偉人の失敗エピソード⁉︎~甲州微行って何?(2024.8.16更新) (original) (raw)
東京お台場に大砲を作ったり、伊豆で唯一の世界遺産•韮山反射炉を作った江川太郎左衛門(江川英龍)。すごいい偉人なのですが、英龍さんも失敗エピソードありました。
若気の至り?水戸黄門をリアルでやったしくじりエピソード。
英龍さんが人生で一番ロックだった日と私は呼んでいます。笑
ちなみに反射炉ビヤさんで甲州微行というビールがありますが、これの元ネタでもあります。
伊豆韮山のクラフトビール 🍺 反射炉ビヤ - HANSHARO BEER BREWING
どんなお話?
英龍さんが代官になった翌年の1836年(天保7年)。
山梨県甲州市で一揆が起きます。(郡内騒動)
そこには大塩平八郎の乱の残党がいるかもしれないという噂も流れたために、それを調査する為になんと刀売りに変装して山梨県へ行ってしまいます。
これが甲州微行図と言って、その時の様子を回顧して英龍さんが戯れで描いた絵だそうです。
戯れにしてはクオリティー高すぎませんか?
微行とは身分を隠して世情を探る旅という意味です。
時代劇の水戸黄門がパッと思い浮かぶかと思います。
本当にリアルで水戸黄門を行った話なんです。
お供があの人!
絵の後ろにいるのは家来の斉藤弥九郎。
幕末や剣術好きのみなさんはピンとくるこの名前。
弥九郎さんは幕末江戸三大道場と呼ばれる練兵官を作った剣の達人です。
英龍さんの家来に後になります。
刀売りに変装しつつ、実は鉄砲を10丁ほど持っていて、身の危険が迫ったときにマシンガンのようにして打つつもりだったのではないかと言われています。
ちなみに鉄砲10丁を持っていたと分かったのは最近のことで、史料によっては刀と書いてあるのはその為です。
英龍さん賞賛!
上の不正を暴き、民の暮らしが平和になったことで、
\世直し江川大名神/
というのぼり旗を庶民が立てて英龍さんを称えたというお話です。
めでたしめでたし。
と思いきや?
しかし、このお話は続きがあります。
英龍さんは山梨県へ行くときに「もしかしたら自分の命が危ないかもしれない」と思ったそうです。
本当の事を奥さんにしか言わず、事情を書いた手紙をすぐに見つからないように隠しておきます。
しかし、家来たちにその手紙が早く見つかってしまい、びっくりした家来たちが幕府に
「うちの主人が勝手な事をしてしまい申し訳ございません」
と書いてある始末書が実は江川邸に残っています。
真ん中の文書がそれで、一番最初に「甲州」という文字が読み取れるので、甲州に行ったことはその手紙の書いてあったので家来たちも分かったのかな?と考えてしまいます。
小説にもなっています!
この甲州微行を題材にした小説を暁知明さんによる「隠密代官 甲州街道刀売り道中」があります。
フィクションの部分もありますが、暁さんが描く英龍さんはお茶目でロックな人のように描かれていて、私と同じ考えだなと思いました。
気になる方はぜひ、読んでみて下さい。
人生で一番ロックだった日
こうして見ると、英龍さん無茶な事をしたなぁと思いました。
代官になった翌年のことなので、張り切り過ぎたのか、若気の至りだったのか、色々と考えさせれます。
世直し江川大名神というオチだったので良い話になりましたが、ここで死んだら本当にシャレになりません。
立派な人でも失敗ややらかしちゃうお話でした。
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