日々の泡。 (original) (raw)

2024/9/28

「旅サラダ」観ながら朝食。神田正輝最終回グアム旅。いやー感慨深…くもない。でも旅番組は好きなのでちょくちょく見てた。神田正輝、一時のぼんやりした状態から最近はすっかり元気。グアムでも豪快にBBQしてた。あの肉美味そうだったなー。

で少し日記を書いてから散歩がてらユナイテッドシネマ大津まで。フードコートでルーロー飯食べ、黒沢清監督「cloud クラウド」観る。ネットで商品を売りさばく「転売ヤー」の吉井。冷徹かつ“真面目”に仕事に取り組む吉井だが、知らず知らずのうちに多くの人を陥れ傷つけている。やがて小さな憎悪や悪意が膨れ上がり一斉に吉井に襲い掛かる。ネット空間に溢れるゲーム感覚のヘイト、誹謗中傷、人の命すら奪う激しい悪意を物語に落とし込んだ現代の寓話。なんだかわからないまま見ている方も巻き込まれていく。不気味で不条理、それでいてエンタメ感のある面白さ。そうこれがやたらと面白いのだ。追い込まれていく菅田将暉。追い込められれば追い込められるほどにぞっとするような恐ろしさと同時に映画的な面白さに拍車がかかる。なんだか面白れぇーが物語への理解や共感を追い越していくのだ。

帰宅して日記。ちゃんと毎日書けばいいものだけどそれがなかなかできない。メモ書き見ながら1週間分を一気に書き進める。ま、誰に頼まれたものでもないけど。

NHK+で「あさイチ小泉今日子ゲスト回観る。俺たちのキョンキョン、最高。政治的な発言に関しても「今まで黙ってきて社会をこんな状態にしてしまった責任が自分にもあると思っている。どんな発言でもしていいんだと思ってもらう為に発言してる。」という趣旨の話をしていてその強い宣言に痺れる。キョンキョンはもうずっとかっこいい!

2024/9/29

今日は朝から京都へ。京都府庁旧本館で行われる寺尾紗穂のライブへ。新作「しゅー・しゃいん」リリースツアー。歴史ある建物での弾き語りライブ。「しゅー・しゃいん」は本当に素晴らしいアルバムですでに何度もリピートして聴いている。彼女の音楽はデビュー時から聴き続けているがより深く、より高くなっているように思う。ライブではよりストレートに言葉と音が伝わり、何度もグッと込み上げてくる瞬間があった。寺尾さんの歌は言ってしまえば全て愛の歌だと思う。戦争孤児、山谷の労働者、ウクライナの子供たち…生きとし生けるものすべてに向けられる愛の歌。生半可な優しさや癒しではない。地に足をつけて懸命に生きている人々を歌う気高く強く美しい愛の歌だ。父親が亡くなった時に作った歌だという「北へ向かう」。胸に強く響いた。

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夕方からの用事まで時間があったので映画。観たい映画いろいろあったんだがうまく時間合わず。アップリンクでちょうど上映時間だったドキュメンタリー映画「方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~」を観る。うーむ、対象に迫れてないという印象。80年代スキャンダラスな話題を集めた事件、追ってみたけど核心に触れられないままいなされちゃったというか、作り手も困ったんじゃないのかな。表層をなぞるだけで終わっちゃって、しょうがないので画作りで遊んでみましたみたいな…。

で京都駅で妻と合流。少し地下街を回ってから母、兄夫婦、娘夫婦と一緒に食事。兄は昔っから僕の娘、彼からしたら姪っ子に大変良くしてくれる。今回も娘夫婦に美味いもの食わしてやりたいと鮨屋を予約してくれたのだ。ありがたいことだ。皆で楽しくカウンターで美味しい鮨を味わう。下戸の僕に代って娘婿は叔父さん夫婦につきあってよく呑んでくれた。とてもいい奴なので娘の父としては安心だ。とにかく娘が健康で幸せであればそれでいい。

2024/9/30

今日から新しい朝ドラ「おむすび」。うむ、うーむ、いやまだわからない。

外回り。ランチ難民になりながら辿り着いたバーガーキング。寿司もいいけどチーズワッパーもね。食べ応えあり。もうマクドに戻れない。

夜、NHK+で「恋せぬふたり」。残り4話を一気見。高橋一生はやっぱり巧い。気持ちの良いラストだった。

2024/10/1

今日から10月。会社的には下期スタート。営業は月が終わればまた次の月。常に数字を背負わされ歩き続ける因果な商売。ネバーエンディングストーリーなのだ。本音を言えば、もう降りたい。生きるってきついなー。

夜、NHK+で「スイッチインタビュー 北野武×村山斉」観る。知的かつ面白い。数学への深い憧憬。数学を語るときの北野武はロマンチストだ。

2024/10/2

偏愛するK-POPグループ、LOVELYZが10周年。契約満了で今はそれぞれ別事務所でソロ活動中ながら10周年のライブが開催されるとのこと。解散、メンバー交代が日常茶飯事なK-POP界で不動のメンバーで10年を迎え事務所がバラバラになってもこうしてグループでコンサートを行えるのがいかに貴重なことか。久々のメンバー全員そろっての名曲メドレー動画に感涙。

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2024/10/3

雨。久々に徒歩通勤。町山さんや宇多丸さんの映画評を聴きながら。観たいものや聴きたいものがいろいろあるが時間がないな。

2024/10/4

午前中は家の用事で急遽休み。用事終えて午後から会社で一仕事。明日、明後日とハードな休日イベント仕事。朝も早いので金曜だというのに11時には就寝。日記も何んとなく薄味。

2024/9/21

7時起床。BSで朝ドラ再放送「オードリー」最終回。不思議なドラマだったなー。タイガー・ウォンのくだり、なんやったんやと思いwiki調べたら演じた菊池隆則(現・樋口隆則)はあのジョー樋口レフェリーの息子だった!

で今日は妻と出かける。京都のしょうざんまで「ホンモノラジオ」聴きながらドライブ。妻と僕は大学時代、クラシックギタークラブに所属していてそこで知り合った。妻は一つ上の先輩。妻にとっては同期で、僕にとっては先輩だったKさんが今年の1月に急逝された。今日はKさんを偲ぶ会へ夫婦二人で参加する。しょうざんは大学に近く当時はボーリング場があって時折クラブのみんなで遊びに来ていた場所だ。先輩、後輩20名ほどが集まる。よく会ってるメンバーもいれば30年ぶりに会う人もいる。思い出話に花を咲かせながら旧交を温める。Kさんはいつもニコニコとした無口な人だった。独特のフラがあって、皆のいじられ役。でも愛されてる人だった。Kさんの代と一つ下の僕らの代はやけに仲良かった。ギター部員としては落第者が多かったけど、夏合宿の演芸大会などでは力を発揮するタイプ。僕もそういうときは作・演出を嬉々としてやったもんだ。一部のメンバーとは卒業後もう30年経つが盆と正月には集まって飲んでいる。Kさんもいつもではないが度々来てくれて、コロナ明け久々にやった去年の飲み会にも来てくれていた。そして今年の夏の飲み会、誘いの連絡をしたI先輩がKさんの死を家族から知らされたのだ。そして改めて偲ぶ会を行うことが決まり今日となった。プロジェクターで懐かしい写真の数々が映し出される。若かりし頃のKさん、クラブの面々の写真。僕や妻も写っている。皆で懐かしい写真に笑い合う。そこには若くて、バカで、輝いている僕等がいた。今では禿げ頭に白髪頭、腹は出てるし皴も増えてる。でも想い出を共有して笑い合える仲間だ。

2次会は某有名寺院へ嫁がれた先輩の計らいで、地下にある大きな会議室を使わせてもらって持ち寄ったおつまみやお酒を飲みながら引き続きワイワイと。まるで学生時代のよう。妻も楽しそうである。

友達もおらず一人悶々としていた高校時代から一転、ギター部では趣味の合う友達や楽しい先輩たちに恵まれた。間違いなくその時間は「青春」といえるものだった。今まで閉じていた扉がバンバンと開いていく感覚を味わった。それは今も自分の支えになっている。

この先はさよならばかりが増えていくのだろう。でも胸には想い出が残っている。それでもう十分だなと思う。

夜、山田太一原作。宮藤官九郎脚本のドラマ「終わりに見た街」を観る。戦時中にタイムスリップした家族の物語。子供たちがすっかり感化されて「軍国少年・少女」になってしまう描写の恐ろしさ。悲劇的なラストもタモリ言うところの「新しい戦前」を強く感じさせる。

2024/9/22

朝から妻と買い物行って、肉の無いやきそばの昼食。それから一日かけてNETFLIXドラマ「極悪女王」を一気見する。80年代中頃一大ブームを巻き起こしたクラッシュギャルズ、そして極悪同盟を率いヴィランとしてクラッシュギャルズを追いこんだダンプ松本。まさにその時代、10代を過ごしたのでその世間の熱狂ぶりはよく知っている。女子プロレスという枠を超えた人気で、バラエティにドラマ、歌番組にCMまでその活躍はすさまじく、当時すでにサブカル者で世間の流行に斜めに接していた僕ですら連日のように彼女らの活躍を目にした。でドラマはあくまでフィクション。ビューティーペアのジャッキー佐藤に憧れる少女、松本香。田舎から出てきて強くなりたいと女子プロレスの門をくぐる空手少女、長与千種。同期の落ちこぼれ二人の友情と別れ道が主軸。そして彼女らを取り巻く全女の中の懲りない面々を描く群像劇。華々しくスター街道を駆け上がっていく長与の背中。眩しいその姿に打ちのめされ、追い込まれ松本香はダンプ松本として生まれ変わる。まるでジョーカーのように。長与千種ダンプ松本、光と影、裏と表のような二人。そしてそれぞれの中にも光と影、裏と表がある。心と身体に傷を負いながら時代を駆け抜けていく二人。また彼女らを取り巻く面々にもそれぞれの葛藤がありドラマがある。ジャッキー佐藤マキ上田の先駆者であるゆえの苦悩、ちょい先輩で実力はありながらもクラッシュやダンプに圧倒されていくジャガー横田デビル雅美、同期であるがゆえに途中離脱を選択するクレーン・ユウなどメインではないものの彼女たちの姿を見せることで、プロレスに生きた女性たちの積み重ねられた戦いの歴史が描かれていた。とても見応えのあるドラマだった。

松本香=ダンプ松本を演じるのはゆりあんレトリーバー。コントにならない一歩手前で無垢なチャーミングさと覚醒後の覚悟を持った強さを演じきっていた。クラッシュギャルズ長与千種役は唐田えりか。内に秘めた根性とまっすぐさ、そしてスター性。彼女自身とも重なる部分があり、立ち上がっていく様が美しかった。ライオネス飛鳥剛力彩芽。ちょっと引きの役ながら生真面目な雰囲気とジャイアントスイングが素晴らしかった。私服姿の80年代感も良く女優としての力を見直した。

ラスト、男どもをリングの外に追い出し、彼女たちは自分たちのために戦う。そこにはシスターフッド的な強い連帯と意志がある。グッときたなー。

写真は小学2年の時、太秦映画村にて。初めて観た芸能人はマキ上田だった。ドラマでは芋生悠が演じたマキ上田ジャッキー佐藤との引退をかけた試合の後、こうして地方回りをしてたのだな。

2024/9/23

休日。朝から妻に連れられ、近所の寺院でヨガ体験。柔軟性の無さに自分でも笑ってしまう。前屈などはもはや90度すら危ない。1時間ばかし体をほぐして、いったん帰宅し一人京都まで。

出町まで出て出町座で話題の映画、カールティク・スッバラージ監督「ジガルタンダ・ダブルX」を観る。警察官ながら小心者のキルバイ。不可解な殺人事件に巻き込まれ、犯人として捕まってしまう。牢屋から出る条件として悪徳警視ラトナクマールからギャングのボス、シーザー暗殺を命じられる。映画好きで自分を主役にした映画を製作しようとするシーザーに近づくために映画監督になりすましたキルバイ。シーザー主演、キルバイ監督による映画制作が始まる…とここまでが序章。西部劇に象殺し、シーザーとキルバイの因縁と芽生える友情。立ちはだかる巨悪。もちろんインド映画らしく歌にダンスも。虚であったはずの映画作りがやがて二人の運命を変えていく。戦いの代わりに歌とダンスを、銃の代わりにカメラを。ドラマチックな展開の中で、なぜ映画を撮るのか、なぜ歌い踊るのかを浮かび上がらせる。深い深い感動とともに僕らが映画を観、愛する理由が確かにそこにあるのだ。目くるめく物語と映像、そこのど真ん中に芸術が持つ真の力、意味がある。傑作。

でそのまま歩いて蛤御門のKBS京都まで。いつもリスナーとして聴いている「角田龍平の蛤御門のヘン」のゲストとしてお呼び頂く。昨年の12月に続いて2度目の出演。京滋最狂サブカルおじさんコンビとして放送作家の柳田光司さんとともに。しかし角田さんから出演の依頼があったのが2日前。さすがに心の準備がと思いつつ、角田さんからのお誘いを断る理由などない。やってやるよとスタジオへ。

収録前、収録中と話題は尽きず。前回よりは多少はリラックスできたかな。しかし角田さんと柳田さんの喋りが面白く、すっかりリスナーとして聴き入ってしまった。「極悪女王」を70年代落語家集団「ザ・パンダ」に落とし込む柳田さんの演芸男子ぶりが素晴らしかった。「極悪女王」について語るYouTubeなども数多くあるが、「ダンプ松本がまくっていく様は桂文珍と同じ」「ライオネス飛鳥のセカンドバックは八方師匠と同じ」さらには「西のジュリー=月亭八方」などというパワーワードが飛び出す「極悪女王」論は唯一無二だろう。アワアワしている僕に話を振ってくださる角田さんの気遣いにも感謝しかない。番組で話が出た映画は「YOLO百元の恋」「フジヤマコットントン」「ルックバック」「PERFECT DAYS」など。あと番組には入りきらなかったが裏では「虎に翼」や「団地のふたり」などドラマの話も。いつかまた機会があったら喋りたい。そして番組で紹介した一曲は寺尾紗穂「しゅー・しゃいん」。一人でも多くの人に聴いてもらいたい本気で思っている曲。どこかで誰かが気に入ってくれたら嬉しい。

radiko.jp

10/2までの視聴期間ですがよろしければお聴きください。言い淀みが多く、モゴモゴと活舌悪い私の喋りはともかく角田さんと柳田さんのトークは最高です。

2024/9/24

YouTube長与千種ダンプ松本ブル中野トークショーとか「極悪女王」関連色々見る。

2024/9/25

夜、某レセプションパーティーに出席。ホテルでの立食パーティ。いつもは上司と行くことが多く気を遣うばかりでほとんど食えないのだが、今日は後輩とだったので挨拶回りもそこそこに、喰うことに主体を置く。カレー、チャーハン、やきそばの炭水化物で腹を満たし、ローストビーフもしっかりゲット。ビールは飲まずウーロン茶とオレンジジュース。デザートまで平らげてやったぜ。

そんなこんなで「蛤御門のヘン」はリアタイできず。帰宅してからXをチェック。ちょっとは楽しんで頂けたようでホッとする。様々な感想を上げていただいてて嬉しい。僕なんかよりよっぽどいろんなものを観たり聴いたりしている方が多いのでおこがましさもある。何あれありがたい話だ。

2024/9/27

朝ドラ「虎に翼」最終回。最後の最後まで素晴らしいドラマだった!朝8時からの放送になった「ゲゲゲの女房」以降は毎朝ドラマ観てから家を出るのがルーティン。で自分の朝ドラベスト3は長らく「カーネーション」「あまちゃん」「ひよっこ」だったのだが、ついに「虎に翼」がベストに躍り出た。改憲を目論むきな臭い動きが現在、憲法の意味、その大切さと美しさをドラマとして強く描き切った。今までなかったことにされてきた人たちに光を当て、声なき声に耳を傾け、市井の人々に寄り添い、声を上げ続けることの大切さがしっかりと物語に込められていた。「石を穿つ雨だれ」の一粒一粒を抱きしめ、讃え、連帯を表明する。差別や戦争に正面切ってNoを突きつけ、声を上げ続ける。世界に届くメッセージをもった作品だったと思う。それでいてユーモラスでチャーミング。毎朝が楽しみなドラマだった。主演の伊藤沙莉は文句なし。彼女が主演だったからこそという面も大きかった。ラストの表情、1億点!帰宅してからNHK+でもう一回観ちゃった。

最近のドラマや映画で「コンプラばかりで面白くない」とか「多様性に気を使い過ぎて云々」という批評をする人たちがいる。コンプラなどなかった「昔は良かった」とか。でもそれって「昔は(自分にとって都合が)良かった」だけだろう。昔から様々な人がいた。マジョリティの傍若無人な振る舞いや言動に傷ついてきた人たちも大勢いたのだ。痛いという声を聞こえないふりして見て見ぬふりをしていただけじゃないのか。自戒も込めて言う。今までさんざん加害してきたくせに、今までさんざんマイノリティを踏みにじり殴りつけてきたくせに、ちょっと抵抗されただけで被害者面してんじゃねーよ。ただの差別野郎がクソ理論振りかざしてんじゃねーよ。と声を上げたい。

2024/9/14

7時起床。昨日の残りのチキンカツでカツサンドの朝食。朝からいつものごとくradikoで「蛤御門のヘン」聴きながら京都まで。まずは京都シネマで山中瑤子監督「ナミビアの砂漠」を観る。カナは優しいが刺激がないホンダと同棲中でありながら、刺激的なハヤシと二股中。常に空虚さをまといながら喉の渇きが潤せない状態のカナ。ホンダの家を出てハヤシと暮らし始めることに。だがそれでもカナには埋まらない何かがある。オープニングからのどこか太々しく投げやりに歩くカナの姿が印象的。で最初はイマドキの若者たちの恋愛模様かと乗り切れない部分があったのだがタイトルが出てからはこれいったいどこに連れていかれるの?という感じで映画に翻弄された。カナのいら立ちややるせなさ、怒りの矛先。それが何かはおっさんである僕には多分完全に理解することはできないだろうし、むしろその矛先に自分も入っているのだと思う。先日観た「ポライト・ソサエティ」をふと思い出した。あれは自分自身の「子宮を取り戻す」映画だった。主演は今を時めく河合優実。「あんのこと」「ルックバック」そして今作と2024年は河合優美イヤーであるな。印象的な歩くシーンをはじめ、やはり彼女が持つ身体性が良い。身体の動き、手足の使い方がちゃんと作品ごとに違っていて役に適切な体の動きをしている。そこはもう他に類を見ないというか、突出しているように思う。で映画の後は山中瑤子監督によるティーチイン。監督への質問も鋭いものが多く、勉強になった。「歩き方」についての質問には「北野武」の名前が出る。印象的な歩くシーンで想起したのは「その男、凶暴につき」だったので繋がった感じがしたな。「その女、凶暴につき」ともいえる作品でもあった。

で歩いて三条まで移動。時間も無かったので久々に「珍遊」でラーメンを掻っ込む。でMOVIXで話題の映画安田淳一監督「侍タイムスリッパー」を観る。会津藩士・高坂新左衛門は長州藩士を討つために京都へ。相手と剣を交えた瞬間雷鳴が。目が覚めると新左衛門は現代へタイムスリップしていた。それも時代劇の撮影所に…ってな話。設定的には比較的オーソドックスなタイムスリップもの。時代劇の撮影所で「役作りしすぎの役者」と勘違いされるコメディとして物語は始まっていくが、時代劇に魅せられた侍が、時代劇を救うことになっていく。そして途中で入るあるツイストで物語は一気に熱く激しく燃え上がり、ぐっと前のめりに惹き込まれる。名もなき者たち、そして忘れられ失われていくものへの鎮魂であり、それでもまだ終わりじゃない。例え小さな炎だとしても燃え続けるのだという溢れる熱い想いが滾る。主人公を演じる山口馬木也は朴訥と誠実な侍そのものにしか見えない。佇まいに古風な骨太さがあり素晴らしい。ベテラン俳優を演じる冨家ノリマサとの殺陣の迫力が映画というフィクションを越え、物語との奇跡的なシンクロを生む。そこには深い感動があり、映画をここまでの話題作にのし上げていったのだろう。エンドクレジット、監督である安田淳一の名前があらゆる役割でクレジットされているところから小人数、低予算で作られた映画だということがわかるが、映画内でヒロインである助監督役を演じた沙倉ゆうのが実際の助監督としてクレジットされているのには驚いた。インディーズ映画が口コミで話題を集め拡大公開されるパターンは「カメ止め」を彷彿とさせる。映画のタイプはまるで違うがともに人々を巻き込むだけの「熱量」がある。間違いなく今年観るべき映画の一本である。

夜、NHK+で「恋せぬ二人」1~4話まとめ観。本放送時、気になりながらも見損ねていたので。贔屓の岸井ゆきの主演。アロマンティック、アセクシャルな二人の物語。多様性の時代などというが、それは今まで多数派の人々が見ていなかった/見えていなかっただけで、昔から人々は多様だったのだ。気づかず、気にも留めず、無かったことにしていただけなのだ。傲慢な色眼鏡を捨て去らなければならない。脚本は「虎に翼」の吉田恵里香。「虎に翼」にも多くの「無かったことにされていた」人たちが出てくる。ずっとそこに「居た」のに。SNSなどではポリコレが云々…という輩がいるがポリコレなんて言葉があろうがなかろうが、彼ら/彼女らはずっと居た。それを知らずに傲慢に生きてきたことを恥じるべき。

2024/9/15

朝から妻はお出かけ。トーストとスクランブルエッグの朝食。午前中、NETFLIXで「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」観る。ちさととまひろ、殺し屋女子二人組のゆるーい生活とキレッキレのアクション。新鮮さがある二人のアクションは見応えあり。だが前作にも感じたんだがオフビートな二人の日常描写がちょっと僕にはトゥーマッチ。そこはちょっと合わないかも。

で京都まで出てもう一本。アップリンク京都にて奥山大史監督「ぼくのお日さま」を観る。吃音がある小学6年のタクヤ。同級生たちとアイスホッケーチームに入っているものの苦手。ある日スケートリンクフィギュアスケートのレッスンを受ける中学生のさくらに目と心を奪われる。誰もいなくなったスケートリンクでさくらの真似をしてスケートを練習し始める。その姿を見たさくらのコーチでかってフィギュアスケートの選手だった荒川はタクヤにスケートを教え始める。そしてタクヤとさくらのペアでアイスダンスに挑むことに。荒川にほのかな恋心を抱くさくら、さくらに初恋するタクヤ、同性の恋人と暮らす荒川、3人が過ごしたひと冬の物語。淡くやわらかな光、少ない台詞と繊細な視線。甘くでもひどく苦い忘れ得ぬ日々。素晴らしかった。幼い二人の純粋さとそれゆえの残酷さ。Zombiesの「Going Out of My Head」をバックに3人が冬の湖で遊ぶシーン。美しく尊い冬の一日。恋人と過ごす荒川の姿を遠くに見かけたさくら。幼く小さな心の痛みが残酷な言葉となる。そして美しく尊い冬の一日は儚くも消えてしまう。幼い二人はやがて知るだろう、胸の痛みの意味を。そして月日が流れそれぞれがそれぞれの「忘れ得ぬ人」になることを。僕にとっても「忘れ得ぬ映画」となった。

東京ポッド許可局の「忘れ得ぬ人々」のコーナーが好きだ。人生の中で交差した人々。今はもう会うこともない人、だけど決して忘れられない人。いつまでも胸に刺さって抜けないエピソード、あれはいったい何だったんだというバカバカしいエピソードなどいつも楽しく聞いている。大人になったさくらが荒川やタクヤとの日々を綴ったメールを、サンキュータツオが読むところまでを夢想する。

映画観終わりなんか食べようかと迷っている内に大津まで帰ってきてしまう。結局、駅前の平和堂で「極旨いなりずし」。甘さにコクがあって美味しいのだ。帰宅しインスタントのざるそばといっしょに食べる。

フィルムエストTVのYouTubeチャンネルにUPされた友近サスペンス劇場「外湯巡りミステリー・道後ストリップ嬢連続殺人」観る。友近扮するライターとモグライダー芝扮するカメラマンが道後温泉で殺人事件に巻き込まれ…と昭和の2時間サスペンスあるあるを目いっぱい詰め込み、CMや主題歌、クレジットに至るまで凝りに凝った動画。VHSビデオの質感、再生する感じまでの再現具合が素晴らしい。エアコンのCMからの入りに爆笑する。

夜は久々にスパイスカレーを作る。トマト缶の酸味がなかなかうまく飛ばせない。

夜は録画したNHKのドラマを。「団地のふたり」大好き。永遠に観ていたい。「Shrink-精神科医ヨワイ-」最終話は「パーソナリティ症」。感情のコントロールがうまくできない風花が今回の患者。まるで相手を試すように揺さぶり感情をぶつける。確かにたまにこういう人に出会う。極端なアメとムチで相手を翻弄し人を動かそうとする人。対応に疲れて関わらないでおこうとしてしまう。一つの病なのだな。

2024/9/16

祝日。今日もやっぱり映画。出町まで出て出町座で久野瑤子・山下敦弘監督「化け猫あんずちゃん」を観る。母を亡くして父と二人暮らしの11歳の少女かりん。借金に追われる父とともに父の実家である古寺にやってくる。しばらく寺に預けられることになったかりんはそこで人間の言葉を話すおっさん化け猫あんずちゃんと出会う。当たり前のようにバイクにまたがり寺の下働きをするあんずちゃん。和尚さんに頼まれかりんの世話役に。グータラでデタラメ、おっさん丸出しのあんずちゃんと生意気でどこか冷めたかりんが繰り広げる冒険活劇!ゆるい二人の日常とかえるやたぬきといった愉快な仲間、そして地獄での大冒険が楽しい。少女の成長譚でもあり、笑い、泣き、元気になる。夏休みに繰り返しテレビでやってほしいような楽しくも心に残るアニメだった。

いつものパン屋が休みだったので今出川まで出てコメダで昼食。アイスコーヒーと月見バーガー

折角京都まで出てるので伊勢丹でやってるブラックジャック展を観に行く。これが想像以上のボリューム。テーマ別にストーリー紹介に加え原画の数々を展示。とにかく原画が美しい。直線、曲線、タイトルの書き文字、もちろんキャラクターの表情一つ一つ。完璧なレイアウト、完璧なデザイン、完璧な絵。そして20ページで展開される物語の独創性と多様性。考えてみれば物語を作る能力と絵を描く能力は全く別のはず。それがここまで高い位置で融合しているとは。手塚治虫が天才だということは小学生の頃からわかってはいたが、改めてひとまとめに観て天才としか言いようがないと思う。気が付けば3時間。濃厚な展示だった。

2024/9/17

大学生の頃に買った「ブラックジャック」愛蔵版全12巻を段ボールから出して久々に読み返す。週刊ペースでこれだけの物語。改めて凄いとしか言いようがない。子供の頃、寝る前に1冊漫画を読むのが習慣だった。枕元にスタンドを置いて、ポケットラジオを聴きながらお気に入りの漫画本を読む。今週はパイレーツを1巻からとか今週はDr.スランプだなんて。久しぶりにスマホを置いて寝る前に読もう。

2024/9/19

外回りで近江八幡まで出たので滋賀で唯一のバーミヤンで昼食。タブレットで注文し、ロボットが配膳し支払いもセルフ。味気ないとは言わない。チャーハンは美味しかった。にしても暑いな。9月も下旬に突入なのにカーエアコンも全開。9月が涼しかったのはもう昭和の話だ。

NHK+で「クローズアップ現代」ミッドライフクライシス-小泉今日子と考える老いを観る。おい、おい、老い、まさに自分の話だ。身体にはガタがきて、心が晴れることもない。今の暮らしは不満なわけでもないが、満足してるわけでもない。かといって何かを始める気力はないし、未来は不安だらけ。おい、おい、老い、冗談じゃねーよと笑い飛ばしたいもんだ。

2024/9/20

午後休で病院。3か月に一度の高血圧検診。診察時間はわずか3分ほどなのだが、大病院なので血液検査から始まってとにかく待ち時間が長い。薬処方してもらって結局2時間ほど。帰りに商店街の床屋へ。今週からは日曜、祝日に加え土曜も休みになるのだとか。どこともに人手不足のよう。

夜はひたすら日記を書くが書ききれず。

2024/9/7

朝からYouTube流しながらひたすら日記を書く。昼は明太子のパスタ。混ぜるだけのヤツ。それから妻と一緒に自転車にのって近くの市民会館まで。吉本新喜劇65周年ツアー。妻が抽選でチケット当たったので。漫才は令和ロマン、ミキ、銀シャリ、ななまがり、テンダラーとなかなか豪華なメンツ。ミキが爆笑をかっさらっていて、舞台での強さを感じたな。で新喜劇はすっちー、吉田裕、内場勝則、未知やすえ、島田一の介、浅香あき恵とこちらも佳きメンバー。新座長の吉田裕や島田一の介岡田直子などを翻弄しながら遊びを入れていくすっちー座長、さすがに面白い。夫婦役を演じる内場、やすえ実夫婦が余裕たっぷり安定の新喜劇芝居も良かった。たっぷり2時間呑気に笑わせてもらったなー。帰りに近くにできたお洒落マカロン店で自家製アイス買って湖岸で食べる。しかしこの暑さで湖からは腐った藻の匂いが漂い、一人下手糞なラップを練習してる兄ちゃんが居たりで、優雅にアイスを食べる雰囲気じゃなかったな。そんなことを笑いながら妻と帰宅。

録画していたNHKBSのドラマ「団地のふたり」観る。小泉今日子小林聡美が団地住まいの同級生役。スーパーアイドル・キョンキョンと「転校生」の小林聡美。昭和45年男には特別な二人が楽しそうに肩の力を抜いて今の年齢で演じる。地に足がついた二人が演じる「生活」。良い。すごく良い。優しく緩やかな繋がり、連帯。自分もそうなんだがおっさんの場合、こういう繋がりってなかなか無くて孤独に陥りやすい。学生時代からの気の合う友達も数人いるが年々会うことは減っていく。盆と正月に飲むぐらい。大人になってからは知人は増えても友達は増えない。そして目の前にはサヨナラだけが増えていく。

2024/9/8

ちょっと寝坊。9時起床。いつものごとく妻と買い物。今日も暑い。

日曜の午後はひたすらダラダラ。マルコポロリ観て、「新宿野戦病院」観て、読売の漫才番組。チュートリアルの漫才が劇的に面白かったな。ブラマヨとの共演、吉田と徳井の甘噛みあいが楽しい。

2024/9/9

朝ドラ「オードリー」。週があけると一気に時間が経過している朝ドラあるある。だが、さすがに一気に18年は凄い。ツルツル、ピチピチのオードリーが「私もう46よ」だって。面白過ぎるやろ。

で一気に12時間経過して夜、NHK+でドラマ「Shrink―精神科医ヨワイ―」観る。2話は双極症。ハードな仕事と強い責任感の果てに躁と鬱を激しく行き来することになるラーメン店の店長。病気の診断後も病気を受け入れることができないでいる。本人も家族も傷つき、様々な関係を壊してしまう。物語の中で病気への理解を促し、受け入れ治療していくことの大切さを説く。病気の辛さが伝わり観ていて少し苦しくなるが、この苦しさを知ることが大切なのだろう。

2024/9/10

夜、仕事絡みで酒席。一番下っ端なので気を使いつつ、普段食べられないような美味しいものにありつく。あーもっと味わって喰いたかった。しかし久々のビールと食べ馴れないものを食べたせいか帰りの電車でお腹がグルグル。駅から早歩きで帰宅しトイレに駆け込む。いったん収まり風呂入るもそのタイミングでまたお腹が…。括約筋に力を籠め急いで体を洗い、湯船に一瞬浸かって風呂あがってタオルで身体を拭いてそのまままたトイレに駆け込む。今だけは南海トラフ地震が起こらないで欲しいと思う。全裸でトイレはあまりに心もとない。それにしてもこの姿、ありのままにも程がある。これぞ剥き出し、丸出しの「THE 人間」である。

2024/9/11

蒸し蒸しと暑い日々が続く。なんだかひどく疲れて10時過ぎには寝てしまう。気圧の変化か。夜中の酷い雨音に目が覚める。

2024/9/12

NHK+でドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」観る。美保純演じる芳子ばあさんメイン回に涙涙。皆が皆そうだとは言わないけど、親として子供の闘病ほど辛いことはない。心の底から変わってやりたいと思う。

2024/9/13

仕事で大阪。ゆっくりランチは梅田でのつもりだったが、結局あまり時間もなく悩んだ末にSUBWAY。何回チャレンジしてもスマートな注文ができず、ドギマギしながら言われるがままに玉子とエビのサンドイッチ。ポテトとドリンクもつけて結果890円。なんんか思ってたんと違う。シミュレーションでは690円のはずだったんだが…ま、美味しいんだけど。注文する前に講習を受けさせて欲しい。

帰って「新宿野戦病院」最終回を。大傑作とは言わないが、なんだかんだでクドカンは信用できる。面白いだけで終わらないものを残してくれる。

2024/8/31

7時起床。台風が近いということで本日は一日自宅。朝のうちに日記を書いて、妻とそうめんの昼食。TVで今田耕司司会のトークバラエティ。なぜか自民党総裁選の話題で、誰がふさわしいかなんてトーク。吉本勢がこぞってあげたのが高市。うんざりしてテレビを消す。ダメだこりゃ。

アマプラでチャン・ユジョン監督「正直政治家チュ・サンスク」観る。志を持って政治家になったものの、今ではすっかり嘘をつくのにも慣れ、きれいごとを並べて政治家生活を送るチュ・サンスク。そんな彼女がある日突然嘘をつけなくなってしまった為に起こる騒動を描くコメディ。基本ベタなギャグで推し進めるのだが、社会風刺もしっかり入れ込むあたりは韓国映画。笑いの中に政治家のあるべき姿とは何かを説く。堅苦しいところは全くないけど、権力者、力のある者を茶化し糾弾する姿勢が根底にある。主演は脇役として長く映画やテレビドラマを支えたラ・ミラン。50代の女優、それも長く脇を務めてきた人がキャリアを重ね主演を張る。韓国映画を長く観続けると、そんな俳優たちのキャリアを重ねる過程を観ることができるのもまた楽しみの一つである。

夜。TV「博士ちゃん」で昭和歌謡の特集。野口五郎がランクに入って涙ぐむ五郎ファンの中学生。こうして時代を越えて愛されるっていいな。野口五郎本人が観たら嬉し泣きしちゃうだろう。しかし石原裕次郎美空ひばりが死んだ年齢をすっかり超えてしまってんだな。

24時間TVは基本的に観ることはないけど欽ちゃんドラマだけはチェック。欽ちゃんが視聴率100%男だった頃は僕が小学生~中学生の頃。「欽ドン」「欽どこ」「欽曜日」が曲の垣根を越えて特番やったりしてね。MCU(マーベルシネマティックユニバース)ならぬKFU(欽ちゃんファミリーユニバース)って感じで興奮したなー。でそんな天下人だった欽ちゃんを引きずり下ろしたのがビートたけし。危険で刺激的なたけしに思春期を迎えた僕も完全に寝返ったけどね。でも小林信彦「日本の喜劇人」を読んでたこともあり、世間一般に思われていた「欽ちゃん=ほっこり優しい笑い」は欽ちゃんの本質ではなく、その本質は「狂気のお笑いアナーキスト」だという認識はあって、やっぱりそういう面で気になる人ではあるのだ。再現ドラマは「心温まる物語」にまとめてるんだけど、一個一個のエピソードを考えるとやっぱりどっか狂ってる。ドラマ前後に付けられた欽ちゃんとその息子たちの会話も興味深い。心温まらない、狂気の欽ちゃん物語をNETFLIXあたりで作ってもらいたいな。

2024/9/1

8時起床。とりあえず台風は行ったのか。妻は朝から出かけたのでアマプラで東かほり監督「ほとぼりメルトサウンド」を観る。かって祖母が住んでいた空き家を訪れたコト。庭に勝手に段ボールハウスを建て暮らしていたのは老人タケ。彼は様々な「街の音」をテープレコーダーで録音しては土に埋めていた。失われていく街の記憶を巡る物語。とはいえストーリーはあるような、ないような。街の音を録音する老人、タケを演じるのは鈴木慶一。ライダーズファンとしては当然「テープレコーダー/自分の声入れて/土の中に/埋める」と歌われる「夢が見れる機械が欲しい」を想起する。目まぐるしく変わり過ぎてゆく時間の渦に取り残され、立ちすくむ男の歌。監督はこの曲のことは知らなかったらしいが、通ずるものを感じた。

午後、帰ってきた妻といっしょにユナイテッドシネマまで塚原あゆ子監督、野木亜紀子脚本「ラストマイル」観に行く。同監督、脚本によるドラマ「アンナチュラル」「MIU404」とつながるシェアード・ユニバース・ムービー。ま、「欽ドン」「欽どこ」「欽曜日」みたいなもんか。巨大ショッピングサイトの配送センターから発送された段ボールが爆発。そして連続爆破事件に発展していく。仕掛けられた爆弾は一体誰が、何のために。事件を巡るミステリーが主軸という訳ではなく、やはり野木亜紀子脚本らしくその背景、事件を生む出した社会構造を炙り出していく。「すべてはお客様の為に」そんな言葉が呪縛となって、より過剰になっていく社会、肥大化していく経済。その中で押しつぶされていく人々。利益は上へ上へと、負担は下へ下へと流れていく。これって何かおかしくないか。そう思っても止まることのないベルトコンベアー。映画は立ち止まり抗おうとする人々に寄り添う。「アンナチュラル」「MIU404」がそうであったように。事件は解決するが問題は解決しない。映画は問題を提議する。映画の中で不条理な社会構造に声を上げる人達がいたように、映画が「それっておかしくないか」と声を上げる。その先は映画館を出た後の僕たちにかかってくる。ほろ苦い映画である。すっきりとはしない。だがそこに意味がある。すっきりなんかさせない、わかった気になんかさせない、あなたもまた当事者なのだと突きつける強い意志がある。そしてそれと同時に社会の中で懸命に働く声なき小さな人々への敬意が込められている。

満島ひかり岡田将生と今考えうる最良の俳優、「アンナチュラル」「MIU404」チームの豪華な助演。まごうことなきエンタメ大作でありながら、どこかケン・ローチ作品やイ・チャンドン作品を想起させる社会派ドラマ。その志が嬉しい。

2024/9/3

仕事で大阪のなかもずまで。初なかもず。結構遠いな。商談を終え遅めのランチは「なかもず ランチ」で検索して見つけた町の洋食屋でロースカツとハンバーグの豪華定食。奮発して1500円。少し薄めのロースかつにふんわり柔らかハンバーグにたっぷりとデミグラスソースを絡める。豚汁にご飯、付け合わせの千切りキャベツはたっぷり山盛り。美味い!

小沢健二「LIFE」を聴く。再現ライブでTLが賑やかだったので、久しぶりに。フリッパーズギターが解散したのはちょうど就職活動をしている頃。そんなタイミングもあって青春の終わりを強く感じたものだ。社会人になって最初の夏に小沢健二はソロデビューする。デビューシングル「天気読み」、そしてデビューアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」。フリッパーズギター時代とは打って変わってシンプルで自然体な歌とサウンド。新鮮な驚きと同時に一気に心を掴まれた。当時どれだけ聴いたかわからない。そしてブギーバックを挟んでセカンド「LIFE」。歌い方も変わって1stよりポップでキャッチー。小沢健二はTVでの露出も増えて、王子様キャラで一般的な人気も博していた。その頃は自分はズタボロのドブネズミみたいなサラリーマン生活に突入。レンタカーで地方を回り、時に名刺を投げられながら不慣れで苦手な営業仕事に心を踏み潰されていた。キラキラした世界とはまるで縁のない灰色の生活だ。でも「LIFE」は嫌いじゃなかった。いやむしろ大好きで録音したカセットテープを出張に持っていってレンタカーのカーステレオで流しながら営業回りしたもんだ。キラキラとした心躍るポップミュージック。でもその音楽は僕にはとても誠実に感じられた。自分に対して、世界に対して、音楽に対して。嘘や偽りがなく、音楽に真正面から向き合い、誠心誠意、誠実に作られた音楽だと感じることができた。30年経って聴いてみてもやっぱりそう思う。ノイズに邪魔されることなくまっすぐに今も胸に届く。いやーしかし30年かよ、そりゃ50肩にもなるぜ。会社や肩書きこそ変わったが、いまだに不慣れで苦手な営業回りやってるってどうなのよ。まー心も体もだいぶ図太くはなったけどなー。

2024/9/4

会議に外回りに打ち合わせにと今日もバタバタ一日が過ぎる。それでもこうして何とか生きてるぜ。これが俺の「LIFE」だからな。

2024/9/5

昼は営業途中で部下となか卯でランチ。親子丼と冷たいハイカラうどんの小。安定安心の組み合わせ。親子丼は今日も美味かった。で明日は夏休みとってるので必死に仕事を片付け。って、ま、片付かないんだけど、とりあえず応急処置して終了。

YouTube吉田豪「豪の部屋」水道橋博士ゲスト回を観る。長く付き合いのある二人が、本やグッズに囲まれた「男の夢」が詰まった部屋で二人きりで語り合う。結婚話からビートたけし甲本ヒロト百瀬博教爆笑問題東浩紀秋元康などなどのキーワードでじっくりと会話。「藝人春秋」のタネ。というかここでの会話を再構築すればもう一冊「藝人春秋」が出来上がりそう。博士さん言うところの「ドブ側」の人間なのでそりゃ面白い。考えたらそもそも吉田豪という名前を知ったのも博士の日記からだ。「男気万字固め」を購入し読んだのは2001年7月下旬(20年以上日記書いてるとこういうデータベースがすぐ出てくる)。さすがに仕事量がとんでもないので全ては追えないが、同じ1970年生まれである「吉田豪」の仕事は常にチェック対象ではある。

しかし自分は50を過ぎても映画や音楽に夢中。車もゴルフもましてや株なんかにはまるで興味がない。美女のいる店で飲みたいとも思わないし、高級料亭なんて遠い世界の話だ。通勤中にラジオを聴いて、仕事の合間に本を読んで、たまのランチはなか卯の親子丼、休日には1、2本映画、数か月に一度は観劇やコンサートに行く。好きなバンドはムーンライダーズで、好きな芸人は水道橋博士太田光町山智浩宇多丸の映画評を参考にして、吉田豪のリポストで情報を得る…って完全にこっち側。

2024/9/6

夏休みをとる。7時起床。いつものごとくBSで朝ドラ再放送「オードリー」。影の薄い主人公、濃すぎるサブストーリー、長嶋一茂の棒演技…もはや何のドラマかさっぱりわからん。タイガー・ウォンの話、要る?ま、そこが面白いんだけど。

朝ドラ「虎に翼」、自分の中では殿堂入り。過去を描きながら現在を浮き彫りにしている。原爆裁判の判決に、ガザの今が重なる。続いての「あさイチ」では伊藤沙莉がゲスト。寅子を寅子たらしめたのは彼女の演技があってこそ。最近はもうタイトルバックの最後、ぱっと手を広げてカメラに向けられる表情だけで泣けてくる。

radikoで「蛤御門のヘン」聴きながら京都まで。京阪で三条まで出てMOVIXへ。まずはニダ・マンズール監督「ポライト・ソサエティ」を観る。 パキスタン系イギリス人のムスリム家庭に生まれ、スタントウーマンを夢見る女子高生リアが主人公。芸術家志望で仲良しの姉リーナが結婚することに。大富豪と結婚し海外に行くという姉の結婚に納得いかないリア。そしてその結婚の裏にある陰謀があることを知り…。いやーこれは最高だった!ポップでキッチュ、カンフー+ボリウッドというルックの新しさ、浅川マキまで飛び出すいかした音楽、テンポよく見せていく編集、詰め込まれたユーモアに胸のすくラスト。自分の子宮は自分のもの。愛は子宮を救うという女性たちの連携。過去に女性たちが押し付けられてきた不条理を断ち切り、新しい世界に飛び出していこうというパワフルなメッセージが物語からはみ出している。リアの不屈のアクション、そしてリアの友人たちの大活躍ぶりも最高。楽しくて元気になるフレッシュな青春映画。これは多くの人に勧めたいなー。

続いてMOVIX内8番スクリーンから6番スクリーンに移動してキム・ソンシク監督「憑依」を観る霊が視えないインチキ祈祷師のチョンと相棒のインベ。そこに霊が視えるユギョンから悪霊に憑りつかれた妹を救って欲しいと依頼が。悪霊との死闘の中、チョンの隠されていた過去が露わになって…。カン・ドンウォンのかっこいいポスタービジュアルから真面目なサスペンスホラーかと思ったら、Webコミック原作のコメディ風味の大エンタメ作だった。監督はポン・ジュノ監督ヤパク・チャヌク監督の下、助監督を務めていたのだとか。オープニングシークエンス、チョンとインベが除霊に訪れる「パラサイト」風の大豪邸。現れた豪邸に暮らす夫婦のキャスティングでつかみはOK。大胆かつベタベタなパロディに爆笑。気もほぐれたところで、ファンタジーエンタメアクション大作に突入していく。カン・ドンウォンとイ・ドンフィのバディに加え、名脇役キム・ジョンス、依頼人の美女ユギョンは僕も贔屓のイ・ソム。なぜかBLACKPINKのジスまで登場するやたら豪華な出演陣、続編作る気満々のラストと肩ひじ張らずに楽しめた。

烏丸御池まで移動。次の映画までにマクド月見バーガーで腹ごしらえ。最近すっかりバーガーキング派なのでたまにマクド食べるとバーガーの小ささに驚く。こんなに小さかったっけ。

アップリンク京都にて、本日3本目カン・ジェギュ監督「ボストン1947」を観る。1936年、ベルリンオリンピックのマラソン競技。日本が得た金メダルと銅メダル。金メダルを得たのはソン・ギジョン、銅メダルを得たのはナム・スンニョン。植民地時代であった為、彼らは日本名で日本代表として日章旗をつけての出場であった。そして戦争が終わり韓国は日本から解放されたが、ギジョンが打ち出した世界記録は今も日本の記録とされていた。そして1947年ボストンオリンピック。祖国の誇りをかけて、若きランナー、ソ・ユンボクとともに再び金メダルを目指す二人。歴史に翻弄されたマラソンランナーが、再び立ち上がるワンスアゲインの物語であり、若きランナーに未来を託す継承の物語。その上、熱きスポーツ映画であり戦中、戦後を描く近現代史ものでもある。祖国の英雄でありながらも、「韓国人」として金メダルを獲得できなかったことを悔やみ、やさぐれていたギジョンが、盟友であるスンニョンとともにボストンオリンピックの出場権を得るために奔走。その姿を描きながら徐々に熱を上げていき、辿り着いたボストンでのマラソンシーンで一気に熱が燃え上がる。まるで実際のマラソンを観てるかのような臨場感を持ったシーンは歴史をわかっていても熱くならざるを得ない力があった。過去の栄光と後悔、複雑な気持ちを抱えながら、祖国、そしてマラソンに対する熱き想いを再び燃やすソン・ギジョンを無骨に繊細に演じるのはハ・ジョンウ。さすがの名優ぶり。常に前向きにギジョンを鼓舞し支えるナム・スンニョンをユーモラスに演じたぺ・ソンウは今作のMVP。そして若き天才ランナー、ユンボクを演じるのはイム・シワン。走る姿の美しさ、誰もが彼の雄姿に拍手を送るだろう。で実録物のお約束、最後は実際の写真と俳優が並び、その後の人生が紹介される。なんとギジョン、スンニョン、ユンボクともまさかの90越えで天寿を全うのご長寿ぶり。マラソン、身体にいい説を立証。気持ちの良い映画だった。

夜、NHK+でドラマ「Shrink」を観る。精神科医の弱井と彼のもとを訪れる人々の物語。第一話では「パニック症」について丁寧に描いていて見入る。心の病気ではなく脳の誤作動が生み出す症状であることを理解するだけでも、随分救われる人がいると思う。

2024/8/24

少し寝坊。8時半起床。旅サラダ観つつ朝食。新聞をゆっくり読み、少し日記を書いて出かける。ま、いつものごとく映画。今日はJRで桂川まで出て桂川イオンシネマまで。あまり行かない映画館なのだが電車一本、20分弱で駅直結だからMOVIXより近いな。

でキム・ソンス監督「ソウルの春」を観る。朴正煕暗殺後、全斗煥が起こしたクーデター。韓国近代史の中でも最悪の結果をもたらしたまさに負の歴史を、国を守ろうとした首都警備司令官イ・テンシンと秘密組織「ハナ会」を率い、私利私欲の為に国を乗っ取ろうと動く保安司令官チョン・ドゥグァンの一夜の攻防を描くことで炙り出す。愚直なまでに生真面目な善と、狡猾で人たらしの悪がシーソーゲームの果てに最悪の結末に辿り着く。史実に基づいているのだから結果はもう出ている。だけど緊張感が途切れることはなく、ありえない歴史のifを求めてしまう。前段をサクッとスピーディーかつしっかりわかるように見せ、映画のほとんどを一夜の攻防に割く。信念より保身、周りの者たちはいともたやすく寝返り、たった一夜で形勢は逆転、国の形が変わってしまう。あまりに切なく、後味の悪いラスト。映画はこの苦さを忘れてはならないと強烈なメッセージを残す。

全斗煥=チョン・ドゥグァンを演じるのは我らが兄貴、ファン・ジョンミン。嘘、ハッタリ、恫喝、泣き落としと巧みに軍人たちを懐柔していく憎らしさ。最高に最低で最悪。国も民も頭にない、ただ権力を得ることだけが目的だから嘘や裏切りに躊躇がない男。まごうことなき悪人なのに、皆が巻き込まれてしまうのも無理はないと思わせるカリスマ性。ファン・ジョンミンだからこその説得力に唸る。対するチョン・ウソンもまた愚直な正義を体現する。ぶれない信念ゆえに地獄を味わう。監督の前作「アシュラ」に続く二人の対決。前作以上に見応えあり。

しかし自国の負の歴史をここまではっきりと描き、政治的なんて程度ではなく政治に直結する話を映画にしそれが大ヒットする。この歴史を忘れるなという強いメッセージを発する映画人、それを受け止める観客。いつか我が国もそうなれるだろうか。私利私欲に突き動かされ、権力を得ることだけが目的のチョン・ドゥグァン。国も民も眼中になく、嘘をつくことに何ら躊躇もない。最低最悪のクソ野郎なんだが、この劣化版のミニチュア版みたいな政治家が今の日本にはウヨウヨと溢れている。金儲けの手段として政治家になる。私腹を肥やすためにまずは権力を得ようとする。裏金議員におねだり知事、さらにその予備軍みたいな輩たち。隣国の過去が我が国の未来になる。そんな岐路に僕たちは立っている。

映画の後、少し遅めの昼食。3階の巨大フードコート、2階のこれまた巨大なレストラン街をいったりきたり。決断力なさ過ぎて30分悩む。親子丼か、カツ丼か、はたまたうどん、それともパスタかラーメン。リッチにステーキ?あるいは定食系。寄せては返す波のように、あぁ揺れる親父心。

で結局、インドカレーにしてやんの。サラダとドリンク付きで800円。ナンなんだそりゃ。

食事後腹ごなしに巨大イオンモール内を散歩。献血車が来ているのを見て衝動的に献血。実は初体験。ずっとやりたいと思ってたのに、今の今までやってなかった。決断力に加え実行力もない男。53歳、真夏の大冒険。ということで200mlいいや400mlで。諸々手続きしていざ献血。15分後、すっきりした気持ちで献血車から出てジュースを飲んでクールダウン。これからは年に一回は献血しよう。

2024/8/25

いつものごとく妻と買い物。行きつけのスーパーは先日のリニューアルで魚屋が充実。その場で裁いているので新鮮な4匹分の鯛のアラが390円で手に入った。

昼はキャベツを消化すべく焼きそば。麺を単独でしっかり焼いて、炒めた具材、ソースと最後に合わせるスタイル。これで作ると確実に美味しく出来上がる。

午後は満腹でうつらうつらと午睡しつつ「マルコポロリ」に今週分の「新宿野戦病院」。複雑に絡む人間関係を笑いをまぶしてスムーズに見せていく群像劇にして人情喜劇。やっぱりクドカンドラマ好きだなー。

買ってきた鯛のアラでアラ煮。下準備が少々手間だが、酒と醤油とみりん、砂糖でひたすら煮れば確実に美味しくできるし間違いない。時間をかけてぐつぐつ煮込む。

2024/8/27

台風が来そうで来ない。古いHPの奥底にあった98年の日記をブログにこつこつと移設。26年前の自分は何を書いていたか。果たしてそれは…今とほとんど同じことだったという。決断力、実行力そして成長の無い男なのだ。

popholic.hatenablog.com

2024/8/28

会議2本こなし、諸々仕事。月末は数字とにらめっこして胃を痛める。

昼の読書タイム。片岡義男小西康陽「僕らのヒットパレード」読了。これももう10年以上前に買った本。昼休みの30分で積読本を一冊一冊潰していっている。束の間の現実逃避、自分が何が好きなのかを忘れないためにも。で「僕らのヒットパレード」は片岡義男小西康陽がレコードへの偏愛を綴るバラエティブック。それぞれのエッセイや対談。二人の深い知識とレコードを買うことへの偏愛、なによりそれを綴る文章が美しい。僕がこうして日記、文章を書くにあたり大きな影響を受けた人が4人いる。その内の一人は小西康陽さん。高校生の頃に愛読した音楽誌「テッチー」での連載。「THE GREATEST HITS」。音楽や映画、本などその時々の自分にヒットしたものを紹介するコラム。雑誌廃刊後も「ターザン」「ガリバー」「ブルータス」と雑誌を渡り歩き書き綴られた連載にどれだけ影響されたか。紹介されたレコードをメモっては京都まで買い出しに行ったりしていたが、何より影響を受けたのはその文章にだった。容易な言葉で、リズム良く、クールな中にユーモアがあって、それでいて時々ひどく感傷的。1996年に刊行された「これは恋ではない 小西康陽のコラム1984-1996」は自分にとってはバイブルの一つである。

2024/8/29

台風が来そうで来ない。予定されていたアポも延期。

帰宅して諸々用事済ませて、寝るまでの2時間ほどが自由時間。美酢のソーダ割を飲みながらYouTubeなどを観る。しかし毎晩、韓国の音楽番組やらをチェックしては「後で観る」にチェックつけてたらその数が上限の5000までになってしまった。ので最近は古いものをずっと流し続けて観ている。今やっと4000ほどに減ったが4年前の(韓国の音楽番組)「MUSIC BANK」や「M COUNTDOWN」を観ている始末。移り変わり激しいK-POP界隈、すでに解散したグループも多い。APRILとか観てるとちょっと寂しくなるな。もちろん並行して最新のもチェック。fromis_9やMAMAMOOのムンビョルの新曲、今やベテラングループのOH MY GIRLの新曲も悪くないね。

2024/8/30

朝、日が照ってるのに小雨が降る。徒歩通勤、汗と雨で不快指数100%。台風はまだ来ない。別に来て欲しいわけじゃないが。外はずっと曇り空。金曜の夜だというのに特に予定もなく。っていつもないけど。台風に備えて早々に帰宅。野良猫のチャ坊は夕方にやってきて一晩泊まって、朝飯喰って出ていくというパターン。帰るとソファを一人(一匹)占めしている。体を撫でてもらうのが好きで、ニャーニャーと催促してくる。まぁ、なんとも憎めない。

TVerで「ゲストダイアン」サバンナ八木回。八木のまっすぐな異常者ぶりが最高。

NHK+でドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」観る。河合優実の演技が楽しい。身体の動きが良いんだよねぇ。

寝る前に音楽でもとspotify。聴きながら次から次へと曲を選んで繋げていく。松田聖子和田アキ子、はっぴぃえんどにピチカート、キャンディーズ佐野元春加藤千晶寺尾紗穂、柴田聡子、スカート、OH MY GIRLにfromis_9、スジョンにYves、LIM KIM、Kim Feelsun、KEEMBO、0m0ととりとめなくとめどなく。

2024/8/17

朝起きたら50肩。まぁ53なので妥当なのだが、こんなにハッキリなるかね。右腕が180度なんてもってのほか、90度いやいやムリー、52度ぐらいまでが精いっぱい。歯を磨くのも一苦労。老いるショックですな。

野良猫のチャ坊は昨日の夜からソファで寝込んだまま。よっぽど疲れてるのだな。

朝から少し日記を書いて、歩いてユナイテッドシネマまで。萩原健太郎監督「ブルーピリオド」を観る。高校生の矢口八虎。成績優秀だけど適度に不良、器用で何事もソツなくこなし、世間をどこか冷ややかに見ている。ある日出会った1枚の絵。そして自らも筆を持ち美術の世界にのめり込んでいく。そして八虎は最難関の東京藝大を目指す。元々器用な策略家、ただそれだけでは足りない。徹底的に描く、何枚も何枚も描き、自分の「絵」を見つけ、それを最もよい表現で形にする。その苦悩と努力が、熱になりスパークする。「絵を描く」という作業は動きも少なく地味なものだが、ここでは心の動きと連動して時に激しく時に冷静に躍動感をもって描かれ、ぐっと引き込まれた。僕もかって芸大を目指したが、彼らの域に行く前に早々に脱落した。それでも「絵を描くこと」の楽しさと苦しさは多少なりとも体験した。共に芸大を目指す者たち、天賦の才を持った者、努力で勝ち取る者、どうしても辿り着けない者…主人公の周辺にいる者たちにもまた絵を描くことの喜びと苦しみを味わっている。もはや筆を持ち上げられない50肩のおっさんにはフィルムに刻まれた彼らの姿はただただ眩しい。そしてこんなおっさんでも腕は上がらないが、体温が上がった。良き青春映画でした。

いったん帰宅し、スーパーで買ったいなり寿司とざるそばの昼食。買い置きしてある生協のインスタントざるそばが簡単に作れてやけに美味しい。夏はつるっとざるそばがイイネ。

で一休みしてもう一回ユナイテッドシネマへ。デヴィット・リーチ監督「フォール・ガイ」を観る。大ケガを負い現場から離れていたスタントマンのコルト。だが未練の残る元カノの初監督作の為に現場復帰。しかしそこには彼を陥れる罠が…。ライアン・ゴズリングエミリー・ブラント。抜群の安定感と安心感。そりゃ面白いでしょうよ。という期待を裏切らずサクサク、ザクザク、アクションてんこ盛りでスカッと気持ちよく見せていく。でもそこに映画への愛、特に裏方と呼ばれる名もなき貢献者たちへの愛が溢れる。口先だけのあくどい権力者を現場の面々がそれぞれの技を使って追い込み、ひっくり返していく。映画に魅せられたボンクラどもが一丸となって大暴れするラストに大満足。作られた映画内映画も映画秘宝感があって楽しい。

夜はグリーンカレーの素を使ってグリーンカレー。鶏肉にナス、しめじにピーマン。カレーの素と牛乳加えて煮込むだけ。夏はピリッとカレーがイイネ。

2024/8/18

お盆休みも最終日。妻と買い物へ行って、パスタとピザの昼食。午後はうつらうつらと午睡しつつ「マルコポロリ」など観て過ごす。

夜、お風呂も入ってご飯も食べて、ゆっくりと「水道橋博士生誕大感謝祭」を配信にて。ゲスト、まずは町山智浩さん。配信ミスが続いて途絶えていた博士×町山対談が復活。今回は会場である「浅草」について。東京生まれ東京育ちの町山さんが語る街の記憶。お父さんのヤバい話も飛び出すリアル三丁目の夕日。いや「ともひろくん、ハイ」か。そして80年代からは博士の記憶も重なっていく。若き浅草キッドが浅草で過ごした日々。変わりゆく街の物語は、その時代や場所を知らないものが聴いても郷愁を呼び起こす。そして二人の出会いの話。TBSラジオ「ストリーム」のポッドキャストを聴き始めたのは博士の日記からだった。高校、大学の頃、雑誌「宝島」の映画紹介が大好きで何度も繰り返し読んでは近所のレンタル店に通った。後になってわかったんだけどそのページを作っていたのは町山さんだった。三留まゆみさんの映画のイラストや町山さんが書いた数々の記事が僕の中に下地としてある。そして今も町山さんから映画を学んでいる。さて話を戻そう。映画の話から青柳拓監督が登壇。博士の選挙活動を追ったドキュメンタリー映画。当選をラストシーンに一旦完成していたものの、博士の鬱病発症~議員辞職となり映画のラストが変わってしまう。でいよいよ来年公開。青柳監督の現時点での最新作「フジヤマコットントン」は僕の中で今年の暫定一位になっているので、公開が楽しみ。それにしてもやはり町山さんと博士の対話は刺激的で面白い。続いては博士の3人の付き人たちとのトーク。博士の日記を日々読んでいるので3人の若者をちょっと親目線で観てしまうな。個人出版社「虎人舎」設立を発表し付き人トーク終了。続いてはいよいよ松村邦洋登場。オールナイトニッポン風のオープニングから二人の40年近くに及ぶ友情トーク。これがもうとにかく爆笑。博士がアレ、コレとトスを上げ、天才・松村邦洋の記憶を微に入り細に入り再現していくトークを引き出していく。高田先生と博士が仕掛けた「水島新司物語」「紀伊国屋ボノボの品川心中」は何回聞いても面白いなー。もはや古典落語の域。西川のりおの器の小ささが松っちゃんに振りかかる「のりおからの電話」噺もめちゃくちゃ笑った。博士のトスに、時に暴走して行き過ぎてしまうところもまた面白い。町山さんと博士、松村さんと博士、ホモソーシャルな関係性を越えた先の大人の友情。そして最後は「相棒」がスクリーンに登場。「まだ始まってもいねぇよ」と「キッドリターン」の狼煙が上がる。

2024/8/19

ビバリー昼ズで高田先生の「水道橋博士生誕祭」話。面白話をさらに面白く紹介する高田先生のマシンガントーク。「博士は完全復活だな!」には博士の高田先生への想いを知る博士ファンとしてとても嬉しい。

2024/8/20

朝から雨。久しぶりに徒歩通勤。蒸し蒸しと暑くて会社着くころにはぐったり。ちょいと重めの仕事もあり疲れ果てて帰宅。相変わらず右肩が痛い。

2024/8/21

昼休みの読書。買ったまま読み終えていなかった西森路代+ハン・トンヒョン「韓国映画・ドラマわたしたちのおしゃべりの記録2014~2020」読了。二人が韓国ドラマ、映画を題材に、韓国社会と日本社会それぞれにある問題やジェンダーフェミニズムについて。二人がお喋りしながら考え、考えてはお喋りして、問題を浮き彫りにし考えを深めていく。題材として挙げられる作品は僕もほとんど見ているのだが、そういう風に観るのかという気づきがある。ポン・ジュノ監督の「パラサイト」などは社会問題を巧みにエンタメに昇華した作品と僕なんかは単純に観ていたのだが、パク・チャヌク作品との比較や、「男性目線の家族観」なんて二人の「見方」から教えられることがあった。自分はまごうことなき中年男性である。気をつけているつもりではあるが、どこかで「優位な男性性」に寄っかかり有害さを振りまいていないか。これ、常に自分の中で課題である。

韓国映画・ドラマ――わたしたちのおしゃべりの記録2014~2020

2024/8/22

朝から外回り、ロングドライブ。昼は久々にブロンコビリーのハンバーグランチ。テーブルにふりかけが置いてあるのが嬉しい。白ご飯にふりかけ、甘めの和風ソースをかけた熱々のハンバーグ。自分へのご褒美だなー。

radikoで角田龍平「蛤御門のヘン」真夏のサイキックミーティング回聴く。年に二回のお楽しみ。竹内先生のノビノビとした下世話なトークと誠さんの華麗な手綱さばき。軽快な下ネタトークから快調な滑り出し。そして今回はキダタロー御大追悼スペシャル。御大の「ブツ」を万博の目玉に!には笑った。

夜、娘からLINE。「桂川のイオンに(K-POPガールズグループ)STAYCが来てる!」と写真付きで興奮気味に。プロモーションイベントに偶然居合わせたらしい。今やK-POPグループが地方のイオンに来る時代なのね。しかし「STAYCが来ている!」という話題が通じるのは?と父(僕)に即座に連絡してきた娘。それ正解です。見たかった!

2024/8/23

やっと金曜に辿り着く。ZOOM商談に、外回り。少し遅めの昼食は大戸屋でチキン南蛮定食。タルタルソースが美味しいなー。ここにもテーブルにゴマ塩ふりかけがあって嬉しい。

休み明けの1週間、なんとか金曜まで頑張りました。映画観たいところだが、微妙に時間が合わず帰宅。

野良猫のチャ坊はすっかり元気になった。前はちょっと遠慮気味だったのがもはや遠慮は無用とばかり完全リラックスモード。リビングのソファの真ん中で腹見せて半日寝ている。だがその姿に大いに癒される。