lenheyvan’s music (original) (raw)

どうも、lenheyvanです。

Marshall Origin50の回路解説Part2です。
では続きを解説していきましょう。

Part1はコチラ
↓↓↓

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回路解説

Part1ではV2Aに来るところまで解説したので、その続きからです。

V2A~V3B

V2Aで再度増幅しますが、Point11のプレート抵抗(R55)は通常100kのところを220kになっています。Part1で解説したとおりココの前段でバッファ回路部分で1/10に信号を減衰させているので、ここの増幅は強めに設計しているようです。

ここは300kくらいまで上げても良いと思います。
また、Part1で触れましたが、初段であるV1B、もしくは、二段目のV1Aのどちらかのプレート抵抗も同じくらいまで上げでも良いと思います。
V1B,V1Aの両方をやってしまうとFX Loopに送る信号の歪みが強くなり過ぎるので程々にしておいて、センドリターン後のV2Aで歪ませるのが良いかと思います。

Point10のカソード部は2.2k/22uFになっていて、コンデンサの定数が大きいですね。
ここはもう少し小さめに定数にして高音域をブーストしたほうが良いと思います。

Point12のカップリングコンデンサは22nFくらいが良いかなと思います。

カップリングコンデンサを通ったあとはマスターボリューム回路に繋がっています。
VR106がマスターボリュームノブになっていて、青線の通り信号が流れて次段へ続きます。

また、マスターボリュームの右側にVR107があり、これはプレゼンスノブです。
C106があることである周波数から上の帯域を持ち上げる効果がありますが、100nFという伝統的な定数になっています。これはかなり高い帯域を持ち上げていますが、もう少し大きい定数にするとミドルから持ち上げるようにすることが可能です。
私のお気に入りの定数は0.68uFです。

V2Aで増幅された信号は、最後にPoint14のカップリングコンデンサを通ってV3Bにいきますが、100nFちょっと大きいですね。
ちょっとブーミーな感じになるので22-47nFくらいがオススメです。

V3~V4,V5

Point16のV3A/V3Bはフェーズインバーター(位相反転器)というもので、スピーカー駆動させるために正相と逆相の2つの信号を作り出すところです。
これが最後のプリ管(3本目)です。
正相と逆相を2つの信号を作り出して、Point17のパワー管でスピーカー駆動できるレベルまで信号を大きくして本アンプの最終出力となります。

本アンプのようにV3(フェーズインバーター)の前にマスターボリュームを配置するのが割と多いです。プリ管2段目までで歪みを作るためです。
ただ、実はフェーズインバーターでも歪みがそこそこ付加されます。
なので、この方式だとマスターボリュームをそこそこ上げないとフェーズインバーターの歪みが乗らないんですよね。

なので、フェーズインバーターの後にマスターボリュームを配置することでプリ管の歪みはフルに乗せるというやり方もあります。

これをPPIMV(Post Phase Inverter Master Volume)と言います。
フェーズインバーター前だとPostではなくPreになるので、これも略したらPPIMVじゃないか、ということになるのですが、一般的にはPPIMVはPostのほうのことを指します。

モディファイ

私のモディファイでは全体の定数変更と合わせて、PPIMV化と2ゲインノブ方式(TILTノブをゲイン2へ)も行ったのでそれについても解説しておきます。

PPIMV

全体像としては下図のような感じです。

PPIMVの設計方式は3,4パターンくらいあるのですが、一番インストールしやすいのがここで採用しているType3というものです。

サウンド的にはType2のLar/Mar方式というのが一番良いらしいですが、デュアル可変抵抗器(PECのような高価でハイスペックなものを入手して2つの可変抵抗器がかなり精度高くないといけない)が必要だったりパワー管へ入るところのグリッドリーク抵抗部を回路変更したりと結構面倒です。また、海外のForumでは、サウンド的にそこまで変わらないという意見もあったりしてType3を採用しました。

これは、V4,V5(パワー管)に入る直前のR38,R39から信号を取って、可変抵抗器に入れてブレンド具合を可変させるだけです。

何故これでマスターボリュームとなるのか?ですが、V3のフェーズインバーターで正相と逆相の信号を作り出すと説明しました。
よって、パワー管へ入る直前のR38,R39の信号は逆になっています。

正相と逆相を混ぜると打ち消しあうので信号が消えます。
これはギターのフェーズアウトと同じ原理で(ギターの場合は微妙にズレるので完全には消えませんが)、すごくペラペラなサウンドになりますよね。

マスターボリュームを最小にする(左に回し切る)と正相と逆相を100%ブレンドされるので音量がゼロになります。
最大にする(右に回し切る)と正相と逆相がブレンドされないので音量がMAXになります。

VR106の可変抵抗を流用しますので、オリジナルの位置からマスターボリュームを剝がします。回路図で言うと以下の×の部分です。

次のように基板からマスターボリュームを外します。

そして裏面を以下のように接続します。これで、ここに来た信号はそのまま折り返されて戻っていきます。

取り外した可変抵抗は本体に直付けしちゃいます。

そして、こんな感じにシールド線を取り付けます。念のためホットボンドで外れないよう保護してあります。
※信号線は発振やノイズ混入を防ぐためシールド線を使ったほうが良いです。
ギターアンプではRG174が定番として使用されます。

R38,R39と接続すれば出来上がりです。

この方式のPPIMVはノブ回し始めが急激にボリューム変化するので、滑らかなボリューム変化とはいきませんが、フェーズインバーター前のときと比べて、小音量時の歪みのの乗り方は格段に変わりました。

2ゲインノブ化

次はTILTノブをゲイン1(初段V1Bのゲイン調整ノブ)の回路から切り離して、二段目(V1A)のゲイン調整ノブとして利用する改造です。
これを行うと、2つのゲイン調整ノブでサウンドコントロールできるようになり、サウンドメイクの幅が格段に広がります。

初段のゲイン1(V1B)で全体のゲインコントロールをしつつ、キャラクター(増幅周波数)の違う2つの増幅段の信号割合を変えることができるので、ミドル厚めのサウンドにしたり、ハイ上がりのキレの良いサウンドにしたりをコントロールできるようになります。

全体像はこんな感じです。

まず、TILTノブの機能を除去しちゃいますので、初段のゲインノブの回路から切り離します。

TILTノブは、C102とワイパー部分(R101の上部)の2箇所でゲインノブの回路と接点を持っていますのでこれを切り離します。
C102は取り外してしまうだけで導通しなくなるのでOKです。

R101の上部は基板上、信号が流れないようにする必要があります。
一番楽なのはドリルで穴開けしてしまう方法です。

下図の赤丸部分がR101からTILTノブへ信号を送っている基板部分で、ここに穴あけします。穴あけしたらテスターで導通しないことを確認しましょう。

ボリューム回路として使うのでC101のコンデンサは取り外してJUMP(ジャンパー線)で導通させてしまいます。

これで、TILTノブは分離できたので、あとは、二段目(V1A)の増幅後の信号をTILTノブの入力に入るように変更し、出力をワイパー(ポットの真ん中の端子)から取り出して、また元に戻してあげます。

二段目(V1A)の増幅後の信号はR64→CN22を通ってトーン回路へ流れるようになっているので、一旦R64の後ろで流れを切って信号を取り出します。

ここも基板に穴あけが必要なのでドリルを使います。
表面はこうなっていて赤丸部分が穴あけしたところです。

裏面を見ると導線が分かりますが、赤線の通り信号が流れるようになっていますのでこれを断ち切ります。R64→CN22の一番左の端子への流れの部分です。

これで準備は整ったので、R64から取り出した信号をVR102の上部(C102との接点)部分に繋いであげて、VR102の出力から取り出した信号をCN102の一番左の端子に戻してあげます。

下図の赤線がR64から取り出した信号をVR102の上部(C102との接点)部分に繋いでいる部分です。

VR102の出力から取り出した信号をCN102の一番左の端子に戻す部分は以下赤線部分です。

最後に

色々改造を加えたのでそこそこな手術でしたが、満足いくサウンドにできました。
一点注意点として、エフェクターなんかでもよくあるのですが、本アンプは鉛フリーにハンダが使用されているようで、既存のハンダを溶かして吸い取るのが中々大変です。

そういうときは、鉛が含有されているハンダ(普通にKester44でも電子工作用の安いやつでも鉛入っていると思います)を最初に溶かし混ぜてあげてから吸い取るとうまくいきます。(それでも場所によっては結構苦戦しました)

ではまた!

どうも、lenheyvanです。

今回はMarshall Origin50の回路解説とモディファイポイントです。

他アンプのモディファイ記事リンクも載せておきます。
↓↓↓

Marshall Class5

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Marshall Haze15

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はじめに

Marshall Originは5W、20W、50Wと、小型からライブ可能なサイズまでラインナップは幅広いですよね。
中古の球数も結構多いので割と人気あるのかなと思います。

弾いてみた感触としては、歪みは少な目でサウンド的には柔らかめの甘めのトーンの印象です。また、TILTコントロールという他には無い独自のノブがあって、メーカー説明を読むと、プレキシのNORMALチャンネルとTREBLEチャンネルのブレンドを1ノブで実現できるような機能のようにも受け取れますが、ここについてもどのような仕組みになっているかを確認したので解説していきたいと思います。

尚、私がモディファイしたのはOrigin50ですが、Origin20と基本的に回路図は同じようなので部品番号(R1とか)は同じと見て良さそうです。
(GainノブやTILTノブの抵抗値が異なるとか、若干の差異はあるようですが)

[メーカー説明抜粋]
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伝統的なオールバルブ回路に現代的な機能を備えたOriginは、真空管アンプならではの倍音豊かなリッチなトーンで、プレイヤーの表現を忠実に再現し、新たな可能性を発掘します。

2種類の異なるボイシングを自在にブレンドできるTILTコントロールを搭載し、繊細なクリーントーンから切れ味鋭いサウンドまで、シングルチャンネルのアンプながらも多彩な音色を提供します。

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私がモディファイした際の改造前後の動画はコチラです ↓↓↓

youtu.be

回路解説

では、入力部から順に回路を追っていきましょう。

※回路図上、真空管の回路はA→BではなくB→A(V1の場合、V1B→V1A)という順番で表現されていますが、順番にあまり意味は無いので気にしないでください。

入力~V1B

左下のCN28と書いている部分が入力になっていて、初段の増幅回路としてV1Bに入ります。R71のグリッドへの入力抵抗は33kと一般的な定数です。

Point1のカソード部ですが、820Ω/1uFとなっていて、全帯域を持ち上げて、周波数的にはローミッド強めの味付けになっています。
1959SLPや1987のプレキシ的な感じにするのであれば2.7k/0.68uFくらいが良いでしょうね。

次にPoint2のプレート抵抗の100kはごく一般的な定数です。
ただ、後で解説しますが、本アンプはFX Loop(センドリターン)に送る部分で信号を1/10に減衰させるところがあるので、全体のゲインが下がってしまいます。
そのため、ある程度歪むアンプにしたい場合は、ここを200k-300kくらいに上げてゲインを稼ぐというのがオススメです。詳しくはPart2で解説します。

Point3のカップリングコンデンサは10nFで割とタイト目な定数なのでこのままでも良いですし、もう少しタイトにしたいのであれば2.2nFくらいに下げても良いかと思います。

V1B~V1A

ここからがちょっとややこしいです。

この部分ではV1Bで増幅された信号をV1Aへ流す部分ですが、複雑になっているのは、
・TILTノブ
・Boostスイッチの制御(フットスイッチ部含む)
があるからです。

複雑なものは単純化してみていくのが定石なので、分けて見ていきましょう。

TILTノブ

V1Bで増幅された信号が赤線を通って、上から下にやってきます。(CN27→CN101)
VR101(1MΩ)となっている部分がゲインノブで、ボリューム回路になっています。
ゲイン0にすれば信号は全てグラウンドに捨てられて音量ゼロになりますし、ゲインMAXにすれば信号をほぼ全て次段へ送るのでゲインの高いサウンドになります。

この赤線のR101の上部辺りから右に緑線が伸びてますが、VR102がTILTノブです。
ここもボリューム回路になっていて、ノブを最小にすると、下図のように信号はVR102の可変抵抗の一番下へ流れるので、抵抗の無いC101側を通ってグラウンドへ信号が捨てられます。このとき、C101のコンデンサが高音域だけ通すのでグラウンドへ捨てられるので高音域のみということになります。

一方、TILTノブをMAXにすると逆にVR102の一番上へ信号が流れるのでC101との間に1MΩの抵抗があることになり、ほとんどC101側には流れません。

また、C102のコンデンサはブライトキャップになっています。VR102から上に伸びている緑線が赤線に合流することで高音域を迂回させているのですが、C101側とは逆の働きをしていて、TILT最小ではこっちにあまり流れず、TILTがMAXのときに一番信号が流れる(迂回する)ことになります。

このような仕組みで、高音域を捨てる/通す量をTILTノブでコントロールしているんですね。回路図見るまでは、プレキシのNORMAL/TREBLEチャンネルのブレンドをするような仕組みなのかなと思ってましたが、単純に高音域のコントロールをしている仕組みになっていました。

R101の100Ωは正直あってもなくてもあまり大きなサウンド変化は無いと思いますが、ゲインノブを下げていったときにTILTノブの効きを弱くしないようにしているように思えます。

Boostスイッチ

紫の枠で囲った部分はリレースイッチによるBoostスイッチON/OFF制御部分です。サウンドに影響あるところではないので無視します。また、左下の赤丸部分はゲインノブのPush/PullによるBoostスイッチON/OFF制御部分です。(ONの場合は下図のように短絡され、グラウンドに落ちることでCN27の右のTR7のトランジスタをコントロールしています。これも無視しましょう。

そうなると注目すべきところはココです。
BoostスイッチOFFの場合は以下のようになります。

リレースイッチRL1は2-3端子、8-9端子が短絡するので、赤の×印のところはどこにも接続されていないことになります。
この場合、左からV1Aに入力される部分は、R66が2.2MΩとかなり大きい抵抗値が入っているので電流が小さくなってゲインが下がります。

また、V1Aのカソード部分はC37(2.2uF)をR63(47kΩ)がある程度堰き止めることになるので、高音域のブースト効果という点ではC65(220nF)が支配的になります。
つまり、カソード部は820Ω/220nFと考えることができます。

次にBoostスイッチONの場合は以下のようになります。

リレースイッチRL1は3-4端子、7-8端子が短絡するので、R66、C38、R63は無いものと見做せます(という意味で×にしています)。

この場合、左からV1Aに入力される部分は、抵抗はR67の220kのみとなりOFFのときのように極端に電流が小さくなることは無いのでゲインがガクッと下がることはありません。

また、V1Aのカソード部分はR63が無いものと見做せるので、C37は活きてきます。
コンデンサは並列の場合、加算されますのでC65+C37=2.22uF(2220nF)となります。

よって、カソード部は820Ω/2220nFと考えることができます。

OFFの場合は820Ω/220nF、ONの場合は820Ω/2.22uF(2220nF)なので、
V1Aまでの入力部も合わせて整理すると、

ブーストOFF:ゲイン低め、高音域から上を増幅
ブーストON:ゲイン高め、中低音域から上を増幅

ということになります。

V1A~V2B

V1Aで増幅された信号は青線を通って下(CN102の左から1番目の端子)に行って、Point4へいきます。

Point4はトーン回路になっていて、ここは伝統的な回路構成になっています。
トーン調整後、VR105(TREBLEノブ)の出力から青線を通って、また上に戻ります。(CN102の左から3番目の端子)

この後、Point5のカップリングコンデンサを通って、V2Bへいきます。
まだ次段増幅部なのでここのコンデンサは22nFくらいが良いかなと思います。
タイト目なサウンドが好きなら2.2nFで。

トーン回路がここに入っているのはちょっと変わってますね。

一般的な回路では、
・初段(増幅)→二段目(増幅)→カソードフォロワ(バッファ)→トーン回路
という構成なのですが、本アンプでは
・初段(増幅)→二段目(増幅)→トーン回路→カソードフォロワ(バッファ)
となっていて、バッファとトーン回路が逆になっています。

上述の回路の後ろに、FX Loop(センドリターン)に入るときに信号を減衰させる設計になっているので、それの直前でバッファかけたほうが良いという判断でこういう設計になっているのかも知れません。

V2B~V2A

前述のとおり、Point6の部分は自己バイアス方式のカソードフォロワーになっています。そういうものだと思ってもらえれば良いと思います。

Point7はカソードフォロワーでバッファした後の信号を減衰させています。
R76(47k)、R57(4.7k)となっていて、10:1で分圧しているので信号を1/10にしています。

下図のようにバッファされた信号はR76、R57で減衰したうえで、CN23→CN203を通って、SEND端子へ入ります。センドリターン間に接続したエフェクターを通った信号はRETURN端子へ戻ってきて、CN203→CN23を通って次段へいきます。
Point7で信号を減衰させている理由は、FX Loopに接続したエフェクターに信号が過大入力されて歪んでしまわないようにだと思います。

ただし、FX Loopは常に通るわけではなく、下図のRL4がリレースイッチになっていてOFFの場合はセンドリターン端子は通らずに、直接、C50に流れてきます。
ONの場合のみセンドリターン端子を通ってからC50に辿り着きます。

FX Loop機能(センドリターン)が不要であればPoint7で信号減衰させる必要は無いのでハイゲインサウンドを作りやすいと思います。

しかし、FX Loop機能(センドリターン)は特に空間系エフェクターを使用する場合なんかは有用なのでこれを活かしたまま、ハイゲインサウンドを実現する方法を模索していきます。

次回のPart2はV2Aから見ていきます。

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どうも、lenheyvanです。

Marshall Haze15の回路解説のPart2です。

Part1はコチラ
↓↓↓

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回路解説

V1Bで増幅された後の信号の流れをみていきます。

V1B~V2A

下図はV1B以降の回路図です。

V1Bで増幅された信号は例によってプレート側から出力され、C31を通ってR19/R60のほうへ流れていきます。
C31(Point9)のカップリングコンデンサは4.7nFになっていますので割と小さ目の定数ですね。Part1で書きましたが、V1A出力後のカップリングコンデンサ(C34)を小さ目の定数にしているなら、ここはもう少し上げて22uFくらいでも良いと思います。
やってみて、もっとタイトなサウンドにしたいなと思ったら2.2uF~4.7uFでも良いです。

次にPoint10、11はパっと見何をしているのか少し分かりづらいかもですが、ここはブライトスイッチでのサウンド変化をつけている箇所です。

下図の状態はブライトスイッチがOFFの状態です。

まず、C31から赤線を通って信号が上から流れてきて、R59とR60の分岐に入ります。
R59のほうはスイッチ端子の6が行き止まりなのでR58のほうに流れようとしますが、2.2MΩというかなり大きい定数の抵抗が入っているのでここで信号(緑線の部分)がほぼ堰き止められます。(ちょっとは右に流れますが)

そのためほとんどの信号はR60を通って下へ流れることになります。

次に、C49とR61の分岐に入りますが、ここで重要なポイントとして、スイッチ端子の4-5番が短絡しているので、並行に接続されているR5は無いに等しいという点です(という意味で×と書きました)

左側(C49側)はブライトキャップのように高音域を迂回させますが、行き着く先はグラウンドなので、高音域がバッサリと捨てられます。

これによって、丸くモコモコしたサウンドを作っています。
C49を大きくすればするほどモコモコ感は強くなります。

次に下図はブライトスイッチがONの状態です。

OFFの場合と同じように、C31から赤線を通って信号が上から流れてきて、R59とR60の分岐に入ります。
今度はスイッチ端子5-6が短絡しているので左側(R59側)、右側(R60側)ともに信号は流れます。ただし、先程と同じ原理で、今度はR58が無いものと考えられます。(×と書きました)

スイッチ端子5の部分では、R60の信号とブライトキャップC51を通過した高音域が辿り着くことになります。ここで高音域が追加されるわけです。
R59があるのでブライトキャップ側へ流れ込む信号量が制限されていますが、これは広域量の調整の役割を果たしています。

R59を小さくすればするほど、C51を大きくすればするほど、ハイが強調されたサウンドになります。ハイが足りないのであればR59は除去&JUMPしてしまっても良いです。

次に下部分ですが、スイッチ端子4-5は接続されていないので、4には流れ込まずにR61側へ信号は流れます。
途中R5がありますが、OFFの場合と同じように、2.2MΩというかなり大きい定数の抵抗が入っているのでここで信号(緑線)がほぼ堰き止められます。

そのためほとんどの信号はR61側へ流れることになります。
R61は470kとそこそこ大きい定数値なので、グラウンドにガッツリ落ちるということはありません。C71が少し高音域を迂回させてグラウンドに落としているので、あまり丸くしたくない場合はこれを除去してしまっても良いと思います。

これがOVERDRIVEチャネルのブライトスイッチの仕組みです。

OFF/ONどちらの場合も、R60(470k)とR61(470k)で分圧されているので、スイッチ端子5から右の次段へ流れていく信号は半分くらいに落とされています。
(可変ではなく固定のボリューム回路のような感じです)

ゲインが足りない場合はR60とR61の比率を変えることで信号量をコントロールできます。大きくしたいならR60<R61に、小さくしたいならR60>R61に、です。

V2A~V2B

OVERDRIVEチャンネルのブライトスイッチ回路を通ったら、前回のPart1で解説しましたが、下図左のRL1Bのチャンネルスイッチを通ってV2Aへ入力されます。

Point12にR31(グリッド抵抗)を通ってV2Aのグリッドへ入力されます。
オリジナルでは先程のブライトスイッチ回路でゲインは落としてあるので470Ωでも良いかも知れませんが、ブライトスイッチ回路でゲインUpする場合は470k程度に上げておくのが良いかと思います。
その際、トーンが暗いようでしたら、R31と並列に470pF程度のコンデンサを追加すると良いと思います。

V2Aのカソード部はR17のみ(Point13)のみなので、全体的のゲインを持ち上げるような形になっていますが、多分これだとMarshallっぽさは出ないので、1uF以下のコンデンサを追加したほうが良いです。

そして、プレート側からV2Bへいくのですが、ここは今までと様子がちょっと違っていてV2Bのグリッドへ直結されています。
この回路は伝統的なもので、V2Bでは増幅はせずに、バッファ(増幅度1)のみ行ってトーン回路へ繋ぐという部分になっています。

V2B~トーン回路

バッファになっているのはPoint14の部分です。

この回路、プレート側に抵抗が入ってませんよね。そして、出力はカソード側から取っています。
これはカソードフォロワーと言って、バッファリングが目的なので増幅度1です。
カソードフォロワー回路の組み方はいくつかパータンがあるのですが、これは前段からの直結パターンで、Marshallは(ギターアンプは?)このパターンがよく採用されます。

R32の100kという定数は伝統的な定数で1959SLPの時代からこの定数です。

Point14はギターアンプでは必ずと言ってよいほど出てくる回路で、この構成を見たら、「あーEQ部分ね」と思ってもらえれば良いです。
ちなみに、コンデンサや抵抗値を変更するとEQカーブを変更することができます。

以下のサイトで、定数を変えたり、ノブ(可変抵抗値)をいじるとカーブが変わるので視覚的に理解することができるので便利です。
EVHこと、エディはMiddleノブのポット(可変抵抗)の値をデフォルトの25k→50kにすることで中音域をブーストしていたとか(Joseが勝手にやっていた説もあり)

TSC in the web

最後にPoint15ですが、これもCHスイッチになっていて、上図の状態は右側に接続されているのでNORMALチャンネルです。OVERDRIVEチャンネルは左側に接続され、OVERDRIVE MASTER VOLUMEと書いている部分でボリューム調整するようになっています。

NORMALチャンネルのボリューム調整は?と言うと、下図の左側にあるNORMAL VOLUMEという部分です。
NORMALチャンネルとOVERDRIVEチャンネルでボリュームの箇所が、回路上離れていて分かりづらいですが、信号の経路を見ると理解できると思います。

最後に

Marshall Haze15の回路解説でした。

マニアックな内容なのでどこまで有益な内容かは微妙なところですが、どなたかのお役に立てれば。

最後に、モディファイの際にせっかく確認したので、スイッチ仕様だけ共有して終わりにしたいと思います。

左のスイッチは押しボタン式のスイッチの仕様で、ブライト切り替えとチャンネル切り替えができるようになっています。
右のスイッチはリレースイッチと言って、フットスイッチで切り替え信号を送ったときに切り替わるものです。

下の画像のとおり、フロントパネルの右側に上下に2つボタンが並んでいますが、上がチャンネル切り替え、下がブライト切り替えです。

チャンネル切り替えは押しボタン式スイッチとフットスイッチの両方で切り替えができます(逆にブライトON/OFFは押しボタンでの切り替えのみです)

ではまた!

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Marshall Origin50

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はじめに

Marshall Hazeって何故かあまりメジャーではないと言うか、市場にも球数的にはあまり出回ってないんですよね。
サウンド的にあまりMarshallっぽくないところが、Marshallファンにはあまり受け入れられなかったのでしょうか。
Marshallって高音域が遠慮なくガシャーンと出るところが特徴だったりするわけですが、Hazeって割とミドル寄りのモコモコしたサウンドで、全然Marshallっぽくないんですよね。回路を見ていくと、あーなるほどねーと思うところが所々にあり、モディファイのし甲斐があります。HazeもちゃんとMarshallになれます。

モディファイ前後のサウンドは動画にしてあります。

オリジナルで用意されていたスイッチを利用して、JCM800モードとIce-Crashモードの2つを切り替えできるようにしましたので、動画も2つ作成しました。

youtu.be

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回路解説

では、入力部から順に回路を追っていきましょう。

入力~V1A

回路図上、ちょっと端折って書いてあって分かりにくいですが、INPUT端子から入力されたギター信号はP102→P2に来て、それからR29(グリッド抵抗)を通ってV1Aのグリッド(Gと書いてある端子)に入ります。

【補足1】
V1は1つ目の真空管という意味(つまり1本目のプリ管)で、A,Bというのは1本の真空管に増幅回路が2つ入っているのでそれをA,Bと呼んでいます。
プリ管で言うと、本アンプは3本あるので、V1A,V1B,V2A,V2B,V3A,V3Bと増幅回路が6つあります。

【補足2】
グリッドは入力、プレートはプラス側になっていて出力信号を取り出す部分、カソードはマイナス側になっていて増幅度・増幅周波数を決めるところです。
プレート(プラス)とカソード(マイナス)の電位差が大きいほど増幅度が高くなります。つまりプレートの抵抗を大きくすればするほど、カソードの抵抗を小さくすればするほど増幅度が上がっていきます。

まず、改善したいのがPoint1です。(Marshallサウンドを求めている人にとってはという意味ですが)

いきなり入力信号を100nのコンデンサ(C101)と100Ωの抵抗(R101)でグラウンドに落としているので、高音域がガッツリ落ちてしまいます。
こういう部分は除去してしまいましょう。

高音域を落とすことで耳に痛い成分を除去するということ自体は有効な手段ですが、歪みを作る前に落とし過ぎると、高音域の美味しい倍音は二度と戻ってきません。
ギターと同じで、信号は前段ほどサウンド全体に与える影響が大きいです。(ワウをかける位置をギター直後か歪みエフェクター後かで全然サウンドが違うのと同じです)

倍音を極端に落とさずに美味しい歪みのベースを作っておいて、後半で耳に痛い成分等を料理(調整)したほうが良い結果になりやすいです。

次に、Point2がカソード部分(Kと書いている端子)になりますが、ここは増幅度合と増幅する帯域を決める箇所です。
ざっくり、抵抗が増幅度合(低いほど増幅度が高い)、コンデンサが増幅する周波数(ある周波数より上を増幅)と理解しておけば良いです。

820Ω(R15)と22uF(C12)となっていて、抵抗値はよく見る定数ですが、コンデンサの22uFは結構大きいです。
820Ωは小さいので増幅度が高く低音域から高音域までかなり底上げしています。
これくらいの抵抗値の場合、コンデンサは0.68uFくらいが多いのですが、22uFなのでかなり低音域から増幅することになるので、V1Aではかなりファットな味付けになっています。

1959SLPやJCM800では2.7k/0.68uFくらいが定番の定数値なので、それくらいを目安に調整するのが良いと思います。

V1A~V1B(NORMALチャンネル)

増幅された信号はプレート側(Aと書いている端子)から出力されます。
そしてC34を通って、次段の増幅回路へ、という流れです。

Point3の22uF(C34)はカップリングコンデンサと言って、ある回路とある回路を切り離す(影響を与え合わない)という目的のものです。その際、コンデンサの値によって、どのくらい直流(=低音域)をカットするかもサウンドメイクするうえで要設計ポイントです。

22uFという定数は1959SLPのような昔のアンプでは一般的ではあるものの、このアンプはプリ管全部を使って増幅していくので(※)、初段では増幅後に低域をある程度カットして、タイトなサウンドにしたほうが、ハイゲインサウンドとしては良いと思います。おすすめは1/10の2.2uFです。

※1959SLPや1987のような四つ穴マーシャルでは、実は初段のプリ管の2つの増幅回路を、NormalチャンネルとBrightチャンネルでそれぞれ使います。
つまり、V1の片方(A or B)→V2A→V2B(バッファ的に使うので増幅度1)→V3(フェーズインバーターなので歪みが目的ではない)→パワー管という流れになっていて、JCM800以降と比べると歪み段が1つ少ないのです。

通常はV1Aで増幅された信号は右に流れていくのですが、C34から下に回路が伸びています。

ここは、下に「NORMAL VOLUME」とある通り、NORMALチャンネルのサウンドを調整する部分になります。

これを説明するには、NORMALチャンネルとOVERDRIVEチャンネルの切り替えがどうなっているかを解説する必要があります。

下図はNORMALチャンネルの場合の信号の流れを書いています。

基本的に信号は赤色を通っていきます。基本的にと言ったのは、実際はC34から右にも流れてV1Bを通りますが最後、右の黒丸部分で行き止まりになるのでV2Aには流れません。なので、生きた信号として通るのは赤線になります。

緑線・オレンジ線も信号として通りのですがここは高音域だけ通すルートと考えてください。

右の黒丸部分がRL1Bと書いてありますが、ここがスイッチになっていてチャンネル切り替えする部分になっています。

左の黒丸部分は本アンプのもう1つのスイッチであるブライトスイッチになっていて、OFFの場合は緑線を、ONの場合は緑線からオレンジ線を通ります。
そして、赤線に合流して後段(V2A)へ、という流れです。

では、再度、V1A増幅後の回路に戻ります。

ブライトスイッチの部分はOFFで左下のC44(47pF)、ONで右下のC46(150pF)を通ります。
C44、C46はボリューム(VR1)の上部の入力部分と中央の出力部分(ワイパー)の間に取り付けられていますが、これは「ブライトキャップ」と言って、ボリュームを落としたときでも高音だけは通してあげる回路です。Marshall系アンプには必ずと言っていい程ついています。

ギターのボリュームポットにコンデンサをつけて、小音量時に高音域をある程度維持できるように改造する場合があると思いますが、それと同じ原理です。

C44は47pFと小容量なので超超高域のみ通す、C46は150pFともう少し大きい容量なのでもうちょい下の帯域も通す、ということで、C46のほうが高域を幅広く通すのでハイが際立つ(=ブライトになる)という仕組みになっています。

V1Aのカソードを調整した結果、そこまでブライトにしなくてもいいという場合は、C44<C46は保ちつつも全体的に値を上げると良いと思います。
場合によってはC44は外してしまって、C46も上げるというのもアリです。
逆にもっとブライトにしたい場合は値を下げましょう。

V1A~V1B(OVERDRIVEチャンネル)

OVERDRIVEチャンネルの場合は下図のような信号経路になります。
ただし、V1B→V2Aの部分は次回細かく解説するので少し端折って書いています。
ざっくりこういう経路で流れると理解してもらえればOKです。

OVERDRIVEチャンネルの場合の信号の流れを見ていきましょう。

C34から右に流れてきたら信号はGAINノブに入る前に、Point5の部分に来ます。R84(470k)の大きめの抵抗で電流を抑えつつ、C53で高音域を迂回させてハイが落ちないようにしていますが、通常これはV1Bに入る前に行います。

ここに持ってきている意図が良くわかりませんが、ここは除去&JUMPして、直接GAINノブへ流しても良いと思います。

GAINノブについているC58はブライトキャップです。
47pFはかなり小さい値なので、ザクっとした抜けの良いサウンドにするにはもっと上げたほうが良いですね。470pF~4700pF辺りで調整するのが良いと思います。

Point6の前段のV1Aで増幅した信号を受け止めるのは心許ないので(Point5の部分を除去してなければこれでOKですが)、除去したPoint5のR84、C53を移植したうえで、C53を好みの値に変えるのが良いと思います。
470pFが定番の定数です。

Point7はカソード部ですが、C37はNot Fittedになっているので実装されていなかったと思います(忘れちゃいました)。1.5kの抵抗のみなのでタイトだけどダークなサウンドになります。コンデンサを追加したうえで、抵抗値をもう少し上げると良いと思います。

JCM800はこの部分が10k抵抗のみになっていて、あまり増幅はできないけど、抵抗値が高いことで真空管の特性からクリップが起きて独特の歪みが生成されます(cold clipperと呼ばれます)
80'sっぽい感じのザクっとした歪み感です。

私は、10k抵抗⇔抵抗+コンデンサをスイッチ切り替えにして、JCM800モード/Ice-Crashモードを切り替え可能な仕様にしました。

最後にPoint8ですが、横のR20はプレート抵抗と言って、真空管の増幅度に関係する抵抗で、高いほど増幅値が上がるのですが、Point8のコンデンサは高音域のみ通します。つまり高音域のになればなるほど抵抗値がゼロに近づいていくので、増幅度が下がります。よって、C20があることで高音域の増幅度を抑えています。(丸いサウンドになります)

Marshallライクなサウンドを目指す場合はこれは除去しましょう。

最後に

V1Bまででも結構なボリュームになりましたね。
次回は、V1Bで増幅された信号が流れていく部分から解説していきたいと思います。

Part2はコチラ
↓↓↓

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どうも、lenheyvanです。

私のWashburnのN2君ですが、購入時はボリュームポットがPUSH-PULLタイプになっていて、PULLするとコイルタップされる仕様になってました。

ですが、コイルタップはあまり好きではなかったので、ピックアップ交換と同時にCTSのボリュームポットに交換してコイルタップは無効化してました。

コイルタップが好きじゃなかった理由は、やっぱりシングルとは異なるサウンドになってしまうからです。
ハムバッカーの片方なのでシングル用として作られたわけではないので、という気持ち的な部分と(おまけ機能と考えれば良いのですが)、シングルはボリュームポットは250kΩにしてキンキンした高音を抑えますが、ハムバッカー専用ギターのおまけ機能みたいなものなので500kΩで使用することになるのでキンキンしちゃうんですよね。

※ボリュームポットの抵抗値によって高音の出方が変わる点については以下記事参照
↓↓↓

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ただ、最近、一本くらいシングルのサウンドが出るギターもあっても良いのでは、と思い始め、コイルタップ切替用のスイッチでボリュームポットの抵抗値も変えられないかなーと思い、ちょっと考えてみました。

ボリュームポットの抵抗値を変える

これは前からアイデアとしてあったのですが、ボリュームポットの1番と3番(端と端)に抵抗を取り付けると、並列になるので抵抗値を下げることができます

例えば、500kΩのボリュームポットに500kΩのボリュームポットを取り付けると、ボリュームMAX時の抵抗は、半分の250kΩになります。
※色々なサイトに載っているので計算式まで載せませんが、「合成抵抗値」でググると簡単に計算してくれるサイトが沢山ありますので色々な値を入れて試してみてください。

回路図で書くとこんな感じです。

実際にそうなるかテスターで測ってみます。

1.通常の状態

500kを少し下回って475kΩですね。

2.500kΩの抵抗を取り付け

こんな感じで取り付けます。

3.抵抗値を測定

約半分くらいの237kに下がりました。

つまり、500kΩのボリュームポットを250kに近い値で使用することができます。

昔のレスポール(P90を載せていたもの?)は300kが採用されていたという話がありますが、300kのボリュームポットってあまり売ってないので、こういう方法で作り出しちゃうというのも1つの手だと思います。
800kΩ程度の抵抗と並列にすると、ちょうど300kくらいになります。

コイルタップに応用する

ということは、つまり、コイルタップ時にこの抵抗を接続する/しないを切り替えすることができれば、コイルタップOFF時は500kΩ、コイルタップON時は250kΩということが実現できるわけです。

単純にコイルタップをON/OFFするだけなら2点3ピンのスイッチで事足りますが、抵抗の接続する/しないも切り替えするので2点6ピンのスイッチを使えば実現できることになります。

まずはコイルタップのみの場合の配線を見てみましょう。
コイルタップの方法はいくつか方法があるのですが、私はこんな配線にしています。

コイルタップのみの配線

①コイルタップOFFの場合
コイル1とコイル2のタップ線を接続するとコイル1・2が直列に接続されます。
あとは、コイル1のHOTとコイルのアースをボリュームポットに配線します。

このとき、信号の流れはこんな感じになります。
ハムバッカーとして機能しますね。

②コイルタップONの場合
コイル1のタップ線をアースに接続してしまえば、コイル2は利用されなくなり、コイル1のみ機能します。
コイル2はホット側(赤のタップ線)がどこにも接続されていないので信号は出力されません。

このとき、信号の流れはこんな感じになります。
コイル1がシングルピックアップとして機能しますね。

では、次はここにボリュームポットの抵抗値を変化させる抵抗の接続切り替えを追加します。

コイルタップ+ボリュームポット抵抗値切り替えの配線

①コイルタップOFFの場合

スイッチを6ピンにしたことで、もう1つの回路を切り替えることができます。
500kの抵抗の片足をボリュームポットの3番目に接続しておいて、もう片方はスイッチ(一番上)に接続します。
ボリュームポットの1番目はスイッチの真中に接続しておき、スイッチONのときにボリュームポットの1番目と3番目の間に抵抗が接続されるようにします。

上図では抵抗は接続されていない状態になるので、ボリュームポットは500kのままです。

②コイルタップONの場合

このときは抵抗が接続されることになるので、ボリュームポットは250kになります。
つまり、コイルタップした場合(=シングルピックアップ)の場合のみ、ボリュームポットを250kにすることができます。

結果は同じですが、私の場合は、余計な配線をしたくなかったので以下のような感じに配線しました。ボリュームポットの1番上のピンはGNDなので、それと同電位の緑線に導通させています。(結果はどちらでも同じなので好みの問題です)

スイッチ穴を開けるのがイヤだったので、N2入手当初に外したPUSH-PULLスイッチ付きのボリュームポットを掘り出して使用しました。

これでコイルタップを実現するとともに、コイルタップ時にキンキンしていた高音は抑えられ、良い感じになりました。

ただ、ハムバッカーとサウンドキャラクターに差は少しつけたかったので、1MΩの抵抗を使用して、320kくらいにしました。

コイルタップ時のキンキンに不満をお持ちの方はお試しあれ!

ではまた!

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サウンド比較

付属ケーブル(Stock)は左チャンネルに、Belden19364は右チャンネルに軽く振ってますのでイヤホン・ヘッドホンで聴いてみてください

youtu.be

サウンドインプレッション

違いは感じましたでしょうか?

動画だと分かりにくいかも知れませんが、実際に弾いている側としては、結構な違いを感じました。

一言で言うと「元気なサウンドに変化した」です。

まず感じたのは音圧の違いです。
Beldenは押し出し感があって、音量自体は同じなのですが音が大きくなったような感触を受けました。

付属ケーブルはちょっとその辺のパワー感が物足りなく感じます。

Beldenだと低音弦のブリッジミュート時にローミッド帯域のパワー感が響いてきます。
かと言って、重たい/鈍い、キレがなくなったという感じは全然無く、あくまでもローミッド帯域(150Hz~300Hz辺り)だからのような気がします。

変にレンジ感を広げるわけではなく、元々のレンジ感を保ったまま、元気にしてくれるところが好印象です。

また、ミッド帯域の倍音もよく出るようになりました
ブリッジミュートで弦にピックを当てたときに、付属ケーブルだと グッグッグッ と鳴っていたところが、Beldenだと ギュッギュッギュッ という音の出方になって、色気と太さが出てきました。

全体的に、Beldenにしたからサウンドの解像度が上がったということは無く、もっと自然にアップグレードした感じです。ギターの美味しい帯域の音圧/迫力、倍音/色気を引き出してくれるような印象です。

アコリバ(アコースティックリバーブ)なんかは解像度が上がるんでしょうけど、そこまでHi-Fiを求めてない方にはBeldenが良いと思います。

電源ケーブルのアップグレードはコスパが良いので気になる方はお試しあれ。

ではまた!

(2024/9/22追記)
Bill Lawrence U.S.A.のL500XLも入手したので、
Bill Lawrence U.S.A.のL500、L500XL、Wilde U.S.A. L500XLの3製品の比較ということで、動画および本記事を再構成しました。

どうも、lenheyvanです。

ビルローレンスのL500は2社から販売されているのを以下記事で書きましたが、**サウンド比較して動画にしてみました**。

過去記事はコチラ
↓↓↓

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サウンド比較

では早速、サウンド比較した動画です。

Bill Lawrence U.S.A.のL500LとL500XL、
Wilde U.S.A.のL500XL です。

L500LとXLでは出力が違うので(XLのほうが少し高い)、太さと鋭さがトレードオフの関係になっている予想。XLについてはBill Lawrence U.S.A.とWilde U.S.A.ではどのように違うものかが注目です。

前半はリフ、後半は単音(ソロ)で比較してみました。

概要欄に時間リンクを貼ってありますので、同じフレーズを比較すると分かりやすいと思います。

youtu.be

サウンドインプレッション

どうでしたでしょうか?

LよりXLのほうがローミッドに太さを感じる歪み方をしますね。

その代わり、Lにあった高音域の鋭さ・攻撃性は少し控えめです。
これは予想通りでした。

動画のリフの冒頭(コードじゃら~んのパート)を聴くと、L500Lはバリバリと言ったサウンドで、一方、L500XLは壁が迫ってくるようなズゴーっといった音圧を感じます。

選択する際の基準としては、ザクザクとした攻撃性を優先するのか、ローミッドのズッシリした迫力を優先するのか、だと思います。

次に、Bill Lawrence U.S.A.とWilde U.S.A.の違いはどうでしょう?

まず一番印象深かったのが、サウンド全体の発音の仕方が異なる部分です。

Bill Lawrence U.S.A.は素直・オープンで聴き慣れた感じがする一方で、Wilde U.S.A.はモダンなメタルっぽい味付けがされているように聴こえました。

Bill Lawrence U.S.A.がズジャー・スギャーだとすると、箱鳴りするようなズゴー・ガゴーっというような発音の仕方で、ミドルの出方が結構違います。

Wilde U.S.A.は鼻詰まり感のあるような独特のミドルです。
アンプで言うと、前者がMarshall、後者がMesaBoogieって感じがしました。

昔、Marshall ValveStateを愛用していたのですが、Contourというミドルの出方を調整するノブがあったのですが、これを回したときのサウンドに似ています。

Bill Lawrence U.S.A.はセラミックマグネット、Wilde U.S.A.はAlnico5だったはずなので、それに起因している部分も大きいと思います。

また、レンジ感も違います。
Bill Lawrence U.S.A.はワイドレンジな感じで下から上まで満遍なくでますが、Wilde U.S.A.はローミッドの密度が濃く、分厚いサウンドになっている分、その分、相対的にハイが少し引っ込んでいるように聴こえます。

レコードディング後にサウンドを比較して、Wilde U.S.A.を録ったときにマイキングの位置がズレちゃったかなと思ったくらいです。

あと、倍音の出方の違いも特徴的です。
ピッキングハーモニクスなんかは、Wilde U.S.A.はハイミッドの密度の高い倍音を感じます。色気があって、この倍音の出方はかなり好みでした。単音を弾いても太さがあるし、リードサウンドはすごく良いですね。

パッシブピックアップなのにEMG81みたいに感じました。

また、ブリッジミュートしたときのWilde U.S.A.の低音域の迫力・音圧はスゴイものがあります。直流抵抗値はWilde U.S.A.のほうがかなり高めなので、それによる部分でしょうかね(直流抵抗値を指標に持ち出すとBillさんに怒られそうですが・・・)。
最近のNunoのサウンドというような印象です。

海外ではWilde U.S.A.が絶賛されていて、こっちが本物であってBill Lawrence U.S.A.はフェイクだとか言っている人もいるくらいです。

私の個人的な意見としては、どっちが優れているとかではなくて作り方が違う別製品であって、好みで選択すれば良いのではないかなと思います。

私は抜けの良いハイが好きなので、Wilde U.S.A.よりもBill Lawrence U.S.A.のほうが好みでした。

ExtreamのPornograffitti時代のNunoサウンドを再現する場合は、Bill Lawrence U.S.A.のほうがシックリ来るように思いました。

最後に私の独断と偏見で違いをまとめると、こんな感じです。
※ 「>>」 は差が大きいという意味です

攻撃性 : Bill L500L > Bill L500XL >> Wilde L500XL
太さ : Wilde L500XL > Bill L500XL >> Bill L500L
倍音の色気 : Wilde L500XL >> Bill L500XL > Bill L500L
レンジの広さ: Bill L500L > Bill L500XL >> Wilde L500XL

みなさんはどれが好みでしたでしょうか?
私は、ローミッドの太さ、攻撃性のバランスの良さが気に入ったので、Bill Lawrence U.S.A. L500XLを選びました。

NunoやDimebagが好きな方、L500のサウンドが好きな方のお役に立てれば幸いです。

ではまた!

どうも、lenheyvanです。

今回はショートネタです。

昔から思っていた不満なのですが、フロントピックアップって籠り過ぎませんか?

マイルドでクリーミーなトーンは魅力なのですが、リアピックアップから切り替えると落差が大きくて、もうちょい高音域が出てほしいなーと思ってました。

かと言って、ピックアップの高さを上げて出力を強くしちゃうと、フロントに切り替えた途端、低音域が強く出て音量差が大きいんですよね。

出力はリアと同じくらいにしたいけどトーン的には高音域がもう少し出て欲しいみたいな。

どうしたらいいかなーと考えてみたのですが、フロントピックアップが拾う弦位置をリア側にしてみたらどうだろうか、と思いこんなことを試してみました。

リア側に変えるといっても、移動はできないので、ピックアップの向きを180度変えて、かつ、ポールピースを上げるというやり方です。

通常は、フロントピックアップはアジャスター側をネック方向に、
リアピックアップはアジャスター側をブリッジ方向にすると思います。

これを、フロントピックアップを180度向きを変えて、アジャスター側をブリッジ側にします。

Before
↓↓↓

After
↓↓↓

こんな感じにポールピースを上げています。上げ具合はお好みで。

これにしたら、少しサウンドが高音よりになって、抜けがよくなりました。これは好みなので好き嫌いあると思いますが、もうちょいキレが欲しいなーという場合は試してみる価値ありです。

スラッグ側(ポールピースがついてない方)のほうが磁力は強いそうですが、それよりもポールピースが上げて弦に近づける効果の方が大きいです。

磁石の上下を逆さまにするわけではないので位相も変わりません。

ブリッジピックアップがキンキンし過ぎる場合もこの手がつかえそうですね。

向きを変えるだけで結構サウンドが変わるので、ピックアップに不満をお持ちの方は試してみてください。

ではまた!

どうも、lenheyvanです。

今回はトレブルブースターのお話です。

トレブルブースターと言えば、DallasのRangeMasterが有名ですよね。
ブライアンメイ、ロリーギャラガー、マークボラン、トニーアイオミが使用していたことはよく知られています。

他には意外にも(?)、ゲイリームーアやリッチーブラックモアも使用していたとか。私もあの独特なサウンドは大好きなので、RangeMasterをベースに改良したペダルを作製しました。

RangeMasterはゴッソリと低音域を削られるので、もう少しローミッドを残して太めのサウンドにしたのと、オリジナルと同じくハイミッドを強調したサウンドに加えて、ミッドを強調したサウンドも出せるようにモード切替機能を追加しています。

メルカリSHOPで販売中なので良かったらどうぞ。

こちらはオリジナルと同じ方向性のTrebleモードです。ブライアンメイと同じく6ペンスコインをピック代わりにして弾いてみましたが、思ったようにピック(コイン)が弦に当たらず苦労しました・・・

youtu.be

こちらはMidモードで、音を出した瞬間、マイケルシェンカーの半ワウサウンドじゃん、ということで、UFOを弾いてみました。

youtu.be

Midモードで演奏してみると、ふと気づきました。
これまるでマイケルシェンカーの半ワウサウンドだなと。

RangeMaster自体が鼻づまり感のあるサウンド特性があるのですが、Midモードだと特にその特徴が顕著に出るんですよね。

そこで、MarshallAmpForumで海外のメンバーに見解を聞いてみたところ、興味深い話を聞くことができました。

それは、マイケルシェンカーは半ワウで有名だが、実は言われているほどワウは使ってないと思うよ、という話でした。

それについてディスカッションされていたスレッドがコチラです。
↓↓↓

ここから、ブラウザの自動翻訳を使って訳した内容を抜粋します。

↑↑↑
ギター内部の配線やシールドケーブルは多少の静電容量を持っているので、コンデンサのような役割を果たすことで共振周波数に影響することを言っています。

↑↑↑
この方は、シールドケーブル長と共鳴周波数を測定した結果をグラフ化しています。
一番下の赤線(ワウ無しの500kポット)と中央の緑線(Q係数を下げたワウをOFFの状態で接続)は、全体的に平坦な感じでピークはあまり無いですね。

一方、一番上の線(ワウをOFFの状態で接続)はピークが出ていますね。
「これはワウサウンドだ!」と思ったと言っているので、いわゆる、鼻づまりのあのサウンドが得られたということでしょう。

↑↑↑
こちらはT-TOPをRangeMasterと同じ回路に通したもの(上の線)と、Q係数を下げたワウをOFFの状態で接続したもの(下の線)ですが、中音域が自然に盛り上がっています。
これは半ワウサウンドが得られそうなグラフになってます。

↑↑↑
昔はバッファードバイパスされるペダルが多く、常にそれらを通した状態で演奏していたことから、ペダル達がOFFであってもギターサウンドを変えていて、それがたまたま良い感じの帯域にピークを持っていた場合、それを意図的に使っていたのでは?、ということでしょうかね。

↑↑↑
マイケルシェンカーのサウンドを研究しているTone Slingerさんという方も、「スタジオではある程度使っていたけど、ライブでは言われているほど使ってないはずだ」と言っているようです。

↑↑↑
この方も同じ意見のようです。
フライングVとT-TOP、250kポットが肝なんじゃないか、という主張ですね。

↑↑↑
500kポットでも、ボリュームを7くらいに下げると、250kポットと同じくらいの共鳴ポイントが得られると言っています。
また、500kポットに抵抗を並行に追加することで、抵抗値を下げて、250kポットと同等にすることができるというのも、ポット交換しなくて良いのでお手軽に試せますね。

ボリュームポットの仕組みについてはこちらをご参照ください。

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というわけで、真偽のほどは分かりませんが、マイケルシェンカーの半ワウサウンドは、ワウを使わずに出している可能性がある、という興味深い議論についてのご紹介でした。

興味がある方は、色々試してみると楽しいと思います。

ではまた!!

どうも、lenheyvanです。

最近、アンプのノイズをもっと減らせないかなーとアンプ内部の配線引き回しや配線材を変えたりしてみていたのですが、やり尽くした感があるんですよね。

ギター本体も配線材を色々試したし、

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導電塗料もやったし、

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シールドも拘ったし、

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オヤイデさんのパルシャット材のノイズ抑制テープ(NRF-005T)も使ってみたりしたし、あとは他にアプローチできるところってどこだろうと考えてみて、アンプの電源ケーブルってどうなんだろう、と気になって調べてみました。

私の家だと、ギター部屋の特定の電気(LED)がノイズに影響していることが分かりました。同じ部屋で同じLEDなのに、特定のスイッチだけ、消すとノイズが減ります。

う~ん、、、電源にノイズが乗っちゃっているのかー、、、

あれ、そういえば、アンプの電源はアース取ってないなー、それ関係あるのかなー、とか、デフォルトの電源ケーブル使っているけどグレード上げたらノイズ減るだろうか、など、色々気になってきました。

というわけで、電源ケーブルについて調べてみました。

ギターアンプに合う電源ケーブル

どうも調べていくと、オーディオとギターアンプなどの楽器では電源ケーブルの良し悪しは考え方が変わってくるようです。

シールドケーブルと同じような話ですが、オーディオはレンジが広く歪みが乗らないクリアなサウンドが良いとされます。

一方、ギターなどの楽器は担当する周波数帯域が狭いうえに、何を以って「良いサウンド」なのかはオーディオとギターでは全然違うんですよね。

なので、レンジが広く上から下まで全帯域出ます、みたいなケーブルは、必ずしもギターにとって良いサウンドとは言えない(というか多分良いサウンドではない)ので、オーディオの世界で良いとされているケーブルは中々フィットしないようです。

たしかに、変に高音域が出過ぎてもキンキンして、リード弾いたら音が細いとかありそうですもんね。
逆にギターの美味しい帯域であるミッド~ハイミッド辺りにピークがあるケーブルをオーディオで使うと、籠ったサウンドになってちっとも楽しくないでしょうね。

という前提がある中で、ギターアンプ良さそうなものを色々探してみると、この辺りが良さそうでした。

1.Acoustic Revive POWER STANDARD TripleC-FM
2.Acoustic Revive POWER STAGE
3.オヤイデ L/i50 G5
4.オヤイデ L/i50 HBE
5.Virtual Dynamics Power Three
6.BELDEN 19364
7.NUDE CABLE D-Tune

いくつかのYouTubeサウンドが聴けたので、ヘッドフォンで聴き比べしてみたのですがメーカーによって特徴があるように感じました。

Acoustic Revive(通称、アコリバ)は解像度の高さとパワー感を両立しているように聴こえて、レンジが広いのかなという印象です。

オヤイデはHi-Fiで高音域の解像度の高さに特徴があるように感じました。

Virtual Dynamics Power Threeは強烈なパワー感を感じました。

BELDENは余計なレンジ感は出さずに、ギターの美味しい帯域を強い音圧でアウトプットしてくれるROCKな印象。

NUDE CABLEは特徴が無いのが特徴みたいな感じ。

最初はアコリバの派手さに魅力を感じたのですが、ネックは価格の高さ。
3-5万くらい平気で飛んでいきます(電源ケーブルにそんなにかけれない・・・)

Virtual Dynamics Power Threeも気になったのですが、販売しているところが見つからない、eBayで海外の市場を見ても出てこない。

で、行き着いたのがBELDENです。

まず、安い。サウンドハウスさんの切り売りだと¥1,000/mです。
価格面だけじゃなく、サウンド面でもミドル~ハイミッドの押し出し感があるように聴こえて好印象。これでいこうと決めました。

既製品を探したのですがあまり見つからず、フリマで自作のものがあったりしたのですが、それなら自分で作ったほうが安いし拘れるし、何より愛着が沸くので、自作することにしました。

オヤイデさんでマニュアル付きの自作キットもあったのですが、作製自体はそんなに難しいものではないのと、自分でパーツを揃えたほうが安上がりなのでバラで購入して作製することにしました

電源ケーブル作製(BELDEN 19364)

2.5mくらいのケーブルが欲しいのですが、サウンドハウスさんの切り売りは1メートル単位なので、3mになります。だったら安上がりにした分、2本作製することにして、1本はギターアンプに、もう1本はエフェクターボードの電源用に使うことにしました。

というわけで、5mを購入して、2.5mを2つ作ります。

【材料】
・ケーブル
BELDEN 19364 × 5m
サウンドハウスさんで ¥1,000×5m=¥5,000

・コネクタ
SCHURTER社 IECコネクタ 4781 × 2個
⇒オヤイデさんで ¥990×2=¥1,980

・電源プラグ
明工社 ME2573 × 2個
⇒オヤイデさんで ¥2,794×2=¥5,588

合計で¥12,568。
1本当たりだと、¥6,300程度なので、お財布に優しいですね。
※オヤイデさんは¥8,800円以上で配送料が無料になるので、同軸ケーブルや熱圧縮チューブなど、欲しいなと思っていたものも併せて購入することで配送料を浮かしました。

あと、電源プラグは、FURUTECHのFI-11 MCUが品質も良く、何よりルックスがカッコイイので迷ったのですが、値段が2倍するしブラインドテストしても聴き分けられないだろうなと思い、コスパ良くて定番のME2573にしました。

姉妹品(?)でME2591というものがあるようですが、こちらはアースピンが抜くことが可能な仕様になっています。ただ、ME2573はHOT側のピンが真鍮になっているようで音質面で有利だそうです。(COLD、EARTHはニッケル。2591は全部ニッケル)
HOTピンがGOLD色になっています。

値段は2591のほうが800円くらい安いですね。
あと、2591はカラーがいくつかラインナップがあり選べます。(2591でも良かったかな)
ちなみに、オーディオや楽器の用途では余計な味付けをしないということで、メッキ無しのほうが適しているそうです。(2573、2591ともにメッキ無しです)

組み立て

材料はこれで全部

コネクタ側の組み立て

まずコネクタをバラします。
中央のネジを外すと内部はこんな感じになっています。

ケーブルの内部配線を出す部分をコネクタに当てて決めます。
ケーブルを根元で固定する部分(左の銀ネジ辺り)から、先端を固定する部分(右の金ネジ辺り)の配線を出したいので、その長さ分の被膜を剥きます。
※後で気づきましたが、このコネクタの場合、真ん中にネジ穴があるので中央(EARTH)の配線だけはこれを避けるようにする必要があるため、HOT、COLDよりちょっとだけ長くしたほうがキレイにいきます。なので、ちょっと長めに切っておいたほうが良いです。

黒の被膜部分に軽く切れ目を入れます。
ハサミで外周をさっと切れ目を入れる人もいますし、私は使い慣れているカッターでやっています。注意点は中の配線まで切らないこと。
軽く切れ目を入れたら、折り曲げて徐々に広げていきます。


黒の被膜を剥いたらこんな感じになっています。
3本の配線とドレイン線(銀色の線)と緩衝材(麻の線)で構成されています。

3本の配線はHOT、COLD、EARTHです。どれがどれと決まっていないです。
コネクタ側とプラグ側が合っていれば良いですが、色のイメージ的に緑&黄の線はEARTH用に、黒と青はHOTかCOLDに使おうと思います。

緩衝材(麻の線)は不要なので切ってしまいます。

次に、ドレイン線(銀の線)ですが、これは黒の被膜の内側(さっきの写真で見えていた水色の部分)と導通していて、シールドの役割を果たしています

つまり、内部の3つの配線の周りを覆うことでノイズから守っているわけです。
(シールドケーブルや同軸ケーブルと同じ仕組みです)

なので、これはちゃんとEARTHに落としてあげる必要があります
よって、EARTH線と接合してしまいます。
こんな感じでEARTH線にドレイン線を巻き付けて、これだけだと不安なので私はハンダ付けしました。また、この2線を1本のEARTHとするため黒の熱圧縮チューブで固定しています。

コネクタはこんな感じになっていて、左からHOT、EARTH、COLDです。
EARTHだけ少し段差がついています。

線材のほうもこんな感じに左→上→右というような配置になっているので、これに合わせると配線しやすいです。

よって、黒:HOT、緑&黄:EARTH、青:COLDとします。
線材によってはロゴの刻印(これだとBELDEN19364)の向きと電気の流れを合わせたほうが良いとメーカーが言っているものがありますので、その場合はそれに合わせたほうが良いと思います。(ブラインドテストしても違いは分からない気がするが・・・)

BELDEN19364はメーカーでそういうことは言っていないので気にしないことにします。
気にする方はHOTとCOLDが逆にになります。

コネクタ側に配線してみました。
3つとも同じ長さにしてしまったので、EARTH線だけちょっとギリです・・・
3本とも先端まで入れたら、金色のネジで締めます。

最後に根元を締めて、ケースの蓋をしてコネクタ側は完成です。

ここでオヤイデさんの電源周りに効果的と言われているノイズ抑制テープ(MWA-010T)登場。
冒頭で触れた、パルシャット材のNRF-005Tとは別の商品です。それぞれ得意とする分野が異なるようで、電源ケーブルにはMWA-010Tのほうが効果があるようです。

これくらい切って、

くるくるっと巻いて、

熱圧縮チューブで保護しました。

電源プラグ側の組み立て

こちらも同じような要領で、配線を出すケーブル長を確認。

配線を出します。

電源プラグ側はEARTH線・ドレイン線はEARTH端子に接続しない仕様とするので熱圧縮チューブで絶縁します。

オーディオやギターアンプにおいては、EARTH接地するとグラウンドからのノイズを拾ってしまう可能性が高いようで接地させないことが多いようです。

試しに手持ちのケーブルでEARTH接地する/しないで試したみたところ接地させると明らかにノイズが乗ってしまうことが確認できたのでこの仕様にしました。

ちなみにコネクタ側はEARTH端子に接続し、電源プラグ側をEARTH端子に接続しないようにしたのは、ドレイン線によるケーブルのシールド効果(ケーブルに飛び込んでくる外来ノイズをアンプ側のシャーシに落とす)を狙ったからです。

電源プラグにケーブルを結線していきます。

できました。(ノイズ抑制テープを巻いた部分の熱圧縮チューブはみかけが悪いのと、素のままでも剥がれなそうだったので、熱圧縮チューブは後日外しました)

最後にテスターで導通チェック。(←これ大事)
コネクタ側と電源プラグ側の同一端子(HOT⇔HOT、COLD⇔COLD)が導通すればOKです。EARTH端子は接地しない仕様にしたのでこれは導通しなくて正しいです。

最後に

コネクタ(SCHURTER社 4781)は商品説明でも書いてあったので購入前から知ってましたが、ちょっと緩めにできていてアンプに挿すとグラグラするので、絶縁テープを2周ほど巻いてグラグラしないようにしました。

で、**サウンドは変わったかと言うと、明らかに変わりました**。
もちろん良い方向に、です。

こちらについては実際にレコーディングしてサウンド比較してみました。
後編へ続きます。
↓↓↓

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どうも、lenheyvanです。

唐突ですが、みなさんはどんなフォームでピッキングしてますか?

私はギター初めて2年くらいは親指と人差し指で挟むスタンダードなフォームだったのですが(以降、人差し指スタイル)、親指と中指で挟むスタイル(以降、中指スタイル)に変えました。

なぜかと言うと、エディがこういうスタイルなのでマネしてみたところ、弦と平行に近い角度で当たるので自分の好みのサウンドが出しやすいことに気づいたからです。

こんな感じの握り方です。

Youtube等でピッキング解説してくれている動画が沢山ありますが、大抵、人差し指スタイルなので、中指スタイル用に若干の変換が必要になってくるんですよね。

大抵の場合、作用点(私の場合は小指の付け根辺り)からピックまでの延長線を軸としてピッキングすることが多いと思いますが、人差し指スタイルと中指スタイルではその軸(線)が変わってくるので、そこは多少意識が必要になります。

エディは中指スタイルで有名ですが、通常のピッキングハミングバードではなく)の場合の動かし方は、大きめのモーションながら手首のスナップをうまく使って高速ピッキングしています。

どういう手首の使い方なんだろうと思っていたら、分かりやすく解説している動画があったのでご紹介します。

Troy Grady さんという海外の方の動画なので、翻訳機能をONにして見てみてください。ONにする手順は、スマホの場合こんな感じです。

右上の歯車マーク

自動翻訳を選択

字幕を選択

日本語を選択

字幕が出ました

この方はピッキング技術について研究して動画を多数アップされている方で、独自に考案した(?)と思われる、ネックにつけるマグネットのようなものでピッキングの軌道を映像化して、それを元に解説しているので分かりやすいです。

で、エディのピッキング解説している動画はコチラ。

youtu.be

彼が言うには、エディのピッキングは、ペンを持って紙に走り書きをする動き(左右に動かしてぐちゃぐちゃっと書く動き)とそっくりとのことです。

ここでペンをピックに持ち帰ると、人差し指スタイルだと机に届かないという問題が起きるので、これを中指スタイルにするとシックリ来るよねと言っています。

ただ、この動きは、左右に振っているように見えて、実は手首を縦方向(時計の7時方向⇔1時方向の往復)に動かしているんだよと言っています。

Troyさん的にはこのペンの落書き動作はBPM 210くらいまでは実用的に達成できると言っていて、勇気づけられるコメントですね。

中指スタイルの方は少数派だと思いますが、もっとピッキングが上達したいなーと思っている方は参考になると思います。

というわけでは、今回は珍しく機材系ではなくテクニック系のお話でした。

以下の記事では機材面からブラウンサウンドを探求している方達を紹介していますので合わせてどうぞ!
↓↓↓

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どうも、lenheyvanです。

ピックアップ沼を脱したつもりだったのですが、、、またもやハマってしまいました。

我が家のN4君のピックアップ変遷の歴史

私のN4君は我が家に来て25年以上経つのですが、こんな変遷をしています。

■第一期
フロント:Seymore Duncan SH-1n 59
リア :Bill Lawrence U.S.A. L500L

↓↓↓
(L500の高音域がギャンギャンする感じがあまりハマらなくて、、、)

■第二期
フロント:Seymore Duncan SH-1n 59
リア :Seymore Duncan JB(JBLスタンプ)

↓↓↓
(フロントにもっと個性が欲しくなり、、、)

■第三期
フロント:**Gibson Burst Bucker Type1**
リア :Seymore Duncan JB(JBLスタンプ)

↓↓↓
(フロントにもっとパワーが欲しくなりBurst BuckerのマグネットをアルニコⅡ→Ⅴに変更する際に破損、、、)

■第四期
フロント:Jim Wargner GoodWood
リア :Seymore Duncan JB(JBLスタンプ)

↓↓↓
(Jim Wargnerが好きになったので、、、)

■第五期
フロント:Jim Wargner GoodWood
リア :Jim Wargner DarkBurst

↓↓↓
(GoodWoodはレスポール君に合わせることにしたので、、、)

■第六期
フロント:**Gibson Burst Bucker Type2**
リア :Jim Wargner DarkBurst

↓↓↓
(やっぱりN4でExtreamを弾きたいと思い直し、、、)

■第七期
フロント:Gibson Burst Bucker Type2
リア :Bill Lawrence U.S.A. L500L

↓↓↓
(であればフロントもNuno仕様にしたいと思い、、、)

■第八期
フロント:Seymore Duncan SH-1n 59(90's頃の個体)
リア :Bill Lawrence U.S.A. L500L

となっています。
25年経って元に戻るという。。ちなみに、「これ違うかな」と思ったらすぐ売ってしまう性分なので、SH-1n、L500ともに中古を買い直しています。

ビルローレンスとビルローレンスでL500を販売!?

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

これでN4のピックアップ構成は確定のつもりだったのですが、、リアをL500XLに変えたくなりました。
いえ、厳密に言うと、Wylde U.S.A.のL500XLにです。

L500は2024年現在、2社で販売されています。
Wilde U.S.A.製のほうがブレード部分が少し太いです。

①Bill Lawrence U.S.A.
ビルローレンスが設立したメーカー(その後退社)

②Bill and Becky Wilde Pickups(以降、Wilde U.S.A.)
退社後にビルローレンスが設立したメーカー
※ビルさんは2013年に逝去されていますが、会社は存続しています。
Beckyさんが奥さんのようです。

商標権の関係で、Wilde U.S.A.では「Bill Lawrence」という文言は使えないそうです。
自分の名前なのに何とも・・・

この2社でL500を作っているわけですが、それぞれラインナップはこうなっています。L500って複数のラインナップがあるので、中古で購入する場合は注意が必要です。

①Bill Lawrence U.S.A.
※末尾のカラーバリエーション(B:Black、C:Cream)は割愛
・L500R:フロント用
・L500L:リア用
・L500XL:リア用をもっとパワーアップさせたバージョン
・L500XXL:リア用をもっともっとパワーアップさせたバージョン

②Bill and Becky Wilde Pickups(以降、Wilde U.S.A.)
・L500C:フロント用(シングルピックアップと一緒に使う想定と何かで見た)
・L500R:(特徴は Bill Lawrence U.S.A.と同じ)
・L500L:(特徴は Bill Lawrence U.S.A.と同じ)
・L500XL:(特徴は Bill Lawrence U.S.A.と同じ)
※L500XXLは無し

ビルさんは直流抵抗値=パワーではない(つまり他の要素もあるのでそれだけで語れない)と主張したようで、Wilde U.S.A.の公式サイトにも情報ありませんでしたが、ネット情報の非公式情報によるとこれくらいのようです。

<Wilde U.S.A.>
・L500C:約4〜5KΩ
・L500R:約7KΩ
・L500L:約11〜12KΩ
・L500XL:約13KΩ

Bill Lawrence U.S.A. も公式情報はありませんでしたが、同じくらいなんでしょうか?

ちなみに、私のL500はN4から取り外されたものでBill Lawrence U.S.A.のL500Lのようです。

テスターで計測したところ直流抵抗値は11.2KΩでした。

ネット情報によっては、同じ L500XL でもBill Lawrence U.S.A.は13kくらいだけど、Wilde U.S.A.は16kくらいという情報もありました。

また、Wilde U.S.A. の公式サイトには以下記載がありました。
----------------------
The original L500XL is made with the chrome plated plastic housing, as noted in his patent. (The chrome housing does affect the high end to be a little sweeter, but on volume 10 who can hear it?)
----------------------
出展:Bill and Becky Wilde Pickups

オリジナルのL500XLはクロームメッキされたハウジング(外周の部分)で作られていて、特許を取っているそうです。これにより若干だけど高音域がロールオフされると言っているので、ノイズ対策が目的と思われます。
(ただ末尾に「ボリューム全開で弾いたときに誰がそれを聞き分けられるんだい?」と書いてあるので、微々たるものだという主張なんでしょうね)

外観はこんな感じになるようです。

で、Nunoはどれを使っているのか?

海外のPickUpフォーラムを読み漁ったところ、色々な情報がありました。
真偽のほどは如何に、、ではありますが、こんな感じでした。

---------------------------------------------
・Nunoはいくつかのインタビューで、Wilde U.S.A.のL500XLを使用していると語っている

・NunoがWashburnとシグネチャーギターを作り始めたとき、”Wilde Pickups"(以前はこう名乗っていた?)のL500XLを使用しているのでそれを搭載して欲しいとWashburnに言ったところ、”Wilde Pickups"は廃業しているのでそれはできない、と言われたが、Nunoは引き下がらず拒否した。

・そのため、WashburnがBillに連絡し、大量の注文をしたことで、Billはピックアップ製作を再開した
⇒ということは製造当初は”Wilde Pickups"製(今のWilde U.S.A.)を採用していたけど、後にBill Lawrence U.S.A.製が採用されたのかな?

Bill & Becky L500L は、1981 年後半に L500XL に改名された
⇒Bill Lawrence U.S.A.のL500Lに相当するのは、Wilde U.S.A.のL500Lではなく、L500XLということになりますね。ややこしい。。。

・Bill Lawrence U.S.A.は、 Seymour Duncan の新しい SH-13 Dimebucker との混乱を解消するために、2002 年頃からピックアップのトップに「Bill Lawrence USA」の刻印をするようになった
---------------------------------------------

個人的には名盤「Pornograffitti」のサウンドが好きなので、このときは何を使っていたかを知りたかったのですが、答えは分かりました。

「Wilde U.S.A.のL500XL」です。

であれば、もうこれは手に入れるしかないですね。

Wilde U.S.A.のL500XLを本国へ注文

Wilde U.S.A.の公式サイトはコチラです。
www.wildepickups.com

Menu > SHOP > Twin Blade > L500 でL500の商品ページに行きます。

ここで各種注文項目を選択します。

ModelはC、R、L、XLの4種類、
CoilsはBlack、Zebra、Creamの3種類、
HousingはChrome、Black、Maroon、Cream、Whiteの5種類、
Mounting RingはBlack Tall、Cream Tall、Black Short、Cream Shortの4種類
から選択できます。

私は、
Model:XL、Colis:Black、Housing:Black、Mounting:Black Short
にしました。

HousingはChromeと迷いましたが、ノイズ低減よりも高音域をそのままOUTPUTしてくれるほうを優先しました。

Mountingは、パーツの商品ページに以下の画像が載っていたので、おそらく左がTall、右がShortではないかと思います。

カートに入れるとこんな感じで表示されました。
日本から接続すると、ご親切にちゃんとJPYで表示されました。

ブティック系のピックアップと比べると、割とリーズナブルな価格設定ですね。

これで注文し、Paypalで支払いしました。
それから約2週間ちょっとで自宅に配送されました。

ちなみに、後日、アカウント登録したメールアドレスに、父の日15%OFFセールの案内メールが来ました。全商品15%とのことで、安く入手したい方はこの日を狙うと良いと思います(他にもセールをする日があるかも知れませんが)

自宅へ到着

届きました。待ってましたよ。
箱とかは無く、プチプチに巻いて郵送されてきました。

正面

背面

オマケのピックが2枚同梱されてました

配線は5本あって、HPの説明からするにこんな感じのようです。

白 :ホット
黒/青:グラウンド(コールド)
赤/緑:ツイストし、ハムバッキングの場合は電気テープで絶縁するか、スプリットコイルの場合はプッシュ/プルまたはオン/オフスイッチにハンダ付けする(つまり、コイルタップですね)

White Wire -- Hot
Black/Blue Wires -- Ground
Red/Green Wires -- Twist together, insulate with shrink wrap or electrical tape for humbucking OR solder to either a push/pull or on/off switch for split coil.

気になる直流抵抗値は15.2kΩでした。
前情報と一致してますね。

私のBill Lawrence U.S.A.のL500Lが11.2kだったので4k高いことになります。
こちらのほうがミッドローが出るのかな、という予想をしつつ、これは比較動画を作るしかないですね。

最後に

L500は色々な歴史があって、現在は2社から発売されているという珍しいピックアップでした。

やはり一番気になるのは2社のサウンドの違うですよね。
次回は、Bill Lawrence U.S.A.製 L500L vs Wilde U.S.A.製 L500 の比較動画を作成してレビューしてみたいと思います。

ではお楽しみに!

(2024/8/22追記)
サウンド比較動画を作りました。
こちらの記事でサウンドインプレッションを載せています。
↓↓↓

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どうも、lenheyvanです。

ギターをやっている人なら一度は憧れる、**エディヴァンヘイレンのブラウンサウンド**。

このサウンドを出してたくて、色んな文献を読んだり、都市伝説に食いついたり、歪エフェクターを買い漁ったり、しますよね?

1stのあのサウンドはとても不思議で、めちゃめちゃ歪んでて迫力あるブ厚いサウンドなのに、コードの分離感がキレイで、ボリューム下げるとクランチ~クリーンサウンドまで落ちるし、なんじゃこりゃなんですよね。

ピックアップが特殊なんだとか、電圧を下げているからこうなるんだとか、Joseの改造に秘密があるんだとか、テッドテンプルマンのプロデュース(レコーディング技術)がスゴイいんだとか、いやいや、エディの腕なんだとか、諸説あります。

で、今日はそのブラウンサウンドを追い求めた海外の強者たちを紹介したいと思います。

私の海外のMarshall Forumで情報を得たり、アンプ改造ノウハウについて意見をもらったりしますが、そこで教えてもらった有名人3人を紹介します。

ちなみに、こちらの記事では技術面からブラウンサウンドの秘密(?)を探ってみました。
↓↓↓↓↓

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エントリーNo.1

1人目はMark Abrahamian(マーク・アブラハミアン)です。

彼はStarshipというバンドで活躍したギタリストで、素晴らしいプレイヤー、かつ、才能ある有能なアンプビルダーだったのですが、残念ながら2012年に46歳という若さで亡くなってしまいました。

ステージでプレイしたあとに楽屋に戻って食事をとっていたときに心臓発作で気分が悪くなり、そのまま帰らぬ人になったそうです。

ただ、彼が残したものスゴイ精度で再現したブラウンサウンドYouTubeでもまだチャンネルが残されています。

「RockstahAmps」というチャンネルで、5本だけですが動画があります。

RockstahAmps - YouTube

中でも私がサウンド面で1番好きな動画はコチラ。

もう、まんま1stのエディですね。
彼のモディファイは Rockstah Mod5 と呼ばれています。

私が調べまわったところ、このモディファイはカスケード接続、カソードバイアスの定数値、ブライトキャップの値が味噌のようです。
(詳細な内容を把握していますが、あまり公にすべきではないと思いますので控えておきます)

Marshall特有のガシャーンといった全く遠慮の無い高音域とミッドハイの豊富な倍音、すごい歪んでいる(ように聴こえる)のにクリーンさも兼ね備えたディストーションサウンド。これぞ正統派ブラウンサウンドです。

まだ生きていたらどんなサウンドのアンプを作っていたんだろうと思うと残念でなりません。

いまだにMarshall Forum等、海外のサイトでは彼の作り上げたサウンドが話題に挙がっており、まさにレジェンドですね。

"RockStah Mod5" でググるとこれ以外にも動画等が出てくるので色々探してみてください。

エントリーNo.2

1人目はMichael R/T(マイケル R/T)です。

彼がモディファイしたアンプは「R/T Mod」と言われており、ブラウンサウンドを基調としつつ、少しオリジナリティを感じるサウンドです。

彼はまだご存命で「Audette Amps」という会社(?)を立ち上げており、YouTubeでもそのサウンドを聴くことができます。

Power Lines - YouTube

以前、「Michael R/T」というチャンネル名でYouTubeに動画をあげていて、そのときは沢山あったのですが、急にある時に無くなって、やめたのかなーと思っていたら、「Audette Amps」で復活して(そのときに過去の動画はすべて無くなった・・・)、そして最近「Power Lines」というチャンネル名にしたみたいです。

彼の特徴がよくわかる動画はコチラ

1stよりも重心が下にあって、歪感も若干ファズっぽいというか粗いワイルドな感じがします。アルバムで言うと「Fair Warning」っぽいかな?

Extream、Dream Theatre、RATTも好きなようで聞き覚えのあるリフが随所に出てきます。

「R/T Mod」もカスケード接続が重要なポイントで、そこにカソードバイアスの定数値を工夫しているようです。
こちらのモディファイ内容も内容を把握していますが、"RockStah Mod5"とはまたちょっと違うアプローチでオリジナリティを出しているようです。

エントリーNo.3

3人目はDavid Bray(デビッド・ブレイ)です。

彼は自身が立ち上げた「David Bray Amps」の代表です、彼もまた素晴らしいアンプビルダーです。

私は元々「Marshall 1987X」を持っていたのですが、このアンプに色々な歪みペダルを組み合わせたり、自分で制作したペダルで試したりしたのですが、自分が追い求めるブラウンサウンドに限界を感じ「David Bray Amps」のcoco50というアンプを直輸入しました。

そのときの記事はコチラ

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日本で知名度があるブラウンサウンド系アンプ(改造マーシャル系)だと、Soldano、Bogner、Friedmanなどありますよね。Friedman BE-ODが一番好みに近いかなーと思いながら色々探していると、David Brayを聴いたときに、コレだ!と思いました。

結局、それでも納得いかずに自分でアンプを改造し始めるわけですが、メーカーとして一般販売しているアンプ屋さんとしては、David Brayのサウンドは頭1つ抜けていると思います。

DavidBrayAmps - YouTube

4550 Deluxという製品が出せるサウンドバリエーションが広くフラグシップ的な位置づけ、coco50はコントロールをシンプルにして価格を抑えつつサウンドは妥協せずに1stブラウンサウンドに焦点を当てた製品です。

Bon Joviのフィル・Xが試奏した動画や、海外で活躍する日本人ギタリストのToshi Yanagiさんの動画も公開されています。

初めて聴いてこりゃスゴイと思ったのはコレ

coco50

4550 Delux

この3人の中で、カスケード接続を採用してないのは唯一David Brayです。
よって、初段プリ管のゲイン段を1つしか使っていない(1959slpや1987のオリジナルと同じ)のにこのサウンドにしちゃうところがスゴイですね。

これは実機が手元にあるので、各種パーツの定数値等を解析しましたが、かなり研究したんだろうなと思われるような絶妙な定数値になっていました。
(敢えて中途半端な値になっているパーツが多数あったので)

そして何より彼は親切で、こんなサウンドにしたいんだ、と私の拙い英語で連絡したら、長文でアドバイスを返してくれるような温かい人ですっかりファンになってしまいました。
スピーカーを定番のCelesion GreenBackではなく、ROLA期のBlackBackを再現したScumBackを採用したのも彼の影響です。
(そうなんです、初期エディが使っていたのは実はGreenBackではなくBlackBackなんです)

それ以外にも色々なエディの逸話を聞かせてもらいました。

詳しくはコチラで

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最後に

どうでしたでしょうか?
日本ではあまり情報が無いビルダー達のお話でした。
(と言うか知っている人はほとんどいないんじゃないかと)

今はブラウザの翻訳機能ですぐに日本語で読めるので便利ですよね。
海外のフォーラムを色々漁ってみると新たな発見があるかもしれません。

ピックアップなんかも、海外ブティック系で日本で有名なのは
Bare Knuckle、LindyFralin などがありますが、
Jim WargnerやWolfeToneなんかはほぼ無名ですよね。

世界に目を向けると、色々な可能性が広がっているので海外サイトを翻訳しまくと楽しいですよ。

そんなこんなで、私はBrayのcoco50を更にモディファイして自分好みのサウンドに進化させたのですが、それも宣伝のために貼っておきます。(確立するまでの試行錯誤に2年以上かかりました)

今は「Ice-Crash Amps」という商号で既存アンプを改造してメルカリSHOPで販売したりしていますので機会があればよろしくお願いします。

それではまた!

どうも、lenheyvanです。

すみません、だいぶ時間が空いてしまいましたが、
Marshall Class5モディファイの第三部の改造箇所の紹介になります。

(注)あくまでも私個人で勝手にやっているだけなので、マネされる場合は自己責任でお願いします。また、5Wアンプではありますが変なところ触ると感電の危険があるので十分ご注意ください。

第一部、第二部を読んでいないからはコチラからどうぞ。

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回路図の番号(R1やC1など)が基盤にプリントされているので、基盤とにらめっこしなくても、すぐに該当のパーツを見つけられるので意外と簡単です。

マスタボリューム増設

5Wと言えど、1ボリュームだとアッテネーター無しでは家では使えないので、まずはマスターボリュームをつけます。

オリジナル回路ではパワー管(EL84)の直前のR24とR26で分圧してます。
100Kと470Kなので、約82%くらいの信号をパワー管に送ってます。

R26を除去して1MΩ程度のボリュームポットに置き換えると、マスターボリュームになります。
これによって、0%(つまり音量ゼロ)~約90%まで調整可能です。
R24の抵抗を除去して、導線に置き換える(スルーする)ことで100%まで調整できるようにしてもいいかもです。

新たな穴を開けたくないので、HeadPhoneセレクトスイッチを潰して、ここに設置します。

オリジナルはこうなってますが、

こんな感じになります。

HeadPhone端子からゴミが入らないようボルトで塞ぎました。

Ice-Crashサウンド

(1)INPUT~V1A~V1B

R20は470kから1Mに変更します。
(回路図は既に1Mになってますが、オリジナルは470kです)
これによって、GNDへ落ちる信号を少なくします。
ギターのボリューム回路と同じで、ここの抵抗値を小さくしていくと信号が減衰していくのと、音質的には高音域が丸くなっていきます。

C10は高音域だけを直接GNDに落とす回路なので、これは除去しちゃいます。

V1Aで増幅された信号はプリ管のアノード(A)の上から右へ流れていきます。
C9のコンデンサで低音域をカットしますが、通常、ここは0.0022uF(2.2uF)~0.022uF(22nF)が定番の定数値です。

初段は小さ目の数値、二段目(V1B後)はちょい大きい数値にするとキレの良いサウンドになります。ここでは2.2nFにします。

また、V1Aのカソード(K)の下にあるR18、C8も重要な部分です。
(カソードバイアスと呼びます)

抵抗値とコンデンサ値で、増幅する周波数帯域をコントロールできますので、色々な数値を試すと良いと思います。

カソードバイアスの増幅シミュレーションできるサイトがありますので、これを使うと便利です。私は、ここの計算結果を元に実際にアンプに組み込んでみて、後は耳で最終調整していく、というやり方をしています。

(カソードバイアス計算機)
Cathode Bypass Capacitor Calculator

(2)V1B~V2B

次はV1Bの後ろを見ていきます。

V1Bは、ここでバッファして信号を強くしてあと、イコライザー(EQ)を形成しています。R28、C20、C22、C20、C14とBASS、MIDDLE、TREBLEノブで周波数をいじれるようになっていて、ここの定数値はマーシャルの王道的な感じです。

以下サイトからEQ部分のシミュレーターソフトをダウンロードできるので、これを見ながら色々定数値を変えてみると楽しそうですね。
※海外のサイトのソフトウェアなので、インストールは自己責任でお願いします。
インストールして特に気になる事象は無いので問題ないと思いますが念のため・・・

(Tone Stack Calculator)
TSC

インストールすると以下の画面が出てきます。
ここで定数値を変えると、EQのカーブを変えることができます。

ちなみに、ご覧のとおりBASS、MIDDLE、TREBLEをフラット(目盛り5)にしても、中音域が凹んでいるのが分かると思います。

そうなんです、フラットと言いつつ、これがデフォルトなんですよね。
ギターの音質特性を踏まえ、かっこいいギターサウンドを得るための設計ノウハウですね。

EQ回路を通ると、次はV2Aに辿り着きます。

カソードバイアスはR21(6.8k)の抵抗のみですが、10k程度まで上げて引き締まったサウンドにしても良いですし(JCM800なんかはここが10k)、V1Aみたいにコンデンサを並列に入れて、よりアグレッシブに増幅するもアリです。

V2Aで増幅された信号は次にC2、R14、R12を通って、V2Bへ辿り着きます。
R14、R11は「マスターボリューム増設」でも記載したとおり、分圧で信号を落としています。

2つとも470kなので、ちょうど半分にしていますが、V1A,V1B,V2Aで増幅を強めに設計していると、信号をもう少し落とさないと発振する場合があるので、発振するようなら、R14の値を大きく(比率なので、もしくはR11を小さく)すると良いです。

逆に弱いようなら、逆にして試してみましょう。

また、V2B直前にR12が入っていますが、大体真空管に入力する前は、真空管保護で470k程度の抵抗を入れます(ただし、V1Aはギター入力して最初で弱い信号なので10-50k程度で十分です)

この抵抗に並列でコンデンサを入れることで、高音域を素通りさせてハイの抜けを強調することができます。Marshallで多いのは500pFくらいです。
ここも定数値を色々変えると面白いです。

また、カソードバイアスがR15の1.5kですが、ここもコンデンサを並列で追加したり、抵抗値を変えたりして好みの周波数特性にすることができます。

各増幅段のカソードバイアスは、音色に大きな影響がある部分ですので、一番、設計が面白い部分です。

最後に

いかがでしたでしょうか?
Marshall Class5のモディファイ説明でした。

企業秘密部分があるのでだいぶ端折ってますが、Ice-Crash Amps で実際にモディファイしたものはYoutubeにあげていますので、試聴してみてください。

モディファイ前からはだいぶ印象が変わっていると思います。

[Marshall Class5 Mod version1 by Ice-Crash Amps]
キレの良いIcyなサウンドに仕上げています。
アンプ直でもこれくらいアグレッシブなディストーションサウンドを得ることができます。

[Marshall Class5 Mod version2 by Ice-Crash Amps]
ボリュームを上げていくと破裂音が出てくるようにしています。
初期EVHのBrown-Soundテイストがあります。

Marshall Hazeの改造例もありますので、また今度記事にしようと思います。

それでは!

どうも、lenheyvanです。

Marshall Class5モディファイの第二部の回路解説になります。

※前編、後編の二部構成にする予定が、回路説明が結構長くなったので三部構成にしました。

第一部の「作業工程」はコチラ
↓↓↓

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最初に、回路全体を見てみましょう。

1.回路全体像

一番左がINPUTジャックです。
Class5はプリ管2本(12AX7)、パワー管1本(EL84)です。

V1A/V1Bが1本目のプリ管、V2A/V2Bが2本目のプリ管、V3Aがパワー管です。
真空管は基本的に増幅回路が2つ入っていて、たとえば1本目のプリ管だとV1AとV1Bの2回路になります。Marshall1959/1987なんかは1本目はV1A or V1Bのどちらかしか使ってません(チャンネルⅠ、Ⅱで使い分けている)。

V1AとV1Bを直列で接続して、GAINを稼いだのがRandyRhoadsがやっていたカスケード接続というものです。現行でも1959RRという製品名で販売されています。(もう製造中止したのかな?)

アンプの仕組みをもっと知りたい方は、解説本書いてますのでどうぞ。

kindle unlimitedに入っている方は「読み放題」に入ってますので無料で読めます。

真空管ギターアンプの仕組み(前編) ~回路図の解説~

真空管ギターアンプの仕組み(後編) ~モディファイの実践方法~

Class5はムッチリした音色というか、ローがガッツリ出ていてモコモコしています。
ハイはMarshallらしい、グラッシーな感じですが、ローが出すぎていて、ハイをスポイルしているような感じです。

回路図を見ると、狙っているやっているように見受けられます。

2.入力部~V1A

まずココ。

INPUT直後の部分です。

R20が470KΩになっていて、並列にC10が47pFで入っています。

通常、INPUT直後のR20は1MΩです。
※抵抗値が高いほうがハイ落ちせずにストレートに信号を後段へ送れます。

470KΩという少し小さめの値にすることでハイを少し落としています。

加えて、並列にC10というコンデンサを入れることで、更にハイを落としています。
47pFという小さい値なので超高域ではありますが、それでも効果は結構あります。

よく言えば太い音、悪く言えばモコモコしたスッキリしない音になります。

次にV1Aのカソードバイアス(※)を見てみます。

真空管のK(カソード)からGNDへ延びている部分のことで、どの周波数帯域を増幅するかに大きな影響を及ぼす大事な部分です。

R18の1.5KΩは割と小さ目なので増幅率は高めです。
ただ、C8が10uFと大きい値なので、低音域をかなり通す(=増幅する)ので、ローからハイまでガッツリ増幅しています。

V1AからC9を通ってVOLUMEに繋がってますが、これがVOLUMEノブです。

ココね↓

3.V1B~トーン回路

次に、VOLUMEからV1Bへ繋がるところです。
R9やR8,R10は1959や1987では見かけない部分ですね。

V1BのG(グリッド)に入る前にR9-R10-GNDとなってますが、これも少しハイ落ちさせていると思います。

次にトーン回路(EQ部分)です。
ここは定数を変えると、EQでいじれる帯域を調整することができます。

以下サイトで「Tone Stack Calculator」というソフトウェアをダウンロードできます。

https://www.duncanamps.com/tsc/index.html

簡単にトーン回路の動き方や、各定数を変えた場合に周波数帯域がどう変わるかを計算することができます。今のトーン回路に不満を持っている方にはかなり役立つと思います。

そこからV2Aへと繋がりますが、R22,23で分圧してますね。
ここは出力を半分にしています。

1959なんかだとVOLUMEになっていたりする部分ですが、固定で半分にしてますね。
分圧せずにV2Aに突っ込むと出力大き過ぎて発振してしまうからだと思います。

V1AとV1Bの音色が異なるようにしておいて、ここをVOLUMEノブを増設することで、VOLUMEⅠとVOLUMEⅡの調整で音色変えるなんて使い方も面白そうですね。

そしてR21はV2Aのカソードバイアスです。

抵抗だけ(特に高めの値)だとサウンドを引き締める効果があります。
6.8KΩなので引き締めるには十分ですね。

JCM800なんかは10KΩです。

ここまでの回路でモコモコサウンドにしてきたので、ここでバランスを取っていると思います。コンデンサを入れないことで、GAINを上げ過ぎずに、かつ、これ以上モコモコして使えないサウンドにならないようにしていると思います。

4.V2B~パワー管(V3A)

トーン回路を通った後、R14、R11でまた分圧して出力を半分に落としています。
そのあと、R12を通ってV2BのG(グリッド)に繋がりますが、R12の470KΩは一般的な数値です。

通常、増幅して来た信号を次の真空管に入力するときは保護回路として470KΩ程度の抵抗を挟みます。

カソードバイアスのR15はV2Aと同じく抵抗だけですね。
1.5KΩなので、増幅率は高めです。全帯域を増幅しています。

最後に、R24,26でまた分圧して出力調整して、V3A(パワー管のEL84)でスピーカー駆動レベルに信号増幅します。

では次回はいよいよ、回路図上、どの辺を改造したかを解説していきます。
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