煎茶道 柊仙教室 (original) (raw)
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禅林茶礼から出た煎茶道では禅語を掛けることが多いようです。一方で煎茶、煎茶趣味では中国絵画や詩文を掛けたり、そしてそれについて語る、という時間を大事にします。
掛軸を読めるにこしたことはないのですが、読めたからといってその言葉が心に落ちてくるかはまた別の話。
毎年同じ時期に掛けてくださる禅語の一幅をぼんやりと眺めて過ごし、数年後のお稽古で突然理解する…と、そんなこともあります。
そうなるとその言葉は真にその人のものとなります。
萬福寺では5月に全日本煎茶道連盟主催の全国大会が開かれます。2023年は松陰堂で席主をさせていただきました。
お道具は家元より立派なものを貸していただき、手前座にさっと鳳凰の暖簾を飾ってくださいました。
松陰堂の襖絵は白い鳳凰。
床飾りにとわたしが持っていった爵はレプリカですが、西周時代の鳳凰紋のもの。
意図せず自然と鳳凰の集った茶会となりました。
お茶会における水屋のこと、細々とした準備やお茶の淹れ方はお茶会のお手伝いをして学ぶものですが、昨今の情勢によりお茶会の機会なく2年となり、師範会が水屋研修をしてくれました。
水屋からはたて出しのお茶を出しますから、一気に複数名分のお茶を大きな搾り出しで淹れます。お湯も茶葉も加減が違うようです。
実際のお茶会ではしませんが、温度計で測り、熱ければこう、緩ければこうといく種類かを試します。
わかっているようで思わぬことに驚いたりもします。やはりお稽古を重ねるということ自体に意味があると、気づきのひとときでした。
冷煎という冷たいお茶を淹れるお手前の中に、氷を贅沢に使ったものがあります。
当流、黄檗売茶流オリジナルの大きなお茶碗、平成茶碗に氷をうんと詰めて、玉露を淹れたら、氷を蓋で押さえながらいただきます。
氷を惜しげもなく使えるようになってから考案された、新しいお手前ですが、蓋で押さえて飲むというのは啜り茶のスタイル。お手前も手際良くしなければ氷が溶けてしまいます。ある意味上級者向けのお手前といえるでしょう。
煎茶道のお教室を京都市役所前駅の傍らに構えたのはちょうど一年前です。初めてのお生徒さんができたのは今年の3月のこと。
お教室の計画は2019年からあったものの、焦らなくてもいいかとのんびりしていたら、コロナ禍に巻き込まれ、半年以上のひとりぼっち、この有り様です。
良いこともありました。
野点に初めて出てみました。
また今までお忙しくされていたお家元に、まだ見たこともなかったお手前について稽古をつけていただけました。
折々のお手前、日々のお稽古、そしてお茶会についてお話しする場にしていけたらと思います。ぜひお付き合いください。