砂の器 (original) (raw)

砂の器
小説中に登場する木次線の亀嵩駅小説中に登場する木次線亀嵩駅
訳題 Inspector Imanishi Investigates
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 新聞連載
初出情報
初出 読売新聞』夕刊 1960年5月17日 - 1961年4月20日
出版元 読売新聞社
挿絵 朝倉摂
刊本情報
刊行 『砂の器』
出版元 光文社
出版年月日 1961年7月5日
装幀 伊藤憲治
挿絵 稗田一穂
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示

砂の器』(すなのうつわ)は、松本清張の長編推理小説1960年5月17日から1961年4月20日にかけて『読売新聞』夕刊に連載され(全337回。連載時の挿絵は朝倉摂)、同年7月に光文社カッパ・ノベルス)から刊行された。

東京都内、大田区蒲田駅操車場で起きた、ある殺人事件を発端に、刑事の捜査と犯罪者の動静を描く長編小説。清張作品の中でも特に著名な一つ。ハンセン病を物語の背景としたことでも知られ、大きな話題を呼んだ。ミステリーとしては、方言周圏論に基く(東北訛りと「カメダ」という言葉が事件の手がかりとなる)設定が重要な鍵となっている。

1974年松竹で映画化、またTBS系列で2回[注 1]フジテレビ系列で3回、テレビ朝日系列で2回の7度テレビドラマ化され、その都度評判となった。

あらすじ

[編集]

5月12日の早朝、国電蒲田操車場内で、男の殺害死体が発見された。前日の深夜、蒲田駅近くのトリスバーで、被害者と連れの客が話しこんでいたことが判明するが、被害者のほうは東北訛りのズーズー弁で話し、また二人はしきりと「カメダ」の名前を話題にしていたという。当初「カメダ」の手がかりは掴めなかったが、ベテラン刑事の今西栄太郎は、秋田県に「羽後亀田」の駅名があることに気づく。

付近に不審な男がうろついていたとの情報も得て、今西は若手刑事の吉村と共に周辺の調査に赴く。調査の結果は芳しいものではなかったが、帰途につこうとする二人は、近年話題の若手文化人集団「ヌーボー・グループ」のメンバーが、駅で人々に囲まれているのを目にする。「ヌーボー・グループ」はあらゆる既成の権威を否定し、マスコミの寵児となっていたが、メンバーの中心的存在の評論家・関川重雄の私生活には暗い影が射していた。他方、ミュジーク・コンクレート等の前衛音楽を手がける音楽家・和賀英良は、アメリカでその才能を認められ名声を高めることを構想していた。

殺人事件の捜査は行き詰まっていたが、養子の申し出から、被害者の氏名が「三木謙一」であることが判明する。養子の三木彰吉は岡山県在住であり、三木謙一が東北弁を使うはずがないと述べたため、今西は困惑するが、専門家の示唆を受け、実は島根県出雲地方は東北地方と似た方言を使用する地域であること(雲伯方言出雲方言)を知り、島根県の地図から「亀嵩」の駅名を発見する。今西は亀嵩近辺に足を運び、被害者の過去から犯人像を掴もうとするが、被害者が好人物であったことを知るばかりで、有力な手がかりは得られないように思われた。

続いて第二・第三の殺人が発生し、事件の謎は深まっていくが、今西は吉村の協力を得つつ苦心の捜査を続ける。他方「ヌーボー・グループ」の人間関係にも微妙な変化が進んでいた。長い探索の末に、今西は犯人の過去を知る。

捜査はやがて、本浦秀夫という一人の男にたどり着く。秀夫は、石川県の寒村に生まれた。父・千代吉がハンセン病にかかったため母が去り、やがて村を追われ、やむなく父と巡礼(お遍路)姿で放浪の旅を続けていた。秀夫が7歳のときに父子は、島根県の亀嵩に到達し、当地駐在の善良な巡査・三木謙一に保護された。三木は千代吉を療養所に入れ、秀夫はとりあえず手元に置き、のちに篤志家の元へ養子縁組させる心づもりであった。しかし、秀夫はすぐに三木の元を逃げ出し姿を消した。

大阪まで逃れた秀夫は、おそらく誰かのもとで育てられた、あるいは奉公していたものと思われる。その後、大阪市浪速区付近が空襲に遭い、住民の戸籍が原本・副本ともに焼失した。当時18歳の秀夫は戸籍の焼失に乗じて、和賀英蔵・キミ子夫妻の長男・和賀英良として年齢も詐称し、新たな戸籍を作成していた。一連の殺人は和賀英良こと本浦秀夫が自身の過去を知る人間を消すためのものだったのである。

主な登場人物

[編集]

原作における設定を中心に記述。

今西 栄太郎(いまにし えいたろう)

警視庁捜査一課の巡査部長[1]。俳句を詠むことが趣味。45歳。

吉村 弘(よしむら ひろし)

蒲田警察署[2]の若手刑事。東北行きでは今西に同行。

和賀 英良(わが えいりょう)

「ヌーボー・グループ」の一人で、天才的な音楽家。28歳。本名は本浦秀夫だがその過去や戸籍は改竄し詐称しており、一連の事件はその隠蔽のために行われた。電子音楽とその機器にも精通しており、超音波を殺人に用いた。

関川 重雄(せきかわ しげお)

「ヌーボー・グループ」の一人で、評論家。27歳。和賀とは表面上では好意的な付き合いをしているが、その内心では不快に感じておりライバル視している。(映画には登場しない)

田所 佐知子(たどころ さちこ)

新進彫刻家で、和賀の婚約者。農林大臣となる田所重慶の娘。

三浦 恵美子(みうら えみこ)

関川の愛人。銀座のバー「クラブ・ボヌール」の女給。今西の妹が経営するアパートへ引っ越してくる。妊娠の判明後に出産を希望する恵美子を疎ましく思った関川は超音波を用いた流産を和賀に依頼するが、その処置中に事故で死亡してしまう。(映画では設定変更され成瀬リエ子と役割が統合されている)

宮田 邦郎(みやた くにお)

青山の劇団に所属する俳優。30歳。成瀬リエ子に好意を持っていたがそこに付け込まれて、

リエ子から依頼され和賀への捜査の攪乱に協力してしまう。その後は今西と接触し、捜査に協力的な姿勢を見せていたが口封じのため和賀の用いた超音波により心臓麻痺を引き起こされて殺害される。(映画には登場しない)

成瀬 リエ子(なるせ リエこ)

劇団の事務員。25歳。今西の自宅近所のアパート(今西の妹のものとは異なる)へ引っ越してくる。和賀の愛人であり、その犯行を隠蔽する協力者。和賀への絶望から自殺する。(映画には登場しない)

三木 謙一(みき けんいち)

蒲田操車場殺人事件の被害者で、元島根県警の亀嵩駐在所巡査部長。東北弁に似た言葉を話す。

三木 彰吉(みき しょうきち)

岡山県江見町の雑貨商。三木謙一の養子。

桐原 小十郎(きりはら しょうじゅうろう)

亀嵩算盤老舗を営む。三木謙一と親しかった。俳句に造詣が深い。

本浦 千代吉(もとうら ちよきち)

本浦秀夫の父でハンセン氏病患者。妻に去られた後は秀夫を連れて放浪していた。映画版など幾つかの映像化ではまだ存命で終盤で今西が訪問するシーンがあるが原作では他界している。

エピソード

[編集]

亀嵩駅構内で営業する蕎麦屋「扇屋」では、松本清張が亀嵩駅を訪問した時の写真や、俳優など映像化作品関係者のサインが展示されている。

記念碑

[編集]

| 湯野神社大鳥居横の記念碑 | | 記念碑正面 | | --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | | ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | | 湯野神社大鳥居横の記念碑 | | 記念碑正面 |

| 小説の一節が刻まれた記念碑裏面 | | 記念碑脇の叙事碑 | | --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | | ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | | 小説の一節が刻まれた記念碑裏面 | | 記念碑脇の叙事碑 |

本作では島根県奥出雲町(発表当時は仁多町)にある、亀嵩の地名とズーズー弁が鍵を握る設定であり、この地方が広く知られるきっかけとなったことから、亀嵩駅の東約3キロ、湯野神社大鳥居横に砂の器記念碑が建立され、1983年10月23日に除幕式が行われた。建立については亀嵩観光文化協会、記念碑建設実行委員会が中心となり、経費は地域住民からの寄付と地域外からの募金で賄われた[16]

記念碑正面には「小説 砂の器 舞台の地」と刻まれ、記念碑裏側には、小説の一節(第六章4節からの引用)が刻まれている。また記念碑脇の叙事碑の末尾には「早春に東北訛の奥出雲」と刻まれている。

出雲三成の駅から四キロも行くと、亀嵩の駅になる。道はここで二又になり、線路沿いについている道は横田という所に出るのだと、運転の署員は話した。

ジープは川に沿って山峡にはいっていく。この川は途中で二つに分かれて、今度は亀嵩川という名になるのだった。亀嵩の駅から亀嵩の集落はまだ四キロぐらいはあった。途中には、ほとんど家らしいものはない。亀嵩の集落にはいると、思ったより大きな、古い町並みになっていた。

ここは算盤の名産地だと署長が説明したが、事実、町を通っていると、その算盤の部分品を家内工業で造っている家が多かった。

— 小説「砂の器」より

関連項目

[編集]

翻訳

[編集]

映画

[編集]

砂の器
The Castle of Sand
監督 野村芳太郎
脚本 橋本忍山田洋次
製作 橋本忍佐藤正之三嶋与四治川鍋兼男(企画)
出演者 丹波哲郎加藤剛森田健作島田陽子山口果林加藤嘉春田和秀佐分利信緒形拳渥美清笠智衆
音楽 芥川也寸志菅野光亮
撮影 川又昂
編集 太田和夫
配給 松竹
公開 日本の旗 1974年10月19日
上映時間 143分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 7億円1974年邦画配給収入3位[18]
テンプレートを表示

ポータル 映画

ポータル 映画

1974年製作[19]松竹株式会社・橋本プロダクション第1回提携作品。松本清張原作の映画の中でも、特に傑作として高く評価されてきた作品[注 4]。英語題名『_Castle of Sand_』。平成元年(1989年)「大アンケートによる日本映画ベスト150」(文藝春秋発表)第13位。現在ではDVD化・Blu-ray化されている。

受賞

[編集]

スタッフ(映画)

[編集]

キャスト(映画)

[編集]

映画版の特徴

[編集]

『砂の器』のテーマ曲である、ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」を劇的に使っていることが最大の特徴といえる。テーマ曲のみならず、邦画の音楽費が相場100万円の時代に、本作は300万円がかけられ、映画『犬神家の一族』が公開されるまでは、邦画で最も音楽にお金をかけた作品であった[23]

クライマックス

[編集]

劇中での和賀は、過去に背負った暗くあまりに悲しい運命を音楽で乗り越えるべく、ピアノ協奏曲「宿命」を作曲・初演する。

物語のクライマックスとなる、捜査会議(事件の犯人を和賀と断定し、逮捕状を請求する)のシーン、和賀の指揮によるコンサート会場(撮影は埼玉会館が使用されている)での演奏シーン、和賀の脳裏をよぎる過去の回想シーンにほぼ全曲が使われ、劇的高揚とカタルシスをもたらしている。回想シーンでは、和賀英良が父と長距離を放浪していた際、施しを受けられず自炊しながら生活する様子、子供のいじめにあい小学校を恨めしそうに見下ろす様子、命がけで父を助け和賀少年がケガを負う様子などが描写されている。原作者の松本清張も「小説では絶対に表現できない」とこの構成を高く評価した[24]

原作と異なる点

[編集]

今西・吉村が利用した列車が時代にあわせて変化しているほか(亀嵩へ向かう際、原作では東京発の夜行列車で1日かけてもたどり着かなかったが、映画版では当時の主流であった新幹線と特急を乗り継いで向かっている)、和賀英良の戸籍偽造までの経緯も異なっている[注 5]。また、中央線の車窓からばら撒かれた白い物(犯行時に血痕が着いたシャツの切れ端)は原作では今西が拾い集めたことになっているが、映画版では今西が被害者の生前の経歴を調べるために出張している間に吉村が1人で発見し、独断で鑑識課へ持って行ったという流れになっている。その他にも、原作ではハンセン(氏)病への言及は簡潔な説明に止められているが(言及箇所は第六章・第十七章中の2箇所)、映画版では主に橋本忍のアイデアにより、相当の時間が同病の父子の姿の描写にあてられている。なお、今西刑事がハンセン(氏)病の療養所を訪問するシーンは原作にはなく、映画版で加えられた場面である[25]。映画版では、和賀英良は原作どおりの前衛作曲家兼電子音響楽器(現在でいうシンセサイザー)研究家ではなく、天才ピアニスト兼、ロマン派の作風を持つ作曲家に設定変更された。 また、前述の通り、超音波発生装置による殺人トリックは、この映画化以降、一度も映像化されたことがない。

「宿命」

[編集]

「宿命」は音楽監督の芥川也寸志の協力を得ながら、菅野光亮によって作曲された。なお、サウンドトラックとは別に、クライマックスの部分を中心に二部構成の曲となるように再構成したものが、『ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」』としてリリースされた。

2014年には『砂の器』公開40周年として、ビルボードジャパンにて西本智実指揮による組曲「宿命」が演奏された[26]

エピソード

[編集]

松本清張原作の映画作品
映画リスト 松本清張原作の映画一覧(公開順)
あ行 愛のきずな 天城越え 彩り河
か行 影なき声 影の車 かげろう絵図 花実のない森 風の視線 考える葉 黄色い風土 危険な女 鬼畜 球形の荒野 共犯者 霧の旗(1965年) 霧の旗(1977年) 疑惑 黒い画集 あるサラリーマンの証言 黒い画集 ある遭難 黒い画集 第二話 寒流 黒い樹海 黒の奔流 けものみち 告訴せず
さ・た行 砂の器 ゼロの焦点(1961年) ゼロの焦点(2009年) 点と線
な - わ行 内海の輪 波の塔 張込み 無宿人別帳 迷走地図 眼の壁 わるいやつら
作品 映画 テレビドラマ カテゴリカテゴリ
野村芳太郎監督作品
1950年代 次男坊 愚弟賢兄 きんぴら先生とお嬢さん 鞍馬天狗 青面夜叉 青春三羽鳥 慶安水滸伝 伊豆の踊子 青春ロマンスシート 青草に坐す びっくり五十三次 大学は出たけれど おとこ大学 新婚教室 亡命記 東京-香港 蜜月旅行 花嫁はどこにいる 太陽は日々新たなり 角帽三羽烏 旅がらす伊太郎 次男坊故郷へ行く 花嫁募集中 ここは静かなり 踊る摩天楼 伴淳・森繁の糞尿譚 花嫁のおのろけ 張込み 月給13,000円 モダン道中 その恋待ったなし どんと行こうぜ
1960年代 銀座のお兄ちゃん挑戦す 黄色いさくらんぼ 鑑賞用男性 最後の切札 ゼロの焦点 恋の画集 背徳のメス 春の山脈 左ききの狙撃者 東京湾 あの橋の畔で あの橋の畔で 第2部 あの橋の畔で 第3部 拝啓天皇陛下様 あの橋の畔で 完結篇 続・拝啓天皇陛下様 拝啓総理大臣様 五瓣の椿 素敵な今晩わ 暖流 おはなはん おはなはん 第二部 命果てる日まで あゝ君が愛 女たちの庭 女の一生 男なら振りむくな 夜明けの二人 白昼堂々 コント55号と水前寺清子の神様の恋人 でっかいでっかい野郎 コント55号と水前寺清子のワン・ツー・パンチ三百六十五歩のマーチ チンチン55号ぶっ飛ばせ!! 出発進行 ひばり・橋の花と喧嘩
1970年代 影の車 三度笠だよ人生は こちら55号応答せよ! 危機百発 なにがなんでも為五郎 コント55号水前寺清子の大勝負 やるぞみておれ為五郎 花も実もある為五郎 コント55号とミーコの絶体絶命 初笑い びっくり武士道 しなの川 ダメおやじ 東京ド真ン中 砂の器 昭和枯れすすき 八つ墓村 事件 鬼畜 配達されない三通の手紙
1980年代 わるいやつら 震える舌 真夜中の招待状 疑惑 迷走地図 ねずみ小僧怪盗伝 危険な女たち
毎日映画コンクール 日本映画大賞
1940年代 或る夜の殿様(1946) 今ひとたびの(1947) 醉いどれ天使(1948) 晩春(1949)
1950年代 また逢う日まで(1950) めし麦秋(1951) 生きる(1952) にごりえ(1953) 二十四の瞳(1954) 浮雲(1955) 真昼の暗黒(1956) (1957) 楢山節考(1958) キクとイサム(1959)
1960年代 おとうと(1960) 人間の條件 完結編(1961) 切腹(1962) 天国と地獄(1963) 砂の女(1964) 赤ひげ(1965) 白い巨塔(1966) 上意討ち 拝領妻始末(1967) 神々の深き欲望(1968) 心中天網島(1969)
1970年代 家族(1970) 沈黙 SILENCE(1971) 忍ぶ川(1972) 津軽じょんがら節 (1973) 砂の器(1974) 化石(1975) 不毛地帯(1976) 幸福の黄色いハンカチ(1977) 事件(1978) あゝ野麦峠(1979)
1980年代 影武者(1980) 泥の河(1981) 蒲田行進曲(1982) 戦場のメリークリスマス(1983) Wの悲劇(1984) (1985) 海と毒薬(1986) マルサの女(1987) となりのトトロ(1988) 黒い雨(1989)
1990年代 少年時代(1990) 息子(1991) シコふんじゃった。(1992) 月はどっちに出ている(1993) 全身小説家(1994) 午後の遺言状(1995) Shall we ダンス?(1996) もののけ姫(1997) 愛を乞うひと(1998) 鉄道員(ぽっぽや)(1999)
2000年代 (2000) 千と千尋の神隠し(2001) たそがれ清兵衛(2002) 赤目四十八瀧心中未遂(2003) 血と骨(2004) パッチギ!(2005) ゆれる(2006) それでもボクはやってない(2007) おくりびと(2008) 沈まぬ太陽(2009)
2010年代 悪人(2010) 一枚のハガキ(2011) 終の信託(2012) 舟を編む(2013) 私の男(2014) 恋人たち(2015) シン・ゴジラ(2016) 花筐/HANAGATAMI(2017) 万引き家族(2018) 蜜蜂と遠雷(2019)
2020年代 MOTHER マザー(2020) ドライブ・マイ・カー(2021) ケイコ 目を澄ませて(2022) せかいのおきく(2023)
括弧内は作品年度を示す、授賞式の年は翌年(2月)

テレビドラマ

[編集]

これまで朝日放送[注 1]・フジテレビ・テレビ朝日の3局で7回ドラマ化されている。いずれの作品も本浦千代吉の「ハンセン氏病」の描写が変更されている(1962年版については不明)。

1962年版

[編集]

砂の器
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『砂の器』
脚本 大垣肇
出演者 高松英郎夏目俊二
製作
制作 朝日放送
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 1962年2月23日3月2日
放送時間 金曜日20:00 - 21:00
放送枠 近鉄金曜劇場
回数 2
テンプレートを表示

朝日放送[注 1]製作、TBS系列で、1962年2月23日3月2日に「近鉄金曜劇場」枠(20:00-21:00)で放送されたテレビドラマ(全2回)。和賀英良は新進前衛作曲家の設定となっており、宣伝用のスチール写真では、原作同様の超音波発生器が登場している。詳細は資料がなく不明。

キャスト(1962年版)

[編集]

スタッフ(1962年版)

[編集]

TBS 近鉄金曜劇場
前番組 番組名 次番組
ひょうたんと駒(1962.2.9 - 2.16) 砂の器(1962.2.23 - 3.2) 榎物語(原作:山本周五郎)(1962.3.9 - 3.16)

1977年版

[編集]

砂の器
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『砂の器』
脚本 隆巴
監督 富永卓二
出演者 仲代達矢田村正和
製作
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 1977年10月1日 - 11月5日
放送時間 土曜日 22:00 - 22:54
放送枠 ゴールデンドラマシリーズ
回数 6
特記事項:文化庁芸術祭参加作品(最終回)再編集版を1985年2月22日に単発で放送
テンプレートを表示

フジテレビ系列で、1977年10月1日 - 11月5日に「ゴールデンドラマシリーズ」枠(22:00-22:54)で放送されたテレビドラマ(全6回)。事件発生を1974年に設定している。
1985年2月22日に「金曜女のドラマスペシャル」枠(21:02-23:22)で再編集版が放送された。また、1992年に松本清張が逝去した時にも追悼番組として放映された。全6回版がDVD化されている。
本浦千代吉の疾病については「精神疾患」[注 6]へと変更されている。

キャスト(1977年版)

[編集]

スタッフ(1977年版)

[編集]

DVD版発売

[編集]

上記の通り再編集単発版の放送もあったが、2008年12月、77年全6回版がDVD-BOX(3枚組/発売:ポニーキャニオン)で発売された[注 7]
2009年3月にはDVD単巻レンタルも開始され、2023年現在、VOD配信でも視聴可能。再編集単発版でのソフト発売、配信はなされていない。

フジテレビ系 土曜22時枠【当番組よりゴールデンドラマシリーズ
前番組 番組名 次番組
エメロンナイト レディーファースト↓単発特番 砂の器(フジテレビ版) 霧氷

1991年版

[編集]

松本清張作家活動40年記念砂の器
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『砂の器』
脚本 竹山洋
監督 池広一夫
出演者 田中邦衛佐藤浩市
製作
プロデューサー 柳田博美
制作 テレビ朝日
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 1991年10月1日
放送時間 20:02 - 22:24
回数 1
特記事項:第9回ATP賞(全日本テレビ番組製作社連盟主催)ベスト21番組選出作品
テンプレートを表示

テレビ朝日系列で、1991年10月1日(20:02-22:24)に、「松本清張作家活動40年記念各局競作シリーズ」として製作(各局2作品の清張作品を創った)、放送されたテレビドラマ(全1回)。第9回ATP賞ベスト21番組選出作品。

本作では本浦千代吉はハンセン氏病患者ではなく、犯罪を犯して息子とともにお遍路を装って逃亡を続けていたが亀嵩に到着して意を決し駐在巡査だった三木謙一に自首した、という設定に改められている。

キャスト(1991年版)

[編集]

スタッフ(1991年版)

[編集]

ソフト版・再放送

[編集]

民放4局が局跨ぎで同一作家の諸作を一年にわたって制作する、という画期的企画の一環として放送され、シリーズ放送終了翌年の1993年8月、「松本清張・特選12選」として本作も含むVHS版全12巻セットが発売された[注 8]。同年11月に単売も始まり、VHS版単巻レンタルも同時開始されて、視聴が容易となった。
レンタルソフトの主流がVHSからDVDに移って以降も、DVD版などへの移行・再発売は行われていないが、BS・CSで時折再放送されている。

2004年版

[編集]

砂の器
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『砂の器』
脚本 龍居由佳里
演出 福澤克雄金子文紀山室大輔
出演者 中居正広松雪泰子武田真治京野ことみ永井大松岡俊介岡田義徳赤井英和原田芳雄渡辺謙
エンディング DREAMS COME TRUEやさしいキスをして
製作
プロデューサー 伊佐野英樹瀬戸口克陽
制作 TBSエンタテインメント
製作 TBS
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2004年1月18日 - 3月28日
放送時間 日曜日21:00-21:54
放送枠 日曜劇場
放送分 54分
回数 11
特記事項:初回・最終回は15分拡大(21:00 - 22:09)第10話は5分拡大(21:00 - 21:59)
テンプレートを表示

TBS系「日曜劇場」枠で、2004年1月18日から3月28日まで全11話構成で放送された。

キャスト(2004年版)

[編集]

スタッフ(2004年版)

[編集]

受賞歴

[編集]

サブタイトル

[編集]

各話 放送日 サブタイトル 演出 視聴率 備考
第1話 2004年1月18日 宿命が、痛み出す 福澤克雄 26.3% 69分
第2話 2004年1月25日 目撃者 20.3%
第3話 2004年2月1日 もう戻れない悲しみ 金子文紀 19.4%
第4話 2004年2月8日 亀嵩の謎 16.7%
第5話 2004年2月15日 崩れ始めた嘘の人生 福澤克雄 19.1%
第6話 2004年2月22日 迫り近づく刑事の影 山室大輔 18.8%
第7話 2004年2月29日 絶対に隠したい秘密 福澤克雄 18.6%
第8話 2004年3月7日 聞こえてきた父の声 金子文紀 18.6%
第9話 2004年3月14日 逃亡 山室大輔 15.8%
第10話 2004年3月21日 宿命・最終楽章前編 福澤克雄 18.2% 59分
最終話 2004年3月28日 完結編・宿命の再会 21.5% 69分
平均視聴率 19.6%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

日曜劇場版の特徴

[編集]

スタッフロールで「潤色:橋本忍・山田洋次」と表示されるなど、映画版での「潤色」と同様の設定がされ、ピアノ協奏曲『宿命』(演奏会では和賀自らがピアノを演奏する)が印象的に用いられた。『宿命』の作曲は千住明による書き下ろしで、ピアノ演奏は羽田健太郎がつとめた。

親子の放浪の理由が「和賀英良(本浦秀夫)の父・本浦千代吉が、集落の中で唯一ダム工事の住民投票に賛成票を投じたといういわれなき理由で村八分にされた結果、妻が急病になった際集落の医師から診療を拒否され、誰にも助けてもらえないまま病死するに至ったことに憤怒し、村中の家に放火して26人を殺害したため」という設定にされている。村中に放火するという設定は、原作者が津山事件について記したドキュメント「闇に駆ける猟銃」から引用されたものである。その後千代吉は三木の秀夫への配慮により、亀嵩から離れた大阪で逮捕されたものの、公判中に不治の病に倒れ、秋川医療刑務所に収監されている設定となっている。

この変更については、時代の変化という理由もさることながら、川辺川ダムをめぐる一連の騒動や、放送前年の2003年11月に黒川温泉熊本県)のホテルで起きたハンセン病元患者宿泊拒否事件も大きく影響している。

また、舞台を2004年としており、時代の整合性の問題から、和賀の戸籍偽造について「秀夫が亀嵩から逃亡した後長崎で保護され孤児院にいた際、小学校の同級生で1982年長崎大水害で一家を含む地区の住民全員が亡くなった和賀英良の自宅近くにいるところを偶然救助隊に発見され、その機会に乗じて和賀英良の名を名乗った」と変更されている。その他、捜査の過程で行われる鑑識による証拠品の鑑定で、原作の時代にはまだなかったDNA鑑定が用いられるなどの違いも存在する。

亀嵩駅のシーンの撮影については、映画版同様別の駅が使用され、本作では山口線篠目駅がロケ地に使用された。

楽曲

[編集]

主題歌

挿入曲

TBS 日曜劇場
前番組 番組名 次番組
末っ子長男姉三人(2003.10.12 - 2003.12.21) 砂の器(2004.1.18 - 2004.3.28) オレンジデイズ(2004.4.11 - 2004.6.20)
TBS系列 東芝日曜劇場→日曜劇場(21時台)
東芝日曜劇場(連ドラに転換後)(1993年4月 - 2002年9月) 1993年 丘の上の向日葵 課長サンの厄年 カミさんの悪口 1994年 スウィート・ホーム ボクの就職 オトコの居場所 お兄ちゃんの選択 1995年 カミさんの悪口2 きのうの敵は今日も敵 パパ・サヴァイバル 輝け隣太郎 1996年 冠婚葬祭部長 その気になるまで ふたりのシーソーゲーム Dear ウーマン 1997年 メロディ 理想の上司 オトナの男 ベストパートナー 1998年 まかせてダーリン カミさんなんかこわくない 海まで5分 なにさまっ! 1999年 サラリーマン金太郎 グッドニュース ザ・ドクター ヤマダ一家の辛抱 2000年 ビューティフルライフ サラリーマン金太郎2 催眠 オヤジぃ。 2001年 白い影 Love Story 恋がしたい恋がしたい恋がしたい ガッコの先生 2002年 サラリーマン金太郎3 ヨイショの男 太陽の季節
日曜劇場(2002年10月 - ) 2002年 おとうさん 2003年 GOOD LUCK!! 笑顔の法則 元カレ 末っ子長男姉三人 2004年 砂の器 オレンジデイズ 逃亡者 RUNAWAY 夫婦。 2005年 Mの悲劇 あいくるしい いま、会いにゆきます 恋の時間 2006年 輪舞曲 おいしいプロポーズ 誰よりもママを愛す 鉄板少女アカネ!! 2007年 華麗なる一族 冗談じゃない! パパとムスメの7日間舘ひろし版) ハタチの恋人 2008年 佐々木夫妻の仁義なき戦い 猟奇的な彼女 Tomorrow〜陽はまたのぼる〜 SCANDAL 2009年 本日も晴れ。異状なし ぼくの妹 官僚たちの夏 JIN-仁-(第1期) 2010年 特上カバチ!! 新参者 GM〜踊れドクター 獣医ドリトル 2011年 冬のサクラ JIN-仁- 完結編(第2期) 華和家の四姉妹 南極大陸 2012年 運命の人 ATARU サマーレスキュー〜天空の診療所〜 MONSTERS 2013年 とんび 空飛ぶ広報室 半沢直樹(2013年版) 安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜 2014年 S -最後の警官- ルーズヴェルト・ゲーム おやじの背中 ごめんね青春! 2015年 流星ワゴン 天皇の料理番 ナポレオンの村 下町ロケット(2015年版) 2016年 家族ノカタチ 99.9-刑事専門弁護士-(SEASON I) 仰げば尊し IQ246〜華麗なる事件簿〜 2017年 A LIFE〜愛しき人〜 小さな巨人 ごめん、愛してる 陸王 2018年 99.9-刑事専門弁護士-(SEASON II) ブラックペアン(シーズン1) この世界の片隅に 下町ロケット(2018年版) 2019年 グッドワイフ 集団左遷!! ノーサイド・ゲーム グランメゾン東京 2020年 テセウスの船 半沢直樹(2020年版) 危険なビーナス 2021年 天国と地獄〜サイコな2人〜 ドラゴン桜(第2シリーズ) TOKYO MER〜走る緊急救命室〜 日本沈没-希望のひと- 2022年 DCU マイファミリー オールドルーキー アトムの童 2023年 Get Ready! ラストマン-全盲の捜査官- VIVANT 下剋上球児 2024年 さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜 アンチヒーロー ブラックペアン(シーズン2) 海に眠るダイヤモンド
関連項目 TBS 東芝(一社提供時代のスポンサー)
カテゴリ カテゴリ
日刊スポーツ・ドラマグランプリ 作品賞
ラブジェネレーション(1997年) GTO(1998年) ビューティフルライフ(1999年) HERO(2000年) アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜(2001年) GOOD LUCK!!(2002年) 砂の器(2003年) 義経(2004年) エンジン(2005年) 花より男子2(リターンズ)(2006年) 有閑倶楽部(2007年) 魔王(2008年) ヤマトナデシコ七変化(2009年) なし(2010年) 妖怪人間ベム(2011年) 鍵のかかった部屋(2012年) 半沢直樹(2013年) 死神くん(2014年) アルジャーノンに花束を(2015年) 世界一難しい恋(2016年) 99.9-刑事専門弁護士-SEASON II(2017年) おっさんずラブ(2018年) インハンド(2019年) 半沢直樹(2020年) 和田家の男たち(2021年) クロサギ(2022年) だが、情熱はある(2023年) VIVANT(2023年)

2011年版

[編集]

松本清張ドラマスペシャル砂の器
ジャンル テレビドラマ
脚本 竹山洋
監督 藤田明二
出演者 玉木宏中谷美紀佐々木蔵之介小林薫
音楽 沢田完
製作
プロデューサー 五十嵐文郎 ほか
制作 テレビ朝日
放送
音声形式 ステレオ放送
放送国・地域 日本の旗 日本
回数 2
公式サイト
第一夜
放送期間 2011年9月10日
放送時間 21:03 - 23:06
放送分 123分
回数 1
第二夜
放送期間 2011年9月11日
放送時間 21:03 - 23:09
放送分 126分
回数 1
特記事項:第一夜・第二夜ともに、21:00 - 21:03には「見所」を放送。東京ドラマアウォード作品賞優秀賞(単発ドラマ)受賞作品
テンプレートを表示

テレビ朝日系列で、2011年3月12日・13日に2夜連続で放送される予定だったが、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)に伴うANNを含む各局にて非常報道体制取られた為、中止。当初予定から半年後の2011年9月10日・11日の2夜連続に日時を改めて放送された。テレビ朝日では2回目のドラマ化となる。本ドラマは刑事・吉村の視点で物語が描かれていく構想となっている。脚本を手がける竹山洋はテレビ朝日版1回目(1991年版)ドラマでも脚本を書いており、当時の脚本を改稿して、本作に用いている。
視聴率は第一夜16.6%、第二夜13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。DVD化・Blu-ray化されている。

この放送中止から延期放送に至るまでは、視聴者からの要望が大きかったことと、3月放送予定の時の14社中9社のアドバタイザーに引き続き提供した。

本ドラマでは、原作の時代設定に沿った形で映像化されているが、上記のように、物語が吉村の視点で描かれている他、一部オリジナルキャストの登場や、2004年版同様、親子の放浪理由が変更されており、本浦千代吉が殺人容疑で逮捕され、証拠不十分で釈放されたものの、村人達からの疑惑の目に耐え切れず息子・秀夫を連れ放浪の旅に出たとされている。

2012年10月に発表された東京ドラマアウォードで、作品賞優秀賞(単発ドラマ)を受賞した。[38]

キャスト(2011年版)

[編集]

その他

スタッフ(2011年版)

[編集]

2019年版

[編集]

フジテレビ開局60周年特別企画松本清張 砂の器
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『砂の器』
脚本 小峯裕之
演出 河毛俊作
出演者 東山紀之中島健人野村周平土屋太鳳桜井日奈子柄本明黒木瞳北大路欣也
製作
プロデューサー 後藤博幸荒井俊雄
制作 フジテレビ
放送
映像形式 リアルタイム字幕放送[注 9]連動データ放送
音声形式 ステレオ放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2019年3月28日
放送時間 19:57 - 22:54
放送分 177分
回数 1回
公式サイト
テンプレートを表示

フジテレビの開局60周年ドラマとして、2019年3月28日(19:57 - 22:54)で放送された[39]。平均視聴率は11.1%、瞬間最高視聴率は12.1%[40]。本作では父親が殺人犯という設定になっている。

キャスト(2019年版)

[編集]

その他

スタッフ(2019年版)

[編集]

松本清張原作のテレビドラマ
一覧 松本清張原作のテレビドラマ一覧(放送順)
あ行 愛犬 愛と空白の共謀 愛と死の砂漠 愛の断層 蒼い描点 青のある断層 赤い月 葦の浮船 熱い空気 熱い絹 天城越え 或る「小倉日記」伝 一年半待て 異変街道 遺墨 依頼人 薄化粧の男 馬を売る女 駅路 お手玉 溺れ谷
か行 拐帯行 影の車 影の地帯 駆ける男 かげろう絵図 花実のない森 数の風景 風の息 風の視線 花氷 紙の牙 家紋 ガラスの城 カルネアデスの舟板 寒流 黄色い風土 記憶 聞かなかった場所 危険な斜面 鬼畜 記念に… 球形の荒野 恐喝者 共犯者 虚飾の花園 霧の旗 疑惑 疑惑 (時代劇) 空白の意匠 草の陰刻 くるま宿 黒い樹海 黒い空 黒い福音 黒い罠 黒革の手帖 黒の回廊 黒の奔流 結婚式 けものみち 絢爛たる流離 交通事故死亡1名 心の影 誤差 混声の森
さ行 西海道談綺 西郷札 最後の自画像 再春 坂道の家 ザ・商社 殺意 殺人行おくのほそ道 裁きの夏 三億円事件 山峡の章 山峡の湯村 時間の習俗 式場の微笑 事故 詩城の旅びと 市長死す 死の発送 支払い過ぎた縁談 十万分の一の偶然 種族同盟 状況曲線 証言 証明 書道教授 知られざる動機 白い闇 真贋の森 死んだ馬 砂の器 棲息分布 脊梁 ゼロの焦点 潜在光景 捜査圏外の条件 喪失 喪失の儀礼 遭難
た行 高台の家 たずね人 たづたづし 脱兎のごとく 岡倉天心 足袋 断線 小さな旅館 地の骨 地方紙を買う女 中央流沙 強き蟻 帝銀事件 Dの複合 天才画の女 点と線 逃亡 遠い接近 年下の男 突風
な行 内海の輪 波の塔 二階 日光中宮祠事件 ニュードキュメンタリードラマ昭和 松本清張事件にせまる 人間水域 塗られた本
は行 箱根初詣で 鉢植を買う女 歯止め 張込み 犯罪広告 犯罪の回送 氷雨 微笑の儀式 火と汐 火の記憶 火の路 百円硬貨 父系の指 不在宴会 不在証明 文五捕物絵図 文吾捕物帳
ま - わ行 真昼の月 見送って 水の炎 霧氷の影 迷走地図 眼の壁 眼の気流 夜光の階段 やさしい地方 留守宅の事件 連環 老春 六畳の生涯 渡された場面 わるいやつら
関連項目 松本清張シリーズ (関西テレビ) 松本清張ミステリー時代劇
カテゴリカテゴリ / 一覧(作品映画

脚注

[編集]

[脚注の使い方]

注釈

[編集]

  1. ^ a b c 1962年版(「近鉄金曜劇場」枠)を製作した朝日放送は、放送当時はTBSJNN)系列であった。
  2. ^ 小説第六章の桑原文部技官のモデルを、当時同研究所に勤務していた言語学者の柴田武に比定する推測もあるが、本作の速記を担当していた福岡隆によれば、本作内の方言論の記述は柴田に取材したものではないとされている[17]。その後、本作内の方言論の記述の由来について、研究者による資料考察が行われている。小西いずみ「松本清張『砂の器』における「方言」と「方言学」」(『都大論究』第42号掲載)では、小説第六章に記述されている「中国地方の方言のことを書いた本」『出雲国奥地における方言の研究』などに関して、著者が実在の研究文献の記述を再構成し記述していることを論証している。
  3. ^ なお、第十三章では、山中温泉まで北陸鉄道山中線を利用する描写があるが、同線はすでに廃止され、状況が変化している。
  4. ^ 都筑道夫は『サタデイナイト・ムービー』(奇想天外社集英社文庫)で「B級映画はB級映画らしく、推理映画は推理映画らしくなければならない。推理小説を原作にしてもお涙頂戴の映画をつくっていたりすると、腹が立ってくるのである」というような批判もある。
  5. ^ 原作では架空の人物となっていた和賀夫妻が実在していて、その夫妻の店で奉公していたなど。
  6. ^ 日中戦争(劇中では「支那事変」と表現されていた)で軍に徴用され、戦場での負傷と恐怖体験により精神を病んで除隊したという設定。
  7. ^ フジテレビ開局50周年記念DVDとして発売、翌年に作者生誕100周年を控えたタイミングでもあった。
  8. ^ 当時価格で11万円という高額商品だった。単巻版は当時価格で11000円。以上・発売:ポニーキャニオン
  9. ^ 通常の字幕の制作が間に合わなかったためドラマとしては異例のリアルタイム字幕放送で実施された。

出典

[編集]

  1. ^ 第十三章2節を参照。
  2. ^ 「捜査本部は所轄の蒲田署の一室が当てられていた」(第一章4節)、「吉村は、事件の起こった地元の所轄署の刑事である」(第二章4節)をそれぞれ参照。
  3. ^ 『週刊 松本清張』第2号、デアゴスティーニ・ジャパン、2009年、26-27頁。
  4. ^ 足羽隆『松本清張と日南町』非売品、2013年、54-57頁。
  5. ^ 村田英治『『砂の器』と木次線』ハーベスト出版、2023年、154-155頁。
  6. ^ a b c 「山村亀二郎「“砂の器”のころの清張さん」」『松本清張全集』 第5巻 砂の器、文藝春秋、1971年。全国書誌番号:75011919
  7. ^ デアゴ 2009, pp. 11, 20-21
  8. ^ デアゴ 2009, pp. 20–21
  9. ^ 「ある作家の周囲 その23 松本清張篇」『宝石』1963年6月号、宝石社。または『松本清張推理評論集 1957-1988』中央公論新社、2022年、98頁
  10. ^ 小沼純一「第六章「併行する時代」」『武満徹 その音楽地図』PHP研究所PHP新書〉、2005年。ISBN 4-569-64213-6
  11. ^ デアゴ 2009, p. 7
  12. ^ デアゴ 2009, p. 11
  13. ^ 大井廣介「紙上殺人現場」『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』1961年10月号110‐111頁、早川書房
  14. ^ 中島河太郎・大内茂男による座談会「今月の創作評」『宝石』1961年10月号232頁、宝石社
  15. ^ デアゴ 2009, p. 19
  16. ^砂の器について - 湯野神社”. 2024年5月18日閲覧。
  17. ^ 福岡隆『人間・松本清張 専属速記者九年間の記録』大光社、1968年、84頁。全国書誌番号:68008509
  18. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社、2003年、198-199頁。ISBN 4-87376-595-1
  19. ^ 「世界映画作品・記録全集」『キネマ旬報』第1473号、1975年6月5日増刊号。
  20. ^ 警視庁刑事部 捜査第一課 第三係 警視庁警部補 名刺より
  21. ^ 警視庁西蒲田警察署 刑事課 捜査第一係 警視庁巡査 名刺より
  22. ^ 遺留品のマッチ箱より
  23. ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P117
  24. ^ a b c 白井佳夫橋本忍「橋本忍が語る清張映画の魅力」『松本清張研究』第5号、砂書房、1996年。
  25. ^ 荒井裕樹「文学にみる障害者像 松本清張著 『砂の器』とハンセン病」『ノーマライゼーション 障害者の福祉』2004年9月号、日本障害者リハビリテーション協会、2018年10月25日閲覧。
  26. ^西本智実指揮 組曲《宿命》〜映画「砂の器」公開40周年記念”. タワーレコード (2014年6月30日). 2018年10月25日閲覧。
  27. ^ 春日太一「橋本忍と『砂の器』」『オール読物』2019年6月号234‐236頁、文藝春秋社
  28. ^ 春日太一「橋本忍と『砂の器』」『オール読物』2019年6月号236頁、文藝春秋社
  29. ^ a b c 山田洋次川本三郎「清張映画の現場」『松本清張研究』第13号、北九州市立松本清張記念館、2012年、[_要ページ番号_]。
  30. ^ a b c d 『砂の器 永久保存版』小学館〈小学館DVD BOOK 松本清張傑作映画ベスト10 第1巻〉、2009年、[_要ページ番号_]頁。ISBN 978-4-09-480401-0
  31. ^ 春日太一「橋本忍と『砂の器』」『オール読物』2019年6月号239-240頁、文藝春秋社
  32. ^ 西村雄一郎「(追悼・橋本忍)傑作『砂の器』と怪作『幻の湖』」『新潮45』2018年9月号、新潮社、100-105頁。
  33. ^ 春日太一「橋本忍と『砂の器』」『オール読物』2019年6月号241-242頁、文藝春秋社
  34. ^ a b今時の若者は知らない…名脇役・加藤嘉「狂気の演技」をご存じですか(その2)”. ウェブサイト・現代ビジネスより週刊現代のページ (2022年6月12日). 2022年6月30日閲覧。
  35. ^今時の若者は知らない…名脇役・加藤嘉「狂気の演技」をご存じですか(その4)”. ウェブサイト・現代ビジネスより週刊現代のページ (2022年6月12日). 2022年6月30日閲覧。
  36. ^ 西村雄一郎『清張映画にかけた男たち 『張込み』から『砂の器』へ』(2014年、新潮社) 237-239頁
  37. ^「自分の台詞に感動しちゃって」NG連発でも好かれる国民的俳優。“大物”に共通する人柄の良さとは”. 現代 (2024年5月3日). 2024年5月7日閲覧。
  38. ^ 島村幸恵 (2012年10月22日). “「家政婦のミタ」がグランプリで5冠! 東京ドラマアウォード2012発表”. シネマトゥデイ. 2012年10月23日閲覧。
  39. ^ “東山紀之で『砂の器』!清張作品“常連”「先生ならではの“人間”を表現したい」”. SANSPO.COM (産経デジタル). (2019年2月24日). https://www.sanspo.com/article/20190224-XNOIBEWU3JPS3PM6VEGEVFXIWA/ 2019年2月24日閲覧。
  40. ^ “東山紀之主演『砂の器』視聴率11.1% 瞬間最高は12.1%”. マイナビニュース (マイナビ). (2019年3月29日). https://news.mynavi.jp/article/20190329-797909/ 2020年7月13日閲覧。
  41. ^ “土屋太鳳が「砂の器」で中島健人の“愛人”役、「一瞬一瞬を丁寧に」”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年3月2日). https://natalie.mu/eiga/news/322210 2019年3月2日閲覧。

外部リンク

[編集]

松本清張の作品
作品リスト 松本清張作品の一覧(刊行順)
推理小説現代小説 長編あ行 蒼い描点 蒼ざめた礼服 紅い白描 赤い氷河期 葦の浮船 熱い絹 彩り河 隠花平原 美しき闘争 溺れ谷 か行 翳った旋舞 影の地帯 花実のない森 数の風景 風の息 風の視線 花氷 神々の乱心 神と野獣の日 ガラスの城 考える葉 黄色い風土 聞かなかった場所 球形の荒野 霧の会議 霧の旗 空の城 草の陰刻 屈折回路 黒い樹海 黒い空 黒い福音 黒革の手帖 黒の回廊 けものみち 幻華 高校殺人事件 告訴せず 湖底の光芒 混声の森 さ行 彩霧 殺人行おくのほそ道 雑草群落 砂漠の塩 山峡の章 時間の習俗 詩城の旅びと 死の発送 十万分の一の偶然 状況曲線 小説帝銀事件 砂の器 聖獣配列 棲息分布 ゼロの焦点 一九五二年日航機「撃墜」事件 喪失の儀礼 象の白い脚 た・な行 地の骨 地の指 中央流沙 強き蟻 Dの複合 天才画の女 点と線 遠い接近 波の塔 二重葉脈 人間水域 塗られた本 は - わ行 梅雨と西洋風呂 犯罪の回送 火の路 不安な演奏 風紋 水の炎 迷走地図 眼の壁 夜光の階段 歪んだ複写 落差 連環 渡された場面 わるいやつら 短編あ行 愛犬 愛と空白の共謀 青のある断層 赤いくじ 熱い空気 天城越え アムステルダム運河殺人事件 或る「小倉日記」伝 生けるパスカル 石の骨 一年半待て 田舎医師 遺墨 薄化粧の男 馬を売る女 駅路 鷗外の婢 お手玉 恩誼の紐 か行 拐帯行 駆ける男 火神被殺 紙の牙 家紋 カルネアデスの舟板 寒流 菊枕 危険な斜面 鬼畜 記念に 恐喝者 共犯者 巨人の磯 疑惑 空白の意匠 黒地の絵 結婚式 交通事故死亡1名 獄衣のない女囚 誤差 骨壺の風景 さ行 再春 坂道の家 相模国愛甲郡中津村 削除の復元 殺意 皿倉学説 山峡の湯村 式場の微笑 事故 死者の網膜犯人像 市長死す 支払い過ぎた縁談 種族同盟 証言 小説 3億円事件 証明 書道教授 白い闇 新開地の事件 真贋の森 死んだ馬 脊梁 潜在光景 捜査圏外の条件 喪失 装飾評伝 遭難 た・な行 高台の家 たづたづし 足袋 断線 断碑 小さな旅館 地方紙を買う女 泥炭地 東経139度線 年下の男 突風 内海の輪 二階 日光中宮祠事件 任務 は行 箱根心中 箱根初詣で 鉢植を買う女 歯止め 張込み 犯罪広告 氷雨 微笑の儀式 火と汐 ひとり旅 火の記憶 百円硬貨 表象詩人 笛壺 父系の指 不在宴会 ま - わ行 万葉翡翠 見送って 眼の気流 やさしい地方 理外の理 陸行水行 留守宅の事件 老公 老春 六畳の生涯 シリーズ 影の車 禁忌の連歌 黒い画集 黒の図説 黒の線刻画 黒の様式 絢爛たる流離 別冊黒い画集
歴史小説時代小説 異変街道 大奥婦女記 鬼火の町 かげろう絵図 疑惑 くるま宿 眩人 西海道談綺 西郷札 佐渡流人行 啾々吟 小説日本芸譚 天保図録 逃亡 無宿人別帳 乱灯江戸影絵
古代史 古代史疑 清張通史 ペルセポリスから飛鳥へ 松本清張のケルト紀行 密教の水源をみる 空海・中国・インド
近現代史 昭和史発掘 日本の黒い霧
評伝・伝記 暗い血の旋舞 形影 菊池寛と佐佐木茂索 徳川家康 両像・森鷗外
随筆・日記 黒い手帖 今日の風土記 作家の手帖 過ぎゆく日暦 半生の記
カテゴリ 松本清張 小説 短編小説
作品一覧 映画 テレビドラマ