東奔西登 (original) (raw)
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今年も早いことでもう6月ぅ!?
時が経つ事の速さ恐ろしさその残酷さを感じている今日このごろ。
ここで今年の1月〜5月までどこで何してたの?を備忘録的にまとめて見ようかと。
相変わらずの放浪生活ではあるけれど、最近は岩場の近くで働きながら2〜3ヶ月を同じ所で過ごすことが多くなって来た。
このままどこかで定住という気分も高まってきたので、キッカケがあれば…
登りの方はというと相変わらずボルダリングがメインではあるけれど、ここ最近は幸いにも週末は決まったパートナーにビレイしてもらえることが多く、リードの回数も増えてきた。
それでも長時間、自分の登りたい課題に付き合わせるのは気が重く、登りたい課題がトップロープソロ環境の設置できる課題ならばトップロープソロで練習したり。
そうなると当然、オンサイトやグラウンドアップスタイルにはほど遠くなってしまうけど、これが今のところ自分にとってのベスト。
なによりも限られた時間の中で色々な岩に触りたい。
まぁ、何かと「スタイル」が重要視される日本のクライミング界で、スタイルについての意識が千葉県の最高峰なみに低い私の事なので、このブログに熱い文章は期待しないでください。
そもそも「スタイルに拘ってクライミングしてます!」っていう人の中でも「この課題だけはリスクが〜で〜何々が〜」って散々グチグチ語って終いには「自分がもっと強ければより良いスタイルで登れたのに悔しいです!」みたいな締め方をしてるのをたまにブログやら雑誌記事やらで見るけど、結果として残るのはあれだけイキって語ってたスタイルを放棄したという事実だけなのではないかと。
「自分の弱さを認められるオレ」に酔っているのかも知れないけど、信者を除く世間的な反応は「さんざんスタイルスタイル言っといてそれかよ」みたいな冷めたものだと思う。
私みたいな弱小クライマーは知っているのです。
スタイルを語ることは、真綿で自分の首を絞める行為に等しいということを!
さて、今年の1月〜5月はドコでナニやってたのって話。
2024年1月
城ヶ崎〜タイ〜湯河原
年末年始を城ヶ崎で過ごせそうな仕事を見つけて、2023年の年末〜松の内までは城ケ崎で過ごす。
ほぼボルダリングのみで、一度だけパートナーが居てくれたのでファミリークラックエリアで5.9前後のクラックで遊ぶ。
ボルダリングでは門脇南の磯で「炎の導火線」を登った。
痛いフィンガージャムに耐える「炎の導火線」
山野井泰史氏初登のルーフ〜薄被りのフィンガークラックでグレードは二段とされていて、完登者の中から異論をとなえる者はいないようなので、グレードは二段で間違いなさそう。
私はクラックボルダーの経験が少ないから何とも評価できないのだけど、クラックではない他のボルダーの二段課題と比べても同じくらいの難しさに感じた。
城ケ崎での仕事が終わった後は、正月連休を避けるような日程でタイのクラビへクライミングに。
夕暮れのビーチがいいですね。人多すぎだけど。
ゲストハウスの猫が可愛くて癒やされた。
今回で二度目のタイだったけど、リゾートクライミングのゆるい感じが好き。
物価はどんどん高くなっている&円安の影響もあってお手頃感は少なくなっているけど、機会があったらまた行きたい。
自分的な高難度では、Tidal Wave 7cが登れたのが嬉しかった。
岩場で知り合ったオージーのアダムがヌメりがちなスローパー棚をブラッシングしてくれて、その後のトライで登りきって良いところを見せた。
Tidal Wave 7c が一番印象に残ってるルート
ブラッシングしてくれてるアダム。オージーは優しい
2024年2月
湯河原〜三重〜福岡〜宮崎
スマホの突然死によってその時の写真が消えてしまったので、正確なことが思い出せない…(備忘録の意味無し)
Xに投稿したこの朝焼けが印象的な旅だった
YouTubeにアップしている動画を見ると、湯河原で「アナコンダ」楯ヶ崎で「ハテナ」
ランジがとにかく怖かった「ハテナ」
福岡のうきはボルダーや大分の虫月ボルダー、宮崎では日之影の新エリアやエンドウォールで登ってる。
うきはボルダーはコンパクトにまとまっていて落ち着く岩場
久しぶりに何も予定のない時間で、風の吹くまま気の向くままの放浪クライミングの1ヶ月間だった。
エンドウォールは時間的に少ししか登れなかったけど、また行きたい場所
下道で一週間以上かけて九州まで行ったものの、今回は理由あって一ヶ月もない短めの九州滞在だったから、今度はもっとゆっくりしたい。
それと、やっぱり2月後半の九州は雨が多かった。
2024年3月
仕事までの日程調整で地元辺りでフラフラと。
と言っても実家で寝泊まりしていた訳ではなく、あい変わらずの車中泊。
奥多摩というか武蔵五日市方面では白岩の滝ボルダーと紹介されているマニアックなボルダーを登ったり、極寒の日原ボルダーを一日だけ訪れたり。
現状では三課題だけながら、どれも面白い白岩の滝ボルダー
漫画「孤高の人」ファンの聖地?横須賀の鷹取山にも初めて行った。
ダブルダイノノーロープ、やっちゃった(テヘッ の岩場
ネットのトポを鵜呑みにしてスタート位置を微妙に間違えてしまったけど、人気課題の「天の川」をオンサイト。
トップロープの岩場だからOSできたけど、リードだったら厳しかったかも。
秩父では、人が発見開拓した岩場の未登ラインを狙うというハイエナ的活動で、埼玉県横瀬町の矢花橋ボルダーに長めのトラバースラインを引いて遊んだ。
初段〜二段くらいの充実する課題。自由な岩登りは面白いすね
2024年4月
瑞牆山・小川山
この月から仕事が始まるもあって早めに小川山入り。
4月というのに暖かい日が多く、まだ木々に葉がついていない日の当たるボルダーはヌメリが気になるほどだった。
登るときは半袖でちょうど良いような日は快適ではあるけれど、自分にとって難しいボルダーを登るにはちょっとツラい。
この月は気になってはいたけど「いつでもトライできそうだから」という理由で登っていなかったボルダーの課題をいくつか登った。
「フィロソフィー」とか「流星」とかなのだけど、どれも楽しかった。
G.W前の空いている小川山は気持ち良いけど日差しが暑い!
2024年5月
ほぼ仕事。
よくリア充はSNSをしないとか言われるけど、自分は逆のよう。
日々、何の充実感もなくて何も投稿することがない…。
唯一、書くことがあるとすれば、小川山のルートで登りたい課題ができて、それが厳しくて(ツラいけど)楽しいというところ。
登れたらSNSに書こうと思ってネタっぽい文面も考えているのだけど、そういう邪な気持ちのある課題って大体苦戦するんだよなぁ。
って感じの1月〜5月だった。
梅雨っていうのもあって秋までは仕事ばかりの期間になりそうだけど、イベントの控えている秋に向けて怠けずに過ごしたい所存です。
あいかわず半季節労働者、半車上生活者のような生活を送っています。
フリーwi-fiを捕まえるスキルだけが上がっているような気がする今日このごろ。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今年も残すところあとわずかということで、今年の振り返りでも。
定住地を持たない生活をしているので、今年の何月にどこに居てどんな事をしていたのか?というのが自分でもたまにわからなくなります。
スマホの写真アルバムを見て「ああ…◯月はあそこであの課題を登っていたのね」と思い出すことばかり、せっかくなので自分のための備忘録も兼ねてここに記します。
2023年1月 愛知〜岡山〜徳島〜高知
2023年の元旦は愛知県にある三河湾を一望できるホテルの一室で迎えました。
と、書くとリッチな感じがするけど仕事です。これまでにない立派な客室寮で最高でした。
ネパール人のスタッフが多く、働き始めてすぐに「ネパール語を使う日本人が来た!」とネパリのスタッフ間で話題になったようで、仕事なのに楽しい日々だった。
年末年始の短期の仕事だったので休みは少なく、豊田に登りに行ったりしたけれどこれといって成果はなし。やはり豊田の岩は苦手。
仕事が終わってからは岡山経由で四国に移動。
岡山では矢掛ボルダーで宿題だった「エイプリルフール」。
徳島ではふと立ち寄った立川ボルダーで「大谷ハングSD」。
高知では日ノ御子ボルダーで「フラッシュオーバー」、「I Scream」、「Crazy crazy」etc…
ここのカチまでがとにかく遠かった
特にフラッシュオーバーはリーチ差が出る核心部を両足でフックというムーブで解決できて、価値ある完登だった。
2月 高知〜愛媛
引き続き四国をプラプラ。
2月の後半まで高知でお仕事をして、自由になった後は愛媛県の松野町にある滑床渓谷ボルダーに行ったりした。
滑床渓谷ボルダーはコンパクトなエリアだけど、内容の濃い課題もあって楽しかった。
「水の戯れ」という課題がロケーションが良く、岩も格好いいのでお勧めです。
ロケーションが良い「水の戯れ」
3月 ネパール
季節外れの降雪が続いた3月のエベレスト街道
この月はさすがに忘れはしない。
10年前にも一度歩いたエベレスト街道のトレッキング。
その時は無茶なプランで高山病に掛かり、トレッキング中に食べる物にあまり気を使わなかったからか下痢にもなってしまい、そのダブルパンチで敗退したのがずっと胸に引っかかっていた。
今回はその再挑戦と、せっかくこの10年の間にクライミングも始めたことだし、エベレスト街道ベースキャンプに向かう道中でボルダリングをしてみようと思い、クライミングシューズも持っていった。
世界一ロケーションの良いボルダーです!?
この選択は大当たりで、素晴らしいロケーションの中で一生の思い出に残るようなクライミングができた。
4月 ネパール〜スリランカ
エベレスト街道トレッキングが予定外にスムーズだったため、欲?を出してアンナプルナベースキャンプまでのトレッキングもする事にした。
アンナプルナベースキャンプからの景色
もちろんクライミングシューズを持って。
アンナプルナまでは歩く予定はなかったのだけど、この年の4月からアンナプルナの山域はガイドの同行が必須となるようで、一人で気楽に費用も安く歩くラストチャンスと思って3月31日に滑り込みで入域した。
EBCトレッキングに比べると日数も短く展望もあまり望めないルートだったけど、マチャプチャレ等の美しい山々を眺めながら村から村へ歩く旅はRPGゲームのようで楽しかった。
クライミングと同じくらい好きな沈没系海外生活も楽しんだ
ネパールからの帰りは航空券が安かったからというのもあって、スリランカに寄り道。
スリランカの至る所にあるニッポンペイント。日系企業なのかは謎
初めての国で勝手がわからず、疲れる事もあったけど楽しい国だった。
ノーマット×海岸×高波のハイボール
これが日本人初だったとしたら面白い。
スリランカは物価も安いし、クライミングの対象となりそうな岩が沢山あればまた行きたいかも。
スリランカ一番のお気に入りはライオン・スタウトの黒×バニラアイス
5月〜6月 長野県
日本に帰ってきてからは早々に仕事を決め、小川山や瑞牆山へのアクセスが良い長野県の宿泊施設での仕事を決める。
稼働時間短めという事で「仕事終わってから登りにいけそう!」と選んだのだけど、夕方3時とか中途半端な時間で終わってしまうので岩に行くにも微妙だったけど・・・。
それでも、ずっと登りたいと思っていた瑞牆ボルダーの「陽炎座」が登れたので良い滞在だった。
その他は友人がしばらく小川山・瑞牆山でバムをしていたので、一緒にクラックルートを登ったりもした。
人気ルートの春うらら、イムジン河をRP。
7月〜10月 北海道
7月の半ばに南牧村での仕事が終わり、3日と空けずに即、北海道へ。
大洗港近辺で38℃だった外気温が苫小牧についたら24℃前後(ただし北海道としては湿度高めで暑かった)だったのが北海道を感じさせた。
今年の夏は北海道といえども暑く、35℃近くになる日もあった。
そんな中、層雲峡の看板クラック「ロングナイト」5.12bが登れたのが本当に嬉しかった。
これだけでも北海道に来た甲斐があったと思える。
北海道でのお仕事はホテルでの勤務が終わっても、十勝でカボチャやじゃがいもの収穫をしたりしてまた新しい体験ができた。
第一次産業を初体験
ワイドピンチの連続で握力がなくなるカボチャの収穫は二度とゴメンだけども・・・。
今回の北海道はリードメイン(といっても暑すぎてシーズンが短かったけど)で赤岩青巌峡の「バウ」神居岩の「マッスルマン」義経岩の「ジュスティーヌ」など思い出のある課題ばかり。
三角形の岩塔が格好いい、赤岩青巌峡「バウ」
ボルダーは積丹ボルダーの「シークレットサービス」がフックを多用する立体的な課題で楽しかった。
個人的北海道名ボルダー課題のひとつ「シークレットサービス」
11月〜12月 岐阜
内地に帰ってきてからは、通りがかりに青森県の岩館ボルダー、秋田県の男鹿ボルダーなどに寄り道してから東京へ。
挟み込み系の、岩館ボルダー「湯女」
下呂滞在では天気の悪さに翻弄されながらも、中休みを使って無理やり登りに行き、公開されて間もない新しいエリアの馬瀬ボルダーを中心に楽しみました。
馬瀬ボルダーの開けた河原のエリアは、11月後半でも暑かった
12月 静岡
下呂での仕事が終わってからも、岐阜のフクベ、三重のナサ崎や一ノ瀬、静岡気田川や富士川で少し登るだけであまりフラフラせず(?)年末年始の仕事を決めて伊豆へ。
職場から城ヶ崎海岸が近いので、アベッククライマー蠢き陽キャ集まる(勝手なイメージ)城ヶ崎ボルダーの中でも、人がほとんど来ないであろう門脇南の磯の洞窟内で山野井泰史さんが初登したフィンガークラックの「炎の導火線」を完登した。
ルーフフィンガーから垂壁フィンガーへ「炎の導火線」
柔らかな陽光が差し込む海岸を避け、昼間でもワークライトが必要になる洞窟内で過ごす時間は、とても自分向きだなと思った。
そんなこんなで今年は城ヶ崎で年越しとなりそうです。
元旦も出勤なので、さすがに今年は初日の出は見られなさそう。
来年のプランはあるような無いような。です。
突拍子もないようなことにチャレンジしたいなとはいつも思ってます。
皆様、良いお年を。
急に思い立ってブログの更新。
というのも、昨日から三日間、北海道の主な岩場は雨予報でクライミングができなさそうだし、雨だと釣りをするのも不快だから何も出来なくて暇なのです。
天候の事もあるし、少し前にボルダーで指を痛めてしまい、長めのレストをしたい気分なのもある。
ウォーミングアップも無しに7a+(初段?)というグレードのフラッシュを狙ったのが原因な気がする。
結果、フラッシュはできたのだけども。
小樽山中ボルダー「サニーデイ」7a+
という事で指を休ませる代わりに少しは脳みそを使おう!とブログでも書いてみようかと思ったしだいであります。
今回で三度目の北海道で、いずれも大体6月〜9月に掛けての夏の季節。
さすがに三度目ともなると夏の北海道の景色にも慣れてしまい、辺りをキョロキョロする事もなくなった。
昨年からのスタイルで、本州で仕事を決めてから北海道に渡り、しばらく働いて往復の交通費や生活費を稼ぎつつクライミングをするというスタイルで過ごしてる。
昨年は青巖峡が近いからという理由で占冠で働き、今年は層雲峡が近いからという理由で上川で働いた。
仕事も契約期間満了で終わり、今回の北海道行きの最大の目標だった層雲峡の「ロングナイト」5.12bも無事に完登できた。
※さらっと書いているけど、完登までの道のりは大変だった。
何より、一人で岩場に向かい、偶然同じルートをトライしている初対面の方に厚かましくビレイをお願いするスタイルだったので、いつ本気トライできるかもわからずストレスの多い環境だった。
練習時、完登トライ時に快くビレイを引き受けてくれた方々には本当に感謝しかありません。
ありがとう御座いました!
プレッシャーから解き放たれて北海道を満喫する予定だったのだけど、今年は北海道も地元の方が口々に「体験したことない暑さ!」と語るくらい異常に暑い日が続き、お盆を過ぎても一向に涼しくならなかった。
「ロングナイト」5.12b 十年に一度と言われる夏の暑さの中での完登だった
仕事が終わってさっそく知床まで遊びに行くも、30℃超えの暑さの中ではぜんぜん楽しくなく、その暑さの中ではクライミングをする気にもなれなくて、余った時間だけを浪費する日々を想像して途方に暮れた。
そんなこんなで時間を有効に使うために急遽、働こうと思い、短期間で終わるアルバイト探して見つかったのが農作業だった。
じゃがじゃが
人生初の農作業生活は思っていたより楽しく、期間もあっという間に過ぎていった。
当初の予定より真面目(?)に働いてしまったので、資金面の問題はないし、北海道での目標の課題が全て登れるまでは北海道に滞在するつもりでいたのだけど、上で書いたように指を痛めてしまって、それが思っていたより酷い(このブログを書くためにキーボードを叩くのも痛い)状態で、このまま休まずに登っていいものかどうか悩ましい日々を過ごしている。
指を痛めたと思ったときにすぐに安静にしていれば良かった・・・。
その後もテーピングしながら登ったりしていたから、ますます完治が遠のいてる気がする。
指を庇いつつ…洞爺湖義経岩「ジュスティーヌ」5.12b?d?
でも、北海道の課題を登る(しかもビレイして貰える)機会なんて、そうそう作れるものではないから無理してしまうんだよなぁ。
そんなこんなでテーピングで指を固定しながらも騙し騙しクライミングを続けています。
しっかし、北海道の朝晩は気温がヒト桁台と寒くなってきて、車中泊生活がひもじく感じる時期になってきましたね・・・。
あと何日北海道にいられるかな。
急に思い立ってブログを更新してみる。
というのも、今の仕事の稼働時間が短く、寮に帰ってからの時間を持て余してしまうため、これは何か生産的?な事をしなければならないと思ったから。
で、先日、ようやく記事を書き終えて公開したはずなのに、なぜかまるっと記事が消えてしまったので、一時は「もういいや」と思っていたのだけど、まぁ、一応書いていた内容は多少覚えているし、ブログのモチベーションは落ちてしまったので多少投げやりな内容になりそうだけども、出すだけ出しとこうかと思った次第。
で、タイトルにあるその後の「全国ボルダー『1級&初段』100課題」について。
ロクスノNo.81 号に特集された「全国ボルダー『1級&初段』100課題」を車中泊で追いかけ始めたのが2019年11月。
それから約三ヶ月強の時間を掛けて故郷のある東京の西の端にたどり着いたところで、コロナ騒動も本格的になって、その春は目立った活動はできず。
6月に緊急事態宣言が解除されたタイミングで、北海道の1級&初段課題の旅を始めて7月後半まで滞在。
北海道から東京に帰ったところで「全国ボルダー『1級&初段』100課題」の旅は終了とした。
それからは各地を働きながら転々とする生活になり、その合間に通りがかりや、時にはそれを目標として100課題にチャレンジしている。
その中で登れた課題もあるし、依然として登れていない課題もある。
本当にグレードというのは良く分からない。
と、前置きが長くなってしまったけど、その後の再チャレンジで登った課題をご紹介。
過去の記録を探せば時系列で並べられそうだけど、メンドウなので西から東、そして北に向けて並べた。
・岡山県 矢掛ボルダー
「エイプリルフール」初段
この課題はけっこう最近に登ったから記憶に新しい。
どうしても上部にあるクラックのカチホールドの持ち感がしっくりこなくてハイステップをする事ができなかったのだけど、クラックのカチホールドをスタティックに探れるサイドプルからのムーブを見つけた事でようやく登れた。
思わず声の出てしまう、ハイステップからのリップへの一手がシビレる。
メンタルが試されるリップへの一手
・三重県 ナサ崎ボルダー
「スカイフォール」初段
魔改造アシムが役に立った!?
ハンドサイズのクラックが広がって、1級から初段になってしまった課題。
ワイド?オフィズス?というのか分からないけど、両足をクラックに突っ込んで、コウモリのように逆さになりながら進むムーブが一般的で、その性質上、落下時に頭から落ちる心配があるので、頭部を支えてくれるスポッターがいる時のトライをオススメ。
マットをずらしながらムーブを固めていってを繰り返して一人で頑張ったけど、怖かった。
しかも核心部まで行くと地面までの高さも1m以上になるし、下地に岩の段差がある。
この課題は登ったのにカメラの操作ミスにより動画を取りそこねたのがショックだった。
そして動画のために再登しようとするも、ヨレていて登れず。
楽ではないアプローチを、ダブルマットで帰る時の失望感たるや・・・。
・岐阜県 フクベボルダー
「トリック」1級
親指プッシュで身体を引き上げた
これまた苦労した課題。
左手で持つホールドが鋭利で指皮に悪いから、一日のトライ数は少ないけど三日以上は掛かっているはず。
九州から関東に戻る時に下道だと岐阜を通るから、そのついでに触る感じでトライ。
今回、ようやく登れた。
左手で持つ上部の浅いくぼみの持ち感がしっくりこず、この課題では見たことがない親指プッシュでのホールディングがハマって登ることができた。
ジムの垂壁課題のよう
リップへのランジが止まった時は、自分でも驚いて声が出なかった。
・長野県 小川山ボルダー
「緑のマント」初段
限定課題だし二度とやりたくない課題筆頭
これも嫌になるほど苦労した課題。
登れるまで10日前後掛かったんじゃないだろうか。
一度、マントル体制まで入ってリップに足を置いたのに、返した手の位置が踏みたいスタンスと被っていて、良いスタンスが踏めずに降りてしまった。
その後、なぜか手のひら返しまで行くことができなくなってしまい、あまりにも登れないから塩漬けしようと考えていたのに、ある日突然登れた課題。
リップ左奥の結晶を摘んで斜め左下に引くことで足を置き換えられるようになるのだけど、そのムーブが自分にとってフルスパンで肩に悪く、トライする度に痛めていた。
左肩痛めがちムーブ
そんなこんなもあって諦めていたのだけどある日突然登れた。
「ある日突然」といってもその日が来るまでトライし続けた訳だから、我ながらバカというか何というか…
・静岡県 城ヶ崎ボルダー
「悟空ハング」1級
そのシーズンの下地の高さによって大きく印象が変わる
冬でも暖かい、癒やしのボルダーエリアの印象がある城ヶ崎でも、この課題はピリッと緊張する。
2020年は下地が上の画像よりも低く、核心部で高さ負けした課題だったけど、2年ぶりに訪れたら下地が少し上がっていて、恐怖感は減っていた。
上部は三点支持を遵守
それでも、上部はもちろんの事、ハング越えでも下手な落ち方はできない。
以前の下地の記憶のまま、気合を入れて再チャレンジするために向かったら、下地が上がってて助かったような残念なような複雑な気持ちだった。
・岩手県 大迫ボルダー
「神楽」初段
インスタ向き映え系課題
この課題は岩手県大迫ボルダーの課題で、2020年当時は「岩手県内のコロナ感染者ゼロ!」という闇を感じる状態だったので、ボルダーエリアとしても県外者はお断りとされていて訪れる事が出来なかった。
2022年の二度目の北海道旅(5ヶ月近く滞在したけど半分は仕事)からの帰りにようやくトライできた。
雨上がりでエリア全体がしっとりと濡れている状態だったけど、キッチンペーパーを犠牲にして何とか登れる状態まで乾かして登った。
課題はシンプル。
アンダーとカチでスタートして、真ん中のガバ棚へランジ!
その後は、それほど難しくないマントルをこなせば終了といった課題。
画像を見ると分かるけど、同じ岩でも乾きつつあった右側の面と色がぜんぜん違う。
そのせいかはわからないけど、真ん中のガバ棚が片手じゃ止まらくて何度か落とされた。
時間差ダブルダイノのような形で、左手とめてから即右手を出してマッチして振られを止めた。
そのムーブがジムのようで面白かった。
と、ここまでがその後に登った100課題。たぶん。
まとめてみた6課題しか登っていないけど、100課題以外の課題は沢山登った。
そしてどれも面白かったように思う。
何より100課題以外の課題は「登りたい!」というプレッシャーが全然ないのが気楽。
本来、クライミングはこうでなくては。
といっても、縛りのあるクライミングというのは、自分の弱さを誤魔化せないから難しいし、そこが辛くもあり楽しくもある。正直言うとほぼ辛い。
ふと気になって調べてみたら、ロクスノNo.81号が発売されたのは、2018年6月で、なんと今年で5年が経つ。
5年も経つと、新たなエリアが公開されたり、逆にクローズする事もあるだろう。
そうでなくても洪水などで岩の傾きが変わったり、下地がなくなったりはよくある話。
ここらで再度「全国ボルダー『1級&初段』100課題」のような特集を組んではくれないだろうか?
今度は他のクライマーの意見も聴取して選定して欲しい。
前の特集では課題の選定に初登者の思い入れ補正のような物も感じるから、登るまでに掛かったエピソードとかも選定基準には不要で、純粋に課題の面白さで選んでほしい。
代表者一人が決めているだけの前の選定方法だと、他の課題よりあきらかに難しくて1級や初段の範疇ではない課題も混じっているように思うし、そういう課題は他のクライマーや巷での評判も考慮して、世間一般の感覚とズレている様であれば除外してほしい。
もちろん、私の登れなかった課題は除外の方向で!(そこか)
日本縦断ボルダリング旅総括も今回で最終回!
ついでにこのブログも最終回。
放置気味のブログにして、何か書きたいことが出てきたら書く。
くらいの気持ちで続けてもいいんだけど、はてなIDを変えたくなりました。
なんとなく、climbing×VAN生活で、climbanにしたんだけど、”BAN”はされたくないよね。
ID決めるときになんも考えていませんでした・・・。
思えばこれまでの人生で大量に厨二IDを量産してきました。
叶う事ならその全てを闇に葬りたいっ!!
では、行ってみましょう。
日本縦断ボルダリング旅総括 北海道編の〆!
っても、全5課題中、3課題を前回の投稿で書いたから、あと2課題しかないの。
しかもその内の一課題はいわくつき(詳細は以下)なので実質、一課題ッ・・・!
【北海道】 (課題名横の〇×は登れたか否か)
【旭川】
「ワルキューレの騎行 1級」 そもそも公開されていなかった
いきなりのオチ。
このオチは最後にとっておきたかったんだけど、ロクスノで紹介されている並びで課題を紹介するとこの順番。
北海道を代表するルーフボルダーと書いてあって期待していたのだけど、そもそも公開されていなかった。
正直、ガックリきた。
まったく自分の力で情報を集めなかったわけではなく、そのエリアの開拓をまとめている本人に直に会いに行って、お願いしたのだけど取り付く島もなし。
この1級&初段旅がライフワーク(比喩でなく)で九州から来た事を説明し、エリア&課題の情報をSNS等に公表しない事も約束すると伝えたのに、駄目だった。
色々な考えがあるだろうけど、まだ開拓中で公開も未定のエリアの課題を、商業誌で紹介してしまうのはどうなんだろう。
ロクスノNo.81が発売されたのが2018年の秋。
そして2021年現在もそのエリアが公開されたという情報は聞かない。
開拓に関して地権者との交渉や、アプローチ問題などに留意するのは大変な仕事なのは重々承知。
岩場によってはシークレットエリアにするのもしかたがないとは思う。
それなら、そんなエリアをお金を払って買う雑誌に載せるのはいかがなものか。
いやいや、公開する予定はある。
でも、まだプロジェクトがあって他人には登らせたくないってのだったら、プロジェクトはトライ禁止という旨をトポに一言書き込んでから公開する選択肢だってあるはずだ。
実際、宮崎県の比叡ボルダーはそうしている。
または、強いクライマーがラインとなりそうな課題をすべて登ってしまえばいい。
それが地元のクライマーで叶わないなら、他所から招くのだっていいじゃないか。
それをせず、身内のクライマーとキャッキャウフフしているのだったら、チラ裏に書いておいた方がいい。
【登別】
「アヨロスペシャルライト 初段」 〇
海岸の側壁に課題が連なるアヨロボルダー
北海道入りして初めて訪れた岩場が、登別のアヨロ。
その中でも良くブログなどで目にする定番の課題が、このアヨロスペシャルライト。
下地の高さははシーズンによって上下するみたいで、私が訪れた時は高めだった。
下地の低いときはちょっとしたハイボールくらいの緊張感がありそうだけど、下地は砂地なので安心。
ムーブの核心は、甘いガストンからのポケットへの一手。
その時のフリクションでだいぶ難易度が変わりそうな課題。
実際、アヨロボルダー北海道の中でも冬の岩場みたいで、7月に再訪した時は草がボーボーだったし、地元のクライマーさんはシーズンじゃないと仰ってた。
もうひとつの定番課題「ぬりかべ」スタートはマットを二つ折りにしないと届かなかった
アヨロボルダーは基本的に海岸の側壁を登る課題が多くて、課題を登りきると、降りるのが難しかった。
これも定番らしい「オレンジスラブ」
アヨロボルダーはトポでは課題が分かりにくく、地元のクライマーに教えて貰わないとラインを間違えてしまいそう。
良く登られているエリア以外にも、波の影響を強く受けそうだけど、海に面したエリアも課題があるみたい。
アヨロボルダーで良く登られているのは画像左端の岸壁
この課題で、ロクスノNo.81の1級&初段で紹介されていた北海道の課題は全部。
道南には、他にも有珠ボルダーなどがあるみたいだけど、アプローチ問題等を考慮しての選出だろうか。
ここでブログを終わらせるのはちょっと物足りないので、北海道で登った他の課題も少し紹介しようと思う。
雄冬岬ボルダー Lupin 初段
北海道クライマーには有名?なハードな初段。
左の岩に足が当たらないようなムーブを構築する必要がある。
左の岩がなければもっとカッコイイのに…とか思っちゃうけど、そうするとムーブの選択肢が多くなって簡単になってしまうかも。
画像中央にある岩が「Lupin」のある岩
雄冬は海も綺麗でよいロケーションだった。
日の出岬ボルダー オールドデイズSD 7a+
日本最北のフェイス課題!?「オールドデイズSD」
日の出岬ボルダーは日本最北のエリアとも言える、オホーツク海沿岸にあるボルダー。
北オホーツクボルダーエリアという名前でトポも北海道のアウトドアショップで手に入った。
ノートに書いたのをコピーしただけというような物だけど、唯一とも言える貴重なオホーツクエリアのボルダー情報である。
「北オホーツクボルダーエリア」とざっくり括っているけど、距離にして100km以上の範囲に点在していて、ひとつひとつのエリアは大きくない。
一日でひとつのエリアというよりは、複数のエリアをハシゴして楽しむ感じだろうか。
北海道では、その他に**雌阿寒岳、十勝岳、羅臼岳**と登山ついでのボルダリングをしたけど、トポが無かったのでスタートもラインも適当に遊んだくらい。
それでも、とても面白かった。
雌阿寒岳のボルダー クラックっぽい課題
十勝岳のボルダー チーズっぽい穴のある岩
と、そんなこんなで滞在を楽しんだ北海道。
真冬の本州は、寒すぎる車中泊生活が辛かったけど、夏の北海道はとにかく快適だった。
北海道には一カ月以上滞在したけど、クライミングに使った時間はそれほどでもなく、もっぱら釣りや登山や観光&温泉を楽しんだ。
話題の「ウポポイ」にも行った
北海道らしい景色も楽しんだ
広大!
そして日本縦断旅の終点「宗谷岬」へ
このボルダリング旅、そして日本縦断旅で何かを得たか?それを今後何かに活かせるか?なんてものはわからない。
この旅でないと出会えなかった景色、人、動物との出会いを楽しめただけで十分。
未知の場所の未知の課題を自分の力で登っていくのは、筋力測定みたいなクライミングとは違う、純粋な楽しさがあった。
たった100課題だけど、この課題のここが楽しかった。
逆に、登れなかった課題のここが難しかった。
などを思い出そうとすると、けっこう細かく覚えているものである。
この時にどこで車中泊したかなんてのはほとんど覚えていないのに。
NEVER STOP EXPLORING
この言葉はアウトドアブランドのノースフェイスのキャッチコピーで、とても好きな言葉。
「探検をやめるな」
と、訳せる言葉だけど、何も大それたことをしろというのではなく、日常のちょっとした事や、いつものクライミングにこの言葉を少し混ぜるだけで、充実した人生が送れそうな気がしてくる。
「やめるな」というのも良い。
今も皆それぞれの探検をしているのだから、それを続けていこうというメッセージにもとれる。
日本縦断ボルダリング旅はこれで一段落とするけど、普通の日常の中でも探検の心を忘れずにいたい。
最後に拙ないブログにお付き合いいただいてありがとうございました。
また何か書きたい事が出てきたら、気分を変えて別のブログ、IDでという事になるかと思います。
その際はこのブログにも移動先のリンクを貼るつもりなので、気が向いたら見て行ってください。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
思い出のファーストシューズ。あの頃の気持ちをいつまでも持っていたい。
ターーン!!
スッ(髪をかき上げる音)
この動作をする為だけに猟銃の免許が欲しいと思う今日この頃。
猟銃の免許について調べたら、ライフル銃は散弾銃の免許を所持してから10年経たないと取得できないとか。
さて、厨二感を出したところでいってみましょう。
日本縦断ボルダリング旅総括、北海道編っ! アシリパさんっ!!
ロクスノNo81号で紹介されていた北海道の課題は、そんなに数がなかったから一回で紹介できるくらいだけど勿体ぶって二回に分けます。
単純に一回で書き上げる体力がないだけだけど。
北海道へは、青森の大間岬からフェリーで函館入りした。
たった90分ほどしか乗船時間のないフェリーなのに、車込みの乗船賃が16,000円ほど掛かって痛い出費だった。
旅の愛車だったモビリオスパイクでは、かれこれ3回ほど車ごとフェリーに乗ったけど、全長4m9㎝という微妙な全長によく泣く車だったな。
※だいたいのフェリー会社では、全長4m未満なら、全長4m以上より安い料金のため。
モビリオスパイクは旅の最高の相棒だった。
せっかくだから函館の街を観光したかったけど、当時北海道では新型コロナウイルスの感染者が全国的に見ても多い状況だったから自粛した。
函館の街の観光も、次回北海道へ行った時の楽しみのひとつ。
【北海道】(課題名横の〇×は登れたか否か)
【神居古潭】
「モンキーフェイス 1級」 〇
小さな岩に北海道クライミングの歴史が詰まっている?
”カムイコタン”という響きだけで北海道を感じる。
こちらを訪れたのは6月。
さすがに北海道でもシーズンオフのようで、湿気とブヨに悩まされた。
ブヨは黒っぽいハエのようなとても小さな虫なのだけど、刺されると痛痒くてまいった。
神居古潭の岩場は、クライミングジムが一般的ではない時代から登られていた名残か、限定が多いようでモンキーフェイスも左と右のカンテは限定。
それ以外では、スタートはガストンを使うのがスタンダードみたい。
でもそれだと身長165㎝だと離陸がパツパツで辛いから、他の方法でもいいのではないだろうか。
一応、ガストンでスタートしたけど、離陸が辛かった。
神居古潭では他にも「熊嵐」という課題も登った。
モンキーフェイスとは対照的なダイナミックムーブの「熊嵐」
こちらはバシバシ系の現代ジム的な課題で、旅暮らしでジム練習不足だった体に、心地よい刺激だった。
【ニニウ】
「神の激運 1級/初段」 〇
核心の遠いデッドの一手をとめたところ
ニニウボルダーは北海道のだいたい真ん中、占冠村にあるボルダリングエリア。
日本一寒い村といわれる占冠村にあるだけあって、冷涼な空気と水量豊富な川沿いのボルダーはイメージ通りのTHE・北海道だった。
ドローンで撮影したニニウボルダー
ボルダリング対象となる岩は5つ位?岩質はいわゆるチャートで御岳みたいな感じ。
神の激運は右のフレーク地帯を限定して、まっすぐに直上する課題。
スタートから直上する感じになるので、限定はそれほど気にならないかも。
限定をしないで弱点を突いて登ると3級で、こちらも高さがそこそこあるので面白い。
トラバースパートのムーブ作りが楽しかった「神の激流」
7月に再訪した時に、左からトラバースして3級に抜ける「神の激流」も登った。
一カ月ですっかり森が夏の様相。
でも、吹き抜ける風はカラっとして涼しい。
すごいよ北海道。
ニニウのハードプロブレム「イマジンブレーカーSD」
他にもニニウでは、好きな(得意とは言ってない)前傾ボルダーで、イマジンブレーカーSD 7b~7b+(段級グレードで初/二段)などを登った。
ニニウはコンパクトなエリアだけど、空が開けたボルダーが多く、滞在していて気持ち良い場所。
他にも楽しそうな課題があるので、また行きたい。
【赤岩青巌峡】
「キセキ 初段」 〇
自分的核心は、たるいスローパーからのカチへの一手
赤岩青巌峡は、前述のニニウボルダーからほど近く、”ハシゴ”できる岩場。
ボルダリングよりリードクライミングがメインの岩場のようで、ボルダリング対象になりそうな岩は沢山あるけど、チョークのついている岩は少しだった。
その中でもひと際目立つのは150度くらいの前傾壁を持ったこのボルダー。
「キセキ」は被った序盤のボルダーを比較的大きなホールドを繋いで登り、リップを越えてからのスラブ部は細かいホールドでマントルをかえす総合的な課題。
下地が良くはないので緊張する上部
「キセキ」はマイナーな課題のためかトライした記録がほとんど見つからない課題だったので、登れて嬉しい課題のひとつ。
同じ岩の右端には強傾斜ハサミコミ系の「リアライザー」があり、こちらもとても面白かった。
「リアライザー」は強傾斜でフックを多用しながらグイグイ登る。
リアライザーも1級~初段くらいで、それくらいを狙っているクライマーにはとても楽しめる課題。
写真からもわかるように赤岩青巌峡の森の中は湿度が高く、季節を少し外した感じはあった。
雨後の乾きも良くない岩場だったので、タイミングが難しいかもしれない。
その他の課題は、吉田和正氏初登の「ギャオス」を登った。
こちらは道東から来ていたリードクライマーの子供たちに注目されながらだったので、ボルダリングおじさんとして意地のフラッシュ。
その後は、そのリードクライマーの子供たちとヒグマトーク(ヒグマ目撃自慢)をして撤収した。
赤岩青巌峡はリードルートが楽しそうだったから、次回はリードクライミングで行きたいと思った。
赤岩青巌峡のリードルート。左下にある岩がギャオスのある岩。
キエエエッ!(猿叫)
いきおいだいじ!
枕があっていないのか、先日のボルダリング中に首に変な力が入ったのか、肩から首が痛くてそのコリからくる偏頭痛に悩まされながらキーボードを叩いてます。
キーボードとキーホールド。
似てますね。
後者は叩いちゃダメです。
さて、日本縦断ボルダリング旅総括もいよいよ大詰め。
中間地とも言える御岳編が終わったばかりだけど、そもそも関東、東北で紹介されている課題が少なかったのと、関東~東北を旅した時期は全国的にコロナが流行り始めていたので、公式で「来ないでね」とアナウンスのあった岩場には行っていないからです。
公式でアナウンスのなかった岩場には、感染対策万全で行きました。
岩場へは平日に限定して独りで向かったので、そもそも人に会うことがほとんどありませんでしたが。
寝泊りは車中泊。
食事は飲食店内ではなく、持ち帰りや自炊。
そんな生活を少しも寂しいと思わなかったのは、感覚がかなりズレているのかも・・・。
【三峰】(課題名横の〇×は登れたか否か)
「一輪車 1級」 〇
手のひらプッシュが絶妙なバランス課題
これは苦手な緩傾斜バランス系とあってけっこう苦戦したのだけど、一度敗退し、日を改めて再チャレンジしたらあっさり登れてしまって、コンディションの差が大きく出る課題と感じた。
ロクスノの説明文にも書かれているけど、今時のジムの緩傾斜課題というムーブ。
自然の岩でこうゆうムーブが出るのが面白いし、やっぱり岩は自由だなと感じた。
隣の池田カンテも面白そうな課題だから、次回、三峰ボルダーを訪れるのが楽しみ。
「重き流れの中 初段」 〇
掛かりの良いホールドがある前傾のボルダーは面白い
こちらは前述の「一輪車」と違って、三峰ボルダーの中でマイナーなエリアにある課題。
迫力のある大きなハングのボルダー(というより側壁)を掛かりの良いホールドで登り、上部は乏しいホールドで渋いマントルを返す複合的な面白さがある。
下地がだいぶ上がってしまったようだけど、それでも高めの岩なので上部でのメンタルも試される。
「重き流れの中」のある太陽寺エリアは、三峰の他のエリアと違って人がいなくて静かに岩と触れ合えた。
喧騒から離れ、独りの時間を贅沢に楽しめるのもボルダリングの楽しみのひとつ。
続けるも止めるも自由で、一本登ったらその日はもう登るのを止めて、家(車)に戻ってコーヒーを飲んだり本を読んだりしてゆっくりするのも旅生活の楽しみだった。
【塩原】
「Fly High 1級/初段」〇
初手からランジの「Fly high」
課題名からして飛びそうな予感のする課題。
実際は窮屈なスタートからちょっとのランジでリップを掴み、マントルへの移行が難しい。
そう、核心はマントルというか、マントルまでの移行というか、けっこうズリズリと奮闘する感じだった。
初手のランジはほとんど失敗しないのだけど、その後のマントルへの移行が苦手だった。
「千 初段」×
塩原の初段といえばで必ず名前の聞こえてくる「千」。
高さもあって見栄えがするし、手数も多い。
たしかに人気課題になるのも頷ける。
下地が悪いから一人でトライするには勇気が入る課題だけど、塩原は東京からのアクセスも良く、土日は大変な賑わいみたいなのでマットの心配はなさそう。
・・・そう、下地が岩盤でかつ底なし沼みたいな甌穴(おうけつ)が空いていて怖い。
今回登れなった言い訳をすると、その下地の悪さと5月という微妙なフリクションの時期。
マットは二枚なので、高さの出る核心部にマットをセットすると、初手から数手はノーマットになる。
その初手から数手も、すっぽ抜けたら岩盤に尻もちとなると妙に力んでしまうんだよなぁ。
でも、塩原ボルダーは、一時期不穏な空気となった漁協との関係性も持ち直したようなので、トライするチャンスはまた来るはず。
その際は、1級&初段ばかりではなく、他の課題も遊びたい。
【大倉】
「汁 初段」〇
まるでジム課題のようなダイナミックなムーブの「汁」
東北を代表する名課題と評判の仙台・大倉ボルダーの「汁」
初めての大倉ボルダーなので、この課題だけでもという気持ちで向かった。
「汁」は傾斜の強い下部をダイナミックなボルダームーブで繋ぎ、傾斜の落ちる上部は掛かりの小さなホールドで足をあげ、苔むしたスラブをトップアウトするという外岩ならではの変化のある内容も面白かった。
簡単だけど緊張感のあるトップアウト
大倉ボルダーには他にもクライマーが数組いたけど、時期のことを考えてこの課題だけで移動。
エリアのすぐ上にある西方寺に寄って、軽く観光をした。
油ものが得意ではないから、名物の三角定規あぶらあげは食べなかった。
【大日岩】
「猫柳 1級」新型コロナウイルス騒動のため自粛
【大迫】
「神楽 初段」新型コロナウイルス騒動のため自粛
【侍浜】
「神龍 1級」〇
下地が岩盤&核心がリップへの遠い一手で怖かった
北侍浜野営場という市営のキャンプ施設からアプローチができる、侍浜ボルダー。
キャンプ場の運営時期が7月~9月末ということで、ボルダリングのハイシーズンとはズレるから、一般のキャンプ場利用客に迷惑をかけることはなさそう。
海の見えるキャンプ場でとても気持ち良いところだったので、今度はキャンプで行ってみたい。
・・・と、どうもロケーションばかりのレビューになってしまう。
というのも、車中泊旅の楽しみが各地のボルダリング課題だけではなく、その土地の空気というか景色、雰囲気を感じるのが好きだからだと思う。
で、課題の肝というか特徴的と感じた部分は、卵のような大きなポケットの処理。
トップロープで登られていた時の「ドラゴンエッグ」という課題名の由来はここから来ているんだろうか。
核心はリップへの遠い一手だろう。
身長165㎝ではパツパツで、右手でそうとう引き付けないとならなかった。
フリクションの差はでそうだけど、リップもドガバというわけではなく、リップ取り後もマントルまで緊張感が続く。
名課題と紹介されるのも納得の課題だった。
【階上】
「鳥瞰 1級」新型コロナウイルス騒動のため自粛
と、こんな感じで東北はエリアはほとんど自粛。
それも仕方ない、なんせこの頃は岩手では新型コロナの陽性者ゼロという少し闇を感じる状況だったし、未知の状況に世間一体がピリピリしていた。
いまや自粛を遵守している人がどれだけいるだろうという感じ。
この頃外に出ているクライマーを糾弾していた人たちで、今も自粛を継続している人はどれだけいるんだろう。
全体の状況を見ると、今こそ自粛をするべきに思うけど、補償のない自粛要請に人生の大切な時間を差し出せる人はいるんだろうか。
感染拡大への警戒を怠らず、人生のかけがえのない時間を無駄にしないように生きたい。
今回で本州は最終回。
次回はついに北海道編!
夏の北海道は、車上生活者には気候がサイコーだった。
北海道では毎日登るようなことはしてなくて、快適な気候にやられて沈没してた。
そんなぐだぐだ生活も少し語ろうかな。