京都ぬるぬるブログ2.0 (original) (raw)

猪苗代湖畔での音楽フェス「オハラ☆ブレイク」へ行ってまいりました。

年に二回も東北に行くことになるとは思わなんだです。いいのかしら……と思いましたが、「オハラ☆ブレイク'24 愛でぬりつぶせ」という副タイトルを見て、ああああ~~となってしまい。ギリギリまで迷っていたのでいったんチケット売り切れで諦めたのでしたが、再販で無事チケット&駐車券を得ることができました。

以下、思い出を記します。

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ほんまなら前日泊して福島観光して朝ゆっくり出かけたいところでしたが、前日はお仕事であったので当日早朝の便でGO! 空港の福島行待合へ着くと、見覚えのあるTシャツを着た人々がたくさんいて、この時点で既にフェスの入場口みたいでした。

郵便飛行機さんでした!

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自分あるある:出演しない演者のシャツで行く

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飛行機の中でたまごサンドを食べ塚本邦雄を読みました。富士山が見えるというアナウンスがあり、みんな窓の外を見てました。たぶんこれが富士山。きれい!

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初めて福島を訪れたのは二年前。東北は私にとって「すごく遠いところ」であり、しかも母を伴って電車の旅であったので、決死のような覚悟で半日かけて会津へ着いたのでしたが、一時間足らずで福島に着いてしまいなんか吃驚しました。飛行機すごい!

福島空港はお花模様で溢れて可愛かったです。

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あれが阿多々羅山、なんぞと言いながらレンタカーでGO。天気は薄曇り。
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高速だとあっというまに猪苗代について驚きました。前回は磐越西線にゆっくりと揺られていったのでありましたが。

駐車場に車を停めシャトルバスへ。スタッフさんも少人数で回しておられて、今年は例外的に参加者が多いらしいが本来地元のこじんまりとしたフェスなのだろうなあと分かりました。今回、オハラブレイク行きたい!と思った理由として、セッションテーマのことがあったのは勿論ですが、どんなフェスなのかなと調べたところ公式サイトに「何かと余裕がなく忙しい日本において、気ままに生きた小原庄助さんの休息のような、究極のピースな空間創りを目指しています」と書かれていたことがあります。オハラブレイクのオハラって小原庄助だったんだ! なんかもうその由来だけで、行ってもいないのに既にオハラブレイク最高!!好きー!! となってしまったのでした……。

かわいいシャトルバスで会場へ。

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私はフェスといえばOTODAMA(清水音泉)しか知らんので、「あれ?シャトルバスやのに『田口のカラオケ』が無いやん!!」と思ってしまい、ペグレス(仮)に「ふつうは無い」と言われました。

途中でぎゅいん!と住宅街みたいな細い道に入ったのでびっくりしましたが、そこを抜けると湖畔の会場でした。

赤べこ&こぼしちゃんの看板!! 素敵。もうこの時点で最高です。

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入場チケット代わりのリストバンドを自分で巻きます。「愛でぬりつぶせ」が自分の手首にあるのはやっぱりちょっと照れてしまうな。

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この曲、ちょうど一番よくBirthday を聴いていた頃の曲で、当初は「愛でぬりつぶせって……そんなこと歌うんや……」と思ったものでしたが、先日久々にそのアルバムを聴くと、「リトル・リル」を経て「愛でぬりつぶせ」が始まるのがすごくよかったなア。

トイレ。カエルちゃんがいました。
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会場で、パブドックス(旧Theeパブドックス!)のみんなに会いました。みんなで酒を買い、乾杯写真を撮ってもらいました。(但し私のみソフトドリンクペットボトル)

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わ~~~よくあるあの構図や!と思いました。普段こういうのしないんでなんか照れますわ(ペットボトルだけど)。

うちおひとりは初対面、ふたりはたぶん五年ぶりくらい。五年ぶりやったけど永遠の少年然とした佇まいがぜんぜん変わってなくて感動!!

みんなでわいわい話したり会場をめぐったり、「夕方のセッション何の曲やるやろ?」と予想し合ったり、シロくんと「『BABY PLEASE GO HOME』で終わるパターンが好きだ!!!!」ということを言い合ったりして(「BABY PLEASE GO HOME」終わり同好会)、愉しかったです。シロくんはこのTシャツを着てた! うわ~~~~

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***

お昼の部はアコースティック。出演者だけ発表されて正式なタイムテーブルは謎という形式もよかったです。お目当ての演者がいてそのために前に行く! みたいな形より、こういうゆるっといろいろ聴く……みたいなのがもう心地良いな~~。

今年はなんちうても人が多かったようで飲食ブースもトイレも長蛇の列であったので、お昼の部の大部分は何らかの列に並びながら聴いていたような気もしますが、それもまたよしでした。ちなみにこんなに列に並ぶのは、2011年のひたちなか以来です。

飯列に並びながら磐梯山と撮った写真。

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湖の向こうに磐梯山が聳える、その景色だけでもうかなり満足だった! てっぺんにかかっていた雲は、この後だんだん晴れていったのでした。

アコースティックパートでは、トップバッターのサニーデイサービスが知ってる曲で始めて、あら良いね、と思っていたら、何曲目かで「世界の終わり」をやって、そのカヴァーがめちゃかっこよかったのでした。この曲が勿体ぶられず開始15分くらいで演奏されたのがすげーよかった!! その後も、各演者一曲ずつカヴァーを演るという形で、列に並んだり丘に登ったりしながら見たんでしたが、シャロン、GIRL FRIEND、キラービーチ……あーチバの作った曲ぜんぶ好きやな、と思い出したのでした。

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音楽だけでなく、会場内には雑貨や本や服のお店やアート展示もあって、林の中をみんなで或いはひとりでお散歩しました。

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なんか気に入った作品。ヘイローさんという地元のアーティストさんの可愛いお化け!

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清志郎の昆虫画Tシャツがよかった! こんなの描いてたんだ。素敵や。

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ビール片手に微笑むあの方の肖像が描かれていました。すごい! この前に皆が集っていてちょっと「毛沢東みたいだな」なんて思ってしまったり……。

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肖像の周りに皆が思い思いに好きな詞を書いていました。「メッセージ」とかでなくて「好きな詞」ってとこがチバらしくてええなあ。私は書かなかったんですが、書くなら何がよかったかな~~(じめるうなだれ?)

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これはステージ横の「ロックの図書館」。コンテナには奈良美智

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内部にはレコードや諸々が展示されていました。

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この写真いいよね。

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このゾーンうちの押し入れみたいでちょっと笑った。

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アコースティック終盤は、TOSHI-LOWと民生。TOSHI-LOWは「満月の夕」のカヴァーがよかったな。MCでは、福島の原発作業員の友達の話も。能登地震で初期に「現地に来るな」説が広まってしまったことなどにも触れていました。愉快な話としては、全国のロックバー的なところには必ず矢沢(コスプレ)かチバ(コスプレ)がいるのでいずれ全国のユウスケ選手権をしたい、という話と、チバの被害者の会をやろう、ロフトプラスワンとかで、という話。どちらもぜひやってほしい!

その後トイレに行ったところ一時間並ぶ羽目になったので、民生はトイレ列に連なりながら聴きました……。

トイレに並んでいるときに、ちょうど湖に夕陽が沈んでゆくのが見えました。

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この景色を見ながら、トイレ列の後ろに並んでた方とちょっとお喋りしました。引っ込み思案なものであんまり知らない方に話しかけたりできないんですが、地元の方のようであったので声をかけてみましたらば、福島の気候の話とか、猪苗代湖はすごく深いんだとか教えてもらって、そうして知らない土地で知らない人とわずかな間お話できたのもよき思い出であります。

長蛇のトイレ(助かり膀胱)から戻ってくると、湖はすっかり朱色でした。雨予報のはずであったのに、雨は結局降らず見事な夕焼け。

キュウさん、ウエノ・ハルキ(交代)、古市コータローのバンドに、ゲストヴォーカルがかわるがわる参加して歌う形。この人がこれを歌うのか!なるほど!とか、そう来たか!とか、そういうのもいちいち愉しかったし、誰がどの曲を歌ってどうだった!!どれがよかった! みたいなレポを書いてもいいのですが、きっといろんな人がいろんなところで書いていると思うので省略します。ただただ、あ~~どの曲も好きだ~~と思い、次々かっこええやつが連打されて圧倒され続ける幸福感を思い出しました。セッション始まりはゴッドファーザー。私はリアルタイムでは生ミッシェル観ていないのです。まさに当時ヘヴィーに観ていた人であれば、更にたまらない思いであったでしょう。一曲目、まさか2024年にCISCO---!!!」になるとは思っていませんでした。これでもうワーーとなっちゃった。猪苗代は日本のサンフランシスコだぜ! かと思えば、その後の「ドロップ」はラストヘヴン一曲目だよね、自分はあの映画を映画館で観たんですが、そのときの、だんだん暮れていくような明けていくような青が目の裏に広がって、ちょうど陽を残しつつ暮れてゆく湖上の空がまさに、「神の手はにじむピンク」。途中で Sixteen Candles も流れて、なるほど、ミッシェルに思い入れのある人もBirthdayに思い入れのある人もわああとなる構成。周囲にはやっぱり泣いている人も。

それにしても楽曲の同一性って不思議。作った人がいなくなっても作品は残るのだなあ、と思う一方で、でもその人の歌声その人の演奏で聴けることはもうないのかと思うと大変な喪失感もあり、それは作者やパフォーマーと楽曲が強く結びついたジャンル特有のことではあるのかもしれませんが、何か大きなもの(ここではいわゆる「ロック」とか呼ばれるもの?)の演繹的顕現が個々の楽曲やパフォーマーであるにすぎないようにも思えるし、一方で、その楽曲はその人たちのものでしかありえないようにも感じるし。ヒロトが歌った「ローリン」は、「道はひとつでまだ続くから」のところを、ちょっとタメて強調して歌っていて、ヒロトならそう言うよな、と思い同時に「続いてくんだろう」と歌った歌も思い出しました。皆がメンバーの名を呼んだり不在の人の名を呼んだりする中、感に耐えぬように「ロックンロール!!」と叫んでいた客がいて、それは、言い得て妙(叫び得て妙)であるな、と納得しました。

これは最近の個人的感慨なので以下はべつに誰にも伝わらなくていいのですが、最近、自分の中で、強い印象をもつ幾人かの過去の人物が重なって誰が誰なのか分からなくなったり過去のことなのか今のことなのか分からなくなったりする、というふしぎの体験が続いていました。単なる老化的なアレかもしれませんが、ちょっとこの夏自分はずっと変だったのでくすぶり続けた変の再燃的な感じでもあり、まあこれって(精神分析用語でいうところの)「転移」みたいなもんかな……と思っていたのでした。でも、「転移」って一般的には過去の原版を反復することであるけれど、そうではなくて、先に、未来に、到来すべき宇宙的完全体みたいなものがあって、私が体験している個々の個々はむしろその断片的顕現なのかもしれないわ……っていうようなことを、すっかり暮れた湖上の空を眺めつつ思うたのでした。

とはいえそれもあんまりベタな俗流イデア論みたいなやつかもしれず、今はまだ、ただ、やっぱ早すぎたよ、此処にいないの淋しいよ、でいいのかもしれないね。

最後は今回のサブタイトルにもなっている「愛でぬりつぶせ」で、ゲストヴォーカルが全員ステージ上に現れて歌ったり踊ったりして、そのハートフルさに、「目玉をえぐり出してくれと 頼んでみようかな」って歌から始まるアルバムでデビューした人が、こんな場所に至ってしまうのであるなあ、となんだかふしぎな気がしました。ステージ横には、その歌詞に合わせてかクジラの絵が描かれていました。セッション終了後、ステージの向こうに花火が打ち上げられ、それはそれは綺麗だったのでした。かつて「意識がつらい」と言った人よ、とふと思ったのでした。

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ハサミムシに囲まれながらシート片付けてバス列に並びます。とにかく列がすごいイベントでしたが、例年はこんなに人が来ないのだそうで、スタッフさんもきっと足りていないなか大変だったことでしょう。列並びも最早良き思い出で、並んだ末のバス乗り場でも「もうバスすら美しく見える……」という気持ちになっていました。ありがとう、オハラブレイク、ありがとう、猪苗代湖

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街に出て、パブドックスたちとデニーズでごはん食べました。この、「深夜のファミレスで初対面の人含むみんなでわいわい」なんてのもすごく久しぶりのことで、なんだかめっちゃ愉しかった!! パブドックスくんたちも「一緒に観られてよかった」と何度も言ってくれたし、なんか嬉しいなあ。なんかテンション上がって思わずでかいパフェを頼んでしまったのでしたが、これは完全に余計でした、カロリー的に(美味かったが)。
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思いがけず、会津を再訪しました。

これはさざえ堂前のパイロン。2年前に見たおみくじ売り場はなくなっていて、可愛いこぼしちゃんパイロンがお花とともに置かれていました。

そう、2年前に母と、長年訪れたかった会津にやっと行くことができ感動したのでしたが、こんなにスグ再訪するとは思わなんだ……。今年は春に青森にも行ったというのに。これまでなかなか行けなかった東北にこんなに連続で行けるとは!

今回は、オハラブレイクという素晴らしいイベントに行ったのでした。そのことはまた書きます。下はオハラブレイク会場にいたパイロン。神様?!

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今月21日で、まめ子との出会いから19周年でした。

(当ブログは最近ブックマークしてくださった方も多くいらっしゃるようですので、犬好きの方はもしよろしければ「犬愛」カテゴリから過去の犬話を辿ってくださいませ。)

実家の者とLINEをして、年月の経つのは早いねえなどと言い合いましたが、毎年言うてる気もしますが、生きていたものはいなくなってもなくなることはないのであるなあ(いなかったことになることはなく永久にそれはあったものであることになるのであるなあ)、と繰り返し思うこの何年かであります。

2012年のまめ子(と私)。自然の中でちょっと普段よりワイルドな姿。水は嫌いでしたが、夏に川に入るのは入ってしまえば気持ちよかったようです。

この頃は今ほど暑くなかったのだなあ。今年の猛暑は犬も犬飼いも大変だったでしょう。

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さてまめ子はいうまでもなく犬でしたが、一方で何か、ふしぎな生き物でもありました。

ということはまめ子存命時にもたびたび書いていた気がします。犬なのだが、ヒトっぽい(というと語弊があるけれど他に適切な喩えがないなあ……良い意味でヒトっぽさがあるというか)ような、さまざまな良き生き物の良き部分を持ってもいるような。尤も、すべての犬は飼い主にとってそのような感じを催させるものかもしれません。

そしてこれもまめ子の生前からですが、犬ではないいろんな生き物の中に、「まめ子の要素」を感じることがありました。たとえば、奈良で出遭った鹿の、座って揃えたおてての形と頭部の色と理知的なお顔の中に。カピバラの、遠く宇宙を眺めているようでいつもごはんのことを考えているようでもある神秘的な眼差しの中に。アゲハの幼虫さんの、葉の上にちょんもりまるまった可愛いお尻のたたずまいの中にすら。

今、実家には、猫がいます。

まめ子がいなくなった翌年、もう哺乳類を飼うこともないだろうなあ……と思っていた実家に、(まさにまめ子が来たときと同様の)思いがけぬトラブルによって猫がやってきて、それまで猫嫌いだった母があれよあれよといううちに愛猫家になり、猫アレルギーだったはずの父がなぜか自然治癒を見、一匹の猫が我が家の飼猫になってしまったのでした。

この猫は、ほぼ私と入れ違いで我が家に居ついたため私のことはおそらく家族として認識していません。まめ子の写真はたくさんブログにupしていたのに、猫に関してはなんとなく「よその猫」感があり、遠慮してしまっています。よって写真無しでの説明になりますが、猫がやってきたときにわれわれが思ったのは、「またこの色!」ということでした。まめ子と似たような、いわゆる「きれいな色」ではない色(我が家では「ずず黒い色」と呼ばれています)の猫、どうもこの色の動物が我が家には集いがちのようです。

また、この猫は野良生活が長く、しかも徹底的に人間を嫌う母猫に育てられたらしく、懐くのに非常な時間がかかりました。最近ついに膝に乗ってくれるようになり感無量なのですが、けっして気を許している様子ではなく、膝に乗ったかと思いきや次の瞬間には緊張した様子で去ってゆくし、その次に会うとまた他人のようによそよそしくなっている――まめ子も最後までどこかよそよそしい犬でしたが、我が家はよそよそしい生き物が好きなようです。人間たちがよそよそしいからでしょうか。猫の様子を見ていると、一緒の布団に収納して寝たはずのまめ子が深夜に抜け出して私から最大限離れた部屋の隅で寝ていたことや、座っているまめ子のぴったり隣に腰かけるとわざわざ立ち上がってやや距離を置いた場所に座り直されたことや、よくため息をつかれたこと――などなど、よそよそしい思い出の数々が思い出されます。

昔描いたまめ子あるある。散歩中にむにゃむにゃし始めたから傍に座ったら急に立ち上がって遠くへ移動するまめ子。

そういやかつて、よく言われる「犬の十戒」というやつはまめ子に当てはまるようには思えないのでは……? と考え、「まめ子ならこう言うのではないかヴァージョン」を作成したところ、知人に「ほぼ猫だね」と言われたことがありました。

たしかに猫っぽい犬だったかもしれません。

しかし、やはり、本物の猫と接していると、まめ子はだいぶ犬だったのだなあ……とも思います。これは我が家の猫の個性によるのかもしれませんが、まず、「話せばわかる」感が圧倒的にまめ子のほうが高かった! 猫、何考えてるのかわからん!!「うっかりすると命を取られる」感、「あと10cmでかかったらやられてた」感もすごい。最近はだいぶ腹などを撫でさせてくれるようになりまして、先日も腹を見せて甘えてきたので撫でてやっていたのでしたが、甘えていたはずが突然立ち上がって爪で攻撃してきたのであります。理由は不明。その爪が、手首のちょうど血管付近に刺さり、刺さったまま猫が走り出したので、「やばい、これは救急車沙汰になる」と覚悟しました。幸い猫も気づいて焦ったらしく大事にならぬうちに爪を外すことができたのでしたが、そのときの様子はちょっと、「まめ子が興奮した流れで噛もうとしてきたが途中で我に返って焦り始めた事件」なんぞを思い出させました。

noteの方にしりとりのお話を書きました。よろしければどうぞ。

しりとりは、私の好きな遊びのひとつです。もっとみんなとしりとりしたいと思うので、しりとりの好きなところやこれまで楽しかったしりとりの思い出などを書いてみようと思います。

■ どこが好きか

しりとりの一番よい点はなんといっても「お金がかからない」ことと「場所を選ばない」ことです。多少の語彙さえあればどこでもできます。

大人になると一般的に遊びの種類が少なくなります。私はこの傾向が不満です。大人の「今度遊びましょう」は主に、酒と飯に集約されます。あとはカラオケと買い物と性行為。周縁的なものとして「趣味にまつわるもの」「テーマパーク」「アウトドア」などもありますが、いずれにせよ、パッケージ化されたものが多く金や特定の条件が必要になります。それらはそれらで楽しいのですが、私は、これらが大人の遊びのメインになる風潮を寂しく思っております。私の好きな遊びには、しりとり以外には以下のようなものがあります。

・貼り紙とか看板とか見つけながらひたすら歩く

・喋りながらとにかく歩く

・広告から切り抜いた写真を並べ替えてわいわい言う

・難読漢字の読みを見ながら「うわー」と言い合いきゃっきゃする

・リレー小説とかリレー漫画とかの類

・新聞の中で乳に似たものを探す

いいですよねぇ。

この中でも、しりとりは圧倒的にコストがかかりません。発言小町などで「金銭感覚の合わない人をグループからハブっていますがどう思いますか」みたいな悩みを見るたび「ランチとか行くな、しりとりをしろよ」と思います。もちろん語彙の多寡による不平等は起こりえますが、その場合は、語彙の多い側にハンディをつけるなどするとよいでしょう(ラ行終わり禁止など)。その他、積極的に好きな理由は他にあるのですが、それは以下に語っていきたいと思います。

■ これまでのしりとり歴

私のこれまでの思い出深いしりとりを紹介します。

・お題縛り系、字数縛り系

ふつうのしりとりに飽きてきたらみんなやりますよね、これ。私もやりすぎて、もはやどんなお題でやったか思い出せませんが、覚えているものとしては夏に友人たちと海に行く車の中でやった「夏しりとり」でしょうか。夏に関係あるもの縛りということで「水着」とか「すいか」とか言ってたんですが、「る」を受け取った友人が苦し紛れにルー大柴、暑苦しくて夏っぽいから」と言い出しました。お題縛り系しりとりは当然ふつうしりとりに較べて語彙が限られてくるので、こうした「どこまでをOK判定とするか」という議論が盛り上がりどころです。厳しすぎると続かずゆるすぎると縛りの意味がなくなるという難しいところを皆で協力してなんかええ感じにするのです。ちなみにルー大柴はOK判定で続行になりました。

字数縛りしりとりは、字数が長くなると口頭ではやりづらいので文字上でのプレイにおすすめです。縛り系は縛りに思考のリソースを奪われるためうっかりが生じやすくなりますが、知人に12文字しりとり(12音しりとり)を提案され、「みなみあふりかきょうわこく」→「くにたちこくりつこうえん」で一発敗退した痛恨が忘れられません。(なおそんな国立公園はありません。)

・酩酊しりとり

・眠気我慢しりとり

・真冬の京都の夜極限しりとり

まとめて極限系しりとりとでも呼んでおきましょうか、このあたりが私の思うしりとりの真骨頂です。いずれも、意識水準が低下した状態、身体的に極限に達した状態でのしりとりです。大学に宿泊することになった夜に皆で順番にガクッとなりながらも明け方まで続けたしりとりや、なぜか一月の京都の深夜にチャリで走る羽目になり「だめだ~~~もう意識が飛んでしまう!」と思いながら目を覚ますために続けたしりとり……(なぜそんなことになったかの事情は省略します)。この状態のしりとりの面白さは、自分でも「こんな語彙がどこに眠っていたのか!」と思われる語彙が自分という物体のどこか奥のほうから取り出されることです。「ぎんやんま」とか「ルンペンプロレタリアート」とか。最近すっかりやらなくなりましたが(他人と極限状態になる機会が減ったため)、極限系しりとりのとき以来発していない語彙がたくさんありそうです。もちろん他人のそういう語彙に驚かされて一緒に笑うのも興奮します。

酒に酔うとしょうもない駄洒落を連発し続ける人は一定いるのでないかと思われますが(私もややその傾向をもちます)、このタイプのしりとりは、それに似ています。または、夢から覚めかけの状態で寝言と寝言でないものの中間のような言葉を発し続けるときが私はしばしばあり、後からあまり思い出せないもののそのときは絶妙な気持ちよさがあるため「敢えて目を覚まさずその状態を長引かせる」みたいな選択を半ば無意識的にしていることがあるのですが、その状態にも似ています。いずれも意識が低下した状態で、自分の意志を裏切ってまろびだす言語(半言語)と戯れている状態です。それ(自分の中の秘められた言語と戯れること)自体に癒し効果があるようですが、さらにこれを他者とやりとりするという点は、或る種の心理療法に似ているのでないかと思います。

・絵しりとり

これはちょっと前の正月に大盛り上がりしたやつです。夜の10時頃から始まって2時頃までやっていました(アホでは?)、絵を描くので時間がかかるのです。変種しりとりの定番ではありますが、音声や文字が絵に変わるだけでいろんな現象が起こり、気づきが多くありました。

まず、このときも、皆が「ん」で終わる言葉を連発する、ということが起こりました。やはり他に思考のリソースを割かれるためでしょう。他とは、「絵で描ける言葉」かつ「(自分の画力の範囲の)絵で相手に分かってもらえる言葉」でなければいけない、という条件ですが、これらの条件をふまえると、手持ちの語彙の中から使える語彙がぐっと減ることが分かりました。たとえば「プロテスタンティズム」とかそういうやつは排除されますし、「なんとなく知ってるだけの言葉」というのも使いにくい。人名も使いにくい(似顔絵を相手に伝わるように描ける人物でなくてはならないから)。いつも使わない脳の部位を使っている感じがして非常に良かったです。

そして、絵しりとりとなると私の絵はあまり面白くない、というのも発見でした。私は絵が上手いというわけではありませんが、日常的にイラストを描く習慣があるため、或る程度適当に処理することができ、かつ、自分の描けるものと描けないものの範囲もだいたい分かっており、描けないものを避けることができます。しかしこの小賢しさが、絵しりとりでは面白くなさの原因となるのです。絵しりとりにおいて面白いのは、絵を描き馴れない人が何かを伝えようとする一心で無理を承知で描く無茶な絵である、ということが分かりました。このとき爆誕した無茶絵を此処にupしたいところですが、無許可でアレするのもアレなので、「絵がひどかったトップ3」を挙げておきます。

1.イルカ
2.リンボーダンス
3.涅槃会

・無い言葉しりとり

過去最大に盛り上がった忘れられないしりとりといえばコレです。妹の運転する車に乗った際、母・妹と「無い言葉しりとりをしよう」ということになったのですが(なんでそんな提案をする運びになったのかは覚えていない)、最終的に、誰かがひとこと答えるたびに全員息ができないほど笑い崩れ、運転に支障を来すので途中で終わった記憶があります。無い言葉はある言葉に較べて無限に存在するため、無い言葉といえどなんかのルールを設けなければほんとうになんでもありになってしまうので(無いの?あるの?書いてて分からなくなってきた)、このときは、(1)三音・(2)同じ音の繰り返しはNG(「るもも」などはNG)・(3)その場にいる誰かひとりでもその言葉を知っていたらNG(「その言葉ロシア語にあるで」などのNGもありうる)、というルールでやりました。とにかくめちゃめちゃ盛り上がり、家族の思い出の中でも有数の輝かしい思い出であるのですが、今となってはどんな「無い言葉」が現出したのであったか何がそんなに面白かったのか、何ひとつ思い出せません。

・ふつうのしりとり(プレーンしりとり)

しかしなんだかんだいってもふつうのしりとりが一番好きかもしれません。あまりルールを定めずゆるっとダラダラと続けるしりとりの尊さよ。しりとりの細かなルールは場合によっていろいろで、そのへんのゆるさもいいですね。たとえば清音・濁音・半濁音を区別するかしないかなど(つまり「リンゴ→コーラ」を許すか許さないか)。個人的には音ルールは厳密なほうが好きなのですが、そのへんは参加者とシチュエーションによって適当に決めるのがよいと思います。

これまでふつうしりとりで最長だったのは、友人らと車で遠出した際に岡山から大阪まで続いたしりとりかなと思います。このときは、ふつうしりとりではあったのですが、異常人がいたため異常語彙が連発され大変盛り上がりました。また「牛好き」「犬好き」が登場したあたりから、「それはありなのかナシなのか」でヒートアップしました。こういう無駄な議論で白熱するのもしりとりの娯楽のひとつですよね。

また夜の高速道路を走りながら、というシチュエーションもなんかよかった。単に眠気防止のために始めたしりとりでありましたが、しりとりという遊びそのものが夜の高速の道行きに似ているような気がします。上では「金がかからない」というコスト面を主に取りあげましたが、私がしりとりが好きな第一の理由は、自分から出た語彙(特に意味のない語彙)を他人が受け取り時に思いつきもしなかった方向から応答を投げてくれる、その、「暗闇から現れる他者の他者性」のようなところにあるのであると思います。そうして皆で互いの語彙を次いでは思いも寄らぬ方向へ延ばしてゆく……という共同作業は、まさに、深夜の高速でヘッドライトが行く手を照らすたびにそれまで闇の中に沈んでいた道路が姿を見せ新たに道が拓かれてゆくような、その感覚に似ています。

■ 今後やってみたいしりとり

以下、まだやったことがなくかつ今後やってみたいしりとりを挙げます。

・今年まだ言ったことがない言葉しりとり

これは以前「しりとりが好きだ」という話をSNSでしていたところ、フォロワーの方に教えてもらいました。面白そう! と思ったもののまだやる機会がなくやっていません。私は相手がいないときは「ひとりしりとり」をすることもあるのですが、ひとりで「今年まだ言ったことがない言葉」を考えるのはなんかむなしみを覚えます。なんでだろう? これは他人と「これまだ言うてへんわ!」「まじか!」「あの言葉は?言うてへんのちゃう?」「いや!言うたわ!2月頃に!豆乳鍋作ったときに言うてしもた!」とかわいわい言い合いながらやるのが楽しいと思うので(「他者を必要とするタイプのしりとり」度が高い)、今度誰かとなんかの機会にやりたいっす。

・上位互換しりとり

これは以前にオモコロでやっていて、やってみたい!と思ったのでした。前の人が言った言葉より強い言葉をいうしりとり、ただし強さの尺度は議論の余地あり、というもの。

動画を見ていると、これは、しりとり自体というよりもプレゼンパート(理屈こねパート)が本番なんですよね。自分はあまり弁の立たない人間ですが、気心の知れた者たちと屁理屈をこね合う遊びはけっこう好きなのです(「乳の数は何個がよいか」をめぐって無駄に争うなどをよくやる)。しかし、眠る前とかにゆるっとやるには不適なので、人の少ない時間帯のファミレスなどで「やるぞ」という態勢を整えたうえで腰を据えてやりたいですね。

しかしこうして考えていると、「理屈をこねる」「議論をする」部分、すなわちコミュニケーションの部分も、しりとりの愉しさのひとつであることが分かります。ただその際の理屈はだいたい無いルールに基づいたどうでもいい理屈なので、虚無のコミュニケーションです。虚無のコミュニケーションは、われわれの心を癒します。なお上の動画はオチも美しく感服しました。

・しりとり散歩

上で好きな遊びをいくつか挙げましたが、好きな遊びと好きな遊びを組み合わせるとより楽しいのではないかという発想です。遊びの中で「散歩」はわりと好きなやつ上位に入るので、散歩+しりとりをやってみたいです。単にしりとりしながら歩くだけでもよいのですが、私は(当ブログをご覧の方はご存知の通り)道端の貼り紙とか看板とかを見るのが好きなので、貼り紙や看板の文字でしりとりしながら歩くやつをやってみたい。写真撮りながらやると、後で見返して楽しそうです。10kmくらい歩きながら延々やりたい。レクリエーション的によく知らない人とやっても仲良くなれそうです(知らんけど)。

そんなわけで急にしりとりへの思いをまとめてみました。よく読むとここまでの文は全部文末から文頭へとしりとりになっていた!!………とかなら美しいんですがそこまで気の利いたことはできません。機会あれば一緒にしりとりしましょう。

以前(もう4年前!?!?)の夏に、広河原まで行ったという話を書いたのですが、今年、広河原の「松上げ」を見ることができました!

ここでも書きましたが、広河原は京都市左京区の最北、山間部を分け入って京都バスの終点がある地です。松上げというのは8月24日に行われる行事で、火の神である愛宕神社への献灯とともに五穀豊穣や火災予防を祝うのだとか。父に話を聴いて以来一度行ってみたく思っていたのでした(父自身は何度も機会がありながら一度も見たことがありません、夜遅くなるのが嫌だから(父は夜20時以降を「めっちゃ遅い時間」と認識しています))。

さてさて。この日は日中に雨が降ってどうなるのか?と思っていましたが、その後、雨は上がったようでレンタカーでGO。鞍馬を抜けて花脊峠を超えます。花脊峠は道が細くてすれ違いがこわい!! 花脊峠トンネル化早期実現希望」の看板があちこちに立ってました。禿同!

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花脊を抜けて更に奥へ走ります。松上げという行事は広河原だけでなく、花脊、久多でも行われます(最初は馴染みある花脊に行こうと思っていたのですが、日程的な都合で広河原に行くことにしたのでした)。雲ケ畑や南丹でも行われているのだそう。調べてみると、雲ケ畑の松上げは文字の形を作るのだろうで気になります。京都の夏といえば平地の民は「五山送り火」に思い入れがありますが、同時期に同じ京都の山間部ではこんな神事が行われているのですねえ。

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(どうでもいいんですが、ずっとカーステでクロマニヨンズ全曲シャッフルを流していたら、山奥に入ったところで「エイトビート」→「生きる」→「底なしブルー」という激アツセトリが生成されたんで思わず撮った写真です。ライブでこの曲順で聴きたい!!)

ちょうど日が暮れきる前に広河原に着くことができました。

地元の方に誘導してもらった駐車場に車を停め、外に出たらば平地よりずいぶんと空気が涼しく、川沿いは虫の声がたくさん聞こえます。曇り空を、山の奥から漸う染めてゆく夕焼けを見ることができました。

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川岸に、松上げに使う大松明が設置されていました。20メートルあるそうで立派です。川を挟んで対岸には、既にシートなど敷いて待機している人たちがいました。松上げガチ勢(?)でしょうか。

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広河原松上げパイロン!
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ちょっとプラプラしていたら、すっかり暗くなってしまいました。

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灯りがともっていたところに行ってみると、集会所のような建物がお供え物や提灯でしつらえられていました。お供え物の中には、お地蔵さんと十一面観音がおはしました。(十一面観音といえば琵琶湖周囲でさかんに祀られていると聞きますが、関係あるのかな?)

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この時点で19時過ぎだったでしょうか。開始は20時半だというので、まだしばらく時間があります。夜店などが出るお祭りではありませんが、川の横に少しテントが出ていて、土地の名物や工芸品が売られています。柴漬け入りのおにぎりを買いました。写真が微妙すぎますが、THE手作りといった感じのしっかりしたおにぎりで嬉しくなりました。

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やがて闇が深まり、見物人も増えてきました。京都バスが数台、団体さんを運んできました。われわれも川のほうへ……。

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あまりなんも考えず来たものでシートも椅子も持っておらず立ち見となりましが、背伸び石(足を置けてやや身長が伸びる石)のある良き位置に陣取ることができました。

時間が来て、太鼓と鐘の音が響く中、小さな松明がひとつひとつ灯されてゆきます。

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火はどんどん増えてゆき、松明行列は道の奥まで続いています。「40人の男性が参加する」と聞いていましたが松明の数はもっと多かったと思います。真っ暗な中、無数のような松明の火が揺れわたる光景は、なんとも荘厳でした。

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しかし荘厳な雰囲気の中、(誰かの姿が見えないらしく)「●●さーん、●●さんどこやー」「●●さんがいはらへーん」という声が響いたりもして、ああ、ほんまに地元でやってはる行事なんやなあとなんかほのぼのしたり。松明の火が行き渡るのに、30分ほどの時間があったでしょうか。次はその火を大松明に点けるのだと聞いています。いよいよ大松明が燃えるのか!と思いきや……

なんか玉入れみたいの始まった!!??

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単に松明の火を直接大松明に移すのだと思っていたのですが、ひとりひとり松明を大松明に投げる、というやり方だったのです。大松明の先端には籠がついておりその中に松脂が入っているらしい。よって玉入れとかバスケットボールのような要領で籠の中に松明を入れなければならないわけですが、大松明は20メートル、これはかなり難しいらしく、どの松明も見当違いの方向に飛んで行ったり届かなかったり。「うおおお」「いえええ」という雄叫びとともに松明が投げられるのを、見物人は「がんばれー!」「あとちょっとーー!!」「ああーーー!!」と応援し始め、先ほど前での幻想的なムードは一転、急にスポーツ観戦のような様相に!!

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なるほど! こういう行事だったのか~~!! 「奇祭」と呼ばれていると聞いており、でもまあ非都市部の行事は「奇祭」扱いされがちだし……と思っていたのですが、たしかに初めて見るとびっくりするかも! こんなスポーツ観戦的要素があると思っていなかったので……。なぜこのような形態になったのでしょう? (※レファレンス協同データベースを調べると、松上げについて八木先生の著作に書いてありそう。読んでみようかな……)

近くにおられた地元の方によると、火がすぐに点く年と点かない年があり、どうやら今年は後者らしく、投げられた松明が大松明の近くを掠め火花が砕けはするものの籠に入るには至らず、そのたびに「ああ~~~」「がんばれっ」という完全にサッカーの試合とかで聞くやつと同じ声が上がります。

開始から1時間以上が経った頃、やっといくつかの松明が籠に入り、点火!!

一度調子が出ると松明は勢いよく炎をあげて美しい。火が着くまでの間を気長に待つ、というのがこの行事の時間感覚なのでしょうね。そして、炎を上げる大松明が、川の中に引き倒される……!!

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倒れてくる大松明の迫力に思わず叫んでしまいました(私は火がこわい)。大松明はきれいに川の中へ。ホースが登場し、美しく燃える炎に高圧で水がかけられます。さっきまで懸命に火を点けようとしてなかなか点かなかったというのに、今度は一度燃え上がった火は高圧の水でもなかなか消えず、火ってすごい。Yapoosの「ヒト科」思い出しました。

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この後、地上に残った火の中に男性たちが走りながら大きな棒を突っ込む「ツッコミ」という行事がありました。火の粉が降りかかるようで、「うわうわうわ」「やばやばやば」という声も上がっていて、ちょっと度胸試し的なところもあるんかな?と思いました。最後、拍手をして見物人たちは帰りました。私は、昔に星占いで「火事で全財産を失う可能性がある」と言われてから火事をめちゃめちゃ恐れているのですが(そんなことを言うな)、火伏の御利益もある行事を見せてもらったことで、今年一年はきっと安全です、安全であれ!

たまにはただの日記です。
※前回のただの日記回:

***

8月8日(木)

京都へ行く。8月入って初。盆地は暑さがやばかろうと思ったが、珍しく風がある! 最近急激に好きになったもののひとつに「風」がある。これまでノーマークだったが好きなものトップに躍り出る勢いで、すっかり風ファンである。

実家からテレワーク。そののちナメちゃんと会う。約束まで時間があったので実家の者とあれこれ喋り、もうじき盆なのに正月の能登の復興がまだ進んでいないらしい、という話などをしているところへ、父のスマホが変な音で鳴り地震速報が入った。TVを点けると宮崎で震度6

しばらくして「南海トラフ地震の可能性を調査する会議」が招集されたとの速報が入った。初めて見る速報だ、何事か。震源の位置からして、南海トラフ地震が連鎖する可能性があるらしい。だが今の時点では分からないのでこれから危険性が調査される、ということのようだが、TV画面にはものものしい赤地に「巨大地震が起きる可能性調査」との白抜き文字が出続けており、これ、「調査」まで読まずにパニックになる人が続出するだろうな、と思う。「調査」を太字にするとかしたほうがいいんじゃ……と余計な心配。ともあれ調査会議の結果は1、2時間後まで出ないとのことで、なんともいえん気分のままナメちゃんとの約束の時間に。

ナメちゃんと会うのは久々。コロナ禍で一昨年まで休止していた五条陶器まつりが、部分的に復活したというので覗きに行く。一年に一度、川端通から東大路通まで店がぎうぎうと並び、五条通が見違えるように輝きわたるのが好きだったが、規模が縮小され店舗が出ている部分はかつての4分の1ほど。しかしさまざまな陶器が売られぷらぷらと人々がそれを眺めている様子は、懐かしいあの雰囲気だ。最後に行った陶器まつりはひどく暑かったが、今夜はずいぶん風があって気持ちいい!! 東には夕闇の東山、西は橙から群青へのグラデーション、好きな京都の夏の宵。若宮八幡で主催の人と話ができた。諸々の検討の結果今年の出店は京都の窯元だけに限ったのだそうだ。暑すぎるので今後はナイトマーケットにしようという意見もあるとか。たしかに十年前とは気候が違うものなあ。

陶器を見たのち晩飯を求め街のほうへ。チーズナンが美味いカレー屋があるという情報をナメちゃんが思い出したため、スマホで検索するべく立ち止まる。同時に私もスマホを見ると、例の調査が完了したらしく「巨大地震注意」の報が出ていた。いつか来るとは言われているし毎日のように「今かも」とは思っているけれど、実際こうして速報が出ると、えもいわれぬ気持ちになるな。映画や漫画や小説でたくさんのカタストロフを見過ぎて、そうした物語と現実の境目が分からなくなっている感じもする。これまで、人生においていよいよ「何か」が来るときや今まさに来ているときって、いつもそんな「物語」に追いつかれるような感覚になってきた。三木卓は『砲撃のあとで』でその感覚を、「直接の場に立たされていることを直感した」と見事に表現していたな。「ああ~、さっきの調査結果が出てる、巨大地震注意やって!」「ええ~~!! 怖! あ、カレー屋、ミーナの7階やって!」「了解、じゃあそこ行こ!」「ええの~?」「全然ええよ。一週間は注意して生活するようにって。いやだあ」「嫌すぎるな!」「防災リュック見直さなあかん」「うちもやわ~。徒歩で20分やけどいい?」「オッケー、歩こう。生き延びよう!」「おう!行こう!チーズナンや!」。

ミーナ7階のカレー屋さん、たしかにチーズナン大変美味。互いの近況、家族の話、最近ハマってるものの話など、いつも通り。食後河原町歩き、知らん店ばかりになったなあ、もう清水屋(レコード屋)とかもないよね、と言っていたら、清水屋がババーンと現れ現役で感動した。久々にタナカコーヒで茶。ここでは過去のひどい思い出話など。ひどすぎてネットには書けない。昔の友人に会うと「君が僕を知ってる」の悪い版みたいになる。これまた久々に深夜近くに帰ると家族はTV観ておりニュースで地震の続報。

8月9日(金)

ひき続き実家でテレワーク。初めての業務があったがまあまあ上手く行った(かも)。夕、京都駅より遠方の仕事へ。京都駅で、盆に親戚に渡す和菓子を買おうとしたが所望のものは売り切れで、結局自分用に俵屋吉富の「志ば味糖」を買う。この流れ、去年もあった気がするぞ。

8月10日(土)

珍しくよく寝た。疲れていたのか。街に出る予定があり、夏物が安くなってるだろうしたくさん買い物しよう!と意気込んだが、意気込んだときに限って特になんも買わず。某君が彼女と別れそうかも、という話を聴く。

8月11日(日)

日中は親戚行事。読経の時間は瞑想にちょうどよい。親戚の子がもっていたすみっコぐらしのオモチャパソコンが可愛かった。メルカリで検索したら5000円くらいした。

夜は用事ないので家でゆっくり読書でも、と思っていたらば、イレギュラー事態発生。昨日の話の続きで、某君がなんだかよく分からないが自宅に帰れない状態となっており、盆で宿もないというので、では我が家に来ますかということになり、しかし我が家は散らかりMAX。某君に近くのマクドで待機してもらう間に夜のエクストリーム大掃除大会。なんとか人間を呼べる状態にまで回復できた、正直偉業だ。かなり疲れたが、盆の間に少しずつ片付けようと思っていたのが数時間で済んだと思えば。

知人といってこれまでそこまで深い付き合いではなかったのに、思わぬことで突然宿の提供と相成り互いに不思議であった。最初は「他人の家は緊張しますね」と言っていた某君だけれど、寝床に案内すると「快適じゃないっすか、明日仕事行きたくねぇ~」と言い出したので、宿屋としての使命は果たせた。寝る前、なぜか、「苦手な虫は何か」という話で盛り上がる。苦手な虫トークは私の好きな話題のひとつ。

8月12日(月)

朝、某君は「助かりましたっす」と言いながら我が家から出勤していった。ちゃんと眠れただろうか? それまでよく知らなかった人が、なぜか我が家で寝て我が家から出勤してゆく、こうしたイレギュラーとの遭遇があると「生きてるなぁ」と感じる。我が家開闢以来11人目の宿泊人であった。

夕方仕事へ。盆出勤は、街が静かでどことなく優しくて、嫌いではない。

8月13日(火)

防災グッズを確認せねば、と、巨大地震注意が出た日から言い続けてやっと実行。頭では「明日、いや、今起こるかも」と分かっているし恐れている一方でのんびり先延ばしにしてきた。しかしいつどこにいるときにどんな形で起こるか起こらないか分からぬものに完璧に備えるのは難しい。ともかく一般的に必要とされるものを買い足しにホームセンターへ。水やガスボンベが品薄だった。今年は防災グッズにだいぶ金を遣っているな。防災グッズも当たり前だが良いものは高い。私も金があるわけではないが、更に困っている人や余裕のないおうちはもっと備えが難しいと思う。備えが必要と呼びかけるだけでなく、公的なサポートがもっとあればよいのにな。

ホームセンターの近くのモスバーガーに寄る。ここは十年ほど前によく来ていた思い出のモス。入ると当時の気分。さらに思い出のコンビニにも寄る。いつまでも昔の気分に戻れるのは良きものかも。夜、妹がくれた夏用入浴剤を試す。

8月14日(水)

昨日iphoneが急にピンクスクリーンというやつになり、サポートにチャットで相談したところ、iOSが古すぎてシステムが不安定なのではと言われたため、いつぶりだろうかiOSアップデート。なんか動物の写真を識別するみたいな機能がついてきた。本を読み、オモコロの動画を見てダラダラする。また近所に警察が来た。

8月15日(木)

早朝、というか夜明け前、家じゅうの電気が点かない。停電だ。大阪市の半分が停電したらしい。原因は不明だという。一瞬、寝ている間に大地震が来たのか? と思ってしまった。昼前には全地域復旧。街が真っ暗になり、電気が止まるとこうなってしまうんだなという災害時のシミュレーションにはなったが、実際の大災害ならもっと長く停電し続けるわけだ。短時間の停電でも、しばらく救急車や消防車のサイレンが鳴り響いていた。

昼前にまた京都へ。母実家の集いに出る。皆元気。相変わらずひどい会話が繰り広げられた。この人たちは変わらない。また防災の話題。災害伝言ダイヤルで連絡を取り合おうと言ったものの、思えば最近連絡をLINEに頼りきりで、親戚たちの電話番号を知らない。先週の宮崎の地震から一週間。巨大地震注意はいったん解除されるというが、解除されたとて地震の可能性がなくなるわけではないし、僕らが立っている、この場所はもろくて、とフラカンが歌った通りであるな。久しぶりに蹴上を通った。浄水場の緑が綺麗。ひどく暑いが京都の夏は美しい。明日は送り火送り火はやはり、特別な行事。ここ何年かずっと中継で見ていたけれど、今年はどうするか。下から見るか横から見るかテレビで見るか。

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ドムドムは、おそらく好きなハンバーガーチェーントップ3に入る好きさでして(ちなみに第1位は明治サンテオレ……いつまでも忘れない)、かつて生きる伝説ドムドム海南FC」まではるばる足を運んだほどです。

海南FCの駐車場………かわいいいい!!

もともと関西のチェーンのはずが、ここ数年、関西からは店舗が消える一方。新社長になってからグッズ展開などで盛り返し、関東では新店舗がオープンしているというのに、関西からは次々閉店してゆく!! 2023年にはついに大阪市内からドムが絶滅!!! うわーん!!社長~~関西にもドムを!!! と思っていたらば、この夏西淀川区「アバリーナ千船」にドムがオープンするというではないですか。いつぶりの関西出店なんでしょう? 分かりませんが、2000年代初頭に千船からはドムが消え、約20年を経てのカムバックだそうです。

そこへきて福袋が発売されるというので、われわれもいそいそ向かいました。

千船駅で降りると、ドム発見!

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わわ~~!! 新しいドムだ! どむぞうさんだらけ!

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この壁際席めっちゃ可愛い!

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レアな(?)**道案内どむぞうさん**……かわいいよ~~

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福袋無事ゲットしました。

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福袋は、金券+どむぞうさんグッズなんですが、金券、昨今よくある「次回ご来店時より使用可能」「●円以上のご利用に限り使用可能」みたいなやつかと思ったらば、当日から金額無制限で使えて超有難い!!!

この日の注文は全額金券で払わせてもらえました!!

久しぶりのドムドムなので、ドムドム名物**お好み焼きバーガー**を頼みました。こんなに美味かったっけ!!?? お好み焼きバーガー!

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つまようじもドムぞうさんの中に。

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お店の中には、グッズコーナーもありました。ひと昔前のドムからは考えられない充実ぶりです。

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この子たち、単に色違いじゃなくてそれぞれ違うキャラクタなんですよね。全部名前があります(青い子が「どむクルーズ」っていうのだけは覚えた)。

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新店が増えるたびにキャラクタが増えていくようで、千船店とともに生まれたのは「はんぞうくん」と「しんぞうくん」阪神電車沿線だから。

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朝に来たので最初はお客さんも少なかったんですが、昼前から続々人がやってきて、福袋も売れまくってたんでびっくりしました。大阪のドムファンは皆カムバックを待ってたんやな~~。

壁画もいい感じでした。ドムぞうさんの電車可愛い。
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***

千船アバリーナは、他に、スーパーや古着屋さんやお菓子屋さんが入っていました。新しいのでどこもキレイ。

「小物アイス」て表現そういや初めて見たかも……と思って撮った写真。

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ガラスのこの模様なんやろ?と思ったら…
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時計台なんですね。これが千船アバリーナのシンボルらしいです。
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千船駅では初めて降りたのですが、このゾーンは佃といって、二つの川に挟まれる地形になっているのですね。川と川の間を少し散策してみました。昔ながらの商店やお地蔵さん、オシャレなケーキ屋さんなど、気になるスポットがいろいろあったのでまた来たいな~。

なんかツボにはまった看板。

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細長いタイプの基督看板ってあるんだ。
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川を渡ると大阪市から尼崎市へ。徒歩で県境越えるのってときめく!

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***

帰って福袋開封の儀をしました。

トランプ。シールと箱のツメのところが既に可愛い。

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中身(カード)もめっちゃドムってました。

ドムグラスも入ってました。ちょうどガラスのコップをあんまり持ってなかったので有難いな! これで家でもドムな気分になれます。

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