国道411号旧道(第5回)・上萩原Ⅱ期バイパス(その1) (original) (raw)
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第5回の今回から上萩原Ⅱ期バイパスの旧道を紹介していく。
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前回の最後の写真の地点から現在地(A3地点)までは500mほどの距離があるが、この区間については拡幅改良が行われたようだ。ここから先、旧道は等高線に沿うように右へ曲がっている。
旧道に足を踏み入れると早速土砂がお出迎えしてくれた。
前回ほどの高さはないが、日当たりが悪く霜が降りているため、急に足を取られることがあった。
懸念していた、「沢に橋が架かっていない」ということはなかったが、本来の路面の高さまで降りなければならないようだ。ここは半ば滑落するように降りた。
耐荷重の都合か橋の上にだけは土砂が積まれなかったようで、その先は再び土砂が積まれていた。むやみに登らないほうが良いことを学習した私は、路肩の傾斜の緩い部分を進むことにした。
標識からも分かるように道は右にカーブしていくが、それを勘案しても前方がやけにスッキリしている。心したほうが良い場面である。
旧道は現道の法面に取り込まれており、1mほどの法面の踊り場(と言う表現が正しいか分からないが)をかろうじて歩くことができる。
法面地帯を過ぎると廃道化された道が戻ってくる。
写真は振り返って撮影したもので、今通ってきた法面地帯の両端にはバリケードがあり、不意のうちに車両や人が入ってしまわないようになっている。
また、進行方向左側より現道から登ってくる道があるが、バイパス建設と旧道廃道化に使用された工事用道路であろう。
工事用道路が合流してきたところで、現役当時の舗装が復活する。
振り返ると、アスファルトの道が突如土砂に飲み込まれているという災害と見紛うような光景が広がっている。
そこからしばらくは、傷んではいるが舗装されている道だったので、久々に自転車に乗車することができた。
前方に青空がある上り坂というのが、いかにも登山道路といった雰囲気で気持ちが良い。
カーブを曲がると路肩に”資材”が現れ始めた。
80mほど進むと川の上流にある石をもうひと回り大きくしたような大石があたりを埋め尽くしていた。
一旦、自転車を置いて偵察に向かう。しばらく歩くと大石は瓦礫に変わった。が、いかにも崩れやすそうで登りたくなかった。
となると路肩を歩くほかない。
写真で見ると傾斜が緩く見えるが、現地では壁のような圧迫感を放っていた。
また、現道との合流点がどうなっているか分からない以上、むやみに高巻きするのも良くないと思った。
これらの事情により崖っぷちを歩くほうがまだマシだったのである。
路肩は転がっている石に足を取られないよう気を付けさえすれば、安定して歩くことができた。
瓦礫の山を抜けるとまもなく現道にぶつかり道が途切れる。アクセス用と思しき急坂を登る。
現道に上がると向かいにも瓦礫が積まれた一帯がある。ここも旧道の路面だった箇所だ。
さて、結局、瓦礫地帯を通り抜けてきてしまったものの、徒歩ならともかく自転車を脇に抱えて通行するのは難しそうだ。
なので、面倒ではあるが自転車を回収し、旧道を500mほど戻り、現道を通ることにした。写真は工事用道路を通って現道に出たところ。
現道は登坂車線を含めて3車線の上等な道で、空中にそびえ立つ様は圧巻の一言である。
現道から旧道を眺める。
5枚上の写真の先にも、ささやかな旧道が存在する。
現道には地形に対して意も介さない長い橋が架かっているのに対し、旧道は可能な限り山肌に取り付いている。
現道はここから1度右岸へ渡るが、我らが旧道は左岸を進む。