冷静に見渡す力 (original) (raw)
冷静に見渡す力
練習に熱中していくと、どうしても「高い声が出ない」とか「自分の声はこれで正しい方向なのだろうか」とか、近視眼的で視野が狭くなりがちです。そのときに大事なのが、冷静に全体を見渡す力です。凄い人になると、「舞台に立っているときに、もう一人の自分が上から冷静に自分を見下ろしている。」などと言います。俯瞰する力はぜひとも身につけてほしいものです。
「いい演奏は、流れがよい演奏である」と私の師は言いました。ある程度のレベルになると、どうしても部分的なあらさがしをしてしまいますが、お客さん目線に立つと、そういうことはあまり気にならないものです。
私の通った音大では、演奏家志望でも「楽曲分析」が必修でした。それはどうしても練習ばかりしていると、部分にこだわるようになり、曲の流れが悪くなるからです。楽曲を理論的に分析してみることにより、俯瞰する視点ができるのです。作曲とか理論の先生が教えるのでなく、演奏の先生が実践的に教えてくださいました。興味がある方は取り組んでみてください。