漫画「逃げ上手の若君」と関連本を紹介 (original) (raw)
今回はアニメも放映中(1期は終了)の漫画「逃げ上手の若君」を紹介します。
松井優征さんによる歴史漫画で「週刊少年ジャンプ」で連載されています。
最初は子どもに勧められてアニメを観始めて「おもしろい!」となったわけですが、そもそも私は歴史に疎く、学生の頃から歴史の授業が大嫌い。
そんなわけで、アニメだけだと歴史的背景や、もろもろ追いつけなくて原作も読み始めました。
目次
作者紹介
1979年1月31日埼玉県入間市で生まれ。2004年に「魔人探偵脳噛ネウロ」でデビュー。代表作に「暗殺教室」や「逃げ上手の若君」があり「暗殺教室」はアニメ化され劇場版も制作されました。「逃げ上手の若君」は2024年に第69回小学館漫画賞を受賞しました。
あらすじ
鎌倉幕府再興を目指す北条家の生き残りである**北条時行**が、さまざまな計略を駆使して朝廷方や足利氏と戦う姿を描いています。
時行の特徴は「逃げる」ことに特化した能力を持ち、これが彼の生き残るための武器となります。そして「逃若党」という同世代の若者たちと共に行動し様々な困難に立ち向かいます。歴史とフィクションが絶妙に絡み合う魅力的なストーリーです。
「逃げ上手の若君」って誰?
主人公の「逃げ上手の若君」は北条時行です。時代は鎌倉幕府末期。物語は足利尊氏に滅ぼされる直前あたりから始まります。
足利尊氏は日本史の教科書にも載っているので、私でも知ってる!って思いましたが、
北条時行???……誰?
北条時行について
出自と背景
中先代の乱
- 父・高時が自害した後、諏訪頼重ら諏訪神党の助けで鎌倉から逃れる
- 2年後諏訪からの挙兵を試みる
- 北条氏の残党や旧幕府方の武士たちを集めた
- 足利直義を破って鎌倉を占拠
- 20日後足利尊氏に敗れたが鎌倉から逃れる
- 後醍醐天皇の南朝側につき、北畠顕家らとともに尊氏討伐のため挙兵
アニメ1期(2期制作決定!)は諏訪での2年間で終わっていますが、漫画は現在北畠顕家とともに尊氏討伐のために動いています。とにかく尊氏に挑み続けるといった感じです。挑むには逃げて生き延びることが必要。
逃げること=生き延びることを時行を通して強く描いています。
武士の生きざまとして死を急ぐ武将たちの中で、負けても逃げて生きる。そしてまた挑戦する姿は今の日本の「ちょっとの失敗も許されない」「チャレンジしても失敗すると叩かれる」ような息苦しい感じとは対極にあります。
時行と逃若党のメンバー以外は皆「おじさん」というのも珍しくおもしろいところです。
ギャグを織り交ぜつつ、登場人物たちが敵味方ともに魅力的に描かれているので「推し」を見つけるのも楽しいです。ちなみに私の推しは時行を匿っている**諏訪頼重と敵方で弓の名手小笠原貞宗**です。
また、各陣営の戦略や戦術に注目してもおもしろい!実は大人向けの漫画なのでは?と思っています。
この漫画をきっかけに歴史関係の本も読んだので、合わせて紹介しますね。
「中先代の乱」 鈴木由美 著
「南北朝の動乱」 かみゆ歴史編集部 編著