第18回東京フィルメックスのラインナップ発表、キアロスタミの日本初上映作も (original) (raw)

本日10月5日、第18回東京フィルメックスのラインナップ発表記者会見が東京のアンスティチュ・フランセ東京にて行われ、原一男園子温が登壇した。

アジアを中心に、世界各国から独創的な作品を集めて上映する同映画祭。まずは同映画祭ディレクターの林加奈子よりコンペティション作品が発表された。同部門には新進監督が名を連ね、五十嵐耕平ダミアン・マニヴェルが共同監督を務めた日仏合作「泳ぎすぎた夜」など9本が選ばれている。

続いてプログラムディレクターの市山尚三が特別招待作品を紹介した。オープニング作品には台湾出身の女優シルヴィア・チャンが監督と主演を兼任した「相愛相親」、クロージング作品には2016年7月に死去したイラン人監督アッバス・キアロスタミの長編映画「24フレーム」が決定したほか、原の新作ドキュメンタリー「ニッポン国VS泉南石綿村」、園が手がけたドラマを再編集した「東京ヴァンパイアホテル 映画版」もラインナップ入り。さらに“ドキュメンタリーの父”と呼ばれるロバート・フラハティが妻と共同監督した「モアナ(サウンド版)」のデジタル復元版、台湾人監督キン・フーの「山中傳奇」といったクラシック作品もスクリーンにかけられる。

また、ホラー映画「キャット・ピープル」で知られるジャック・ターナーの特集上映も。「私はゾンビと歩いた!」「夕暮れのとき」が上映される。なお11月20日には黒沢清篠崎誠がターナー作品の魅力を語るトークイベントを開催。

会見では、原がコンペティションの審査委員長を務めることも明らかに。原は上海国際映画祭でチベット人監督ペマ・ツェテンに会った際、彼の監督作「タルロ」が第16回東京フィルメックスで最優秀作品賞などを受賞したと誇らしく教えてくれたことで、“東京フィルメックス”という映画祭の名が自身に強く刻み込まれたと話す。また自身の新作「ニッポン国VS泉南石綿村」については、「いつも過激な主人公を選び、過激な映画を撮ってきたと自分で思っている。ところが昭和が終わって平成になると、過激な主人公がどこにもいなくなった」「本作は映画の手法としては珍しくないが、普通の人を撮っていかに面白く作るか。私にとって極めて冒険的な映画になっています」とコメント。続いて過去に「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」「ひそひそ星」などが同映画祭で上映されてきた園は、「東京フィルメックスは映画祭らしい映画祭。日本にこういう映画祭があるのは貴重だし、ここで上映できることは常に僕にとって名誉なことです」と思いを語った。

第18回東京フィルメックスは11月18日から26日まで東京・有楽町朝日ホールほかで開催。主なラインナップは以下の通り。

第18回東京フィルメックス

2017年11月18日(土)~26日(日)東京都 有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇、東京国立近代美術館フィルムセンター

コンペティション部門

馬を放つ」(キルギスタン、フランス、ドイツ、オランダ、日本)
「見えるもの、見えざるもの」(インドネシア、オランダ、オーストラリア、カタール)
「殺人者マルリナ」(フランス、マレーシア、タイ)
「暗きは夜」(フィリピン)
「ジョニーは行方不明」(台湾)
「とんぼの眼」(中国)
「シャーマンの村」(中国)
「氷の下」(中国)
「泳ぎすぎた夜」(日本、フランス)

特別招待作品

「相愛相親」(中国、台湾 / オープニング作品)
「24フレーム」(イラン、フランス / クロージング作品)
「時はどこへ?」(ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ、中国)
「サムイの歌」(タイ、ドイツ、ノルウェー)
「天使は白をまとう」(中国)
「ファンさん」(香港、フランス、ドイツ)
「ニッポン国VS泉南石綿村」(日本)
「東京ヴァンパイアホテル 映画版」(日本)

特別招待作品 フィルメックス・クラシック

「モアナ(サウンド版)」(アメリカ)
「山中傳奇」(台湾)

特集上映 ジャック・ターナー

「私はゾンビと歩いた!」(アメリカ)
「夕暮れのとき」(アメリカ)

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