「ステッドラー 925 25(0.9mm & 2.0mm)」の描き心地をレビューしてみる。 (original) (raw)

僕は数日前にこの記事の中で、「ステッドラー 925 25」というシャーペンを紹介させてもらった。

pochitto.hatenablog.com

「ステッドラー 925 25」というのは、ステッドラーが展開している製図用シャーペンの中でも人気の商品であり、これを愛用している絵師も多い。その中でも「0.9mm」と「2.0mm」は、あの井上雄彦先生も愛用されているモデルということで超有名である。

そういう理由もあり、既に持っていた「グラフギア1000(0.3mm)」に加えて、もう少し芯の太い製図用シャーペンを求めていた僕は、「ステッドラー 925 25」の「0.9mm」と「2.0mm」を購入することにしたのだった。

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・・・ただ、ここで少しトラブルが起こる。

僕は、少しでも安く入手したいと思い、フリマアプリを使って、まずは「ステッドラー 925 25-20」の中古品をポイント利用で安く購入した。まあ、「2.0mm」については、「井上先生が使ってらっしゃるから」という理由だけで購入し、お試しのつもりだったので中古品でも良かったのだ。

しかし、「ステッドラー 925 25-09」は、これからメインで使っていきたいと考えているモデルだったので、フリマアプリに出品されている商品の中でも、「新品未使用」にこだわった。その結果、新品未使用品がかなり安く出品されているのを見つけ、これを購入したのだった。

ところが、いざ手元に届いた商品を見てみると、明らかに使用感がある。

ノック部分の溝に汚れが付着しており、アルミが擦れたような跡もある。持ち手のローレット部分にもややシミのようなものがあり、少なくとも僕の目には「新品未使用品」には見えなかった。

たぶん・・・だけど、出品者さんは、色んな人が試し書きをした展示品のシャーペンを購入して、そのまま使用せずに自宅で保管していたか、あるいは、第三者から、「新品未使用」と言われて譲ってもらったものを、そのまま「新品未使用」と称して出品したか、どっちかだろうなと想像する。

(その後のメッセージのやり取りの中で、誠意あるご対応をして頂いたし、返品キャンセルにも応じて頂いたので、悪意のある方ではないのは分かる)

僕が初めて購入した製図用シャーペンの「グラフギア1000」も、店頭に裸で置いてあったものをそのまま購入しているので、色んな人がベタベタ触っているし、汚れも付いている。カチカチとノック部分を押しているので、擦れた跡も付いていただろう。

それを仮に一切使用せずに自宅で保管し、フリマアプリで売却するときに「新品未使用」と言っていいかは正直かなり悩ましい。確かに、使用はしていないかもしれないが、「新品」と呼べるほど綺麗じゃないからだ。

まあ、そんなことはどうでもいい。僕は、この経験を踏まえて、自分がこれから末永く使っていきたいと思っているのであれば、それはちゃんと正規に新品で買わないとダメだと猛省した。井上先生からそう叱責されている気がした。

はい。というわけで、「ステッドラー 925 25-09」はちゃんと正規に新品で買いました。井上先生。申し訳ございませんでした。

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ここから先は、使い心地のレビューを。

まず、ステッドラーの「0.9mm」については、当たり前だけど、グラフギア1000の「0.3mm」よりも、ハッキリとした太い線が描けるので、ざっくりとしたラフ絵を描くのに向いているという印象を受ける。

逆に言うと、細かい描き込みは出来ないので、「大きく全体のバランスを取ること」に集中することができ、アイデアラフ段階で使うシャーペンとしては、0.3mmよりもこっちの方が良いと感じた。

ラフ絵を描くなら、0.7mmでも良いような気もするが、それは僕が細い線に慣れすぎているからそう感じるだけであり、0.9mmを使い続けていけば、たぶんこの太さに慣れると思う。

あと、手に持った感触としてはローレット加工の持ち手部分が想像以上に良くて、ガッチリとホールドしてくれる感覚がある。また、全体的にグラフギア1000よりもスマートな印象を受けた。低重心設計なので、イラスト向きだし、ペン先の見やすさとか、そういう作り込みについても不満を感じない。

一方で、ペン先を収納できる構造になっているグラフギア1000の方が多機能だと思うけど、そのぶん重みやペン自体の長さがあって、スマートさを犠牲にしている。「スマートなデザイン性」をとるか、「機能性」をとるか・・・という感じだろうか。個人的にはどっちもアリだなと感じる。

次に、「2.0mm」について。

この太さについては、ぶっちゃけ「使い道なんてあるのか?」と疑問を抱きつつも、芯研器と併せて購入してみたところ、僕の中で「これはこれで使える」という結論に達した。

まず、芯を削らない状態であれば、出来ることは「0.9mm」とほとんど何も変わらず、アイデアラフ段階での使い道はない。こんなに太い字を書くこともないし、太さを出したいなら「0.9mm」で十分だからだ。

しかし、芯研器で削れば、「細さ」も出せるし、「塗る」という使い道も生まれる。

これが芯研器で削った状態。

2.0mmなのに、0.9mmよりも先が尖っていて細い。

しかも、芯をペン先から長く出しても、2.0mmであればそう簡単に折れないので、芯の側面を利用してシャーっと塗ることもできる。

いちいち削らないといけないのが難点だが、ほぼ鉛筆と同じことができるので、1本持っていれば便利だなーという感じ。

というわけで、僕が持っている製図用シャーペンを並べてみる。

上から「ステッドラー 925 25-20(2.0mm)」「ステッドラー 925 25-09(0.9mm)」「グラフギア1000(0.3mm)」。

それぞれに個性があって、使い分けるのがとても楽しい。「ここは0.3mmで細かく描きたい」とか、「0.9mmでざっくりとした形・アタリを取っていこう」とか、「2.0mmを使って濃淡のムラを出したい」とか、それぞれの特性を活かした描き分けができるし、アイデアラフの表現の幅も広がった気がする。

1本だけで済ませたいなら、「0.5」か「0.7」あたりを買うのが良いと思うけど、太さのバリエーションを持たせたいなら、こういうふうに「0.3」「0.9」「2.0」の3本を所持するのもアリなんじゃないかと思う。

そんなこんなで、「ステッドラー 925 25」のレビューでした。