加須市 龍蔵寺山門・1 朱寿昌 (original) (raw)

通りから参道に入り、山門を見上げます。蟇股は上に4つ、下に3つありますね。

まず見やすい下の段から見ていきます。

↑こういう感じで3つ並んでいます。

一番右はこちら。これは仙人ですね。鉄拐仙人かな?

中央の彫刻がこちら。鳥ですね。何の鳥かしら。水鳥っぽいです。

そして左の彫刻がこれです。

前回記事にしたときは「タイトル不明」で処理してました。今回も山門の前でしばし悩みました。

人物が二人。左の人物は右の小柄な人物に手を引かれ介助をされている感じ。手を引かれるシーンがある二十四孝といえば「黄香」もしくは「朱寿昌」。介助されているのが男性なら「黄香」だけど、この左の人物はお団子頭で女性のよう。ということは「朱寿昌」?ああ、この女性は朱寿昌のお母さんだわ。

でも肝心の朱寿昌がいない・・・。彼がいるべきはずの場所には水鳥。

朱寿昌はどこ?

はい、朱寿昌は山門くぐって、ここにいます。瓦葺の塀の上、二つ並んだ蟇股の右側です。

旅の荷物を脇に置いて、母親に向かい恭しく姿勢を低くする朱寿昌。

二つの彫刻を並べてみると・・・。

落ち着きますねー。母親の杖は欠損しているもよう。

ARC古典籍ポータルデータベース「二十四孝諺解」より

さて、そうすると朱寿昌の左側にある彫刻は・・・。

これは閔子騫ですね。閔子騫お得意の右手で後ろを指さすポーズ。左側にいるのは髭を生やしたお父さん。朱寿昌のお母さんではありませんでした。

この閔子騫が指さす方向には本来意地悪な継母とその子二人がいるはずなのですが、そこには朱寿昌がいる、という妙なことになっています。

かくいう私も前回訪れた時は「右側は朱寿昌。ということは左側は母親ね。左右二枚で朱寿昌ね♪」と納得していました(当時撮影した写真はボケてて左端の人物の性別が不明でした)。

今回は現場で少年の決めポーズを見てすぐに閔子騫だとわかりました。ということで明日は「閔子騫」について書きます。