世界が終わる日が休日ならいいな (original) (raw)

ファスティングとは!

「断食(ファスティング)」とは、一定期間食事を断つことをいいます。
ファスティングは、英語のfast(断食する)が由来となっています。
引用元:断食(ファスティング)の効果はある?取り組み方やリスクについても解説

とまぁ要は断食なのですが、流行ってるな〜くらいの認識で、食べること好きなので関係ないなと思っていました。
それがなぜやってみたかというと、永遠の贔屓・花影アリスちゃんファスティングマイスターの資格を取って、アドバイザー(というのかな?)のお仕事を始められたからです。
我ながらチョロなのですが、そうなると一度はやっておかなきゃじゃん?ということでアドバイザーをお願いすることにしました。
いやもちろんそれだけじゃないですよ、自分でやるつもりはなかったけど知的好奇心的なものはあったんですよ本当です……。

流れとしては
アリスちゃんへ申し込み →カウンセリングシートを記入 →zoomでのカウンセリング →日程を決めて →LINEでサポートしてもらいながら実施
という感じ。
ちなみに申し込み前はインライで話されていた半日ファスティングでサポートをお願いしようかな?と思っていたのですが、結局三日間ファスティングをやっています。チョロい……笑。

三日間ファスティングも、実は三日間だけではなく、
準備期二日間 →断食期(ファスティング)三日間 →復食期二日間
と、合計七日間実施します。これ今回初めて知りました。
徐々に食事を減らして、断食して、徐々に食事を増やす、ということですね。
準備期・復食期もそこそこ食べるものの制限があります。
で、この期間に毎朝アリスちゃんから励ましや当日の注意事項のLINEが届きます。
これが思った以上に支えになりまして……!
そもそもよく考えたら打ち合わせの時点から贔屓と個別に(しかもLINEで)連絡を取っている現実、一体なんなんだ……と不思議な感覚にも陥り……笑。
準備期と復食期は食べたものをアリスちゃんに報告するのですが、それも正直ごまかそうと思えばごまかせるわけですよ。でも贔屓に嘘をつけるわけないし、贔屓が励ましてくれるんだからがんばろ!!って自然に頑張れました。

ファスティングと言ってもいろいろ流派(?)があるみたいなのですが、アリスちゃんがサポートしてくれるファスティングは断食期に酵素ドリンクを飲みます(おおよそ2万円)。これが高価だから……!無駄にしてたまるか……!というのもあります笑。
この酵素ドリンクもクセがあるけど意外と飲みやすくてよかったです。口に合わないとしんどいので……。

そしていちばん心配だったのが「三日間も断食できるのか?」ですよ。空腹に耐えられないのでは?という。
それが、意外とお腹空かないんですよね!?いや空くんですけど!!
普段食事している時間がいちばんお腹空いたので、腹時計ってすごいな〜などと思ったりはしましたが、そこさえ乗り越えれば意外と凪。びっくり。
断食期は平日だったので、お昼は持って行かなきゃいいし、夜は映画館に映画観に行ったりとかで乗り切りました笑。いちばんの敵は職場でおすそわけされるクッキーだった……。
もちろん「アリスちゃんがサポートしてくれているし!」という支えもあってこそなんですが、無事三日間を終えたときは達成感もありました。

効果としてはほぼ毎朝寝起きに感じていた胸焼けのような詰まった感じが無く、毎朝起き上がるのが少し楽になりました。起き抜けに頭が重い感じも減った気がします。
いやもう毎日毎日起き上がるのめちゃくちゃしんどくて……出勤したくねぇ〜笑。
体重も準備期初日から断食最終日までで-3.6kg。こんなに減るんだ……!?
いうておおよそはお腹の中のものが出ていっただけなのかなとは思うので、しばらくしたらある程度戻るのではないかな(現に既に少しだけど戻っている)。
でもここ数年でいちばん減ったのでめちゃくちゃ嬉しい!
あと、今までちょっと小腹空いたな〜ですぐ冷蔵庫開けてチーズとかつまんでたんですが、小腹空いたぐらいで食べなくても大丈夫、という自信(?)がつきました。やってる間に衝動で甘いもの買わなかった!!ってのは自分としては大きいです。実績があるということは強いのだ……。
それから汗がめっちゃ出る。もともと汗っかきなんだけどそれ以上に出る。冗談でなく滝汗……。
意外とできたけど、予想通り大変ではあったので(家族が食事している誘惑よ)定期的にやるのは難しいかなぁなんですが、半日ファスティングとかなら全然選択肢に入るな!という感じです。やっぱり何事も経験ですね。

おすすめするためというよりかは日記のつもりで書いているのですが、ご興味持たれた方はきちんとアドバイザーの方にお願いしてサポートしてもらったほうがいいと思います!意外とできるよ!
みんな!健康でいような!!(本題)

2024.08.19.〜25.

【1945年8月9日11時2分、そしてその三年後のこと】


幼いころ母の出身地である広島で行った原爆資料館、登校日に暑い体育館で観たピカドンの映画、沖縄の修学旅行で聞いた現地の女学生の体験談、入ったガマ。関西出身であるからか、わたしが触れてきた「戦争」に長崎の原爆のことは極端に少なかった。
初演は都合が合わず、再演は配信で観劇し、念願の現地での観劇でした。
靖子さん、洸平のお芝居はとにかくリアルというか現実的で、そこに「在る」。「現在」なんですよね。現在の物語を襖の隙間から目撃してしまった感じ。これは栗山演出の特徴でもあるかも。スリル・ミーや凍える、海をゆく者でも思った。
死の瞬間を苦しむ浩二、独りで生きること助産婦(劇中ママ)を続けることを苦しむ伸子。
三年振りに顔を合わせて朗らかに会話しているかと思えば、ふとした瞬間に浩二が死んだことを思い出す。伸子も浩二が知らない過去を思い出す。伸子が助産婦になった過去、辞めた経緯を話しているシーン、一年間夢に見た浩二を語るシーンの靖子さんは圧巻でした。あの長台詞を淀みなく語り続けてぐいぐい引き込まれた。
そして繰り返される「なんでうちはあの時あんたを止めんかったんやろう」という台詞。あれはきっと伸子がこの三年間で何十回何百回何千回と繰り返してきた言葉なんだろう。同じ問いを繰り返した人もきっと何十人何百人何千人といるのだろう。
伸子が助産婦として最後に行ったお宅のある地域は空襲を免れている。仕事を休んで(劇中では語られないがおそらく)直撃を免れている。たったひとつ、何かが違えば助かったかもしれない。逆に犠牲になったかもしれない。
けれどそれは運命ではない。台風や津波ではなく人が起こしたことだから。
今、ウクライナで、パレスチナで、核兵器こそ使われていないけれど世界の各地で同じことが起きている。人が起こしていることなのだから運命であるはずがない。
「あの日、長崎の空に神様はいなかった」という台詞も印象的だった。食事の前にお祈りを捧げる敬虔な信者の伸子が「神様はいい加減たい」と言うほどのことだった。
浩二が自分の最期を語るシーンは特に壮絶だった。
幕開きからずっと軽やかに伸子と話していたのに「熱か、熱か」と繰り返す浩二。周囲の情景を描く脚本、その情景をありありと存在させる洸平の台詞回し、伸子の独白シーンから続く夕陽、赤い炎の照明が胸に迫る栗山先生の演出。息もできないほど、ただ涙をぼろぼろとこぼすしかないほど壮絶な数分間だった。
果たして浩二はあの日路面電車に間に合うように家を飛び出したことを後悔しているのだろうか。
けれど浩二は自分の死を受け入れているようだった。三年経ち、受け入れるしかないということかもしれない。
だから伸子には生きていてほしい、ただそれだけなのだと思う。
浩二も伸子も愛する人に生きていてほしい、生きていてほしかった。それはかつての浩二の恋人、町子に対してもそうだろう。
おばあちゃんのこと、伯父のことその妻のこと、それぞれのエピソードがどれもつらい。
特に長崎医大での説明会のこと。今年、「オッペンハイマー」を観たこともあり、「被曝のその後」の研究には冷や汗が出た。開発中には誰にもわからなかったことなんだろうか。妊婦の尊厳を、新生児の尊厳を切り刻んでいく。
「壮絶」だとか「地獄」だとかそんな言葉では言い表せない状況だったはずだ。原爆も戦争も、すべての人間を踏み躙っていく。
ただ一言、「戦争は必要ない」、その言葉だけが真実だとわたしは思う。

富田靖子松下洸平が目の前で語る戦争を見てどう感じるか。今現在、実際に起きている戦争を見て、今を生きているわたしたちは何ができるのかどうすればよいのか。
欲を言えば毎夏公演してほしいし、できれば地上波で放送してくれないかなとすら思うほどでした。
とてもつらいけれどできるだけ多くの人に観てほしい。たった90分、けれどとても長い90分。本当に壮絶な公演でした。

2024.07.28. 12時 / 15時30分

【極上のハーモニー!ミュージカル俳優による奇跡のユニット】


昨年秋から続くとんちゃんブームが高じて、役じゃなくて本人のいる現場に行きたいな〜カレンダーお渡し会もソロコンも東京だけだし……ってところで知ったJBBの大阪公演。
ジャージー・ボーイズを観劇していないのでどうしようか少し悩んだのですが、いや中川晃教藤岡正明大山真志の歌声はそれだけで行く価値があるのでは?ということで行くことにしました。
これが結果正解も正解大正解すぎて、行くことにした自分を褒めてあげたい!!

歌うまを浴びに行くだけだし、と思って昨年のコンサートの情報は何も入れずに行ったので毎曲毎曲新鮮に「この曲かー!」と驚けたし楽しめたな。先行で出てた予定曲目には「それ??」と思う曲もあったものの……笑。
基本的に原曲厨なのでどんなに素晴らしいカバーでも原曲を超えることはない、が信条なのでそのていで読んでほしいんですけど……。
マイベストモーメントはStand By Meの藤岡さんの歌い出しと夢で逢えたらの大サビ最初のとんちゃんソロだった。
Stand By Meはセトリの中でも原曲が大好きでもう何年も聴いている曲だったので今さらこの曲のカバーでこんなに震えられるんだ……って感動すらした。ちなみにマイベスト2ソングでした。ベスト1は後述。
藤岡さんを前回観たのがザ・ミュージック・マンで、藤岡正明にこんなに歌わせないなんてある……?て感じだったのでじっくり堪能できたのも嬉しかったです。
夢で逢えたらのとんちゃんのパートもとにかく震えちゃって……この3人とこれだけ遜色なく歌い合える20代の末恐ろしさよ。原曲のセクシーさもしっかり表現されていてよかったな。
そしてマイベストソングだったのは夜空ノムコウでした。
夜空ノムコウはとにかく曲が大好きで、中学生くらいのころ、インターネットに転がってるありとあらゆるアレンジを集めてMDを作っていたくらい。たぶん3時間くらいぶっ続けで夜空ノムコウが入ってるMDだったと思う笑。
ただし原曲厨なのでどれを聴いてもSMAPのオリジナルには敵わないし、次点はどうしても川村結花さんとシカオちゃんのセルフカバー。
けれど、大好きな曲をこれだけ美しいハーモニーで目の前で聴けるなんてどれだけ幸せなんだろう、と感極まってしまった。
ラストの曲だったので興奮冷めやらず、泣きながら梅田の地下を歩いたよ笑。
そうそう、せっかくのBillboardなのでジャズのスタンダードナンバーも聴きたいな〜とは思っていまして。いうてMy Wayとかのど定番スタンダードかなぁ(いやMy Wayこそいつ誰のアレンジを聴いても泣くくらい好きな曲なのですが)なんて思っていたらですよ。
まさかRoute 66なんてごりごりのジャズナンバー歌われるとは思わないやん!?歌い出したとき「まじで?」って思っちゃった。
まさかの選曲すぎて嬉しかったな。CD聴いてみたら去年中野サンプラザでも歌っていたみたいなんだけど笑。

マイベストモーメントにふたりの名前をあげたけれど、もちろんあっきーも大山くんも素晴らしかった!
つい二週間前にクロスロードで観たあっきーは恐らく周囲に合わせてかなり歌い控えをしていて、「あっきーが楽しそうな芝居なのは観ていて楽しい、けど歌が」と消化不良だった。それがこんなに遠慮なく歌えているのは聴いていて気持ちがいい!
あっきーの癖のある声も歌い方も、それを活かすハーモニーも、凄まじかったな〜4人の中ではいちばん長く見続けている人だけど、マイベスト中川晃教でしたわ。
逆に今まで観たことがなかった大山くん。調べてみたけど今回が初見で間違いないはず。
上手い人らしいよね、もしかしたらダイジェスト映像とかで聴いたことあったかもな、くらいの認識だったのがこの渋い低音よ〜!
藤岡さんが「夢で逢えたらのラストは真志の低音で締めてほしかった」で割り振ったらしいそのワンフレーズも痺れたし、柔らかくて音の隙間を埋めるような、3人の声の緩衝材でありながらもメインパートも美しくてとても気持ちよかった。
あとファンサすごくてびっくりしちゃった。下手側カウンターに座っていたのですがすごい勢いで目線が飛んでくる……めっちゃ目合った……。

音楽現場は結構行っているのですが、音楽以外のエピソードに対する感情なんかがどうしてもあって、純粋に〝音楽〟だけを楽しめる現場ってそう多くはない。
そしてそのひとつがわたしはIL DIVOだった。コーラスが美しくて音源聴いているだけでいろんな気持ちが浄化されるような感覚。あえてメンバーの情報を入れないようにしてコンサートだけ行っていた。
そうするうちにメンバーがひとり亡くなってしまって、わたしの好きだったあのコーラスを聴けることはもう二度とない。
今も全員活動はしているのに聴けなくなったコーラスだってある。
5人時代の東方神起が好きなのですが、現地で5人のコーラスワークを聴く前にそんな状態ではなくなってしまった。
彼らを取り巻く環境が変われども、たぶんもう全盛期ほどのものは聴けないだろうな……と諦めてしまっている。
そんな中で結成したてのJBBがこうやって素晴らしいハーモニーを響かせて楽しく活動をしている現場に立ち合えてとても幸せです。しかも大好きなBillboardで!
今回で4人それぞれのことがいっそう大好きになっちゃったので、今回ほど音楽だけを楽しむ、がたぶんもうできない。それはそれで楽しいことではあるのですが。
一度だけでもそういう体験ができて、とことん純粋に「音楽が楽しい!」って気持ちを持ててよかったな。


Billboardでのコラボカクテル、名前は〝奇跡〟。
それにかけて「この4人が集まれたことが奇跡」「スケジュールが合ってツアーが組めたことが奇跡」というようなことを話していた。
わたしは運命論者なので、この4人が出逢って、共演して、ユニットを組んでツアーまでしている奇跡のような運命に胸がいっぱいになったよ。
期間限定とかではなく、不定期でいいから長く活動してほしいなと思いました。素晴らしいコンサートでした!

余談も余談の話。
CDの録音についてあっきーが「スタジオ録音のようなライブ録音のオクタヴィアレコードさん」というニュアンスのことを話していまして、オクタヴィアレコードのEXTONレーベルはクラシックの老舗レーベルなんだからそりゃあライブ録音には慣れているだろうよ〜と軽く聞いていたんですけど。
翌日ゆっくり聴いてみると思った以上に美しい録音で思わず笑いました。さすが老舗レーベル……。

JBB Concert 2023

2024.06.02. 2nd stage(大阪ラスト)

【歪んだ音で紡ぐ復讐譚 圧巻のカンパニー】


いや〜ソンドハイムの難曲!不協和音もだけど音そのものが歪んでいるのもイギリスっぽくて大好き!あと汽笛の音も大好きなんですよね……!スウィーニー・トッド観てるぞ!ってなります。
キャストがみんな振り落とされないように必死……という感じもあまり受けなくてとてもよかった!しがみついてる感じはしたけど、それがいい緊張感になっているなと感じました。
(だって前回観たソンドハイム作品がトラウマのITWだったので……)
2013年の柿澤勇人/高畑充希回以来11年振りに観たのですけど、わたしの記憶の8割がジョアンナとアンソニーのところだったな……と気付いた。JohannaとKiss meがめちゃくちゃ好きだからだろうな……。
映画版は公開当時ジョニー・デップにハマっていたので観ており、観劇前に久々に観たら普通〜にデップにメロってしまい、アラン・リックマンにもメロってしまった……好きです……。
そしてKiss meがなくてアレ!?になってしまった。なかったのか……。

市村パパとしのぶさんは圧巻でしたね。正直滑舌ゆるくなったなーと思うところもあったけれど、とにかく説得力がすごい。喋るように歌い、言葉で芝居するといった感じ。
力を抜くところは抜いて笑いどころがしっかり活きていた。
市村パパのまさに絶唱!特に大楽のエピローグが特に素晴らしかった。本当に歌い切ったという言葉がぴったりでした。
「復讐の神に取り憑かれ」るほどの絶望や憎しみを感じるほど妻子を愛していたのが痛いほど伝わってくる。
まぁトッドさんはそれだけルーシーのことを愛しているのなら乞食女の顔見た瞬間に気付け、そうしたらこの悲劇はなかったんだよ……というあれですが……身も蓋もないけど。
しのぶさんはずっとキュートでチャーミングで、トッドさんのことを独り占めしたいけど自分のことを見てくれない焦ったさに地団駄踏んでいる様子がかわいい。
店の周りをルーシーがうろついてるの不安で仕方なかったんだろうな〜。嘘を吐いてはいないけど本当のことを言ってもいない、後ろめたさもありつつ今が幸せでうっかり忘れていた様子がいい。
それが若い女の子の初恋みたいに感じられるのはしのぶさんのラヴェット夫人ならではだな。

初演から続くシンディトビーの可愛さったら!11歳のきゅるきゅるした少年で、飢えていた親からの愛をラヴェット夫人から受け取れたんだなぁとマフラーのシーンでしみじみ感じました。それと同時に初恋だったんだろな〜保育園の先生が初恋みたいな……。
もう51歳なことにびっくりしたけど、シンディの底力を改めて見せ付けられました。
あと、エリザに初めて出た頃は「サックス吹けるのになんであんなに音が拾えないんだ?」とか言われてたけど、こんなに泣かせる歌を歌えるようになるなんて……!
諒くんトビーも脚が悪い設定にしたんですね?諒くんに合わせて半ズボンのお衣装なのよかったな。半ズボンのイメージあるもんね。
無邪気で情に訴えるお芝居がとてもよかったです。ずっと飛び跳ねてる印象があった、なんというか本当に子どもみたいで……ドラマで観る諒くんもずっと高校生くらいのイメージのままだけど、それよりもっと幼い感じ。

ターピン判事、アラン・リックマンにメロった(でもやってることキショ……とは思った)ところだったので、こんなにキショかった!?って焦ってしまった笑。あんな……裸でセルフ鞭打ち!?キショ!!ってなった理生くんターピン。熱演でした!ほぼ特殊メイクでお顔ほぼわからんかったけど笑。
お歌がとにかく圧!で思わず聴き入ってしまった。もっと聴きたい!でもターピンキショいよ〜!!の繰り返し。
安崎さんターピンはセルフ鞭打ちもなんか儀式か……くらいの温度感で観られたんですけど、蛇のような感覚は安崎さんのほうが強かったかな。ぞっとする感覚。
そのふたりの部下であるこがけんはほんとによいスネ夫で笑、歌がうまいとは聴いていたけれどこのメンバーの中にいて聴き劣りしないのはすごいですね。また機会があれば観たいな。

純粋無垢という言葉がぴったりな、大輝くんのアンソニーとっても良かった!君よく船乗りでその純粋さ保てるな……と感心するくらい。びっくりしたら目に☆が飛ぶ少女漫画の登場人物だった笑。
愛に夢を見ている青年、だから一目惚れで駆け落ちしちゃうんだろうなってすんなり納得できた。
なんとなく、敬虔なカトリック信者なんだなぁと感じていて(どこがそう感じさせたのかよくわからんのですが)、フォッグ博士を撃てないのは「人殺しにはなれない!」という感覚があったのかなと思いました。怖いとかそういうのではなくて。
そういやめっちゃ気軽にパリに行こう!って言うな……と思ったのですが、船乗りだからドーヴァー海峡くらいならすぐそこな感覚なのかな。ちなみにプリマスまでは420kmくらいみたいです。
大好きナンバーのJohannaとKiss meをしっかり聴かせてくれてとても嬉しい。元々上がよく響く人だなと思っていたけれど、下のほうの響きも深くなっていて(音の高低ではなく)、ソンドハイムミュージカルを乗り越えた次はどんな歌唱になるんだろうとわくわくします。早く次のお仕事知りたいな。

ふうかちゃんジョアンナは絶望の底で見つけた愛で勇気と強さを知ったけれど、アンソニーがあまりにもヘタレだから間違った方向に向かってしまって……って感じでした。
ふうかちゃんの可愛い声が相乗効果を生んでいて、アンソニーと愛と希望を語り合うKiss meが素晴らしかった!ほんとふうかちゃんの声って一歩間違うとくどい響きになりそうなのに、絶妙にただただ可愛い響きなのがすごい。
お話のあとはきっとアンソニーを引っ張りながらふたり仲良く暮らしていくのだろうなと思えました。
今気が付いたけど、ふたりで語れるロンドンの思い出ってないんだな。ジョアンナのお部屋での逢瀬しかない。どうにか幸せな記憶を紡いでいってほしいですね。

最終盤のトッドさんとラヴェット夫人の調理場でのダンスがめっちゃくちゃ好きなんですよね。地獄の中で踊るシーンに対して癖があります(仮面のロマネスクのせい)。
もうちょっとだけ長く見せてほしい……と思うくらいに好き。
男も女も理不尽に死ぬ、救いのない、後味悪〜い、けど音楽でカタルシスを得られる演目でよいですね。話自体はそんなに好みじゃないけど(なので再演ごとには観ていない)音楽がほんとに好きなんですよね。
前述したけどJohannaとKiss meがほんとに好き。リプライズされまくって繰り返し聴くからというのもあるかも。リプライズこそミュージカルの醍醐味だし。

大阪が大楽だったのでご挨拶があり。
前回の「ファイナル」で本当に最後のつもりだったけど市村パパがどうしてもやりたくなってしまい、しのぶさんに連絡したらしのぶさんもやりたい、亜門さんもスケジュール空いてる……ということで実現したそう。セットも全部処分してたので作り直したんだとか(だから数年後にまたやるかもね!って笑)。
確かに「最後最後詐欺じゃん!」なんて笑っていたけど、やれる限りやろうとしているのはいい。というか本人にやる気があるのがいちばん。
ただやっぱりご年齢のこともあり、さすがに今回が最後かな……とは思うので、その公演を観られて嬉しかったです。客席もめちゃくちゃ熱かった!
カテコでしのぶさんが「言葉にできない」を歌いながら飛び跳ねたり、ゾンビメイクだからって全員でスリラー踊ったり、シンディが徐ろに集合写真撮り出したり自由だったのも面白かった笑。
シンディ、「段取りにないことをしております!」じゃないんすわ笑。
先に楽日を迎えたWキャストは当該公演でご挨拶がありましたが、時間もないからか大楽メンバーは初演キャストの三人しかなかったのがキャストファンとしては少し残念でもあり……いやカテコでのご挨拶なんて皆さまのご好意なのでわがまま言ってはいけないのですけど!!

それを抜きにして、めちゃくちゃいい大千穐楽でした。お疲れさまでした!

2024.04.27. 17時30分

2024.04.29. 13時(大千穐楽

【ともに旅をしたもの 旅の先に見つけたもの】


パフォーマンスは良かったけど脚本が気に食わねぇ〜だった。期待していたぶん、かなりがっかり。女性が自立するのに男と恋愛として関わる必要あるの?すんごくシスヘテロ恋愛至上主義な脚本だなと思った。

ヴァイオレットは事故で顔に大きな傷を負い、それで心無い言葉を浴びせ続けられた傷はもちろん同情はするのだけど、「山奥の田舎町」で育っているのでかなり視野が狭い。だから簡単に黒人のフリックに対して「差別される気持ちはわかるわ」なんて言ってしまう。
屋比久ヴァイオレットは事故からこちらずっと世界を閉じていて、だからこそインチキテレビ伝道師に夢を見てしまうし奇跡を託したくなる。
モンティとフリックと一緒にメンフィスに泊まって、鍵が閉まらないことを申告したのはその世界をほんの少し開けてみようと思ったからじゃないのかな。それはモンティと、特にフリックに出会ったからだと思う。
ヴァイオレットはセックス自体に対してあまり抵抗はなく、フリックとモンティどちらにも好意を抱いていたので先に迫ってきたモンティと寝たのもまぁあるあるな流れだったのかな〜と。後でフリックに「部屋に鍵かかってないって言ったでしょ!」とも言っていたので。
フリックに惹かれたのは自分の知らない地獄を知っている、地獄はひとつじゃないと気付いたから、かな。インパクトのあるカジュアルな言葉で片付けることではないのですが。
地獄で生きている者として分かり合えはしなくとも通じる部分があったのかなぁ。
ただ、傲慢さで鎧を着ているモンティとも共鳴しうる部分はあって、だからこそ寝たのだろうとも思う。
しかし観劇前はなんとなくフリックとくっつくのかな〜と思ってたし、フリックのほうが好きそうなのにモンティとくっついたな……になり、最終的にフリックとくっついたな……とエェ……になってしまい……。
多分ね、同性である老婦人の手助けを拒否したのに男とは一緒にいるんだ……みたいなのがある。しかもなんかナンパみたいな感じだったから……フリックとモンティがもうちょっと「Can I help you?」という態度だったら印象違った気がするな。
ヴァイオレットが伝道師がインチキなのを理解し、お父さんの幻想と対話して仲直りできたのは良かったな〜だけど、シスヘテロ恋愛至上主義ウヘェになっていたところで「幸せにしてくれる人はいるか?」にまたげっそりした。せめて「ともに幸せになりたい人はいるか?」とかならまだ……まだ……よかったんですけど……。
どうも全体的に「ここがこうなったところは良かったけど、それが霞むくらい気持ち悪いところがある」っていう感じだったな。

とんちゃんフリックは人種という自分ではどうしようもないことでずっと傷付いていたのに傷付いていない顔をして、泥で傷痕を隠して生きてきたような印象だった。
目に見える傷痕を残すヴァイオレットにある種の同属意識があったのかもしれない。それでも(一応は)前を見ているヴァイオレットに惹かれたし、重ねて傷付いてほしくなかったのかも。
とても優しくてとても臆病な人なんだろうな……とずっと感じていた。
そして白人のモンティはおそらく白人男性の軍人だからこそくる傲慢さがある。
特に「(ヴァイオレットが傷ついても)そのとき俺はいない!」にはぞっとした……アフトで屋比久ちゃん曰く「お前何言うとんねん、モンティに言われたこと忘れてねぇぞ!そのとき俺はいないからじゃないんだわ!」。場内拍手ですよ!ほんまにな!!
ほんととしきだから許されてるんだぞ!?(許してない)という感じで笑、末っ子なんだろうな……と思った。軍人であることは恐らく誉れである時代の軍人一家で、優秀な兄たちに追いつけ追い越せでグリーンベレーになったのかな〜と。

アフトで「その後どうなったと思う?」という話になり、屋比久ちゃんが「今後もしかしたらフリックとお別れすることになるかもしれないけど、でもあそこでふたり一緒に踏み出せたことに意味がある」って言ってたのにはしっくりきました。
屋比久ヴァイオレットはひとりで立てる強さもあるので、わたしはいつかフリックとはお別れするんだろうな〜と感じました。フリックといたら傷を舐め合うようになりそうだなって。ただし、時を経てお互いがいい変化をするのならその限りではない。
樹里ぴょんは「ふたりとも強そうやから(だったかな?)差別反対!とかそういう運動するんかと思ってたわ」って言っていた。その選択肢はとてもありです。同じ目的があればずっとうまくいくだろうけど、逆になければかなりぎくしゃくしそう。
ちなみにモンティのその後について、としきは「願望としてはベトナム行きがなくなったらいいな〜」と言っていて、とんちゃんには「アメリカ舐めてる!?」って言われたり、樹里ぴょんには「戦争はないほうがえぇんやけどな、ベトナム戦争はあるんやわ」などと嗜められたりしていた……笑。

幕開きで黒人差別の表現を映像まで使って入れていたにも関わらず、終盤にはテーマとしてほぼなくなっていて、アレ……?でした。序盤はわかりやすく黒人に対応しない白人ウェイターとかがあったんですけど。中盤もヴァイオレットとフリックの会話で(主にヴァイオレットが無自覚に心無い言葉をフリックに投げるということで)あったんですけど。
わざわざ幕開きに入れてきたのにあまり意味がなくなったおかげで「あれって結局どうなったの?」というもやもやが残ってしまった。
今から思えばあの演出って主人公の苦悩の根源を見せる演出なんだよな。あそこでヴァイオレットの傷ができた事故を見せるんじゃダメだったんだろうか……事故のシーン出てきたのわりと後半だったよね。
そもそもオリジナル版にあのシーンってあるのかな?って調べたら、オリジナル版ではなくてフロリダ版なんですけど、こちらにはないみたいなので日本オリジナルシーンてことなのかな?
ヴァイオレット役の公式チャンネルみたいなので貼りますが、なんか問題あったら消します
うーん、おかげで蛇足感すごくて……必要な情報であるのは理解するので、ミュージカル「パレード」みたいに必要な情報をA4用紙にまとめて配ってくれてもよかったのでは、と思いました。
(パレードは基になった事件や南北戦争についてなどの解説を印刷して配ってました。おかげで置いてけぼりにならずに作品に集中できた)
あと、基本的にイマジナリーフレンドのいる脚本は好きなので(エリザやM!、N2Nとか)そういう意味ではとても好きなのですが、ただ子ども時代の自分なので……その……おもひでぽろぽろやなって……。

屋比久ちゃんをはじめ、樹里ぴょんsaraちゃん谷口さんと、女性陣がソウルフルな歌声を持つ人たちだったので大満足でした!欲を言えば樹里ぴょんの歌声もっと聴きたかったな〜いやそういう演目観に行けなんですが。樹里ぴょんの歌大好き。
原田くんの力強い歌声も素晴らしかった!あの歌声で歌われたら騙されちゃうよねわかるわかる〜って深く頷きながら観てしまった笑。
スーパー原田タイムほんとに楽しかったのでもうちょっと観たかったくらい笑。

……と、やっぱり「パフォーマンスは良かったけど脚本がわたしには気持ち悪すぎる」となってしまったのでした。
透子ちゃんも観たかったけどスケジュールが合わず……残念だけどそれでよかったな……と思っちゃったのが残念だったな。
そういえばあとひとつ文句言っておこうかな〜!?
初日明けてから出演者のメルマガで「三浦さんと屋比久さんでそれぞれの結末です!」って書かれてて、そんな情報初めて聞きましたけど!?だった。
どうやら「稽古が始まってみたらふたりともまったく違うヴァイオレットだったので演出を変えた」みたいなのだけど、それは……違うのでは!?というかそれならそうともっと宣伝すれば!?だし、初日が明けてから言う情報ではないんですよね!?
などと舞台上以外でのストレスも多分にあり、観てよかったなとは思ったものの、後味が悪い観劇となってしまいました。本当に残念。

2024.04.28. 13時(ヴァイオレット:屋比久知奈)

【事件が起こるラブコメ作品 名探偵コナン


※映画本編、および原作本編の重要なネタバレを含みます。
今年も毎度おなじみ最速上映から!

5年振りのキッド様映画で平和ラブコメ回、どうやら重要な秘密も明かされるらしい……?いうことで期待度マシマシ、いや〜〜〜期待は裏切られず面白かった!!
事件パートは「思ったより真面目に普通のミステリしてるな……」という感想で笑、と言いつつもそんなに捻らず推理も予想もできやすい、かと言って簡単すぎず、と「名探偵コナンの掲載誌は少年誌」というのが忘れられていない感じがして嬉しかったです。わたしはいつだってそれを忘れてほしくないんだ……。
あ、あとわたしは園子が「鈴木財閥の人間として仕事をしている姿」がめちゃくちゃ好きなので、今作もそれが見られてめちゃくちゃ嬉しかったです。出番が少ないながらもミステリに関わっているのも嬉しい。
洋ちゃんの声優が上手いことはハウルとかで知ってはいたけど、今回もめちゃくちゃよかった!最初こそ洋ちゃんだ!ってキャッキャしちゃったけど、観ている間に洋ちゃんの顔忘れていくのがとてもよかった……。道民だからこそわかる違いを入れているようでそれがわからないの悔しいな!と思います。「わやになっちゃった〜」かわいすぎた。
突然金カム始まりそうになったりゲ謎始まりそうになったりで笑いそうになったものの面白かった!
最終目的のものが「宝を隠した人にとっては価値のあるものだったが、他の人にはそうでもないもの」だったの、「青の古城」を思い出したし、良衛さんの親指の付け根に傷があるから居合の心得がある人というのも「骨董品コレクター殺人事件」を思い出し、初期原作へのリスペクトを感じて嬉しい……。
さらには、コナン本編に登場していたとはいえYAIBAの沖田くんと鬼丸くんが登場したのも「コナン映画」を飛び越え「青山剛昌映画」であり、ちょうど原作30周年にあたることもあり、感慨深いものがありました。キッド様がそもそも「まじっく快斗」の子だからね。

そして今回の平和ラブコメよ……!
和葉に男の影がチラつくとキレる平次はいつだって最高なのですが、相手(聖さん)からの明らかな好意があり、対決までする(未遂)の最高だった〜!君ら早よ付き合いなよ!!
蘭ちゃんが和葉ちゃんのために平次の背中を押しまくってるのもよかったな。特に「ごめん新一!」って言いながら「函館の夜景はビッグベンより上!!」って頷くところ大好きでした。
コナンヒロインに共通したことではありますが、和葉ちゃんは守られるだけのヒロインじゃなくて平次を守れるヒロインなところもかっこよくていい。今回は出番がなかったけど合気道の有段者でもあるし。何も考えずにスタングレネードから守れるのすごいのよ。
あと、和葉ちゃんがポニーテール結わえようとしてるところに平次から電話かかってきて、まとめた髪を躊躇わずに離すところが愛を感じた……ポニーテール結わえるのって大変じゃん……。
紅葉が初登場した頃から平和のラヴを脅かす存在……として紹介されていて、平和原理主義者なのでえぇ……と思いながらその登場を見ていて、紅葉ちゃん本人が魅力的で可愛い子であればあるほど苦しくかったのですが、今回もそうだった。ただし最高に可愛い!!
平次の告白を阻止したい紅葉ちゃん→でも伊織のポンコツナビ(紅葉目線)によってうまくいかない→(結果論ではあるが)遠隔で平次をサポートする、それも劇中では紅葉ちゃんしかできない方法で!!
というのが、制作陣がキャラクターそれぞれに愛を持ってるんだなとめちゃくちゃじんわりしました。
伊織が準備していたブツ、最初はパラシュートとかかな〜と思っていたのですがドデカバッグ満杯のスタングレネードは笑った。どうしてそうなるんだ……。
コナンくんを「平次くんといつも一緒にいる子」だから助けるの、「好きな人の好きなものは全部好き(ただし恋敵は除く)」で高校生ぽくてとてもよかった。でも紅葉ちゃんは結局は和葉ちゃんのこと好ましいお友達と思ってますからね。かわいいね……。

キッド様も最初から最後までずっと最高を更新し続けてくれて最高でした。本当にありがとうございます!!!!!
「ビッグジュエルではないお宝を狙う理由」を、今までわざと宙ぶらりんにしていた設定とこうやって合わせてくるの、クーッ 原作者監修じゃないとあまりにもできない構成!隙がない!
コナンとまじ快は一応別の世界線なので(コナンに紅子はいないと明言されている)コナン映画で黒羽快斗の顔が見られるのとても新鮮でした。
中森警部が撃たれたことで激昂するキッド様、本当に黒羽快斗だった……幼馴染のお父さん、小さい頃から顔を知ってる近所のおじさん、を、大事に思っている黒羽快斗……お父さんが家にいない快斗にとってはお父さん代わりというか、父性を感じる対象でもあったと思うのでとても大事な存在だし、キッドとして追われてるのも少し遊んでいる気分でもあったのでしょうね。中森警部にとっては真剣なお仕事なんですけど。高校生っぽい……。
今後どこまで絡ませるんだろ〜!

最速で観てよかった……とは毎年思っていますが、今年ほど思ったことも珍しい。異次元のときは最速なかった(はず)もんね。
いや〜……いやさぁ……盗一さんは死んでねーし!ってどっかで剛昌も言ってたけど……いやさぁ……。
優作が「生き別れた双子の兄さん」発言したときから客席がざわつきはじめ、メール文面が出た瞬間の悲鳴は最速でしか許されなかったよね笑。しかも最速なんて〝ガチ〟しかいないし。
最速はいつも予告まで終わったところで拍手が起きるけど、今年はそこまで待てずに起こったのもいやそりゃそうなるってわけで。
こんなこと誰も予想してないよ!!
今年の広報でやたら新一と快斗の顔が似てること押すけど今さらどうした?とは思っていましたけど……まさかそんな……いとこ……!
いやこれ単純にネタだと思ってたんですよ、似た顔のキャラデザで声優も同じ勝平にさせるなんて悪ノリなんじゃないかなって。
いやまぁ剛昌は「これ面白いな!やっちゃえ!」でゴリゴリ後付け設定を作る人ですが(ex.諸伏兄弟)これいつから考えてたんだろう……。
盗一さんのことはさすがにコナンじゃなくてまじ快で展開させていうのかな?とは思うので、となるともう何年かかるんだよ!とは思いますが楽しみに待ちたいと思います。

2024.04.12.

最高キッド様映画

【わたしはここにいます この世界のどこか あなたの隣に】


2001年9月11日。当時小学生だったわたしは、繰り返し流される映像を見ながら「よくわからないけれど何かとんでもない、取り返しのつかないことが起きている」と感じていた。
まさにその時、領空封鎖のためアメリカ領空に進入できず、カナダのガンダー国際空港に着陸させられた38機の飛行機に乗っていた乗客たちと、空港があるニューファンドランド島の住人たちを描いた群像劇。
BW版の配信もあるけれど、初見の演目は劇場で初めて観て感じたことを大事にしたいので、映像・音源は見ず、インタビューや記事もさらっとだけ見て観劇しました。稽古場潜入番組だけ好奇心に負けて見てしまった……笑。


日本初演とともにキャストが発表されたときに一番に浮かんだのが「よくこのメンバーのスケジュールが確保できたな……」ということ。恐らく多くの人が同じことを感じたと思いますが笑。
BW版を知っている人たちからは「スター俳優ではなく、普段アンサンブルをしているような人たちをオーディションでキャスティングしてほしかった」という声も上がっていたのを見かけていたが、実際観劇してその意見にも納得しました。
けれどわたしはこのキャストで観られてよかったとも心底思った。というのも「12人全員がほぼずっと舞台上に出たまま100人以上の人を演じ分ける」ためには実力以上の説得力が必要であると感じたから。
メインでお話が進んでいるときにはスッと目線が向くのに、その場にいるただのひとりになったときにサッと意識の外にいってしまう、オーラというか存在感の出し入れを全員が同じように(それも高いレベルで)自在にできて、なおかつ全員が同程度の知名度でないといけない。誰か突出したスターがいると演目のバランスが崩れてしまう。となると今の日本ではこのキャストになるだろうと思った。演目や役に合っていることも含めて。
全員「このキャストのこんな役もう見たことある」と感じるほどぴったりだったし、「いるいる、こんな人」とも思えるくらいに自然だった。めぐさんの機長なんてみんな見たことあったでしょ幻覚を。
ケルト調の音楽も楽しく軽快で、それでいてノスタルジックな気持ちにさせてくれた。あのスターたちがコーラスをやっている……!という、もはや逆に新鮮な気持ちにもなった笑。

見せ場以外で特に印象的だったシーンがある。
飛行機を降ろされて町に向かうバスで不安になっている加藤和樹・モリクミさんの英語の分からない夫婦に、浦井くんだったかな?モリクミさんの持っている聖書の一節(思い煩うことなかれ)を示してメッセージを伝えるところ。宗教に端を発したテロが起きている状況の裏で、宗教によって分かり合える人たちもいるのだと妙に印象的だった。
そしてその隣では宗教によって差別される人の姿も。まりおが演じたエジプト系のイスラム教徒のアリは執拗な身体検査を受けたりキッチンに入らせてもらえなかったりお祈りを白い目で見られたり……。とても象徴的な役だと思った。プロデューサーがまりおにこの役を演じてもらいたいと思ったのもわかる。
積極的な差別をする人もいるし、「この人個人が何かしたわけじゃない、でも」と消極的な差別をする人もいるだろう。分かり合える人も分かり合えない人も、馴染める人も馴染めない人もいる。「様々な人種で演じるべき作品だ」という感想があったのも分かる。
加藤和樹が演じた人たちがすごく印象に残っていて(終演後ロビーで偶然会った知人と「加藤和樹おいしいよね」って話した)、BW版では彼は黒人がキャスティングされていることを聞いてなるほど、と納得した。
「撃ち殺されるかも」という台詞が俄然説得力を持ってしまったのだ、悲しいことに。
今この瞬間も、世界のどこかで差別があって、世界のどこかで分断があって、世界のどこかで戦争が起きている。過去の話といえどもたった20数年前の話、世界はまだまだ問題を抱えている。
日本で暮らしていると、興味を持って報道を見ないと実感を持って人種や宗教での差別を認識することが少ない。そういう意味では日本以外のルーツを持つ人が少ないキャスト(他国にルーツがあるのはとうことシルビアさんだけかな?)で、日本に暮らす日本人が多く観ていると、実感するのにハードルが高いのかなとも思った。
のんべんだらりと暮らして学が浅いわたしがこの演目が持つメッセージをすべて受け止められているとも思わない。
終盤、ガンダーから飛び立つカムフロムアウェイたちからお金を受け取らない町長が言う。
「あなたたちも同じことをしたでしょう」
わたしは正直自信がない。自信がないどころか、客席で「無理だろ」と反射的に思った。
人災である9.11と一緒にするべきではないけれど、日本は天災で「避難してくる人たち」を想像しやすいから、この状況を「自分だったら」に置き換えやすいのではないかと思う。
ただ偶然の出来事が重なってそこに降り立った世界中の人たち。悪人なのか善人なのか、どんな人なのか分からない。町に受け入れ、家に受け入れ、いつまで続くか分からない中で不眠不休でケアをし続ける。無理だ。
それでも、例えば劇中でもあったように古着を寄付することなら?募金をすることなら?信頼できる情報をシェアすることなら?
「今ここにいる自分にできること」。それをこれからも考え続けるのかもしれない、そして「これはいつかのわたしの物語」だと強く実感する台詞だった。

何という言葉が正解なのかな。この言葉もちょっとずれているかもしれないけれど、受容と理解、そして祈りの物語だなと思った。どのシーンがきっかけだったか、中盤以降ミュージカル「MITSUKO」のこの台詞を思い出していた。
「戒めねばならないほど、人は隣人を憎むのだよ」
それでもわたしはこの演目で観た愛や優しさ、10年後のシーンの歓びを信じたいし、この演目が現実にあったことを基にしていることに希望を持ちたいです。
奇しくも「MITSUKO」で主演していたとうこと、ちえのアフタートーク回だったのですが、とうこが「もうちょっと、人間力とかそういうことを言じてもいいんじゃないかな」って言っていたのが不思議な緑を感じました。
*「MITSUKO」日本で初めての国際結婚をしたクーデンホーフ=カレルギー・光子の生涯を描いたミュージカル。2011年上演。
子どもたちが聖書を読んでいるシーンで「隣人とは、すべての〝自分とは違う人〟のこと」という台詞がある。

上演前後は撮影OKだったので一眼レフを持ち込みました笑。
中央上手寄りの折れた木はワールドトレードセンターを表現しているのだそう。

2024.04.06. 17時