【ネタバレあり】even if TEMPEST 連なるときの暁 感想 (original) (raw)

2024.3に書いた感想そのままにしてたので投稿!

テン魔女 連なる時の暁終わり。

本編と同じくらいのボリュームはあった気がするが、長くもなく適度な短さ。無印やったときに消化不良に感じた事(アナスタシアの母とエヴェリーナのこととか、魔女云々の話、王位の話)を余すことなくストーリーで回収してくれたので、個人的にはスッキリしたFDだった。

中身の構成は

①ショートストーリー四本

②攻略キャラ達の本編エンド後の後日談

③誰ともくっつかない大団円√で、ゼンの不老不死を直しに行く話

のおおまかに3本立てだった。

①side story

・マヤとアナスタシアの話

死に戻りやマヤがメンブルムになってしまったこと、魔女裁判でマヤ本人を魔女とし手を下したこと言えないアナスタシアに、マヤがひたすらに優しく、無理に聞き出そうともしないあたりがグッときた。CGもよい。

・アナスタシアの母(レティシア)とエヴェリーナの話

ここまでエヴェリーナがレティシアに惚れ込んでいたとは。本編のドライな姿とは離れた姿とアナスタシアを憎む理由が知れて良かった。

レティシア?の頭蓋骨にキスするCGは戯曲のサロメっぽくて好き。

・無印のティレルBAD後日談

いや怖いて…

無印クリアしたときもこえーBADだなぁと思ったが、その先があったとは、てか皆殺しやないかい!短編なのに作中イチ死人が多いのis何?本編の攻略きゃらくてー達の血に塗れた服を羽織り、喉も潰され声も出せないアナスタシアを犯しながら剣でぶっ殺すCGはひぇ〜って感じ。こういうBAD好きだが?確かにどう死に戻りしたんだか気にはなったのでスッキリして良かったところはある(ポジティブ)

・イシュの過去話

どうして魔女クロムがルキウスに殺されたのか、イシュやルーンの成り立ちなど、本編で明かされなかった過去話だった。世界観に深みを持たせてくれたストーリーだったので良かった。クロムは自身を切り離してイシュやルーンみたいな存在を作れるってのは、犬夜叉の奈落みたいなのを想像したらスッキリした。

クロムとはいわゆる天井人というか神様だし、ルキウスからの愛の言葉に、「じゃあ、わたしと一緒になっちゃおうか!(物理)」ってなるのは感性や倫理観がそもそも違うっていう良いエピソードだと思った。

②攻略キャラ達の後日談

特に順番は無かったので適当に。

・ルーシェン・ノイシュヴァーン

基本的にゼン以外はノイシュヴァーン家の王位継承争いの話になっている。

街から情報を聞き出し、コンラッドの邪魔にも屈しないで新商品を開発し王になるという王道ストーリー。街の人にインタビューしながら、ヒストリカ国の新たな魅力を考えるパートは楽しかった。相変わらずコンラッドは胸糞クソ野郎だね。

個人的にこの√で良かったのは、アナスタシアの義理の妹・オーラに家督相続を放棄してと言われるシーン。恨まれているかとおもいきや、オーラのアナスタシアに対する愛が分かるシーンで良かった。とってもニヤニヤした。

新しく開発したスイーツ・ルジェム(琥珀糖みたいなやつ)を頂戴よねっていうオーラに対して「郵送する、家に行くのは嫌だと思うから」って言うアナスタシアに対して、「なんでそうなるのよ!家には来ていいわよ!」と不器用ながら歩み寄る?オーラが可愛かった。

・ゼン・ソルフィールド

1番異色というか…この√だけ世界観違くない?って思った。まあ基本的に神殿で魔女たちと一緒に過ごしてるし、他の方よりシリアスはなく、終盤以外はずっとイチャイチャしてた。

時の止まった神殿で暮らすアナスタシアとゼン。このルートでは女神の力をまだ受け継いでるアナスタシアは、過去にクロムが使っていた部屋に、ゼンの不老不死の呪いを解く鍵があるのでないかと探し出す…。

この√はアナスタシアが魔女の力を制御できず、スライムになったり、幼児になったり髪が伸びたり短くなったり、いろいろ変化していてなかなかカオスだった。ポニテとロングのやつ好き。クロムのお父様こと世界の想像主が現れ、新たなる神になれと言ってきたあたりで急に話がデカくなってきたな!?と思ったが、拒否して二人とも人間に戻りハッピーエンドだったので、幸せならOKです(?

・クライオス・キャソロック

このルート1番最初にやった方が良かったかも知れなかったな…

病気が治ったことによってますますイチャイチャしてる二人は読んでいて楽しかった。

クライオスに差し向けられる刺客。病み上がりのクライオスを守りつつルーシェンの王位継承争いに協力する…といった感じ。

過去にクライオスにマヤ同様犯人に仕立て、手を下した過去があることを言い出せないアナスタシアと、ゼンから聞いているけど、責めることなく許す関係性が良かった。

ティレル・I・リスター

このルートがシナリオ面もキャラクター的にも好き。

コンラッドがまたティレルを暗殺者に戻したいとあれこれ手を出してくる一方、誰にも命令される事なく、自分の意思でアナスタシアと共に生きたいと足を洗い一歩踏み出す話だった。

急に媚薬の匂いに釣られてアナスタシアが襲われたのはびっくりしたが、媚薬で理性が無くなる攻略キャラは好きなのでOKです。

媚薬のシーンのとこ、「私のこと好きじゃないくせに…!」と勘違いしてアナスタシアが拒絶するシーンがあり、ティレルが女神と好きな女が同一人物なことに対する喜びを吐露するシーンすこ。

媚薬の出所、女神クロムのコインを売り捌く謎の売人、コンラッド、王位継承争いを街での情報を頼りに解決していくのは読んでいて楽しかった。クロムのそっくりさんが出てきた時はどういうこと?って思ったが他のシナリオ読んでそういうことねと。魔女クロムに仕えるイシク族だけど、クロム(そっくりさんだが)を選ばず、アナスタシアを女神と切り離して選んだのはグッと来た。

アナスタシアに対してデレデレなティレルさんめっちゃ良かったっすわ。

③誰ともくっつかない大団円編

ゼンの不老不死の呪いを治しに寒冷地リホーへ行くキャラたち。全員アナスタシアへの好感度MAXなのおもろい。そこでクロムにそっくりな魔女に体を乗っ取られてしまって、アナスタシアは霊体になる。幽霊を見える女の子に協力してもらい、なんとか男性陣に伝えて魔女を捕らえる。そんでもって世界の観測者からお礼として不老不死解いてあげる!という感じだった。番外編みたいな感じで面白かったな。

ティレル編に出てきたアナスタシアのそっくりさんはこいつだったのかーと納得した。

総評

キャラによって唐突に感じるルートもあったが、基本的に前作の掘り下げもしてくれたし面白かった。このライターさんは地の文や、ギャグのテキストが面白くて読みやすかった印象。ヴォルテージさんは新作いくつか出すようなので、期待したいところ。