笹塚diary (original) (raw)

10月の後半からこの半年を遡ってたくさんたくさん日記を書いていた。

それらをなんとかまとめ、無事、原稿を入稿し、大好きな本を手掛けた方にお願いして、とっても素敵な表紙デザインを作っていただいて、ようやく「笹塚diary」が本という形になりそう。できあがりが楽しみ!

今日はポッキーの日。そして出勤日。休憩時間にドラッグストアへ行った。頭痛薬と会社で飲むコーヒー(カフェオレスティック27本入り)を買おうとしたところ、レジでお財布を忘れたことに気づく。にっこり「とっておきましょうか?」と品物をレジ横に置いてくれた親切な店員さんに「ありがとうございます」としか言えず、会社に財布を取りに行くことに。

コーヒーは無糖のものならストックがあるし、頭痛は我慢できそう。ありがとうございます、ではなく「大丈夫です」の一言がなぜ言えなかったのかと悔やみつつ、ビルの五階まであがって会社の自席に戻り、リュックの中の財布をつかんでドラッグストアに戻る。

無事、薬とコーヒーを買い、店員さんにお礼を言いながら店を出ると、目の前を自転車に乗った中年男性が「よし決めた、仕事辞めてやる」と叫びながら通り過ぎて行った。

よし決めた、の勢いある響きに惚れ惚れした。よし決めた、辞めてやる。私はこれまでそういう風に思って会社を辞めたことがなかった。

新卒で勤めた会社から20年の間に7回も転職した。いつも会社や仕事がなんとなく辛くなって、転職サイトを眺めて(それは会社を辞めたいときの何よりの心の支えになる)、ちょうど憧れの会社の求人を見つけたり、このあたりならいいかなあと思う会社に履歴書を送ったりして、内定が出てから会社に「辞めさせていただきます」と告げて退職してきた。次の仕事を決めずに退職したことはない。

私はいつも思いきりが悪いし、決められない。離婚の時も自分からはなかなか踏み切れなかった。相手が離婚しようか、と言ってくれたのを幸いに離婚ができたのだ。

人生に一度ぐらい「よし決めた!辞めてやる!」といって仕事を辞められる思いきりがあれば、私はこの店に戻ってくることもなかったかもしれないし、さっきのおじさんとすれ違うこともなかったかもしれない、と思いながら会社へ戻った。結果、買ってきたカフェラテはほっとする甘さが体中に染み渡り(ブレンディ最高)、頭痛薬を飲んだら朝から続いていたこめかみの頭痛は収まった。

息子が向こうの家に泊まるというので、今日も笹塚に泊まることに。夕食を買いに駅前のクイーンズ伊勢丹へ。中華のお総菜が軒並み4割引きになっていた。どれもおいしそう!目移りしてなかなか決められない私の隣で彼はエビチリ、唐揚げ、春巻き、レバー炒め、と、迷わずかごへ入れていった。

結局、焼きそばにするかチャーハンにするかも自分では決められず、彼に全夕食の判断を委ねた。私も、よし決めた!って言ってみたい。

修学旅行から帰ってきた息子がなかなか起きてこない。さすがに三泊四日で男子ばかりの旅行は疲れも溜まったか。声をかけずに寝かせておいたら、昼になっていた。

前日は、帰ってきてすぐに「楽しかった?」と聞くと「別に、普通」と言っていた息子。なんとなくいつもと感じが違い、少しツンケンしているように思えたのでしょんぼりしてしまい、電話でパートナーにこぼすと「四日間も友達と一緒にいて、「ウェーイ」って(男子校ノリで)やっていたんだから、急にお母さんからいろいろ話しかけられてもまだ『息子モード』に戻れないんじゃない」と言われた。

確かに今日は起きてくるなり「まあ、楽しかったよ」と言いながら、タクシーの運転手さんにおすすめしてもらったというおみやげの茶だんごをもそもそ食べている。お、これが『息子モード』か。昨日とは打って変わって、いつもの息子の感じに戻っていて安心した。栗の八つ橋を食べながら、スマホの写真を見せてもらい、改めていろいろとお土産話を聞かせてもらった。宿では十七畳の部屋に十一人が詰め込まれていたらしいが、男子校はスクールカーストがないから友人関係が気楽でいいと言う。

息子は元夫の家へ、私は選挙の投票へ行き、笹塚でパートナーと落ち合って神保町ブックフェスティバルへ。

出版社が多数出店していたすずらん通りは、予想以上の大盛況。特にSF系のお店には通り沿いのビルの横にも大行列ができており、ファンの熱気を感じた。まだまだこんなに本に熱狂する人たちがいるのだとうれしくなる。町の書店は消えていくけれど、もともと娯楽がほかのメディアでも良かった人が離れていっただけで、本好きの人口は大して減っていないのではないかと思う。

しかし、前を歩くパートナーの背中がどんどんピリピリしていくのがわかってハラハラした。楽しみにしていた書店のワゴンでも資料用の本を買っている。仕事モードに入ってしまったようで、誘ったことを少し後悔もしたが、よはく舎さんのワゴンでかわいらしいアヒルの絵本「AHIRU LIFE」を買い、ようやくほっとした顔をしていた。私にとっては趣味の外出でも、それを仕事にしている彼にとっては重たく感じることもあるのだと思った。

私はいつも(笹塚住民として)愛聴している渋谷のラジオの今井楓さんから「九階のオバケとラジオと文学」を買い、サインを入れていただいた。早速帰りの電車でさっそく読み、ラジオ番組を電波で飛ばすオバケ作りと表現しているのにしびれる。家に帰ってから、今井さんが本の中で触れていたことを思い出し、彼の本棚にあった三木三奈さんお「アイスネルワイゼン」を読んでまたもやしびれた。生々しい人物描写に頭が痛くなってきても、読むのをやめられない衝撃作。

息子がフジファブリックの「若者のすべて」を鼻歌で歌いながら数学の宿題をやっていた。「なんでこの曲のタイトル、『夏の終わり』とかじゃないのかな?」と聞いてきたので、「その理由がわかるのは、もうあなたが若者じゃなくなったときだよ」と答えた。

先日、秋認定したのに(勝手に)まだ猛暑日が続いている。でも、ほほをなでる風は秋の風で、日差しだけが夏の気分でいるような気がする。心と体がちぐはぐな思春期の子どものようだ。

残暑でお疲れモードだったので、前から行ってみたいと思っていた新宿の「テルマー湯」へ。温泉に入りたいと思ったら栄湯でも十分なのだけど、広い温泉施設はまた違った楽しさがある。館内着に着替えて、温泉、サウナ、泥パック・塩サウナなど一通り堪能した後は、パートナーと合流し、夕食を食べる。こういうところの食事はちょっと割高なのに二割増しでおいしい。その後、休憩スペースでのんびり本を読んで過ごした(私が読んでいたのは、川上未映子「深く、しっかり息をして」)。お肌すべすべ、のんびり良い気分。快適さにちょっとした非日常が加わっているのがいい。なんだか、小旅行みたい。

仕事から帰ってきたパートナーとケンカした。正確には、私が気にしなくてもいいようなことを気にして責め立ててしまった。彼は何を言い返すでもなく、ただ謝ってしょんぼりしていただけ。そんな様子を見て私もへこんでしまい、すぐに謝った。
心を許した相手との境界線が曖昧になってしまうのは、自分の課題だと思う。私が彼の言動に傷ついたとしても、その言動を否定したりコントロールしたりする権利はない。そして私はわざわざ傷つきにいく必要もない。

翌日、彼は代休を、私は有休をとっていた。週末は行列になっている洋食屋マックへ行ってみることに。よくお店の前を通ってはいたけれど、中に入るのはこれが初めて。開店時間に合わせて行ったおかげか、15分くらい並んで入ることができた。
テレビでもよく取り上げられているハンバーグを堪能し(つなぎをあまり使っていないそうで、挽肉の食感が楽しめる)、さくさくのエビフライもカニコロッケも美味。ふわふわのオムレツにもカニが入っており、つけあわせのパスタは塩気がきいていて、これは満足度が高い! ロビンのようにお腹がいっぱいすぎて動けなくなることもなくちょうどよかった。また平日にお休みが取れたら行ってみたい。

その後、善福寺川沿いを少し自転車で走って、カモたちを観察。先日まではカルガモしかいなかった川に、オナガガモコガモも渡ってきていて秋の賑わい。羽ばたきを見ていると、明らかにオナガガモの翼はしっかりしていて、さすが渡り鳥だと感心する。でも、めったに飛ぼうとしないぐうたらカルガモもかわいらしくて好き。その後、蚕糸の森公園まで足をのばすと、池にはカルガモだらけだった。春にこの池で育った小ガモたちが、渡り鳥に押し出されて故郷に戻ってきているのだろうか。

全池でこれの2倍はいた

中野坂上、初台方面から水道道路を通って笹塚に戻ってきた。平日の十号通り商店街は、週末は開いていないお店が開いていたり、音楽が流れていたり、近所の中高の女子生徒たちが歩いていたりと、いつもと違う雰囲気で楽しい(わざわざ平日に有休をとって、笹塚の平日を楽しむだなんて、さすがに笹塚好きすぎる)。上田屋菓子店でおやつラーメンといちごポッキーを買い、みなと屋で紅はるかのかき氷とたこ焼きを食べ、夜は栄湯へ行き、駅前の笹塚campで夕食。二人でテレビやYouTubeを見ながらグダグダしているうちに、なんだか眠くなってしまった。

こちらの家にいると、なぜか自分の家にいる時よりもすぐに眠くなってしまう。まだまだ見たいものも話したいこともあるのに、目を閉じることで一日が終わってしまうのはなんだか悔しい。小さな子どもが夜にぐずっている時にはこういう気持ちなんだろうか。いつもまだ寝たくない、と思っている。昨晩あんなことで時間を潰してしまったことを改めて後悔する。まだ眠くない!いや、眠い!悔しい!と言いながら、いつの間にか眠ってしまった。

今年の夏もたくさん遊んだ。中華街で食べ歩き、川崎のドーミーインに泊まったり(評判通りの最強ドーミー)、「たべっ子どうぶつLAND」へ行ったり(のんきな顔をしたうさぎが好き)、久しぶりに歌舞伎を観に行ったり(巳之助くんの「ゆうれい貸屋」を幕見で)、三井ビルののど自慢大会に熱狂したり。

そして初めて高円寺の阿波踊りに行き、まんまと夢中になって、終わってしまう寂しさに泣きそうになった。早く、来年になればいいのに。来年を楽しみにできることは幸せだ。

8/14
20時から彼が仕事でオンライン打ち合わせをするという。笹塚の家は1Kなのでそういう時には大体、お風呂や台所で過ごしているのだけれど、この日は思い立っていつもランチを食べにいっているバーへ行ってみることにした。

少し緊張しながらドアを開けると、いつもは座らないバーカウンターに通された。ランチタイムにいるSさんとは違うマスターがカウンターの中にいて、モヒートをつくってくれた。ミントとライムがきいていて、さっぱりおいしい。夏にぴったり。

ほかのお客さんの接客を終えたマスターが話しかけてくれ、この辺に住んでいるのか、何をきっかけに来たのかなど問われるままに答えているうち、この近くに息子と住んでいて、週の半分を彼の笹塚の家で過ごしているというようなことまで話してしまった。こういうことは、いつもはなるべく話さないようにしているけど、この日はなぜだかぜんぶこのマスターに話してしまいたい気がした。お酒はおいしいし、彼は仕事中だし、ここはバーだし。

夜の秘密基地ができたような気がする。

2杯目のアマレットジンジャー。後ろにピントが合っちゃった

※ここでお会いしたマスターですsasazukadiary.hatenablog.com

8/18
秘密基地はあっさり彼にばれた。というか、一緒に行ってみようと私が誘ったのだけど。あの日、隣の席の人が食べていたオムライス(夜限定メニュー)を、Sさんのつくるランチメニューが大好きな彼と一緒に食べてみたいと思った。

この日はマスターの向こうにSさんもいた。いつもランチにしか来ない私たちが現れたので、おっ、という顔をしている。「バータイムにも来てみました」と言うと、夜の親しみが込もった「ありがとうございます」という声が返ってきた。

バターたっぷりのオムライスに、酸味のきいたトマトソースがよく合う

彼はあまり酒を飲まないので、こういう場所でのんびり二人で飲むのは珍しい。甲州街道沿いのマンションの工事が進んでいることや、廃業したラーメン屋の解体された跡地が意外に奥行きがあったことなど話していると、「その場所、僕も見ましたよ」とSさんが話しかけてきた。マスターも加わり、最近の笹塚話に花が咲く。地元の人と大好きな街について話せることがすごくうれしい。

見つけた秘密基地は、すぐに「行きつけのバー」になった。音楽も照明もちょうどよく、まるでリビングのような居心地のよさ。家にいる時はのんびりしたいからとあまり仕事の話をしない彼も、このバーはちょうどサードプレイスになるのか、いろいろな話を聞かせてくれる。

またひとつ、笹塚に大事な場所ができた夏だった。

【8月のカモ活動】
8/18:蚕糸の森公園に2匹のコガモを連れたお母さんがやってきた!

どこから来たんだろう?ちまっとしたヒナがかわいい

【8月に読んだ本】
「プロヴォーグ:中平卓馬をめぐる50年目の日記」柳本尚規
「あしたから出版社」島田潤一郎
「親子の手帖」鳥羽和久
「ゆきてかえらぬ」瀬戸内晴美
私小説金原ひとみ
「昔日の客」関口良雄

【8月に食べた主な笹塚メシ】
『おこめ茶屋 米米-めめ』(new open!)釜めしおにぎり
『bb.qオリーブチキンカフェ』オリーブチキンフィンガー
『Uni-Bar』トマトとココナッツの海老カレー、オムライス、モヒート
『みなとや』桃のかき氷・たこ焼き
『麺屋吟治』煮干し醤油ラーメン・貝出汁塩ラーメン・まぜそば
『山本鮮魚店』まぐろとさわらのお刺身
『焼き鳥一番』(フランキーの後のお店)焼き鳥
『SASA』フィレオフィッシュサンド
※初めて夜営業のSASA STANDへ。大好きなSASAのパンをビールと一緒にいただけて、幸せでした

フィレオフィッシュおいしすぎ……!

「日記本」をつくるにあたり、何ひとつ書けなかった今年の7月の出来事についても記しておこうと思います。相変わらずおいしいものを食べたり(順調に太っていく)、高校野球の予選を見たりしていた。

7/13-14:名古屋旅行 三連休の前日に決めた名古屋行き。ひつまぶしを食べたり、名古屋港水族館エンペラーペンギンを見て感激したり(日本で皇帝ペンギンが見られるのは、こことアドベンチャーワールドだけ!)、鶏料理がおいしい居酒屋で名古屋の夜を楽しんだり、大須の喫茶店コンパルでエビカツサンドを食べたりとミーハーに、おなかいっぱいに楽しんだ。

わさびがきいておいしかった備長のひつまぶし。最後はうな茶漬けに

大好きなアデリーペンギンが目の前!

カモはいなかったけれど夜景がきれいだった堀川

コンパルのエビカツサンド小倉トーストも食べ応えあり

名古屋で出会えた修悦体フォント

宿泊は、大好きな「ドーミーイン」がいっぱいだったので、同じようにサウナのあるビジネスホテル「ビーズホテル」に。岩盤浴もでき、ドーミーの同じランクの部屋よりも広々としていて大満足の宿泊だった。名古屋へ行く機会があったら絶対また泊まりたい(出張、ないかな)。エレベーターに乗ると鳴りだすゴキゲンな音楽が今も耳を離れない。

三連休の最終日だったので、帰りはまたも新幹線の指定席はとれずに自由席の列に並ぶことになったけれど、こうしたハイ・シーズンの旅にも慣れてきた。

帰りの新幹線で食べた矢場とんのお弁当が予想以上においしくって大感激。東京にもあるし、名古屋ではあまり積極的に寄ろうと思っていなかったけれど(笹塚でチェーン店を避けているのと同じ理由)、お弁当の味噌カツを一口食べて、こんなにおいしいのか!そして、だから有名なのか!と腑に落ちた。冷凍のカツも買っておけばよかったと後悔。

名古屋はおいしそうなお土産がたくさんあって目移りしてしまう。その中からひつまぶし巻きと味噌煮込みうどんを選んで家に持ち帰り、さらに数日、旅気分は続いた。

7/21:沖縄タウン わくわく夜市 昼は息子の部活の応援へ。中学最後の公式戦だったけれど、二回戦敗退に終わった。高校でも競技を続けるようなので、この悔しさを晴らすべく今後もがんばってほしい。

夜になり、息子は元夫の家へ。私は代田橋の沖縄タウンで開催されていた『わくわく夜市』を覗いてみることに。

雰囲気サイコー!夏の夜だ

この夜市では、沖縄タウンのいろいろなお店の料理(しかも自慢の一品ぞろい)がテイクアウトでき、商店街内に設けられた飲食スペースで食べることができる。沖縄タウンに来ると、すぐに「しゃけ小島」に入りたくなってしまうので、なかなかほかのお店へ足を運ぶことがなく、これは良い機会だと思って楽しみにしていた。

と言いつつも、やっぱりしゃけ小島は素通りできない。この日限定のいくら丼を。それから、以前、浜鮨の大将の弟さんがやっていると聞いた、焼き鳥屋「あんどう」でふわとろな親子丼。さらに金剛園のジューシーなウインナーも。

屋外で絶品の料理と一緒に、夏の夜に飲むビールを堪能した。

ビールがすすむラインナップ!

先ほどテイクアウトしたお店の奥さんが、私たちの前を「さっきはありがとうね!」と言いながら通り過ぎ、ゴキゲンにビールの列に並んでいる。

沖縄タウンでの夜市だったけれど、意外に観光客のような人は見かけず、地元の人たちがお互い肩をたたき合いながら和やかに飲み食べしている町のお祭り感がとても良かった。

【7月のカモ活動】
蚕糸の森公園カルガモファミリー、7月21日を最後に旅立ち?
笹塚(玉川水道緑地):7月上旬につがいを観測、それ以来目撃なし

【7月に読んだ本】
「BUTTER」柚木麻子
「浮浪児1945」石井光太(「虎に翼」の放送をきっかけに読んだ)
「ルポ 誰が国語力を殺すのか」石井光太
「天国飯と地獄耳」岡田育
「だって、女子だもん!」雨宮まみ
「他者の靴を履く」ブレイディみかこ
「いなくなくならないで」向坂くじら

朝は「パンの田島」へ。コッペパンが名物のパン屋さんで、駅前にありながら一度も入ったことがなかったのだけれど、数日前に初めて来て以来、連日利用している。

これまで「他の街にもあるチェーン店だから」と言って素通りしていた。この街で、どこでも同じものが食べられるチェーン店に入るのはなんとなく悔しい気がする。未だに駅前のスタバにもドトールにもエクセシオールにも、吉牛にもなか卯にも入ったことがない。

「パンの田島」にはイートインスペースがあり、パンと一緒に150円でコーヒーが飲めるのがうれしい。ここ数日で食べたのは、揚げコッペシュガー&カスタード、とろけるチーズビーフカレー、コッペメロンパンカスタードホイップ、たっぷりリッチコッペバターホイップ。(圧巻のコッペパンメニューはこちらから!)

どのパンもホイップがふわっと軽く、コッペメロンパンはカロリーの爆弾だと思ったけれど、ぺろりと食べてしまった。コンビニで売られているメロンパンサンドの類は、いつも途中まで食べて胃がもたれてくるのに。

定番のきなこ揚げパンも食べた。予想を裏切らないおいしさ

最近はコンビニも街のパン屋もほぼ値段が変わらなくなってきていて、それなら断然、パン屋で売られているパンの方がいい。よく出先でおなかがすいているのに食べたいものがない状態になる、という話を彼にしたら自分もそうだと言っていた。人生、あと何度ごはんを食べられるかわからないし、どうせならおいしいものを食べたい。これはこの2年で5キロ太ったおデブならではの発想だが、笹塚で生活していると心底そんな風に思ってしまう。

彼の職場の近くにはおいしい食事処がなくて、いつもお昼にはおにぎりやサンドウィッチをコンビニで買っているらしい。思わず「それなら笹塚から出なければいいのに」と言った。そうだ、おいしいものしか食べたくないのなら、笹塚にいればいい。笹塚の街にいればずっとおいしいものが食べられる。(狂った発想!)

出勤する彼を改札で見送り、最近できた「峠の釜めしや」のおにぎりを買った(さっきパンを食べていたのに!お昼ご飯用です)。焼き明太子に、焼きおにぎり。

釜めしのおにぎり、さすがにおいしすぎる……

駅前にはたい焼き屋もできて、ますます肥えてしまいそうな予感がしている。

ふっくらボリュームたっぷり!生地とあんこにこだわっているそう

笹塚は今、首都圏の賃貸で住みたい街の上昇率ナンバーワンなのだそう。テレビの「かりそめ天国」で特集されるらしいと聞いて、少ししょげてしまった自分に驚く。このブログで笹塚の街の良さをアピールしているつもりだったけれど、住む人がこれ以上増えて、どの店でも行列ができるようになったら寂しい気がする。そんな風になんだか複雑な気持ちになってしまう私は、ただここに笹塚ののろけ話を書いているだけなのかもしれない。