Strings Diary (original) (raw)

JR東日本はついに銀行にも手を出し始めました。そのくせしてはやぶさとこまちの連結面が外れたり架線が外れたりと問題を起こすので、本業のはずの鉄道事業がおろそかになっているんじゃないの、と言われてしまうんです。私もそう思いますが、今日はそういう話ではなく、JRE BANKに口座を持つ人のうち、一定条件を満たした人に配られる優待券を使ってみたというお話です。

各種ある優待のうち、1番目を引くのは運賃・料金4割引券でしょうか。基準日時点で口座の残高が50万円あれば3枚くれるというので、基準日の前後1日だけ残高の数字を増やすためだけに親から50万円借り、このほど見事3枚もらいました。

割引の内容は株主優待割引と同じですが、ひとつ制約があるのは「えきねっとで申し込めるもののみ申し込み可」というもの。ただでさえ使いにくい(制約の多い)えきねっとの中でしか使えないというのです。

ところが「その他取り扱いは旅客営業規則に準じます」との記載を見つけました。つまりJRE BANK優待は企画券などではなく、あくまでも普通乗車券(および料金券)。一旦ダミーのきっぷを購入して出札で乗変すりゃいいじゃないというわけです。10月15日から使えるというので実際にやってきました。

割引印字「東・優・4割53」は株主優待割引とまったく同じです。

左側がもとのダミーきっぷ。乗車券・料金券ともにダミーである必要はないので、料金券に合わせてダミーの乗車券を発券しました。

一通り手続きを終えたところで、「えきねっと上で一旦決済をしてMVで発券してからここ(出札口)へ持ってきたのですが、もしかしてえきねっと上で『駅でお支払い』を選択しておけば、乗変扱いにならずに済んだのですか」と伺ってみました。決済前であれば手数料の類もありませんし、「"購入"したきっぷを"変更"する」ことにはならないと考えたからです。

いただいた返答は「そんなことはない」でしたが、「窓口で優待券の画面を提示していただければ、可能な限り対応する」とのことで、どうやらえきねっとで扱えないきっぷであっても窓口では発券してくれるものと推察します。次回はえきねっとで予約せずにいきなり出札に掛け合ってみようと思います。

北海道&東日本パス2枚を使った14泊15日間の旅行の中で、稚内に2泊しました。泊まったのは**ライダーハウス「みどり湯」**。ライダーさんの中では大変有名なライダーハウス(以下、ライハ)で、南稚内の駅から近いということもあって利用しました。

ライダーハウスは、バイク乗りや自転車乗りの方が利用する簡易宿泊所のようなもので、屋根だけ提供するから寝具は自前で用意してきてくださいというところもあれば、「みどり湯」のように寝具も置いてあるところもあります。

ライハはもともと法律上宿泊施設ではありませんでした。ところが2019年の消防法改正によって旅館やホテルと同じく宿泊施設としてみなすことになり、さしあたっては消防施設の更新が必要になったのです。その改修に費用がかかりすぎるということで、法改正を機に閉じてしまうライハが続出。国内に現存するライハは片手で数えるくらいになってしまいました。

しかし中にはライハとしての営業は終了しても、どうせならもうけを考えてゲストハウスにしたりユースホステルのような形に変えたりしたライハもあるんだとか。「みどり湯」も消防と大喧嘩しながら設備を改修したことで営業を続けられているのだそうです。いずれにせよ大変貴重なライハであることに変わりはありません。

この「みどり湯」の最大の特徴は21時から開催される"会合"でしょうか。

宿泊者は全員、21時に1階のリビングに集合しなければなりません。そこでは、おかみさんからの注意事項説明のあと、全員で記念写真を撮ります。その写真は「みどり湯」公式ブログに毎日アップされています。

そしてそのあとは明かりが消え、天井のミラーボールが点灯すると自己紹介タイムとなります。名前、住所、どんなバイクに乗ってどんな旅行をしているのかなどなど。各自が自由に軽く自己紹介をするのです。

1泊目の様子。しゃべっているところを撮っていただきました。

バイク乗りの方が8割ほどを占めますので、「私こういうバイクに乗っています」という部分は盛り上がります。小さいバイクに乗っていると「そんなバイクでここまで来たんだすげえ」という感嘆(?)の声もあがります。

「昨日敦賀から小樽まで来ました」「オレは大洗から苫小牧まで」などなど。いろんな方がいます。若い方から熟年の方、入院を控えた方やもちろん鉄道で来た方も。私は数日前に夜行の津軽海峡フェリーに徒歩で乗って北海道に渡ってきたのだと話しました。

そして自己紹介が一巡すると、全員で肩を組んで松山千春の「大空と大地の中で」を合唱して散会となります。

リビングではサンゴー缶のクラシックを1本350円で売っていますが、持ち込みの可否はわかりません。屋外で飲むのは近隣の方との約束で22時まで、消灯は23時厳守ですが、横の居酒屋は午前1時まで営業していますので、自己紹介タイムで盛り上がったあとそのまま流れていくことが可能です。このリビングにはコンセントがあり、各自持ち込んだたこ足をつないで夜の間にスマホを充電するのです。Wi-Fiもあります。

お隣の銭湯は2019年に改装し、1回490円。そのときに居酒屋もオープンし、オーナーさん曰く「稚内で最もビールにこだわっている」居酒屋だそうです。稚内市の中心は稚内駅ではなく南稚内駅の方ですよ。クラシックにアサヒはもちろん、日替わりで海外ビールも置いています。1日目はハイネケンやコロナ、2日目はカールスバーグやエールビール(名称失念)などなど。おつまみも充実しています。

トロサーモン丼850円。その他海鮮丼650円。やっっっっす。

宿泊料は1泊2,000円。人数把握のため電話はした方がいいと思われますが、飛び込み利用にもおそらく対応しています。夏休みの最繁忙期にはマックス53人が利用したとのことですが、どこをどう見渡しても53人が寝れるスペースなんてない気がします。無理やり寝るんでしょう。Googleマップのクチコミには「二度と行かん」というのも散見されますが、そういう人をターゲットにした場所ではありませんので、来なけりゃいいのです。私はハマりました。

で、鉄道利用者向けアドバイスをちょっと書いておきます。

当然ライダーさんは鉄道とは関係ありませんので、ライハは駅から遠くてもおかまいなし。ところが南稚内の駅から歩いて10分くらいという、鉄道利用者にとっても好立地なのも「みどり湯」の魅力です。近くにはセコマもあるので食べ物には困らないと思われます。

もうひとつ、消灯が23時ですので、**稚内行き最終の特急サロベツ3号に乗ってはいけません**。ようやく南稚内についてさあ宿だと思ってもチェックインできません。よって旭川13時35分のサロベツ1号、普通列車縛りであれば旭川12時33分発の325Dに乗るしかありません。まあ、勝手に寝て翌朝おかみさんに言えばなんとなる、ような気もしなくはありませんが、ご迷惑ですからさすがに控えるべきです。朝の早さは気にする必要はありません。南稚内駅の始発は5時25分発名寄行き4324Dですが、鉄道利用者よりライダーさんの方が早起きだからです。

今回「みどり湯」には2連泊したのですが、出発する日の朝、日付が変わるころまで飲んでいたせいで、5時25分発の名寄行き普通列車に乗り遅れました。名寄までサロベツで行かなきゃいけなくなったとき、昨晩ご一緒した方に事情を説明すると「名寄までバイクで送って行ってあげるよ」(ヘルメットがなかった)とか「え、特急券代くらい出してあげるよ」とか言われてしまいましたが、さすがに夜遅くまで飲んだ自分が悪いので受け取れませんでした。「みどり湯」はそんな人たちが集まってくる場所です。

みなさまどうかご安全に。

「みどり湯」公式ブログのリンクです。もちろんどこかに私も写っています。

blog.livedoor.jp

お会いした方々、ありがとうございました。

今日のツマミをさっそく投下。

「篠井線」の「篠」の字が間違っておるではないか。謎にきへんになっていますが、そこは見なかったことにするとして、海老名発長野行きの片道乗車券です。まずはご覧ください。

きっぷに記載する情報量が増えるにしたがって「85mm券→85mm券に手書きで追加→120mm券→120mm券に手書きで追加→出札補充券」と遷移していくと思うのですが、この境界がいまいちつかみ切れていません。

125mm券は75バイトまで、85mm券は49バイトまで対応しているとの情報を見て、私は以下のAとBの2プランを持って出札に赴きました。

A 「海老名(相模線)茅ケ崎(東海道線)大船(根岸線)横浜(東海道線)東神奈川(横浜線)八王子(八高線)拝島(青梅線)立川(中央東線)東京(新幹線)糸魚川(大糸線)松本(篠ノ井線)篠ノ井(信越線)長野」 → 85バイト

B 「海老名(相模線)茅ケ崎(東海道線)大船(根岸線)横浜(東海道線)東神奈川(横浜線)八王子(中央東線)東京(新幹線)糸魚川(大糸線)松本(篠ノ井線)篠ノ井(信越線)長野」 → 73バイト

事前の見立てだと、プランAだと経路オーバーでマルス券では発券できずに出札補充券になるだろう、そうなると発券に時間がかかって面倒なので、補充券になりますと言われたらプランBにして120mm券にしようと考えていました。

が、ご覧の通り120mm券に手書きで経路を追加することによりプランAを120mm券にて発券されました。マルスというやつは「東海道」を「東海」と略したり、露骨に経由を省略したりするのでいつどんなときにきっぷの長さと裏の色(磁気券の黒と補充券の白)が変わってくるのか謎です。

ただその場の気まぐれということはないはずなので、経路の組み合わせ次第といったところなのでしょうか。

この日はリゾートビューふるさと+ナイトビュー姨捨の2連投でした

おまけに出札補充券も経路が少ないものだと発券に1時間程度で済むのですが、長いと2週間ほどかかります。実際に以下の経路で乗車券を申し込んだところ、1時間程度で発行され、「あともう1経路多ければさらに時間がかかっているところでしたよ」と言われました。研究されている方向けに経路を記しておきます。

都区内(京葉線)蘇我(内房線)安房鴨川(外房線)大網(東金線)成東(総武線)西船橋(武蔵野線)南浦和(東北線)大宮(新幹線)越後湯沢(上越線)六日町(北越急行ほくほく線)十日町(飯山線)飯山(新幹線)佐久平(小海線)小淵沢(中央線)都区内

先日某駅出札のマルス端末の陰に置かれていた段ボール箱曰く、マルス券の製紙会社は三菱製紙のようです。以前王子製紙製と聞いたことがありましたが、変わったのでしょうか。そもそもガセだったのでしょうか。

紙の色が駅によって若干違って見えるのも謎です。左の小諸駅E1発行のものの方が紙の色が濃い気がします。あんまり売れないから色が変わってしまったとかですかね?ちなみに小諸駅しなの鉄道の管理ですので、JR東では「みどりの窓口はございません」と案内していますが、実際にはマルス端末があり、指定券の取り扱いも普通に行っています(訪問日時点)。

最後長野駅で無効印をもらおうとしたら、改札さんに下車印の多さを驚かれました。

家のきっぷコレクションからこんなものが出てきました。

団体旅客乗車票です。中学3年の関西方面の修学旅行では東京から新幹線に乗ることになっていまして、そのときに配布されたものです。

f:id:strings_travel:20240826095812j:image

これはなんなのか。

たとえば東京から京都に修学旅行に行くとします。添乗員や引率の先生方は東京駅から京都駅までの団体乗車券を持っていますが、生徒たちは集合場所である東京駅まで行くすべがありません。おまけに本来は「東京都区内→京都市内」の乗車券のはずですから、特定特市内分を補ってあげようというのがこの団体旅客乗車票の趣旨です。ちなみに東京の場合は山手線内用と都区内用の2種類あるようですが、私が持っているのは都区内用のもののみです。

ところが、2024年4月1日以降に出発する学生団体より廃止されたそうです。今後は東京駅などの集合場所へは各自が交通費を負担する必要があるとのことです。

shugakuryoko.com(リンク切れはご容赦くださいな)

なぜ廃止されたのでしょうね。発行や配布に手間がかかる、修学旅行自体が減っている、といったところでしょうか。日本修学旅行協会が出している「データブック教育旅行年報2023」にこの辺のデータがいろいろ出ているっぽいです。国会図書館に行って閲覧してから記事にしようかとも思いましたがめんどくさいのでやめました。

集合場所までの交通費分儲かるから・・・と考えているならばこれまた利用者軽視の経営姿勢だ!!!と言わざるを得ない気がします。ただし記事公開日時点でJR西日本のFAQには「団体旅客乗車票を交付することもでき」るとの記載が残っていました。

faq-support.westjr.co.jp

* * *

ご無沙汰しております。8月最初の更新となりました。別に忙しかったわけではありません。大学生の夏休みなんて暇ですからね。

9月からは北海道&東日本パスを2冊買って、2週間ほど北海道に行ってきます。旅行中も適宜更新していこうかなあなんてぼんやり考えていたり考えなかったりしています。

国内の夜行列車もすっかり数を減らし、定期列車ではサンライズ瀬戸・出雲のみとなってしまいましたが、そんな中でも最近のJRは臨時の夜行列車をわずかながらにも出し始めました。それらを利用して夜行列車に連泊企画を打ち立てました。

1泊目

記念すべき(?)1泊目はサンライズです。姫路で降りることにしましたので個室寝台はもったいないと思って、ノビノビ座席にしました。

strings-travel.hatenablog.com

試しにMVで「姫路→岡山」のサンライズノビノビ座席の空席を照会したところ、なんと×の表示。なんだと、姫路から私の寝ていた席に人が乗ってくるというのか、と思って姫路で降りられるかひやひやしていましたが、大阪あたりで目が覚め、さらに姫路から乗ってくる人はいませんでした。よかったよかった。

そのまま姫新線智頭急行因美線を乗り継いで鳥取に行ってきました。

2泊目

2泊目は「WEST EXPRESS銀河」ぷらっとこだまを使って、京都までグリーン車で優雅にやってきた友人Tと京都で合流し、紀南コース下り夜行の2日目に乗ってきました。ガソリンを買い込んでフリースペースで乾杯。大阪を出たらほかの人に譲ろうと思っていましたが、なんと天王寺を出たらビンゴ大会をやるというのです。仕方なくそのまま居座っていました。

この日の昼間は鳥取にいましたので、鳥取土産の「因幡の白うさぎ」が肴になっています。

和歌山で1時間ほど停車。その間にこってこての和歌山ラーメンをいただきました。お酒のあとにシメに食べるラーメンの背徳感といったらたまりません。

こってりすぎて苦しそうに食べる友人T。

寝床はクシェット。友人Tと2人で上下でおさまりました。都内某駅で10時打ちしましたが、上下で空いていたのは最後の1区画だったようです。出札さんには感謝です。

クシェット。疲れていたせいか、思ったよりも快適に眠れました。

新宮行きですが、我々は紀伊勝浦で下車。那智の滝に行ってきました。

3泊目

ラストは谷川岳山開き」。上野を23時42分に出て、終点の土合には3時10分に着くという、3泊目にして最も過酷な座席夜行です。上野では発車の10分ほど前にドア扱い。NewDaysで朝食を買い込んで乗り込み、アイマスクをして入眠、かと思いきやここで検札という思わぬトラップがありました。

検札は前の車から来るだろうと思って、先頭の5号車のさらに前の方の席を押さえていましたので、比較的はやめに寝られるだろうと思っていましたが大間違い。なんと、うしろの車から来たのです。ぐっすり眠っていた私は車掌さんに起こされ、乗車券と特急券を提示。目は半分閉じていましたので、まったく覚えていませんが、山間部らしい走りをしていたので、新前橋を過ぎて上越線に入ってからだったのでしょう。

車内は半分以上が鉄道マニアですが、周りの人と車掌さんとのやり取りを盗み聞きしていると、上野からSuicaで入場してきたという猛者もいました。どうりで時間がかかるわけだ。土合でどうするおつもりなのでしょうね。

さらに驚いたことに、土合駅におそらく水上駅の駅長以下助役さんなど5〜10名ほどいらしていたのです。朝3時に、です。車掌さんも夜通し立ちっぱなしで検札。大変ご苦労様です。誰もいなくなった回送列車の車内でゆっくり休んでくれと言いたくなります。

午前3時。山奥の無人駅にこんなに人がいるなんて驚きです。

私は谷川岳ロープウェイに乗る気満々だったのですが、横にいる友人Tが歩きながら寝てしまうありさま。すれ違ったおばさんに「大丈夫!?!?!?」と言われてしまうほどで話にならなかったので、仕方なく始発の上り列車で引き返しました。

【きっぷについて】

乗車券を変な買い方をした方が安いことがわかりました。乗る順番通りに先に山陰を回るのではなく、紀伊半島をまわる方を組み込んだ方が180円ほど安かったのです。各列車の検札の車掌さんには苦笑いされましたけど。

姫路の下車代とWE銀河のオリジナル入鋏印を回収。

真ん中の「大阪市内→大阪市内」の乗車券をもって京都で途中下車しようとしたところ、穴をあけられてしまいました。あやうく無効印も押されるところでしたが、すかさず「途中下車です!!!」と突っ込んで事なきを得ました。穴をあけられた時点で得てないか。ちゃんと聞いてくれ、券面を見てくれ・・・と言いたくなります。

今回の鳥取県訪問をもって、私が訪れたことのない都道府県は沖縄県ただ1つとなりました。近いうちに行こうと思います。

大都市近郊区間の選択乗車制度を逆手に取った「大回り乗車」。これは東京駅から新宿駅まで行くのに、中央線に乗っても、山手線の内回りに乗っても外回りに乗っても、最短経路で乗車したものとして運賃を計算するというものです。たかだか200円くらいなのにいちいち実際にのった経路を厳密に算定していてはコスパが悪すぎるからです。

東京から上野東京ライン常磐線直通列車に乗って茨城県の友部、水戸線に乗り換えて栃木県の小山、そこから湘南新宿ライン直通の快速にでも乗って新宿、としても東京から新宿まで中央線に乗ったとみなしますよということで、私もよくやったものです。というか今でもやります。特急券を買い足してちょっとリッチにすることもあります。

やり始めた初期のころはエド券(ちっさい細長いオレンジっぽいやつ)とかマルス券(緑っぽい新幹線に乗るときにみるきっぷ)など、紙のきっぷを買っていました。ところが、途中で時間制限があることに気が付きました。なんの問題もなく乗車して最後にきっぷを自動改札に通して出場しようとするとはじかれるのです。改札係に「あのー、通れなかったんですけど」と申し出ると、なにかを察した表情で通してくれたこともあれば、「どうしたんですか」「大回り乗車です」「経路は?」などという問答をしたこともありました。

そこで自動改札のエラーメッセージをよくみると入場時刻が表示されているのです。これをみて「おや?これは時間制限があるな?」と気が付いたわけです。ググっても検索に引っかかりません。JRはもちろんこの手の情報を出すわけありませんからね。

で、暇だった高校生の私は何度も試しました。山手線の某主要駅から自宅の最寄り駅まで170円区間です。改札を入った時間を確認して、まず8時間、次に7時間という具合に試していきました。徐々に短くしていけばどこかで改札をはじかれることなく出場できるだろうと考えたからです。

予想はビンゴ。4時間では問題なく通過できたのです。次は5時間3分くらいと4時間58分くらいで試しました。5時間3分を試すためにホームで時間まで少し待っていたり、4時間58分で試そうとしたところ電車が遅れて失敗したり、なんてこともありました。すると前者ではだめで、後者では問題なく通過できたのです。大回り乗車の時間制限は5時間ということがわかりました。

・・・Suicaだとまた違うのでは?と思い、Suicaでも同じプロセスで検証。すると、時間をどんなに伸ばしても自動改札を問題なく通過できたのです。どうやらSuicaだと時間制限がないらしい。

ということで今日の結論。「紙のきっぷを使った大回り乗車の時間制限は5時間、交通系ICカードは時間制限なし」です。

改札を通過できるかできないかの検証なので、ドアが開いたらほかのお客さんが改札口に来る前か、人波が去ったあとの、私一人がひっかかってもあまり迷惑にはならない瞬間を狙って行きました。今の私はモバイルSuica一択です。

サンライズ瀬戸ノビノビ座席を「東京→姫路」で利用しようと思ってe5489をぽちぽちしていましたが、個室寝台や出雲号も含めすべて満席。そして「東京→高松」で再度検索をかけると空席が△でしたので、さては発売制限をかけているな?と察しました。

出札に掛け合ったら買えるかもしれないと思って移転直前の渋谷駅西口の出札に行きましたが、結果は同じ。「東京→姫路」は発売制限のため発券不可と告げられ、仕方ないので一旦「東京→高松」で買っておきました。あとで姫路までに変更すればいいと思ったからです。

もとのきっぷ。雑な切り抜きですみません。

ところが個室寝台とは違い、ノビノビ座席は普通車指定席の扱いですので、私が姫路までしか予約を入れなければ、姫路から別の人がさっきまで私の体が横たわっていた場所に寝ることだってできます。よって「高松に行きたいけれども出雲のシングルしかとれなかった。仕方がないから岡山で空いた瀬戸号のノビノビ座席に乗り継いで高松まで行く」という芸当も可能ではあります。そのような人にご迷惑になってしまうので、実際の乗車区間通りの「東京→姫路」に変更する必要があった、というわけなのです。

そして乗車日が近づき、発売制限も解除されただろうも思って「東京→姫路」に変更するべく再度出札へ。ところが。

マルス端末では席を保持したまま区間を短縮することができないようなのです。一旦空席に戻してから再度同じ席を取り直すという操作しかできないようで、それだと一瞬の隙に席を取られてしまうかもしれません。

まあ私としては取られたとしてもキャンセルを拾える謎の自信がありますので構わないといえば構わないのですが、永遠にe5489をぽちぽちし続けるのはとんでもない手間なのでできれば避けたい。

で、出札さんも頭をひねった結果、マルス指令に電話をかけ、未乗区間の「姫路→高松」を空席に戻し、最後は料金専用補充券を書くという結論に至りました。

発行場所は都内の直営駅です。簡易委託で指定席を扱っている駅より入手難度は高いように思いますが、今回のような取り扱いをすれば必ず料補かというとそれはわかりませんので同じようなことをされる際はお気を付けください。

空いている瞬間を狙って出札を訪れ、しかもマルス端末でさくっとできるだろうと思っていましたがとんだ誤算だったようです。結局1時間以上かかってしまいました。料金は変わりませんが、元の「東京→高松」3,860円を全額払い戻し、再度同じ額で購入しました。

こういうときって、マルス端末がどうのとか、補充券がどうのとかをあえて言わず、あんまりマニア感を出しすぎないようにしています。マニアを忌み嫌う方もいますから、警戒されて「区間を短くすることはできない。車掌に申し出てくれ」と言われて取り扱いを渋られてしまっては面倒だからです。私も出札さんも面倒で、並んでいる人も「またマニアの野郎が」と思ってしまって誰もハッピーにならないので、そこは素人のふりをして気を付けています。

また今回の出札さんはかなり快く対応してくださいましたが、実乗区間のきっぷを買うのが大原則という"正義"を盾に、(料補での対応になると知っていながら)面倒な手続きを要求する悪質なマニアとも捉えられかねないな、とあとで思いました。

* * *

サンライズは都合3度目の乗車、ノビノビ座席は初めてです。姫路に5時25分に着きますが、深夜帯につき到着前の放送は岡山までありません。寝過ごしのリスクが非常に高いのですが、シャワーを浴びるべくドア扱いの時刻にホームに上がって列に並びました。ところが。私の2人前で売り切れ。念のため出雲号のシャワーカードも見に行きましたが当然にして売り切れ。今夜のシャワーはなしです。

若い女性2人組や外国人観光客もお乗りでした。

料補でサンライズに乗るという私のちょっとした夢がはからずも叶ってしまいました。