マリーアントワネット編④ (original) (raw)

ベルサイユ宮殿✨🏰の巻

第1章 太陽王ルイ14世

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「ベルサイユ宮殿と庭園の眺め」

ピエール・パテル 作 1668年

「ベルサイユの地に壮大な宮殿を建て、自らの権力を全ヨーロッパに示したい」ルイ14世の命で、1661年(親政開始の年)、新宮殿の建設が始まりました。 着工から21年後の1682年、ベルサイユの新宮殿はほぼ完工しました。ルイ14世は宮廷と政府機関をパリのルーブル宮からベルサイユへ移すことを公に宣言し、新宮殿に移り住みました。

パリの南西約20km、辺境ともいえる沼地に、父ルイ13世が建てた、「トランプで建てたように脆い」と言われた、狩の休息所であった質素な館を数千人を収容するヨーロッパ最大の宮殿に変えました。 世界の王族、貴族たちの羨望を集めた、華美を極めた壮大さは、今なお比類するもののない、世界一の宮殿です。

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正面入り口の門

門の上部で輝くのは、ブルボン家の百合の紋章と太陽王ルイ14世の象徴である太陽の徴(しるし)

アントワネットは5月16日にこの門をくぐり、この宮殿の住人になりました。

この写真は、今年5月27日にベルサイユ宮殿で行われた「FETES GALANTES(ベルサイユ宮殿舞踏会)」に参加した時のものです。ロココ調のドレスの上にオーガンジーの色打ち掛けを羽織って出席しました。舞踏会については、後日改めて報告させていただきます。

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4年後、ベルサイユの名をさらに世界に轟かせる新たな部屋が完成しました。「鏡の間」です。

全長73メートルの「鏡の間」には大きなアーチ型の窓が17個連なり、ルイ14世自慢の庭園を心ゆくまで眺めることができます。

窓と向き合う壁には、窓と同じ大きさ、同じ数の大型鏡が並び、窓からの光はその鏡に反射して、内部をより一層輝かせます。当時、高価だった鏡をふんだんに用いたこの回廊は社交界の噂となり、その後、ヨーロッパのあちこちで「鏡の間」が作られることになります。

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高さ13メートルの天井には、ルイ14世の業績を表す絵画が鮮やかに描かれています。

夜ともなれば、54のクリスタル製のシャンデリアと、床に置かれた金塗木材の飾り大燭台に明かりが灯され、 合わせて3000本の蝋燭に照らされた「鏡の間」は、まるで昼のような明るさになったといいます。

現在、宮殿で目にすることができるシャンデリアや 大燭台は、1770年の、皇太子ルイ・オーギュストとマリー・アントワネットの成婚の祝宴のために施された装飾を復元したものです。

ルイ14世はこの「鏡の間」を気に入り、外国から訪れる使節の表敬訪問は、全てここで受けたと言われています。

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戴冠式の正装を身につけたルイ14世の肖像」

イアサント・リゴー 作

ベルサイユ宮殿「アポロンの間」

ルイ14世(1638〜1715) ブルボン王朝第3代

宰相マザランの死後、親政(君主みずから行う政治)を開始します。数々の対外侵略戦争で領土を拡大、スペイン王位継承戦争では孫フェリペ5世をスペイン王として即位させました。内政では、ベルサイユ宮殿の造営、財務長官コルベールの重商主義政策を推進し、フランス絶対主義を完成させ、「17世紀はフランスの時代」と言われるほど、燦然と輝くフランス王国の栄光を築きました。

ちなみに、「16世紀はスペインの時代」

「18世紀はイギリスの時代」と言われています。

リゴーが描いたルイ14世肖像画は、見る者を威圧します。王が着ている白貂の毛皮に裏打ちされた長い濃紺のマントには、フランス王家の紋章である百合の花が金糸で刺繍され、胸元と袖口からは銀糸のレース飾りがのぞいています。

赤いかかとのハイヒールを履いているのには驚きました。しかも、同じ赤色のリボン飾りまで付いています。

とても、63歳には見えない、若々しく堂々とした姿です。

絵画で見るルイ14世は、大きく見えますが、ナポレオンがそうであったように、160cmに満たない身長だったそうです。ハイヒールで10cm、高く結い上げた鬘(かつら)で20cm得をしています。

ルイ14世は、少女たちの髪の毛で作られた献上品のかつらを100個以上持っていたそうです。

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「FETES GALANTES(ベルサイユ宮殿舞踏会)」でも濃紺のマント姿は一際目を引きました。

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この「ルイ14世の肖像」は、

「華麗なる宮廷 ヴェルサイユ

太陽王ルイ14世からマリーアントワネットまで」

が、

2003年1月25日〜3月30日 東京都美術館

で開催された時に来日しています。

次は、

第2章 マリー・アントワネット 美のカリスマ✨