式部日記 (original) (raw)
ご機嫌よう、式部です。
かなり前ですが、国立新美術館で開催されている「CLAMP展」に行ってきたので、今回はその感想です。
CLAMPとは⁇
いがらし寒月、大川七瀬、猫井、もこなの4名からなる創作集団。
1989年「サウス」第3号(新書館)にて、『聖伝-RG VEDA-』で商業誌デビュー。 以降、『東京BABYLON』『X -エックス-』『魔法騎士レイアース』『カードキャプターさくら』 『ANGELIC LAYER』『ちょびっツ』『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』『xxxHOLiC』 『こばと。』『GATE 7』『ドラッグ&ドロップ』『カードキャプターさくら クリアカード編』など、 少女誌、少年誌、青年誌で作品を発表。
商業デビュー以前は同人作家として活動していた。
(公式hpより引用)
今回の展示について
デビュー作から最新作までの23作品約800点もの原画を、7つのエリアに分けて展示。
今回の展示のために描き下ろしたカラーイラスト原画も公開しており、CLAMPの過去と未来を網羅する内容になっている。
展示の様子
— 式部、 (@SHiKiBU_sp) 2024年8月15日
感想
幼い頃CLAMP作品を観て育った私にとっては、待ちに待ったCLAMP展。
朝1番に行ったにも関わらず既に入場待ちの列ができており、入場までに40分待ち。
入ってからもかなり混雑しており、1番最初のCOLORエリアはあまりゆっくり観る事ができませんでした。
会場には可愛いロリータ服⁇の方やCLAMP作品をイメージした服装の方など、ファンの方々の展示を120%楽しむ気持ちが伝わってきました。
今回私にしては珍しく音声ガイダンスを利用しました。と言うのも音声ガイダンスを務めたのが、xxxHolicの主人公役の声優でお馴染み福山潤さん‼︎
福山潤さんはCLAMP作品と縁の深い声優さんなのです。xxxHolicの主人公四月一日君尋役をはじめ、機動天使エンジェリックレイヤーの小林虎太郎役、コードギアス-反逆のルルーシュ-の主人公ルルーシュ・ランペルージ役などを務めています。
個人的には、xxxHolicラストの四月一日の演技が大好きで、勝手に福山さんといえば切ない系演技が得意というイメージです。(黒執事のグレル・サトクリフなどを聞いてしまうと、またイメージ変わりますが、、笑)
今回の音声ガイダンスでも、四月一日ボイスで読み上げられるセリフがどこか艶っぽさもありながら、切なくて感動しました。
また、音声ガイダンスを聴きながら、こんな作品あったなぁと懐かしい気持ちになったり、、「これは知らなかった」という新しい発見や作品に出合えたり、改めてCLAMP作品読み直したいなぁと思いました。
(※同人作家時代の作品や、初期作品などは本当に今となっては貴重で、なかなか触れる機会がありませんが、、泣)
余談ですが、、
私はファッションに目覚めるのが結構早く、小学校1年生のころには自身でフルコーディネートを自分で組んでいたのだが、このファッションへの強いこだわりは絶対にCLAMP作品の影響だと思う。いつか知世ちゃんが作った衣装を着てみたいです。
それでは、、
ごきげんよう、式部です。
先日福岡市にある鷲尾愛宕神社に行ってきたので、今回はその感想です。
丘の上にあり、急坂を上るため若干のアクセスの悪い位置にあるが、
眺めのよい場所です。
御祭神
・火産霊神(ほむすびのかみ)
鍛冶・土器・消防・火の神。
・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
日本神話に登場する男神。神生みの神。
・伊弉冉尊(いざなみのみこと)
日本神話に登場する女神。伊弉諾尊の妻。
・天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)
地上の統治。
愛宕とは
防火の神。総本社は京都・東京、そのほか全国に分社あり。
感想
到着するまでに結構坂があるので、ちょっとしたハイキング気分でした。
途中森?の中を通るので、鳥の鳴き声が凄くて怖かったです。
危ないので、夜は行かない方が良いですね、、
急坂を上りやっとのことでお参り、疲れてて全然清い心でお参りできませんでしたが、
良い事ありますように、、
坂を上っただけあって、眺めはとても綺麗でした。
福岡の海?を見ながら、ちょっとだけ清々しい気持ちになりました。
鷲尾愛宕神社 pic.twitter.com/KWpUBP9l4u
— 式部、 (@SHiKiBU_sp) 2024年8月4日
お願い叶いますように~~~、、
それでは、、
ごきげんよう、式部です。
先日福岡の有名喫茶店を訪れたので、その紹介です。
音楽好きの間では観光名所のような場所ですが、
「Live & 喫茶 照和」に先日行ってきました。
1970年(昭和45年)11月21日、博多の中心地ここ天神に喫茶店「照和」が産声を上げた。
当時学生運動などで騒然とした時代、「 世の中を明るく照らす 」というオーナーの熱い思いからこの照和の歴史は始まった。教育者でもあるオーナーは、長浜公園や舞鶴公園で毎日のように歌っていた若者達を「音楽によって更正させたい 」と、「 照和 」に呼び寄せた。それからというもの、「 天神の喫茶店で生演奏を始めた! 」という噂は、あっという間に博多の街に広がり「照和で歌いたい! 」と、やってくる無名のうた歌いが後を絶たなかった。
その後、チューリップ、甲斐バンド、地元福岡県出身の井上陽水、武田鉄矢、鹿児島出身の長淵剛などのスターが次々に誕生し、日本中に「照和」の名が知られるようになった。今でも若い歌い手さんが当時のスターに憧れて各地から訪れてきます。
感想
昔ながらのチープさとわずか数cmの高さしかないステージ、ところ狭しと書かれたサイン。
独特のチープさが、フォーク音楽の魅力をより鮮明に伝えてくれそうな場所でした。
私が行った日は、ライブかイベントが周辺であったのか?長渕剛さんのファンの方たちで店内がにぎわっていました。
ファンの方々の聖地巡礼には欠かせない存在となっているようです。
店内の和気藹々とした雰囲気で、フォーク音楽に詳しくない私も明るい気分で帰ることができました。
天神駅からも近いため、気になる方、音楽好きな方はぜひ一度足を運んでみてください。
それでは、、
*1:公式HPから引用
ごきげんよう、式部です。
先日7月13日福岡マリンメッセにて、宇多田ヒカルSCIENCE FICTION TOUR2024に参加したので、今回はその感想です。
※曲のネタバレを含んでいるので、気になる方はご遠慮下さい。
感想に入る前に、私と宇多田ヒカルとの出会いについて簡単に語らせて下さい。
幼稚園生くらいの頃、テレビに映る宇多田ヒカルのMVを見て、格好良いと感じたがきっかけでした。
SFアニメの好きだった私は空飛ぶバイクに乗ったり、PINOロボットがでてくるMVが、とにかく自分の好きなものとマッチしていてとにかく憧れでした。
当時幼かったので、テレビにでてくる歌手の見分けがつかなく、「歌手=宇多田ヒカル」くらいの認識でした。
幼き頃の私の夢は、ずっと「宇多田ヒカルになること」でした。
(※歌手という職業の認識がなかったので、笑)
感想
シンプルイズベスト、ミニマルな光と音で始まり、一機に緊張感と期待感が高まる演出でした。
そこから1曲目「time will tell」で、溢れる多幸感。
個人的には今回のセットリストに含まれているとは思ってなかった曲なので、驚きました。最新曲の「何色でもない花」が1曲目かなぁと予想していたので、良い意味で予想に反したオープニングでした。
前半戦は、昔の曲が多く古参ファンはきっと懐かしかったのではないでしょうか?
前半は緊張していたのか、機械の調子が悪かったのか?テンポやピッチが若干甘い部分もありましたが、逆に宇多田ヒカルもちゃんと人間だったんだという安心感もありました。笑
(そもそもの歌唱力が人並みではないので、多少ピッチがずれても上手いなぁという印象でした。あとやっぱり宇多田ヒカルの曲って音程難しいんよ、、)
5曲目、「光(Re-Recording)」は本当に神秘的でスモークの演出も素敵でした。
アルバムで聴いた時から、儀式的な美しさのあるアレンジだなぁと感じ、結婚式入場で絶対に使いたいと思っていました。
色で例えると、オリジナル版は黄色、Re-Recording版は濃い紫(青+赤)のイメージでした。
今回のライブの演出では赤いライトを使用したので、ドラムの音も相まって、新しい生命の誕生を思わせる美しさでした。
7曲目の「DISTANCE」は、まさかのm-flo remix verで会場がおしゃれなダンスフロアーの雰囲気に、、。バックバンドのアレンジも超お洒落でした。
特にピアノの間奏がお洒落すぎました。
続く、「teaveling(Re-Recording)」もお洒落すぎて、テンションMAXでした。ノリノリでセンターステージにでてきたヒッキーとても可愛かったです。
9曲目の「First Love」で一気にしっとりとした雰囲気に、
バラードになると、歌唱力と歌声の良さで鳥肌がすごかったです。
高音の部分もスッと染み込んできました。
耳が心地よすぎた、
続く「Beautifl World」では、実は宇多田ヒカル、エヴァに出演していたのでは?碇ユイなのでは?と思うほど、曲の良さと宇多田ヒカルがリアルな世界に存在する事のギャップで不思議な気分でした。
12曲目「ぼくはくま」可愛すぎ!!!
申し訳ないけど、他の曲に比べ思い入れの少ない曲。
今回のセットリストに含まれているとも予想していなかったので、イントロ流れた瞬間驚きました。
その前に演奏した「COLORS」が格好良かったから、余計に差が凄くて、、
一気にほんわかしたムードが漂い癒されました。
(ただ、この流れで「パクチーの唄」きたらどうしよう?と一瞬悩みました。)
14曲目の「Kiss&Cry」はバックバンドのカッコよさが際立っていたし、
例の"リストカット"聴けて「例のやつだ!!」とテンションあがりました。
上位で好きな曲だけど、これも今回演奏するとは思っていなかった為純粋に嬉しかったです。
やっぱりこの曲お洒落だよなぁ~~
15曲目の「誰かの願いが叶うころ」は、鳥肌が立つほど感動しました。
もともと歌詞やメロディーが美しいのは勿論のこと、
とにかく歌声が素晴らしくて、聴き入ってしまいました。
会場には、圧倒されて棒立ち状態になっている人多々いましたね、笑
私もその1人です。
ここで映像タイムに入り、くまちゃんイラストによる可愛い映像が流れました。
衣装替えがあり、後半戦は最近の曲多めの構成でした。
後半戦1曲目の「BADモード」は衣装の雰囲気にも合っていて、「BADモード」というタイトルの曲なのに多幸感が溢れていました。
「BADモード」のMVは赤い照明の美しいお洒落な映像でしたが、今回のLIVEでは虹色って雰囲気でした。
18曲目の「花束を君に」の前のMCで、「みんなでお祝いという意味を込めて歌いたい」と話し、柔らかな雰囲気ではじまりました。
19曲目の「何色でもない花」は、とにかく静かな演奏と淡々と続くメロディーが美しく、シンプルな演奏だからこそ歌声の良さが染みわたってきました。
CDだけでは感じることのできなかった音や歌声の揺らぎを感じ、シンプルだけど故に難しい曲というのをより実感しました。
20曲目の「One Last Kiss」では冒頭の歌詞が、LIVE中の観客にとっての宇多田ヒカルを追体験しているようで感動しました。
「あなただけのモナ・リザ、もうとっくに出会ってたから」という歌詞が、今まさに、宇多田ヒカルが観客にとってのモナ・リザで、ミューズなのだ。と感じたし、
「忘れたくない人」という歌詞も今日のLIVEのことを生涯忘れたくないと強く感じさせられました。
21曲目の「君の夢中」では、セットも相まってどこか神秘の森の中をあるいているかのような雰囲気でした。バスドラムの音も神秘的で、
曲終わりにフラっと手を振っていなくなってしまった宇多田ヒカルが、やっぱり幻の存在なのではないかと感じてしまいました。
美しい緑のライトのままご本人が退場してしまい、すぐアンコールを求める拍手が会場に響き渡りました。
暫くして、バンドメンバー、ご本人のご登場。
アンコールは2曲。
アンコール1曲目は、アルバム最新曲「Electricity」
この曲めちゃくちゃ聴きたかった曲だったので嬉しかった。
本当に歌詞が良い。
私はスピリチュアルとかよく分からないけど、「自身が実は違う宇宙からこの地球にやってきたのではないか?」と妄想する事があるので、自身の心情とシンクロしやすい曲なので勝手に心躍ってました。
恒例のバンドメンバーの紹介があり、
LIVE最後の曲は、デビュー曲「Automatic」。
これぞ宇多田ヒカルだ、衝撃のデビュー曲だ、今日のLIVEに立ち会えてよかった、という喜びとグルーヴに包まれました。
バックバンドのアレンジも最高にかっこよく、宇多田ヒカル独特のフェイクと「It' Automatic」というフレーズで会場の一体感が最高になったまま終了。
全体を通して
今回のLIVEは、女神様に会ったかのような体験でした。
1曲1曲に本当に思い入れがあり、キラキラ輝いて見えました。
長年宇多田ヒカルに憧れて、やっと参加できたLIVE。
貴重な25周年記念に立ち会えて本当に幸せでした。
※結構急ぎで書いたので、殴り書き気味ですがとりあえずの感想です。
— 式部、 (@SHiKiBU_sp) 2024年7月13日
それでは、、
ごきげんよう、式部です。
先日東京都美術館にて、「デ・キリコ展」を鑑賞したので今回はその感想です。
ネタバレ含むので、気になる方はご遠慮下さい。
デ・キリコとは
イタリアの画家、彫刻家。
形而上絵画派を興し、後のシュルレアリスムに大きな影響を与えた。
一時はシュルレアリスムグループと親交があったが、後に決別する。
今回の展示について
初期から描き続けた自画像や肖像画から、 画家の名声を高めた「形而上絵画」、西洋絵画の伝統に回帰した作品、そして晩年の「新形而上絵画」まで、世界各地から集まった100点以上の作品で デ・キリコ芸術の全体像に迫る大回顧展です。
展示の様子
※今回は撮影禁止だったので、いつも勝手にお世話になっているTokyo Art Beatさんの動画を置いておきます。
感想
建物やインテリア好きの私は、以前からキリコの絵に惹かれてはいましたが、
今回の展示でより一層キリコの職人っぽさに惹かれました。
(以前のエゴン・シーレ展はまじで何だったんだという文句は若干浮かびましたが、
今回の展示が良かったのでまぁ良しとしましょう。)
特に好きだった作品は、no,20 『燃え尽きた太陽のある形而上的室内』
乱れた遠近法、室内画、幾何学的、隠喩的なモチーフなどザ・キリコ感があって好きです。
また、"燃え尽きた太陽"が何となく引っかかり、ある音楽を思い出してしまいました。
あの太陽が偽物だって
どうして誰も気付かないんだろう
このフレーズで同じみ?のPeople In The Box『ニムロッド』です。
『燃え尽きた太陽のある形而上的室内』では、太陽や月にコードのような線が繋がっていたり、カラーの太陽と燃え尽きた太陽が繋がれていたり、
どこか不穏な雰囲気を放っています。
また絵の中に更に絵がある入れ子構造のような絵になっており、
目に見える世界と真実が違う事を示しているようにも思います。
つまり”偽物の太陽”のようにも感じます。
キリコの絵には、哲学的思想から影響を受けているものも多く、『ニムロッド』の歌詞は神話モチーフのワードが出てきます。
キリコの絵のBGMとしてPeople In The Boxを採用したいくらいの親和性があります。
独特な不穏さ、幾何学、匿名性など、キリコの絵の特徴はどことなくSFを感じさせます。
是非映画好きにも観て頂きたいな、、
— 式部、 (@SHiKiBU_sp) 2024年5月25日
それでは、、
*1:公式HPより引用
ごきげんよう、式部です。
先日映画『花とアリス』を鑑賞したので、今回はその感想です。
ネタバレを含むため、気になる方はここでUターンして下さい。
Amazon.co.jp: 花とアリスを観る | Prime Video
概要
2004年公開、監督岩井俊二による日本映画。
長編、短編の2つが存在し、岩井俊二本人によるコミカライズ作品が出版され、2015年に前日譚となる関連作品『花とアリス殺人事件』がアニメーション映画化された。
キャスト・スタッフ
荒井花:鈴木杏
有栖川徹子:蒼井優
宮本雅志:郭智博
黒柳健次:平泉成
堤ユキ:木村多江
有栖川加代:相田翔子
加代の連れの男:阿部寛
編集者現場担当:広末涼子
リョウ・タグチ:大沢たかお
池田沙織:伊藤歩
楠木れんこ:ふせえり
洩津当郎:坂本真
部活見学受付:池永亜美
文化祭司会:相坂真菜美
佐藤拓哉:石川伸一郎
アリスの同級生:篠原さや
荒井友美:キムラ緑子
オーディション演技審査:中野裕之
オーディション演技指導:大森南朋
演技オーディション参加者:虻川美穂子
「サルとルー」面接官:森下能幸
ルー大柴:ルー大柴
室伏エリカ:アジャ・コング
CM撮影スタッフ:梶原善
CM撮影スタッフ:笠原秀幸
叶美香:叶美香
泣きの演技指導者:吉岡秀隆(声のみ)
医者:テリー伊藤
町田梓:松田一沙
HARUMI:松尾れい子
双子のモデル:児玉真菜
矢上風子:黒澤愛
デイヴ:Dave Lee(デイヴ・リー)
祭りのおじさん:城明男
修行する外人:Nnikolai Iensen(ニコライ・イェンセン)
修行する外人:Luis Cerda(ルイス・セレダ)
監督・脚本・音楽・プロデューサー:岩井俊二
撮影監督:篠田昇
撮影:角田真一
美術:種田陽平
照明:樋浦雅紀、中須岳士
録音:岸直隆、益子宏明
スチール:アイビー・チェン
視覚効果:伊藤太一
スタイリスト:申谷弘美
バレエ指導:千歳美香子
落語指導:古今亭菊之丞
アソシエイトプロデューサー:前田浩子
ラインプロデューサー:中山賢一
感想
所謂「恋か友情か?」みたいなストーリーではあるが、所々に歪を感じる作品。
特にアリスサイドは、離婚や家の散らかり具合、母親の男癖など、その歪を顕著に感じた。
アリスは家庭内においても、恋愛においても誰かに譲ってしまい、自ら何かを欲しがることをあきらめているようにも見えた。
だからこそ、海辺のシーンでハートのエースを見つけた事が、アリスにとっては最大のラッキーであり、チャンスであったのだろう。
一方花には精神的な歪さを感じた。
物語の終盤で明かされるが、アリスが花をバレエ教室に誘い出すまで、花は不登校状態で人とかかわる事を苦手としていた。
先輩へのアプローチも上手にできず、盗撮や度々嘘を重ねたりと人との関わりでやってはいけない事をコンプリートしにいっている。
大げさな嘘をつく所から、虚勢や自分への自信のなさも伺える。
先輩に過去の事を聞かれた際も、まるで第三者が語るかのような口調で話しており、明らかな嘘をつく所も関心した。
だからこそ、花が宮本先輩に嘘を告白し宮本先輩がそれを受け入れた時はかなり驚きました。
そもそもで宮本先輩は花の事を生理的に少し苦手な状態であったし、
「先輩は記憶喪失だ」「自分は先輩の彼女だ」などの大嘘をつかれたら普通にその時点で嫌悪感を抱くものだと思う。
(私が宮本先輩の立場なら、花の事を心底気持ち悪く感じ拒否すると思う。)
宮本先輩に関しては、変な夢をみたり度々幻覚で倒れるシーンもあったので、花やアリスとはまた違った不安定さがあり、だからこそ花の事も受け入れたのかなぁと解釈しました。
ストーリーにはあまり惹かれませんでしたが、やはり映像の美しさや所々に感じられる歪に人間らしさを感じる作品でした。
コミカライズやアニメーションなどの関連作品もでているので、
そちらも鑑賞するとまた違った観方ができるかも知れないですね。
それでは、、
ごきげんよう、式部です。
先日映画『パーフェクトブルー』を鑑賞したので、今回はその感想です。
ネタバレを含んでいる為、気になる方はここでUターンして下さい。
概要
1997年公開、監督今敏によるアニメーション映画。
竹内義和の小説『パーフェクトブルー-完全変態』を原案としているが、内容は大きく異なる。
キャスト・スタッフ
霧超未麻:岩男潤子
日高ルミ:松本梨香
手嶋:秋元洋介
渋谷貴雄:塩屋翼
落合恵理:篠原恵美
監督:染田清之
AD:津久井教生
田所:辻親八
矢田:古澤徹
雪子:古川実子
レイ:新山志保
内田守:大蔵正章
村野:江原正士
土井正:陶山章央
電脳戦士パワートロン:遠藤孝一(レッド)、保志総一朗(グリーン)、谷山紀章(ブルー)
タク:三木眞一郎
サラリーマン:細井治
子ども:田野恵、本井英美
司会者:ショッカーO野
脚本:村井さだゆき
企画協力:大友克洋、樋口敏雄、内藤篤
プロデューサー:中垣ひとみ、石原恵久、東郷豊、丸山正雄、井上博明
演出:松尾衡
色彩設計:橋本賢
美術監督:池信孝
撮影監督:白井久男
音楽:幾見雅博
音楽プロデューサー:斎藤徹
音楽A&Rプロデューサー:堀正明
振付:IZUMI
制作総指揮:鷲谷健
アニメーション制作:マッドハウス
感想
主人公未麻がアイドルから女優に転身してから、未麻の周りに次々と殺人事件が起こっていくサスペンス。
本編の中に登場するドラマ『ダブル・バインド』が、本編のストーリーを辿るような入れ子構造になっており、現実なのか?夢なのか?ドラマの中の出来事なのか?混乱するような演出が面白い。
殺人に未麻も関与しているのではないか?
ラストの未麻の「私は本物だよ」の意味は何か?
ラストの鏡に映った未麻は本物か?
など様々な疑問が残ります。
私がこの映画を観て思い出したのが、「自分の存在は自分自身で『私は私である』と決定しなければ存在しない。浮遊した存在である」という説です。
未麻はドラマ『ダブル・バインド』の内容や置かれた状況から、自分が本当に朝霧未麻なのか?と疑心暗鬼になっていました。
又、”アイドルの未麻”(過去、ヴァーチャル)と”女優の未麻”とのギャップから、どちらが本当の自分なのか?と答えを出したがっていたようにも思います。
従って、『私は私である』と決定できず、存在が浮遊した状態だったのではないでしょうか?
そう考えると、ラストの台詞である「私は本物だよ」は、やっと自己の存在を自分で認識したという意味かも知れません。
デカルトの『方法序説』の命題「我思う、故に我在り」にも少し似ていますね。
(「自分は本当は存在しないのではないか?」と疑う自分自身は確かに存在する。考える私は確かに存在する。コギト)
一方ルミの視点から連想したのが、藤本タツキ先生の漫画『ファイアパンチ』に登場する台詞「人はなりたい自分になってしまう」です。
ルミは”アイドルの未麻”を理想とし、自分と重ね合わせ演じていた。
(webサイト「未麻の部屋」はルミが運営していた事から、ルミが多少なりとも未麻を演じていたと言える。)
「なりたい自分=アイドルの未麻」を演じる内に、本当にアイドルの未麻に成り代わってしまうというのは、漫画『ファイアパンチ』でも似たような事が起きていた。
(ファイアパンチ内では、一部演じさせられていた部分もありますが、)
2人体制になったCHAMのステージに、突然”アイドルの未麻”が登場するシーンがありますが、このシーンでの未麻はルミだったのではないかと思います。
「なりたい自分」や「現実との乖離」、「自己存在認識」など面白いテーマが盛り込まれている映画だったので、様々な思想論などを基に読みといてみるのも面白いかも知れません。
更に、「夢と現実」というテーマも加わっているので、夢分析や精神分析的な観点から鑑賞するとまた違ったものが見えてきそうです。
それでは、、