国立映画アーカイブでメキシコ映画35作品を上映 (original) (raw)

上映企画「メキシコ映画の大回顧」が、明日1月7日から2月9日まで東京・国立映画アーカイブで開催されるとわかった。

1896年、リュミエール社の技師によって初めて映画が上映されたメキシコ。このたびの特集では日本未公開作を含む35作品が上映され、メキシコ無声映画期の作品である「灰色の自動車」、エミリオ・フェルナンデスの監督作「マリア・カンデラリア」「エナモラーダ」、ロベルト・ガバルドンの「犯罪者の手」「マカリオ」などが並んだ。1950年に製作されたルイス・ブニュエルの監督作「忘れられた人々」は、1996年に発見された約3分の別エンディング・フッテージ付きでスクリーンにかけられる。

さらに農場が舞台の「あぶない二人」、レスラーを主人公とした「エル・サント対吸血鬼女」、死後の世界を探求する医師を描いたホラー「死後の世界の謎」もラインナップ。アデラ・セケリョが監督した「誰の女でもない」、マティルデ・ランデタが手がけた「街娼」や、女性作家たちによる「女性映画コレクティブ〈Colectivo Cine Mujer〉作品集」の4作品も観ることができる。

作家の星野智幸は「劇映画が誕生して以来、ハリウッド一番の愛弟子だったメキシコ。その豊穣きわまりないドラマと映像美に、私はどれほど酔いしれてきたことだろう」「初めて接する人は、映画というメディアの神髄ともいえる、その耽美的なまでの美しさに驚くことまちがいなし。そんな体験をこれから味わえる人が羨ましい」とつづった。なお本特集の巡回上映も行われ、一部作品は1月29日から2月22日まで福岡・福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ、2月26日から3月9日まで京都・京都文化博物館フィルムシアターでも上映される。

メキシコ映画の大回顧

2025年1月7日(火)~2月9日(日)東京都 国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU
※月曜休館

上映作品

星野智幸(作家)コメント

劇映画が誕生して以来、ハリウッド一番の愛弟子だったメキシコ。その豊穣きわまりないドラマと映像美に、私はどれほど酔いしれてきたことだろう。特に、メキシコ革命とメロドラマという2つの大きなジャンルは、メキシコの最大の魅力である振れ幅の大きな感情をダイナミックかつ細やかに描いて、見る者を揺さぶる。初めて接する人は、映画というメディアの神髄ともいえる、その耽美的なまでの美しさに驚くことまちがいなし。そんな体験をこれから味わえる人が羨ましい。
それだけではない。メキシコ映画すれっからしにも、この回顧は新しい顔を用意している。じつは秘かに存在していた、女性たちの作った映画の数々をクローズアップしているのだ。長い間欠けていたピースが姿を現すことで、メキシコ映画史の全貌が完成するだろう。この特集は映画の未来への踏み台だ。

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