ストリンドベリ初期作で父権制を問う (original) (raw)

ストリンドベリ初期作で父権制問う、小山ゆうな演出・雷ストレンジャーズ「父」

2018年2月2日 11:41 1

雷ストレンジャーズ「演劇ジェット紀行 スウェーデン編『父』」が、3月7日から11日に東京・サンモールスタジオで上演される。

雷ストレンジャーズは、古典翻訳劇を中心とした演劇作品を上演している、小山ゆうなが演出を手がけるアーティスト集団。今回はヨハン・アウグスト・ストリンドベリの初期作品「父」を上演する。

本作で家父長制度という題材を取り扱う小山は、「フェミニズム運動をしようというのではない。男性と闘おうというのでもない。130年前解決しなかった既にあるこの『システム』の弊害が今まだ解決されていないという事について考えたい」と構想を語っている。出演者には、カムカムミニキーナの松村武らを迎える。

小山ゆうなコメント

家父長制度、父権制の色濃いシステムの中で「父」であらねばならないと男らしくあろうとする男とそのシステムの中に存在する女性達。
1887年にコペンハーゲンにて初演された本作は、今なお、ストリンドベリの女性嫌いなのか、フェミニズム運動への反発なのかと議論になるが、少なくとも社会のシステムは男性が望む望まないに関わらず、男性中心に作られている前提は2018年/現在も変わらない。ただし、平等な社会形成のための努力は多くされて来て、今まだ継続中である事は130年前と違う点ではないだろうか。
家父長制が意味するのは単に男対女といった事ではなく〈権力を持つもの〉〈権力をもたないもの〉という立場を作るシステムである。そして、このシステムが現在も世界に様々な不幸をもたらしていやしないだろうか。フェミニズム運動をしようというのではない。男性と闘おうというのでもない。130年前解決しなかった既にあるこの「システム」の弊害が今まだ解決されていないという事について考えたい。
しかしながら、家父長制が崩壊した後には、何が残るのだろうか。
この鍵がストリンドベリ「父」の中に眠っていそうだ。

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雷ストレンジャーズ「演劇ジェット紀行 スウェーデン編『父』」

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