事に時間通りに着いてくれと心の中で祈る。

初めての「東京国際フォーラム」。電車が時間通りに到着したとしても、最寄り駅であるらしい有楽町駅から、果たして迷わず行けるであろうか?

会場にたどり着けたとして、オバちゃんには正直わけの分からない「電子チケット」なるものは、果たして正常に作動してくれるのか? 万が一にも…

会場まで行ったのに入れませんでした!!

なんて結末だったら、もう泣くに泣けない。

なんて、あれやらこれやら…。

リアルに客席に座るまでは、心配事も山積みだったけれど。とにもかくにも願いは叶えられたのであった。

開演前の時間と途中の20分休憩をフル活用して。他の参加者のご迷惑にならない様、化粧室の端っこでタグをチョキチョキ《爆》トイレのついでに上着だけサッと着替えて。秒で簡単メイクして。

あらためてまわりを見渡せば、噂通り推しキャラのカラーやモチーフを楽しんでいるファンの方が、あちらにもこちらにも!

♪♪皆さんステキ ~~♪♪

そんな中でも特にわたしの目を引いたのは…。水色の地に白いウサギの柄があしらわれた、おそらく和服の生地と思われる布地で仕立てた、お手製のお洋服をペアで着ていた母娘さん。本当に素敵だったなぁ…♡

「にわか姑蘇藍氏もどき」だったけど、わたしもお祭りの末席に座れて幸せだったわ。

次はあるのかな?

また祭りに参加できるかな?

もしまた参加できたなら、次はもう少し前の席に座れるかな?

ていうか…次こそもう少しマシなオペラグラスを、衣装以前にまず用意しとかなきゃだわ《爆×5》

★★最後におまけの情報★★

コンサートの後は神田駅南口真ん前の「快活クラブ」に1泊《笑》

翌朝朝粥をいただいたコチラのお店。オススメです♪

♥♥お粥も焼売もとっても美味しかったわぁ♥♥

*1:o(@≧ ▽≦)o

ふと気がつけば、すぐそこに6月の声が……(遠い目《爆》)

毎度の事ながら、前回からだいぶ日が空いてしまいましたが《滝汗》 どうにか記憶があるうちに、続きを書いておこうと思います。

何はともあれ、ここのところ『風起洛陽』(20時~22時)・『有翡』(21時~23時)・『陳情令 日本語吹替版』(24時30分~26時30分)と、水曜日の深夜は大渋滞!

我等がカズヒロ君が…

怒涛のごときオンパレード!!(♥▽♥)/~♪♪

衛星劇場さん、wowowさん、本当にありがとうございますっ!

それにしても3つの作品が並ぶと、当たり前と言えば当たり前なんですが…。それぞれにひと味違うと言いますか。カズヒロ君の役柄ひとつとっても、それぞれキャラが違っていて興味深いですし。それを演じ分けている彼の演技力にも、あらためて関心させられるわけです。

しか~~し!

今回それ以上に実感せざるを得なかったのが、ドラマというのは…

作品によってこんなにカラーが違うのか!

って事。

とりわけ『風起洛陽』の重厚さは圧巻!!それにしても何があのドラマを、あんなにも重厚なものに感じさせているのか…。洛陽の都のあの壮大なセットも、物凄く激しいのにかなりリアルで生々しいあのアクションも、もちろんその要因のひとつではあると思うけれど…。多分、いやきっと…それだけでは無いと思います《笑》

とにかくこの『風起洛陽』、もう絶対にこの先1話も見逃せません。カズヒロ君はもちろんホアン・シュエンさんもビクトリアさんも、もう素敵過ぎですしネ♪

さてさて本題のコンサートです。5/9の再放送の際にも録画ができませんでした。時間が空きすぎて、もはや曲順すら時系列で書けていないかもしれませんが…。できる範囲でまとめてみようと思います。

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休憩後(←あの「崖落ち」から16年後?)、第二部スタート。

『忘羨♪』(器楽バージョン)

入りは古琴のソロから。やがてそれはピアノのソロ演奏へと移って行く。スクリーンに映るのは、16年後の静室で琴を弾く藍湛。そして長い眠りからようやく目覚める魏嬰。

藍湛は、酔っぱの時に見せてくれた希少な「おバカ面」も含めて、どの藍湛も全部好きだけど《笑》個人的に髪型に限って言うと冠もつけず、なおかつ額の際から少しばかりほつれた髪が、頬の辺りで揺れていたり…。さらには長~~い黒髪が全部背中側に落されているよりも、耳の後ろの一握りくらいが、肩から胸元へと流れ落ちているスタイルがお気に入りなもので♪

♥♥このシーンの藍湛は、まさにドンピシャ!♥♥

実はとっても色っぽいのに、カズヒロ君だから決して下品にならないこの髪の乱れ具合。ハイ、ここ要チェックポイント《笑》

ドラマ『陳情令』公式 on Twitter: "#陳情令メイキング 🐰File No. 013🐰 役者特集・王一博  ▶️https://t.co/IhlGDu9gZH #シャオ・ジャン #ワン・イーボー https://t.co/Y50qsORo50" /  Twitter

この後いくつかのシーンが挟み込まれ、さらには本編36話『知己の告白』の酔っぱ藍湛登場♪

「なぜ俺を助ける?」と問う魏嬰に、彼が口にしたあのセリフ。

「悔いがある」

「不夜天でお前と戦わなかった」

それまで映し出されていた映像が消え、スクリーンにそのセリフの文字だけが浮かび上がる。こんな見せ方は、このコンサートの中で多分ここだけだったかと…。そんな演出が第二部の幕開けの1曲として、この曲を一層印象深いものにしていた。

さあ、いよいよ「義城編」の始まり、始まり~~♪

個人的に大好きな義城編。でもここで残念なお断りをひとつ《涙》

曲のどの辺りでどんな素敵な映像がスクリーンに映し出されていたのか。その記憶が、実はこの先ほとんど残っていなくて…。なのでここからはほとんどが…

ひとつひとつの曲の単体としての印象のみの記載に《滝汗》

このコンサートの魅力をお伝えするには、あまりに片手落ちな状態で…。読んでくださる方には本当にゴメンナサイという感じですが…。今の時点ではillya自身の備忘録のつもりで、とにかくこのまま続けたいと思います。

『孤城♪』

イントロから細かいビブラートを伴ってかき鳴らされる古琴の響きが、もともとの哀切なメロディを一層物悲しいものに。

いわゆる「キャラクターソング」的なくくりで言うと、この曲は曉星塵(シャオシンチェン)・宋嵐(ソンラン)・薛洋(シュエヤン)・ 阿箐(アージン)の…

♪♪「義城四人組」のテーマ曲♪♪

であるらしい。ただし今更ながら見直した歌詞の内容からすると、もう曉星塵その人の心情以外の何ものでも無くて…。

もはや「粉々に砕け過ぎて修復不能」な彼の魂を思うと、ただただ胸が痛むばかりなのである。

『荒城渡♪』

いや、これはもう正直に白状すると…《笑》

ドラマ『陳情令』においてillyaが一番泣かされたのは、この義城編のあのシーンなのだ。

まさに「いそいそと」曉星塵の白い指先や顔にこびりついた血を拭い清め、特別な儀式の準備を着々と進める薛洋。この時初めて、彼の心の奥に隠されていた(というか…むしろ誰より彼自身が理解していなかった)彼の本当の気持ちにハッとする自分がいた。

そしてその直後。その特別な儀式をもってしても、曉星塵はもう決して蘇らないのだと気づいた瞬間。絶望の叫びとともに張り巡らせたお札を引きちぎり、祭壇をなぎ倒す彼。そう、このシーンなのである。

薛洋のテーマであるこの曲は(この時スクリーンに何が映されていたとしても)、否応なくそのシーンをわたしの脳内に自動再生させてしまうわけで…。だから冒頭のピアノの音を追ってすぐに入ってくる低音の笛のフレーズなんて、わたしにはもはや彼の慟哭にしか聞こえない。あの盲目の曉星塵との日々があっても無くても、もしかしたら薛洋の孤独と悲しみの深さは、元から底なし沼クラスだったかもしれないけれど。

でも実はそんな彼と一見真逆な魏嬰が、わたしの中では何度もクロスしていて…

ああ、この人は愛を知らないまま大きくなってしまった魏嬰なんだな…。

なんて思いながら観てましたっけ。

この曲の一番のお気に入りは、後半に入ってくる「ラァラ~ラララ~」の美しくも切ない高音ボーカライズ!すぐさまそれに規則的なドラムのリズムが絡まる。と、とたんに…

キャー!こ れってマーチよ、マーチ!! (♥▽♥)/~♪♪

マーチ大好きなillyaには、もうたまらない展開っす《笑》

あれ?そう言えば今更だけど、オーケストラコンサートでのこの曲って…。

「ラァラ~ラララ~」のボーカライズ入ってたっけ?!( ; ° Α °)A))

何らかの楽器の音に取って代わられていなかったっけ…。それすらもはや記憶が…《滝汗》

それにしてもマーチって、なぜこんなにも心が躍ってしまうのかしら?まあ、とにかくマーチである以上、聞いてると自然に前へ前へと進んで行くイメージは湧いて来るわよね…。ただしこの曲の場合、どうしたって進んだその先に、明るい未来は見えて来るはずも無いのだけれど。

ちなみにオーケストラバージョンじゃない方のコンサートで、この曲を歌ってくださっていたのは歌手の周深(ジョウシェン)さん。その奇蹟の様に美しいハイトーンボイスと豊かな歌唱力は、もう衝撃的!↓

youtu.be

『乱魄抄♪』

この曲って、『清心音♪』とセットよね?ふたつでひとつよね??

ただしセットで続けて演奏されるのを聞くと、もう明らかに前半と後半で違うし、多分前半長調で後半短調だし。まさに心が洗われる様な前半に対して、断然後半はメロディ自体がもう怪しげなムードに満ち満ちてるし《爆》

物語の中の設定としては…。本来なら耳にした者の精神を落ち着かせ、整えてくれるはずの曲の中に、それとは真逆の「やがては死に至らしめる」程の邪曲を巧妙に紛れ込ませている。という設定だと思うのだが…。

もしやしてこれじゃ、最初からバレバレなのでは? 0( ≧ Λ ≦;)0

と、ツッコミたくなるのって…わたしだけかしら?《笑》

『少年侮るべからず♪』

思追(スージェイ)・景儀(ジンイー)・金凌(ジンリン)の仲良し3人組をはじめとする、少年仙氏達のテーマ。義城編で少年組がワチャワチャしてるシーンとか、スクリーンに映し出されていたんだろうな…多分《笑》

冒頭の複数の太鼓の勢いのある響きが小気味良い♪

決して明るい曲調ではないけれど、どこか清々しさを感じさせる。「少年不可欺~♪」を含む前後のフレーズが、一音一音力強くリズムを刻むのが、若者ならではの潔さや心意気そのものって感じだからかな♪

アレ?もしかしてこの曲もマーチっぽくない?(←もはや何を聞いてもマーチに聞こえ始めているかもしれない《汗》)違ってたらゴメンナサイ!

『恨別♪』

江澄(ジャン・チョン)のテーマ。

優しい曲だなぁ…。どこか物悲しさもあるけど。そう、まるで何かを悔いているかの様な。

ドラマの中の彼は、表面上はものすごく口が悪くて…。その美しい容姿と激しい気性は間違い無くあの母、虞紫鳶(ユー・ズーユエン)のDNA を思わせる。

でもきっと彼の内面、本来の姿はこっちなんだろうと思わずにはいられない。作曲者である林海先生の目には、江澄はこんな風に映っているって事よネ…。

♥♥これもやっぱり作り手の愛よ、愛♥♥《笑》

『蓮花塢♪』

第一部で演奏された『射日♪』もそうだったが、この曲ももう情景描写がお見事と言うしかない。ほんのワンフレーズ聞いただけで、そこが温暖で住みやすいお土地柄だと想像できてしまう。時間すらあくまでゆるやかに流れている様な。

後半の静かだけれど小刻みに繰り返されるピアノの調べが、穏やかな湖のおもてに揺れるさざ波と、そこにいちいちキラキラと反射する陽の光の微妙な動きまで、目の前に浮かび上がらせてくれる。

♪♪林海先生のお仕事ってば…もう素敵過ぎっ♪♪

『多恨生♪』

江澄の『恨別』と同じ「恨」の字が使われていても、こちらは『多恨生♪』。日本語タイトルになると「憎しみに生きて」だったり、「多くの恨みが生まれて」となるわけで、もうそこからしてすでに充分過ぎるほど悲しい曲。かつての孟瑶(モンヤオ)こと金光瑶(ジン・グァンヤオ)のテーマ曲である。

入りの部分の独特なメロディとリズムの揺れ具合というか、捻じれ具合というか…。彼の心の中の複雑さや歪みそのものの様に聞こえてしまう。

それが一転途中からアップテンポになり、しかもラップ!

でもこれがまた…。現状や運命に抗い続けていた彼の生き方そのものに思えて。音楽としてはあくまでスタイリッシュでむしろカッコイイけれど、聞いているとやはり胸が苦しくなる。

そして終盤にまた入りと同じメロディとリズムの流れに戻るのだが…。歌曲バージョンではその直前に、段階的に高音へと駆け上がって行く「ア~ア~~ア~ア~ア~♪」のボーカライズが。まさに彼の思い通りにならなかった人生への恨みを込めた叫びの様である。

何かこれも最後は少しテンポの遅いマーチに聞こえて来た…。

大丈夫か?わたし《爆》

でも考えてみれば…。人の一生って良くも悪くも一度生まれたら、「死」という終着駅に着くまでは、(紆余曲折あるにせよ)そこへ向かって進んで行くしかないわけで。だとすれば…。その人の人生をひとつの曲として表そうとしたら、いろんなアレンジの仕方があるにせよ基本マーチに落ち着くのは、とても自然な事なのかもしれないなんて…。たった今ここを書きながらふと思った。

『不由♪』

藍湛の兄様こと、藍㬢臣(ラン・シーチェン)のテーマ。

ああ、兄様が静かに語りかけている。誰かにささやく様に問うている姿が見える。でもその部屋には、兄様以外誰の姿も見えない。きっともう今はいないあの人に語りかけているのだろう。

雲深不知処の座学で初めて出会った二人。一足先に清河に帰らねばと別れを告げるため、長い廊下の先で待っていたあの人。

最後の最後に残って響いたハープの音が、あの時兄様の指先に見え隠れしていた、あの人への未練の様で…。切なかったわぁ。

『清河訣♪』

聶明訣と懐桑兄弟のテーマ。このふたり。見た目も中身も正反対だが、お互いを思いあう心の絆は、実はものすご~~く強いのだ。

何たってドラマ『陳情令』を完走して(←まだ1回だけだけど《笑》)ふり返ってみればなんと!この長い長い物語を動かしていた原動力こそは、言ってみればこの二人の兄弟の絆の強さに他ならなかったという…。

そんなふたりのための曲だから…。清河の要塞の様な城の構えのごとき重厚感。最後までやり遂げるためには、もうどんな困難も厭うまいぞという誰かさんの決意が見える様。ドラマの中のご本人は、そんなのおくびにも出してなかったけど《笑》

そしてこの曲も、やっぱりマーチよね~♪

『酔夢♪』

古琴と笛が手に手を取って、一歩々々踏みしめながらゆっくり前へ進んで行く…みたいな。

最終回の50話。何もないお山のてっぺんで…。

魏嬰「俺は向こうへ」

藍湛「私はこちらへ」

二人が別々の道へと分かれて行くシーンで流れていたこの曲もまた…。

それこそ間違い無くマーチ!!(♥▽♥)/~♪♪(←さすがにしつこい?《爆》)

同じマーチでも、そこは『荒城渡♪』とは全然違うわよネェ…。向かう先に待っているのが希望なのか絶望なのか…。って、そりゃ違うか《汗》

たとえ一時離れたとしても、きっとまた会おうと…いや、会えるのだと感じさせてくれる。信じさせてくれる。音楽って、何て雄弁なのだろう♪

そしてこの『酔夢♪』こそが、このコンサート第二部最後の曲であった。聞いていたコチラとしては…まるでドラマ『陳情令』の最終回に、あらためて立ち会った様な感覚。ココにこの曲を持って来た演出家ならぬ音楽監督さん、イイ仕事してるわぁ…。

この後はもうアンコールのみ。となれば…満を持して登場するのは、あの3曲。そうかぁ…あえて「アンコール」で来たかぁ…。音楽監督さんのこの手腕、本当にお見事と言うしかないと思う。

『不忘♪』・『曲尽陳情♪』・『忘羨♪』

指揮者の方が、もう満面の笑顔で。一曲ごとに観客に向かって振り向いては、「まだもう1曲ありますからね♪」と念を押すように人差し指を立てて見せてから、指揮棒を振ってくださっていたのが、とても印象的だった。

この時の指揮者の表情に、心のこもった丁寧な仕草に…。客席に集うドラマ『陳情令』のファンが、ドラマを彩ったこれらの曲のひとつひとつを大切に思っている様に。彼もまた大切に思っているのだと。言葉など無くてもお互いに確かに伝わっている。どの曲も、そしてどの演奏も素晴らしかったけれど、わたしが一番感動したポイントは、もしかしたらそこだったかもしれない…。

本当に素敵なコンサートだった。この日この会場にいた人達は幸せ者だな。観客はもちろん、指揮者も演奏家も、音楽監督も。とにかく関わった人達全てが。

ああ…わたしもリアルにこの目で見て、この耳で聞きたかったぁ…《涙》

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オリンピックと言えば「平和の祭典」。

2022年2月4日に開幕した北京冬季五輪が幕を閉じたのは、2月20日。それからわずか4日後に、突然ロシアがウクライナに攻め込むなんて…。

TVで、あるいは携帯で目にするニュースの映像は、まさに「天国から地獄」の変わり様。その有り様に憤りを覚え、胸を痛めつつも、結局は…

いつも通り朝起きて出勤し、夜には帰宅する

そんな至極当り前の毎日を繰り返すしかない自分に、何ともやるせなさが募って…。このところモヤモヤする気持ちを持て余したまま暮らしていましたが…。

美しい音楽と映像に、ほんのひと時でしたが浮世の憂いを忘れ、少しだけ救われた様な思いです。

3月23日(水)AM9:45

『陳情令』オーケストラコンサート(WOWOWにて再放送)

録画していませんので、曲名を見逃したり、記憶があやふやなところも多々ありますが、できる範囲でまとめてみました。

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「一番好きな音楽のジャンルは?」

もしも誰かにそう問われたら。

わたしの場合、それはロックやポップス、あるいはクラッシックという言いまわしではどうしてもくくれない。あえて言うとするなら、やはりそれは…

映画音楽♪

という事になるのだろうか。

要はまず映像なりストーリーがあって、そこに言わば「あてがき」された様な楽曲。途切れる事無く移り変わる一瞬一瞬の絵面に、これ以上は無いと思えるくらいにピタリとハマる音がちりばめられている…。そんな楽曲にたまらなく心が揺さぶられてしまうのだ。

たとえば『ラストエンペラー』や『戦場のメリークリスマス』の坂本龍一。あるいは『ニュー・シネマ・パラダイス』のエンリオ・モリコーネ。または数々のジブリ作品を彩る久石譲の楽曲の様に。

もちろん『陳情令』は映画ではなくドラマだが…。わたしにとってこのドラマの楽曲は、どれひとつ取ってもまさしく…

♪♪ 優れた映画音楽そのもの ♪♪

そういう意味でillya的に「これぞ代表曲!」と思うのは、なんと言っても毎回番組冒頭で聞いていたオープニングテーマ『陳情令♪』!

思い返せばあの日あの時。深夜にたまたまつけっ放しにしていたTVで、放映されていたドラマ『陳情令』。何の予備知識も無かったわたしの目を、TVの画面へと向けさせたのは、耳に飛び込んで来たこの曲だったのである。

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やっぱりオーケストラコンサートも、この曲でスタート!

嬉しいわぁ…(♥∇♥)/~♪♪

https://youtu.be/d4uW1PkL6z8

もうね、この曲の何が素晴らしいかって…。約2分の演奏の間にTVの前のわたしを、ドラマ『陳情令』の世界にガッツリ引き込んでくれる事。オープニング曲として最高に…

♪♪ イ~イ仕事してますネ~~ ♪♪

って感じ♪

作曲の林海(リン・ハイ)先生、脱帽です!!

舞台の上部から吊るされた巨大なスクリーンには、演奏の進行に合わせて次々と名場面が映し出されて行く。

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クラッシックのコンサートなんて日頃はとんとご縁の無い人種なもので…《汗》

↓ こんな楽器を目にすると「おおっ!さすがはオーケストラ!!」とか思ってしまう《笑》

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そして楽器と言えば…。『陳情令』だからこそ欠かせないのが、主役のふたりが愛用する横笛と古琴だが…。

横笛奏者の方の衣装…

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「この黒と赤の色使いは!」 Σ(°∇°@)

ひと目で魏嬰(ウェイイン)をイメージしてくださっているのだと分かる!演奏そのものももちろん素晴らしかったけれど、この粋な心遣い!!陳情令ファンのひとりとして、ただただ嬉しい限りである。

となると…当然対をなすポジションにいらっしゃる古琴奏者の衣装は是非…。

♥♥♥藍湛(ランジャン)を彷彿とさせる白装束で♥♥♥

などと言いたくなるのは、ひとえにカズヒロ君演ずる藍湛ファンならではのワガママでしかないと自覚しつつ…。

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「白が無理なら、せめて淡い水色とかのチャイナだったら…」

なんて、尚も未練がましく思ったりする《笑》

しか~~し!そんなわたしのちっぽけな不満など、彼女のあまりにも美しくかつ見事な演奏が、アッと言う間にどこかへ吹き飛ばしてくれたのであった!

♪♪ ブラボ~~~~~♪♪

『忘機♪』

印象的な琴の音色が単独で響き渡ったと思ったら、巨大スクリーンには…

含光君 登場!!(@♥∇♥)/~♪♪

少年仙氏達の呼び出しを受け、夜空を駆けて孟家荘へ。屋根の上にふわりと舞い降りるあのシーン。美しいわぁ…。

『御笛♪』~『忘羨♪』

怪し気な笛の音をバックに今度は…

鬼将軍 参上!!

力強くかつ大音量の打楽器の響きとともに一気に緊迫感が高まるも、一転笛の音が『忘羨♪』の旋律を優しく優しく奏で始めると…。

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スクリーンに映し出されているのは、大梵山でのシーン。16年の時を経て、今やっと愛しい人に再びめぐり会えたのだと気づく藍湛。黙って魏嬰の腕をしかと握りしめる彼の表情が…。何度見ても胸が熱くなるあのシーンである。

『狡童♪』~『忘羨♪』

温晁(ウェン・チャオ)様 登場《笑》

さすがに最期は哀れだったが、とにかく横暴で憎たらしかった温晁。『狡童♪』ってタイトルの字面からして、そんな彼のための言わば…。

「温晁のテーマ曲」

になるのか。テンポは良いので結構軽やか。重々しいと大物感が出ちゃって、イメージ違っちゃうもんね。結構明るくてどことなくユーモラスにも思える旋律が、ところどころに見え隠れしてる。

そういえば…。オーケストラバージョンじゃない方の陳情令コンサートに、出演されていた温晁役の賀鵬(ハー・ポン)さん。リアルな彼は存在自体からお茶目さが滲み出ていて、とってもチャーミングな青年だったな ♪♪

あの温晁の本編での悪人面…。それだけ彼の演技とメイクさんがイイ仕事してたんだって事に、あらためて気づかされたっけ《笑》

『♪』←曲名、ウッカリ見逃した!

スクリーンに流れるのは、蓮花塢が温氏に滅ぼされるあの悲劇のシーン。

もはやこれまでと覚悟を決めた虞紫鳶(ユー・ズーユエン)は、江澄(ジャン・チョン)と厭離(イェンリー)を魏嬰とともに船に乗せて逃がそうとする。

彼女にしてみればこの時、魏嬰は温氏と同じくらい憎かっただろうな…。それでも彼にあえて生きて、二人を守り抜けと命ずる…。この凄まじいばかりの母の愛。本編でも泣けたなぁ…。

そして最期の最後に、夫の江楓眠(ジャン・フォンミン)と手を握り合って息絶えるあのシーン…。その女心にも泣かされたっけ…。この場面で二人に手を握らせてくれた楊夏(ヤン・シア)さんの脚本。やはり登場人物への深い愛を感じるわ。

楽器の音以外に効果的に使われている高音の女声ボーカライズが、このシーンの「悲劇性」を否応無く高めていて、楽曲として本当にお見事だと思うのだが…。

この女声ボーカライズはもしかしたら…。

「虞紫鳶の悲しみそのもの」(←母としも女としても)

を、曲に重ねて聴かせているのかもしれない。

たった今これを書きながら、ふとそんな風に思った。

『乱葬崗♪』

笛の音に太鼓の音が重なって…。とにかくオドロオドロシイ一曲。

『射日♪』

のっけからデッカイ太陽がゆっくりゆっくり沈んで行く…。そんなイメージが、ありありと脳裏に浮かぶ。それは多分、このドラマの物語を全く知らなかったとしても。この曲を耳にしさえすれば、きっと…。そういう意味でも、実はとてもスゴイ作品だと思う。

『出会った頃に戻れたら♪』

もうタイトルからして、何てせつない曲なんだろう…。

そしてスクリーンに流れるのは…

魏嬰「藍忘機(ラン・ワンジー)よ。俺はお前の何なんだ?」

藍湛「私はお前の何だ?」

魏嬰「……かつては生涯の知己だと…」

藍湛「今もそうだ!」

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ふたりのこのやりとりも、せつないわぁ…。

心はお互いを思い合っているのに、今は心のままに手を取り合う事ができない。

はぁぁ…やっぱりせつないわぁ!

『疎林の訴え♪』~『赤子♪』

「阿寧!」と弟の名を泣き叫びながら、温情(ウェン・チン)が温寧(ウェン・ニン)を捜していた。それでなくても夜の闇と土砂降りの雨とで真っ暗な窮奇道のシーンと…。

それぞれに悩みを抱えながらも、互いに慈しみ合いながら穏やかに暮らしていた頃の、姉と弟の笑顔のシーンと…。

ひとつの曲に耳を傾けている間に、見事なコントラストを成すシーンを両方とも見せられると…。余計悲しくて。

こんな穏やかな生活が、このまま続いてほしかったのに…

そう思わずにはいられなかった。

そして『赤子♪』と言えば、温寧のキャラクターソング。オーケストラバージョンを聞きながら…。別バージョンのコンサートで温寧役の于斌(ユー・ビン)さん自ら歌われていた、その表現力の素晴らしさに感動した記憶がよみがえる。

『夜奔♪』

同じ土砂降りの窮奇道でも、こちらは魏嬰と藍湛が相対するあのシーン!

そう、魏嬰の…

「藍湛

戦いが避けられないのなら…

お前と勝負したい

死んだところで

少なくとも…

含光君の手で死ねるんだ

悔いはない」

のセリフのあのシーンよ!!

もう今となっては記憶がごちゃ混ぜで…。どこからどこまでがオーケストラコンサートで観た映像だか、本編で観た映像だか…。正直自分でも分からない《滝汗》

『永隔♪』

読んで字のごとく「永遠の隔たり」。

冒頭は鬼将軍と化した温寧の手によって、金子軒(ジン・ズーシュエン)の命が奪われるショッキングなシーンから始まり…。古蘇の渓流沿いの岩場で足を滑らせ、後ろに倒れそうになった師姉を子軒が抱き止めるシーン。百鳳山の狩場での公開告白シーン。「金の若様」が泥に塗れて「師姉のための蓮花塢」を作ろうとするシーン。生まれたばかりの息子の『選び取りの儀式』で、父として母として互いに喜び合うシーン。ひとつの曲の演奏の間に、それらのシーンが次から次へと映し出され…。最後はまた子軒の死のシーンで終わる。ここでも幸せと不幸せのコントラストがあまりにも鮮やか過ぎて、悲しみがいや増してしまった。

ただ…できる事なら個人的には…

「確かにここは蓮花塢じゃない。だが私が…ここに君のための蓮花塢を作る。」

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と、泥だらけの子軒が師姉に告げたあのシーン。あそこで流れていた曲を、一曲フルバージョンで聴かせてほしかったなぁ…。何たってあの曲こそが、わたしの中では…

♥♥♥本編中で最も甘美な愛のテーマ♥♥♥

だったりするので。(←残念ながら今の時点では曲名未確認!)

これは、わたしの思い込みに過ぎないかもしれないのだが…。林海先生や楊夏さんや制作の方々が(←叶わぬ夢と知りながら)、この二人にどれだけ幸せになってほしいと願っていたのだろうかと…。この曲を耳にした時、思わずにはいられなかった。やはりここでも…

作り手の登場人物に対する愛を感じるのよねぇ…♥♥

『御笛♪』

今更だけどこの『御笛♪』、多分シーンによって色々なバリエーションがあるんだろうな…。いずれまた本編を見直す際に、そういうところに注目してみるのも、面白いかもしれない ♪

『あきらめきれず♪』

何たって師姉こと江厭離のキャラクターソングなんだから、ゆったりとして、とにかく優しくて温かい旋律。バックには蓮花塢や古蘇の座学での三姉弟やら、不夜天での最期やら…。いくつものシーンが映し出されていたハズなのだが、正直記憶があやふやで…《滝汗》

そんな中、なぜか他のシーンよりも印象に残っているのが…。(多分ここは阿澄ではなく、阿羨なんだろうな《笑》)疲れたのか具合が悪いのか、いずれにしてもそこに横たわっている誰かの目線をアングルとして捉えた、寄り添う師姉の佇まいとその表情。

♪♪ カメラさん、イイ仕事してるな~~ ♪♪

なんて《笑》

ウン、やっぱりこういう時の師姉が、一番師姉らしいかも。特別ドラマチックなシーンというわけでは無く、何気ない日常の中のひとコマっぽいシーンだけど。だからこそこの曲に。ピッタリだったのかな。

『♪』←またも曲名見逃し!

でももしかしたら、これも『御笛』の別バージョンだったりするのかな? 笛の音が響き渡る中、不夜天で崖落ちしていく魏嬰。ここでコンサートは前半が終了。

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とんでもなく長くなってしまったので、後半はまた後日あらためて…。

To be continued !

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2022冬季五輪@北京

ついに開会式当日を迎えましたね!

ドラマとは違って『絵空事』ではないだけに、この先大丈夫なんだろうかと、正直心配だったりしますが。(;^_^A

後はとにかく…

全ての競技が最後まで安全かつ無事に終了します様に!

と、思わずにはいられません。

ちなみに私事ながら…昨年秋頃から、とある国家試験に向けてのチャレンジをしておりました!

年も明けてこの1月末、「オミクロン株拡大真っ最中!」の東京にてお受験終了!!

(合否はともかく)これでやっといくつかの呪縛から解放されたので…

♥もう少しブログのための時間を作れるといいな~♥

なんて。

ま、淡~~い期待に過ぎませんが《笑》

さてさて、本年2回目のブログのタイトルは…

『突然ですが語ってもいいですか?』

大好きな某テレビ番組のタイトルに思いっ切り乗っかってますが、要は…

♥勝手に推し自慢♥

ってヤツですので。

誰推しかって?

もちろん「カズヒロ君」自慢!!

に決まってんじゃんけ!(←注:甲州弁)

「カズヒロ君」=「王一博」君 です♪(←念のため)

★★なのでアンチな方にはおススメできない内容かも…その点はどうぞご容赦を★★

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

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↓ 以前コチラの記事でも触れましたが…。

illya0.hatenablog.com

1988年第60回アカデミー賞において、ノミネートされた9部門すべてに受賞を果たしたかの名作『ラストエンペラー』。主人公である清朝最後の皇帝溥儀を演じたのが、当時30歳だったジョン・ローン(尊龍)。

わたしの中では、まさに彼以来だから…

♪30数年ぶり!奇跡の出会い ♪

カズヒロ君こと王一博君の何に、わたしがこうも心躍らされるのか?

ここは繰り返しになるが、あえて書き連ねると…

1。俳優としてのあふれんばかりの才能(←見事なアクションや殺陣も含む)

2。心に響くその歌声(優しく柔らかな癒しVoice ←ラップの時とは別人なのもスゴイ!)

3。華麗なるダンスステップ(←言うに及ばず&百聞は一見にしかず❗)

4。もちろんハンサムな中国人青年(←しかもわたし好みの涼しげな目元♥)

かいつまんで言うと、この4点に集約される《笑》

1。の「俳優としてのあふれんばかりの才能」ついては、もう…

ドラマ「陳情令」を、とくとご覧ください!!

と、声を大にして言いたい《笑》

まずは透明感あふれる美しいその容姿。

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その立ち姿は、あくまで涼やか。

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その所作は雅で気品に満ち…。

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その仕草は、あくまで繊細。

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そして何よりその身のこなし。

とりわけ彼が見せてくれるワイヤーアクションと殺陣は、流れるようなナチュラルさでもちろん美しくて…。そりゃ~もう「お見事!」の一言に尽きるのだ。

ここでバッチリ動画をUPしたいのは山々だが…。ピックアップするのにアソコもココもで目移りするばかりだし《爆》それ以前に編集ができないので、お気に入りのシーンを含む回を一話分まんま載っけるわけにもいかないし《汗》

なのでここは2。の「心に響くその歌声」もかねて、あえてまたコチラを ↓

彼の華麗なるアクションを、その癒しの歌声とともに…どうぞ! (≧∇≦)/~♪♪

youtu.be

そんな彼が、同じ歌うんでもそれがいざラップとなると…こうなる ↓

もはや別人!スゴ過ぎる!! (;^_^A

歌という分野においても、彼がいかに豊かな表現力を有しているか。この2曲を聴くだけで、充分お分かりいただける事だろう。

さて、ここまで話の流れで 2。の歌唱表現の話題まで一気に進んでしまったが…。どうしても一旦 1。の「俳優としてのあふれんばかりの才能」に話を戻さなければならない。なぜなら…彼が演じてみせた「王一博ならではの藍湛」の魅力について語るのに、その目線と表情に触れないまま終わる事など、どう考えてもできないからである!

ということで…まずはコチラ ↓

https://stat.ameba.jp/user_images/20200714/01/mirage-2011/82/b5/j/o1080059914788615450.jpg?caw=800

(第7話「天灯に託す願い」19分56秒~59秒)

このふんわりと柔らかい、無垢な笑顔。物語の中でこの時まだ「少年藍湛」であった彼の本当に希少な、まさしく「汚れ無き笑顔」である。

まるでかたくなに心の奥に閉じ込めていたとびっきり美しい何かが、冷たく硬い鎧の隙間から思わず溢れ出てしまったとでも言う様な…。

いきなり家規を破り、あまっさえしつこく絡み、いちいち神経を逆撫でする魏嬰に対して…。彼がそれまで見せてきた目線・表情と言えば、怒りや軽蔑、不快感や警戒心をあらわにしたキツ~~イものばかり。

♥♥そこに不意打ちでこの笑顔を見せられた日にゃ…♥♥

わたしも間違い無く、この瞬間ヤラれちまった世にあまたいる婦女子のひとりである。

初めて見せてくれた彼のこの笑顔が嬉しくて、思わず「笑ったな?」と口に出してしまう魏嬰。とたんにサッと顔色を変える藍湛。

この瞬間の彼の目の動きと、表情に浮かぶ、「しまった!」と言わんばかりの驚きと戸惑い。そして怒り…。(同じく20分00秒~20分03秒)

あの「無垢な笑顔」からのこの一連の表情と眼差しの変わりっぷり…。それがまた実に絶妙で、なおかつ抜群にチャーミングなのである。

ちなみに「少年藍湛」のこの笑顔を引き出したのが、ほかでもない魏嬰が彼のために描いた…

♪♪赤いオメメのウサギさんの絵♪♪

↓ ってのがまた…何とも微笑ましいのだ《笑》

我愛你 総集編 | 随便 陳情令

それにしても魏嬰ったら ♪

あの蔵書閣で描いてみせた藍湛の絵姿といい、このウサギさんといい…。その場でササっと描けちゃうなんて、絵の腕前もなかなかだわ!

ハァ……。

いくつかピックアップした彼の表情。最初のこの一枚だけで、こんなに語ってしまうなんて。(;^_^A

この調子じゃ、さすがに自分でも先が思いやられる《爆》

なのでこの後のピックアップ画像に関しては、「こんなのもあるよ」程度にしておこう。まあ…なるべくネ《笑》

まだ出会って間も無い頃。魏嬰に向けられる彼の代表的な表情&眼差しと言えば…。

たとえばコチラ↓

陳情令~名前~ - 🦁陳情令感想ブログ🐇

(第5話「湖の怪」4分50秒~6分51秒)

@蔵書閣。「忘機兄」(ワンジーショウ)「藍忘機」(ランワンジー)と呼びかけても、一瞥すらされず完全に無視された魏嬰が、さすがに少々声を荒げて「藍湛!」(ランジャン)と、字では無くあえて「名前呼び」。

「親しくもないお前がなぜ名前呼び?」

と言わんばかりのこの顔。

さらにこの後ますます口の減らない魏嬰に、再び「完全無視モード」に入るも、最後はそのあまりの反省の無さに呆れ果て…。

「何なら土下座しようか?」

などと挙句のたも~た魏嬰を、見事「禁言術の刑」に処すのであった。*1

陳情令(The Untamed) - Kiki's random thoughts

ちなみにコチラ↑ は…。

もしかしたらドラマ本編の中のカットではなく、ポスターか何かのために撮影された一枚かもしれない。

いずれにしてもこの表情&この目線。そして風に乱れる後ろ髪が、さらなる効果を盛り上げて…。彼の中に燃え盛る紅蓮の怒りの炎が、まさに目に見える様である。

陳情令#6あらすじ | ココノコボ - 楽天ブログ

かと思えばこんなのも ↑(第6話「志の継承」8分09秒~8分23秒)

「いたずら小僧」魏嬰の策略にまんまとハマり、全面禁酒の雲深不知処で酒を口にしてしまう藍湛。コイツがまたよりによって…

おちょこ一杯即撃沈!!《爆×3》

そのあまりの下戸っぷりにスッカリ酔いも醒める魏嬰。(←いや、コヤツは「底無し」なんだから、初めから酔ってなんかいないか《笑》)

藍家の第二公子としては、もしかしたら命の次に大事な(?)「抹額」(まっこう)。何たって藍湛自身の言葉を借りるなら…。

触れていいのは父母と妻子のみ

ってんだから。

そんな大事な抹額が曲がっているとなれば、そりゃ~もう一大事だ。

早速直そうとする「酔っぱ藍湛」《爆》

全編「クールかつストイックな貴公子」を貫く彼としては、(もちろん笑えるシーンは他にもあるが)おそらく随一と言って良い『おバカ面』。

まずは日頃見せている彼の顔とのギャップにびっくりだが、ぶっちゃけこの時の顔のおバカさ加減は…

志村けんのバカ殿を超えてい る! (← illya的には《爆》)

ごっつぁんです!!!m(#_ _ ;)m

そして「酔っぱ藍湛」の時の彼の表情と言えば、特徴は何たってコチラ ↓

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♥♥半開きの目~~♥♥ o(@♥∇♥)o

薄っすらと頬も染まって、恍惚としている様でもあり、メッチャ艶っぽいのに、この上なくユーモラスって…どんだけ楽しませてくれるの《笑》

とにかく「酔っぱ藍湛」最強!!

てことで…もひとつ オマケ ↓《笑》

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(同じく18分30秒~18分34秒)

コチラは何だか…少し拗ねた子供の様でもある。ハァ…かわゆし♥♥

もういい加減切りが無いので最後にコチラ ↓

陳情令#50 (最終話) あらすじ | ココノコボ - 楽天ブログ

(前後の流れも含め→ 第50話 最終回 「忘羨」27分35号秒~28分03秒)

紆余曲折を経て、すっかり大人になった藍湛のこの表情。

もうね、その眼差しの先に立つ魏嬰に対する…

揺るぎない信頼に満ちている!!

そこに言葉など無くとも、見ているコチラにそれを確かに感じさせてくれる。そして同時に確信させられる彼自身の人としての成長がまた…。ここまでが文字通り長い長い道のりだっただけに、一層感慨深いものに思えるのだ。

あらためて書いておきたいのだが、どんなに歳が若くても彼は…

間違い無く本物の役者!!

出番はやたら多いのにセリフは極端に少なくて。原作キャラの縛りが半端無いから、抑えに抑えた演技を余儀なくされて。それでも尚、こんなにも魅力的な「王一博君が作り出してくれた藍湛像」。

それはまさに…こんな表現ができるカズヒロ君だったからこその、ドラマ「陳情令」のあの藍湛であったと、わたしは思うのだ。

3。の「華麗なるダンスステップ」についてはもうまんま…

言うに及ばず&百聞は一見に如かず!

なので、コチラの動画とか ♪ ↓

youtu.be

それでは最後の最後に…コチラの動画をご紹介 ♪ ↓

youtu.be

ちなみにこのメイキング動画の中に、今回のテーマに関連してillya的に注目してほしいエピソードが二つある。

ひとつ目はこの動画の1分02秒~1分16秒。

自分の膨大過ぎるセリフにちょっとウンザリしているらしい、魏嬰役の肖戦(シャオ・ジャン)兄さん《笑》

少々八つ当たり気味に(?)「お前にセリフをやるから言ってみろ」的な事を言われたカズヒロ君は、さすがに少々タジタジ…。

そこへ正義の味方含光君ならぬ監督さん登場。そしてのたも~たセリフが…

「彼のセリフ 全部あなたが言ってみて」

ですと《爆》

そして二つ目。1分32秒~1分42秒

どういう流れか不明だが…

「王一博と役を代わっていいですか?」

と言い出す肖戦兄さん。

その問いに対して画面には映し出されないけれど、キャスティングに関わる立場にいると思われる女性の声が即答する!

「代えられない」

「彼のアクションシーンが私たち全員を夢中にさせてきたんだから」

ですと!《驚》

まさかこれって…楊夏(ヤン・シア)さんその人だったりする?!(←可能性あると思う!)

ビックリしたわぁ…《汗》

もうひとりの主役の肖戦(シャオ・ジャン)兄さんより、7つも年下だった事もあるのだろうけど。カズヒロ君ってば、現場のスタッフ達から…

♥♥♥ムチャクチャ可愛がられてない??♥♥♥

彼等は皆、わたしの様な単なるファンとは違う。全員プロだし、それぞれが腕に覚えのある言うなれば…

「誇り高き職人集団」

である。そんな彼等に…

「とびきりキレイな照明を当ててあげたい!」

「ゴキゲンな効果音を流してあげたい!」

「最高の瞬間を映してあげたい!」

そんな風に本気で思わせられるかどうか。

それは何より間違いの無い(メディアなどの修飾したものとは無縁の)、その役者の真の評価なのではないだろうか。

だからやはり…わたしはこの時確信したのだ。

♪♪ カズヒロ君は、やはり素晴らしい役者なのだと ♪♪

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今更ですが、自分でも呆れる程長々と書いてしまいました。

もし最後まで読んでくださった方がいらっしゃるのなら…。

貴重なお時間を割いていただき、本当にありがとうございました。

*1:o(≧∇≦)o

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明けましておめでとうございます。

とはいえ2022年明けて早々、コロナがまたも全世界的に拡がり始めて…。2月に予定されている北京での冬季オリンピックの開催も、正直な話…

このままでは先が見えない!

と、つい悲観的になってしまう今日この頃ですが…。

それはそれとして(前回の記事から時間が空いてしまいましたが《滝汗》)、今日が今年の「ブログはじめ」。また新たな気持ちでスタートしたいと思います。

まずは尻切れトンボのまま年を越してしまった『The 双璧!Part1 愛の告白 』の続きから《笑》

★★今更ですが「ネタバレ満載」!! ご注意ください★★

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

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「二義兄上、一緒に死んでください!」

(第50話 最終回「忘羨」9分47秒~)

もう端的過ぎて「illya的ショートカット」も何もありゃしない。

誰のセリフかって?もちろんこの方…

ドラマ『陳情令』公式 on Twitter: "君子は身なりを正す 帽子はきちんとかぶって さようなら、金光瑶。 #陳情令  https://t.co/TiNntTfMuH" / Twitter

そう、孟瑶(モンヤオ)こと金光瑶(ジン・グァンヤオ)が、兄様こと藍曦臣(ラン・シーチェン)に対して、文字通り「命ギリギリ」の状況で口にしたのが、まさしくこのセリフである。

( ↓ 残念ながら第50話 「忘羨」9分47秒 のリアルタイム映像ではありませんが…)

陳情令の画面演出でみる金光瑶(孟瑶) - Privatter

黒目がちな大きな瞳に濃い影を落とす長い睫毛。彼はいつも控え目に微笑むのだが…。そのたびに口元に浮かぶ笑窪は、彼の持って生まれた美貌をより愛らしいものに見せる。その恵まれた容姿は、亡き母から譲り受けたもの。その類稀な記憶力と、一で十を知る聡明さは、まさしく天からの授かり物。

本来なら望むべき何者にでもなれたはずの彼。その彼に唯一与えられなかったもの。それは世間の誰からも指をさされる事の無い、「由緒正しき家柄」。

いや、父は確かに名門中の名門。大仙家蘭陵金氏の宗主に違いなかった。だが彼を生み育てた母は、娼妓であった。一時はその美しさと教養を讃えられていたとは言え、結局息子の父に見受けされる事も無く、短い生涯を苦界の底で終えたのだ。

「妓女の子のくせに」

その言葉は、生涯彼を苦しめ続けた。

それを口にした者の存在そのものを許さぬ程の憎しみ。恨み。その業火は、ついには彼自身を焼き尽くす。

憎しみと恨みに満ちた人生

なんて、どう考えたって辛い。あまりにも救いの無い生き方。

父から誠の愛情を一度たりとも受ける事無く、命ぜられるまま悪事を重ね、その父をも亡き者にした挙句、権力の頂にまで登りつめた彼。

何のためにそこまで?

こんな生き方、どこかで変える事はできなかったのか。いや、どこかでできたはずなのだ。まして人一倍聡明な彼ならば。だがそうならなかったのは、もはや運命と諦めるしか無いのだろうか。

そんな彼の目に、この方はどう映っていたのだろう…。

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二義兄上。兄様こと、藍曦臣(ラン・シーチェン)。本編の主人公の一人、藍忘機(ランワンジー)の実の兄。生まれも育ちも良く温厚かつ誠実。まさに名家の御曹司にして一門の若き宗主。

そもそも孟瑶と曦臣の初めての出会いは、姑蘇藍氏で開かれた座学での事。清河聶氏の宗主の弟、聶懐桑(ニエ・ホワイサン)の付き人として、孟瑶も藍氏の住処である雲深不知処を訪れたのだ。

座学の師である藍啓仁(ラン・チーレン)への拝謁の際に、懐桑に代わって見事に口上を述べる孟瑶。曦臣含め参加者全員の注目を集める中、聞こえよがしに囁かれた彼の出自に関するスキャンダラスな噂話。(第4話「異端の仙師」7分57秒~)

窮地に立たされた彼に、手を差し伸べてくれた人。その人こそが、この藍曦臣であった。まるで何事も無かったかの様に、ごくごく自然な振る舞いで。彼へのさり気無い励ましの言葉も添えて。というか…むしろ控え目ながらも才気あふれる孟瑶に対する、素直なリスペクトさえ感じさせながら。

❤これはヤラれるだろ…❤

いやいや《笑》孟瑶はどんなにか嬉しかった事だろう♪(第4話 8分26秒~)

この直後、ふたりは初めて互いに視線を重ねるのだが…。このほんの数秒の目の動きと、微かに触れている(と思われる)指先の動き。それらに見え隠れするそれぞれの心の動きとがもう絶妙。(同じく 8分36秒~)

さらに乱入してきた温氏の横暴な振る舞いを、声一つ荒げる事無く収めてみせる曦臣の手腕を目の当たりにして、孟瑶の瞳は一層輝きを増すのだ。

無事に送り届けた懐桑を残して、ひとり先に清河へと帰る前に…

『もう一度あの方に一目お会いしたい!』(←注:illya的妄想セリフ)

と、長い廊下でひとり待つ孟瑶。(同じく19分11秒~)

やがて現れた曦臣に、拝謁の際の助け舟への謝辞を述べ、恭しく拱手の礼の構えに入ると…。

「楽にせよ。同じ世代ではないか。」

見出し画像を拡大表示

思わず孟瑶の腕を取る曦臣。彼のその言葉に、孟瑶はもう嬉しさを隠し切れないといった笑顔を見せ…。

「では失礼を」

と最後の別れの言葉を告げながら、ゆっくりと曦臣から離れようとする。

その瞬間、あえて顔の表情は見せずに、むしろピンポイントでアップになる二人の手元の映像。(同じく 20分24秒~)

このほんの2秒足らずのカットに映し出された、曦臣の掌と指先のわずかな動き。これがもう何とも切なく、名残りを惜しむ様で。これって…

「あたしゃ、あなたにフォーリンラブ♥」

じゃなきゃ、何? みたいな《笑》

いや、少なくとも視聴者のひとりとして、そう感じずにいられないこの展開。この見せ方。もしかしてこれも、楊夏(ヤン・シア)さんの脚本の為せる業?

まったくもう…

これだから好きなのよ「ドラマ『陳情令』」!

「謝謝! 楊夏 小姐!!」だわ っ♪♪《笑》

たとえこの時点で、色恋沙汰には全くもって疎い曦臣本人に、その自覚が無いのだとしても…。(←ココがまた別の意味で重要だったりする《笑》)

たった今これを書きながら、ふと思った事。

この座学での出会いと別れの後、もしもふたりがこの物語とは全く違う人生を歩んで、それぞれの人生が二度と交わる事無く終わるとしたら…。

「それでも孟瑶は、この日の曦臣の姿を何度も思い返すんだろうな。」

悲しい事があるにつけ、嬉しい事があるにつけ。そしておそらくは、人生最後の瞬間ですら。

それは癒し。赦し。願い。希望。理想。憧れ。誇り…。

いつの時も彼の心の奥底を照らす、清かなる月の光。

しょせんはただの想像だから、思ってみたところで詮無い事なのだが…。

父親は名門仙家の宗主

その点では違いなど無いはずなのに。現実ではあまりにも違いすぎた孟瑶と曦臣のその後の境遇と人生の歩み方。このコントラストも見事というか…とにかく強烈である。それにしても改めて思い知らされた気がする。このコントラストってヤツが、イヤって程ドラマを生み出すんだなぁ《笑》

「一緒に死んでください!」

曦臣が突き立てた剣を、自らの手でさらに深く己の身に沈めながら…。
命の瀬戸際に光瑶が口にしたその言葉は、多分ずっと胸の奥にしまっていた彼だけの真実。

やはりここでも「愛している」なんて一言も口にしていないけれど、コチラも「愛の告白」でないとしたら、一体何だと言うのか。

「死ぬならお前の手にかかって死にたい!」(←注:illya的ショートカット)

例の魏嬰のあのセリフ同様、こんな強烈な愛の告白はそうあるもんじゃない。いや、あえて言うなら、こちらの方がより端的かつ「ど真ん中直球ストレート」である。

さらにご本人の「命の瀬戸際」具合も、こちらのシーンの方が断然シリアスだ。

「死ぬなら貴方の手にかかって死にたい!」

孟瑶は確かにこの時、曦臣にこうは言っていない。しかし結果的には、「一緒に死んでください!」と言えるほど愛していた人の手で、その恨みに満ちた人生の幕を下ろす。いや、ここはむしろ…

「下ろす事ができたのだ」

と、書いてはいけないだろうか。

誰の目にも明らかな致命傷を負っている彼に、遅かれ早かれ誰かがとどめを刺す瞬間が来るのだとしたら。それが誰である事を、孟瑶は望んだだろう。その答えは、この世にたったひとつしかあり得ない気がする。

そんな命がけの孟瑶の問いに、心乱れる曦臣。もしかしたらとどめの一撃になるかと力一杯開いていた掌を、思わず握り込む。さらには覚悟を決めたかの様に、両目さえ瞑ってしまう。そんな彼を見て確信を得たかの様に、ほんの一瞬微笑みを浮かべると、次の瞬間曦臣を思い切り突き放す孟瑶。(第50話 最終回「忘羨」9分26秒~)

それがたとえ愛情ではなく同情であったとしても、おそらく孟瑶には充分だったのだと…少なくともわたしはそう思いたい。だからこそ、最後は彼を己の不幸の道連れにするのではなく、この先も長く続いて行くであろう、彼自身の未来を生きる事を望んだのだ。

そして彼は、見事にそれをやってのけた。だから少なくともその瞬間、彼は決して不幸ではなかったと思う。むしろある意味満たされていたのでは…とさえ思うのだ。

このブログの第1回目の記事。「楊夏(ヤン・シア)さんへのラブレター」(2021年11月27日掲載)でも触れたが…。孟瑶こと金光瑶が息絶えた後。時間にすればほんの僅かだが、幼き日の彼と娼妓であった生前の母の姿が映るシーンがある。(第50話「忘羨」16分53秒~)

わたしにはそれがドラマ『陳情令』の脚本家である、楊夏(ヤン・シア)さんの金光瑶へのレクイエムに思えてならないのだが…。もうひとつ「もしかしたら…」と思い当たる別のシチュエーションがあるのだ。それはつまり…

孟瑶がこの世の最後に見た夢そのものを、シーンとして見せた。

のかもしれない…という事。

もちろん見ようによっては。特にそこに至るまでの悲劇の道のりを、重ね合わせて見れば見るほど。このシーンはただただ哀れで、観る者の涙を誘うのかもしれない。だが逆に、このシーンだけをごく素直に見れば、それはまさに「ささやかだけれど確かに幸せな時間を共に過ごした」母と子の姿でもあるのだ。

だとすれば…。そんな夢を見ながら、彼が逝ったのなら。少なくとも温かな思いに包まれたまま、旅立てたのでは…と思うのだ。

魔道祖師/陳情令 人物を読む①金光瑶|μ(ユウ)|note

「阿瑶、君子は身なりを正すのですよ。」

母がその手で埃を払い、そう言いながら被らせてくれた帽子。金光瑶にとってはまさに権力と地位の象徴であっただろうこの帽子だが…。同時に阿瑶にとってのそれは、掛け値無しで自分を愛してくれた母の思い出そのものでもあった事だろう。

殺戮も喧噪も全て過ぎ去った観音廟で…。すでに故人となった金光瑶の帽子を見つけて拾い上げ、その埃を払ったのは聶懐桑であった。そして帽子に染みついていた阿瑶の血が、懐桑の指先を染める。(第50話 17分27秒~)

(↓ リアルタイムの画像がほしい…が、見つからなかった《涙》)

画像

そう、気が遠くなりそうな程、長い年月をかけた壮大な復讐劇。練りに練ったそれを成し遂げつつも、決して己の手を血に染める事など無かった彼の指先を…である。そのワンカットが暗示するものは果たして…??

全50話。まだ一周しかしていないけれど。illya的には「恋慕の情」というヤツが、このドラマ「陳情令」のキーワードだと思っている。それだけに彼がこのまま無事で済むとは、到底思えなかったりもするのである《汗》

もしいつか、それが物語られる時が来るのなら…。是非この目で観てみたい!!

♪♪ もちろんその時はまた、楊夏さんの脚本で ♪♪

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「藍湛

戦いが避けられないのなら…

お前と勝負したい

死んだところで

少なくとも…

含光君の手で死ねるんだ

悔いはない」

(第27話「揺るがぬ誓い」4分30秒~)

不夜天の決戦で滅ぼされた岐山温氏一門。

それでもわずかに生き残ったその筋の人々。ある者はさらなる追求を逃れながら、市井の片隅に身を潜め。あるものは囚われて奴隷の様に扱われ…。いずれにしても食うや食わず、風前の灯のごとき境遇。もはや彼等に抗う意志などあろうはずも無い。もとよりそのほとんどは女子供や年老いた者達であった。そしてその中には温氏随一の女医者温情(ウェン・チン)と、その弟温寧(ウェン・ニン)がいた。

かつてはその温氏の手によって宗主夫妻を殺され、多くの門弟達も失い、滅ぼされかけた雲霧江氏。その時自らの危険を顧みず、魏嬰(ウェイイン)と江澄(ジャンチョン)に手を差し伸べたのは、誰あろう温寧であった。そして誰より大切な弟の思いに添う様に、姉の温情も彼らのために力を尽くす。

そんな命の恩人達を救うために。ただ「温」の名を持つというだけで、今や命さえ軽んじられる無辜の人々のために。そして何より…あの日、雲深不知処で藍湛とともに心に誓った「義」のために。魏嬰は窮奇道へと急ぐ。

囚われていた人々を、そして瀕死の温寧を救い出し。滝のような雨の中、行く当てなど無くとも、とにかく先を急ぐ魏嬰の前に現れたのは…。

今日と明日はお仕事だけど陳情令www | しほりんのお部屋

実はたった今この記事を書くために、第26話と第27話をネカフェで見直していたりする《笑》

で!上に貼りつけた画像のシーン(第26話「雨の中の選択」40分33秒前後)を目にして、あらためて思い知ったのだ。

「藍湛!この立ち位置、この立ち姿。この上なく正しいわ!!」

かたや雨と泥と血と汗とでドロドロ状態の魏嬰並びにそのご一行様。かたや白い傘を手に、もう片方の手には避塵をしかと握りしめ、髪も衣服も僅かな乱れさえ無く、たった一人で対峙する藍湛。あくまでも涼やかなその立ち姿。

この二者のコントラスト。映像的にもう…

「お見事!!」

と言うしか無いと思った。

原作とはまた一味違う。何よりここまで王一博君が、ひとりの役者として作り上げて来たドラマ『陳情令』ならではの藍湛像。他の誰でも無い「王一博の藍湛」ならば…

「この場面でこの瞬間、こんな風にそこに居てくれるに違いない!」

と、直感的に感じさせてくれたのだ。

加えてあの稲光。あの雷鳴。あの雨しぶき。その少し前の傘の下から徐々に現れる藍湛の(やはりシミひとつない)顔のアップのカットも含めて…。

「カメラさん、照明さん、音響さん、スタッフの皆さんありがと~~!!」

って感じ♪ *1

アレ? 今回のテーマ「愛の告白」の話はいずこに??

記事冒頭の魏嬰のセリフを一字一句間違えてはいけないからと、そのためだけに映像を見直したハズが…。思いがけず新たな沼にハマってしまい、とんだ脱線を《笑》

という事で…時を戻そう《汗》

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「藍湛

戦いが避けられないのなら…

お前と勝負したい

死んだところで

少なくとも…

含光君の手で死ねるんだ

悔いはない」

(第27話「揺るがぬ誓い」4分30秒~)

「愛している」なんて一言も口にしていないかもしれないが、これはもう正真正銘の「愛の告白」じゃないか!

しかもこんな強烈な愛の告白なんて、そうあるもんじゃない!!

「死ぬならお前の手にかかって死にたい!」(←illya的ショートカット)

って事なんだから。あくまで魏嬰本人には、その自覚は無いらしいが《滝汗》

一方藍湛は、とうに自分で自分の気持ちに気づいているハズ。魏嬰と出会って、初めて「誰かと共に在りたい」と。初めて人を愛おしいと思う気持ちを知った。その魏嬰本人の口からこんなセリフを言われたら…。内心どんなに行かせたくなくても、もう黙って一歩下がるしか無かったのだろう。

「愛」を自覚しているのであれ、無自覚のままであれ…。藍湛にとっても、魏嬰にとっても、ここはあまりにも辛くて切ない別れのシーンである。

一歩退いて道を譲りつつも、遠ざかる魏嬰達を直視できず、目を伏せたまま見送る藍湛。やがてやや面を上げ、彼等が去って行った彼方へと視線を送ると、堪えていた涙が一気に頬を伝う。

ふいに傘を外し、降りしきる雨に全身を晒す。さらに真上へと面を上げて目を瞑ると、激しい雨が顔中をなぶる様に叩く。ほどなく傘の柄は完全に彼の右手を離れ、そのままバサリと地面に落ちる。後はもう濡れるがまま…。藍湛はそぼ降る雨に身を任せる。

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この敢えてずぶ濡れになって見せる藍湛と、先の「髪も衣服も僅かな乱れさえ無い」藍湛の対比もまた、映像的に見事なコントラストだと思う。何たって先のシーンではその出で立ちに僅かな乱れさえも無かった藍湛が、自ら進んでずぶ濡れになってみせるのだ。

次から次と零れる涙を、雨とともに流してしまいたかったのか。

熱く火照る頬を、冷たい雨で冷ましたかったのか。

魏嬰達の行く手の苦難を思いやり、せめて同じ雨に濡れようとしたのか。

いずれにしても…。魏嬰を止められなかった彼の悲しみと嘆きの大きさを、思わずにはいられない。(彼の場合…やはりそこには饒舌なセリフなど一切無いのだが)

「しゃべり過ぎ魏嬰VS無口過ぎ籃湛」

思えば全編通してのこのコントラストも、見事と言えば見事である《爆》

同じひとつのシーンの中のコントラスト(「魏嬰一行VS藍湛」)と、時間を隔てたシーンとシーンとのコントラスト(「傘持ち藍湛」VS「ずぶ濡れ藍湛」)。愛の告白について書くつもりが…意外な発見から意外な方向へ。

いやいや、だからぁ…《汗》

「死ぬならお前の手にかかって死にたい!」(←illya的ショートカット)

の魏嬰のあのセリフが、わたしの中ではドラマ『陳情令』における「2大愛の告白セリフ」のひとつで。

「2大」と言うからには、負けず劣らず強烈なのがもうひとつ他にあるわけで。

だからこそタイトルにも「双璧」なんて銘打ったのだが…。もうひとつの強烈な「愛の告白」については、どうやらまた日を改めるしかなさそうである。(←ネカフェで作業中なのだが…もう帰らないと《笑》)

To be continued !

*1:o(”^▽^”)o

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「結婚するならハンサムな中国人青年と。」

今思い返せば自分で笑ってしまうくらい、乙女な夢を見ていた。それはかれこれ三十年以上前のお話…。

子供の頃からの映画好きだっただけに、東京での一人暮らしが始まると、「新宿歌舞伎町映画館巡り」はすぐに週末の恒例行事となった。それにさらなる拍車をかけたのが『ラストエンペラー』。一九八八年第六〇回アカデミー賞において作品賞、監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞と、実に九つの部門で受賞を果たした名作である。

物語の主人公である清朝最後の皇帝(=ラストエンペラー)溥儀を演じたのはジョン・ローン(尊龍)。 第二次大戦を含む激動の時代を背景に、血気盛んな青年期から人生を終えようとする老年期に至るまでを、目の動きから指先の仕草から歩き方から、全てを見事に演じ切った彼。この『ラストエンペラー』という作品は前述の如く、アカデミー賞においてあれだけ高い評価を得ていた。にも関わらず彼の名が、その主演男優賞部門においてノミネートすらされなかったのは、いったい何が邪魔をさせたというのか。わたしには正直いまだに納得がいかない。

映画ポスター】 ラストエンペラー (THE LAST EMPEROR) REG-SS オリジナルポスター

そう、「結婚したいくらいハンサムな中国人青年」と言えば、この頃のわたしにとってはまさにジョン・ローンその人であった。彼のくっきりとした二重瞼と、それに負けない大きな瞳。東洋人ばなれした高い鼻筋。ほんの少し微笑んだだけでも、口元から覗く形も並びも美しく整った真っ白な歯。これだけ恵まれたパーツがバランス良く揃っているのだから、その完成度にもはや間違いなどあろうはずは無い。しかし実を言うと、彼のこのハッキリくっきりした濃い目の顔と、わたしの個人的な好みの顔はむしろ対極にあるのだった。

あなたが国宝級!と思うようなイケメンは誰ですか? - Quora

よく「涼し気な目元」などと言うけれど、わたしはまさにそんな顔が好きなのだ。パッチリした大きな瞳よりも、いわゆる切れ長の瞳。それに色白のきれいな肌。正直そちら方面は詳しくは無いけれど、顔立ちだけの話で言うなら、いわゆる韓流系の方々のそれが当てはまるのかもしれない。

もちろんジョン・ローンは「ハンサムな中国人青年」(当時)に違いない。でもあの頃のわたしを夢中にさせたのは、やはり何よりも彼の演技の素晴らしさ。加えて洋楽をサラリと歌って聞かせるその美声。チャールストンを踊ってみせた彼のステップの、驚くばかりの軽やかさと若々しさ。それらを全部ひっくるめての、俳優としてのあふれんばかりの彼の才能だったのだと思う。

あれから早くも三十数年。久々に心ときめく「ハンサムな中国人青年」と出会った。彼の名はワン・イーボー(王一博)。たまたま深夜に目にしたドラマ。中国ファンタジー時代劇『陳情令』で、彼は二人の主人公のうちの一人を演じていた。色白でなおかつ透明感のある美しい肌。表情によってはかなりキツクすら見える切れ長の瞳。この二つだけでも、わたし好みのハンサムの条件にピッタリだ。

Weiboで人気の中国アイドル「王一博」についてご紹介します|中国トレンド研究所@橋本|note

そんな彼が穢れ一つない白装束に身を包み、雅な所作と切れのあるワイヤーアクション、見事な殺陣を次々と見せてくれるのだから、わたしでなくても女性陣からはため息のひとつも出ると言うものだ。後になって知った事だが、すでに彼は優れた若手ダンサーのひとりとして知られているらしい。あの流れるような動きの美しさはなるほどそれ故かと、今となっては感心するばかりである。

それにしても主役の一人であるにも関わらず、極端にセリフが少ない役というのは、正直かなり難しかったのではないかと思う。その上原作小説でのキャラクター的な縛りもあり、感情や表情まで極力抑えなければならない役でもあった。ぶっちゃけ演じる側として、これほどストレスが多い役も珍しいのではないだろうか。しかし彼はそれを全五十話最後まで演じ切った。その根性ひとつとっても、わたしはあっぱれだと思うのだ。しかもこのドラマが本国でリアルタイムに放映されたのは二年も前の事だから、撮影開始時点で彼はおそらく二十二歳になったかどうかというタイミングだったはずなのだ。

ちなみに今回初めて知った事だが、中国ではドラマでも映画でも、セリフは演じている役者本人のものでは無く、後に吹替られる事が多いのだと言う。あまりにも広大な国土ゆえに、その土地々々で訛りも方言も多種多様。実際のところ「本当に正しい標準語としての北京語」を話せる人材は、プロの俳優陣の中にもそう多くはいないのだそうだ。『陳情令』でも彼が演じている藍忘機(ラン・ワンジー)のセリフは、別の方が吹き替えている。もちろん声が本職の俳優さんが吹き替えているのだから、その声は適度な低音で良く響き、かつ落ち着きを感じさせる美声である。それでもやはり本物の彼自身の声を一度聞いてみたいと思うのは、ひとりのファンとして無理からぬ事であろう。

念願かなって初めて聴けたその声は、セリフではなく彼の歌声であった。『陳情令』のメインキャストの何人かには、それぞれのキャラクターを楽曲で表現したキャラクターソングがあり、いずれも公式サイトで聴く事ができる。そこでは幸いな事に本編の名場面を散りばめた動画とともに、彼が演じた藍忘機のキャラクターソングを、彼自らの歌声で聴く事ができたのである。

youtu.be

その曲は、もうひとりの主人公への切ないラブソングであった。それは決して技巧的にずば抜けているとは言えないかもしれない。それでもとても心に響く歌声であった。何より彼の声はとても柔らかく、優しさに満ちていた。その少し吐息が混じった様な独特な歌い方はどこか儚げでもあり、耳を傾ける全ての人の心を和らげ、癒す力をもちあわせているかの様だった。

ジョン・ローンとワン・イーボー。顔のタイプは違えども…。いずれも俳優としての素晴らしい才能。心に響くその歌声。そして華麗なるダンスステップ♪ もちろんどちらも「ハンサムな中国人青年」!

まるっきし同じじゃんけ!!(゜ロ゜ノ)ノ(←注:甲州弁)

三十数年の時を経て尚、ある意味一向に成長していない己れを思い知って愕然とするべきか。はたまたまだこんな恋心の様なものがあったのかと喜ぶべきか。いずれにしてもアチラは二十四歳。さすがにもう「結婚したい!」とは思わないけれど。これから彼がどうアジアのトップスターに、そしてさらには世界的なスターになって行くのか。楽しみに見守りつつ、応援したいと思うのだ。ちなみに彼は今、北京冬季オリンピックの応援ソングも歌っている。『冬夢飛揚』。タイトルからして何やら希望に満ちたこの曲は、わたしが大好きな心躍るマーチである。

youtu.be

果たして二〇二二年二月、北京の開会式本番で、彼の歌声をライブ中継で聴けたりするのだろうか?いや、いっそ開会式は…

国歌斉唱 シャオ・ジャン

応援ソング ワン・イーボー

の二本立てでやってくれないかしら?(←妄~想は自由~だ~ど~こま~で~も~~♪)

わたしの中のお祭り騒ぎは、まだまだ当分おさまりそうに無い。