Made in Japan それがどうした (original) (raw)

今回は、備忘録。まずはこの写真をご覧あれ。

右の椅子に腰かけた御仁は、ご存じJLG(ジャン=リュック・ゴダール 御大)キャメラの前は、撮影担当のファブリス・アラーニョ。2014年製作の3D映画『Adieu au Langage さらば言語よ (邦題 さらば、愛の言葉よ ) 』の撮影スナップ=宣材。

前に並ぶ主要なキャメラは、ほとんどが日本製Made in Japan 。

ヴィンテン(英)製の三脚の上にメインキャメラCANON EOS 5D MarkⅡを二台つなげた自作の3D撮影装置。その上にクリップで挟まれたSONY MHS-FS3 3D Bloggie HD camera、三脚の脇から延びるマンフロット(伊)製ハイドロスタットアームの先の雲台には二台のGO Pro(米)、腰をかがめたアラーニョの指先には、ミニ三脚に載ったFUJI FILM Fine Pix REAL 3D W3が一台、さらに一番左端手前に同じくFUJI FILM Fine Pix REAL 3D W3がもう一台。七つのキャメラと10のレンズ。

ゴダールの左手にはiPhoneが見える。

(以上の情報は、平倉圭 著『かたちは思考する 芸術制作の分析』【2019.9.26. 東京大学出版会刊 】291頁から得た。その厳密で緻密な解説には感心する。けど、それだけのこと。どんな筆を使っているかは、研究者や学者センセには重要なのかも知れないが、只の観客・受け手としては、表現された物(ブツ)から受ける〝官能〟からどんどん遠ざかっていく不幸を感じてしまった。平倉センセ ご自身「深々と見よ。見ることの根源的不安に沈め。容易に言葉に置き換えるな」と言っておられたのに、さ。)

もういちど繰り返すが、これはあくまで備忘録。それ以上じゃない。平倉さん ゴクロウサマ。