【ぱっきゃらまど】台風がやってきて強風吹いて パキャラッ! って割れちゃった窓? (original) (raw)

< いや違うでしょ パオパオ言ってるんだから「ぱっきゃらまど」っていう名前のゾウさんでしょねえ >

ん~、まあ、話はいつも通りアッチコチ飛び回っておりますけれども、平成の頃からと~んと見かけなくなった「チンドン屋」って知ってます? 見たことあります?

昭和の終わり頃に3回、遭遇したことがあります。
令和の今は絶滅しちゃっているんでしょうか。

3回の遭遇のうち2回はパチンコ屋さんの新装開店の宣伝でした。
昔はそういう賑やかしっていうのをやっていたんです。

業界的にコロナ禍になってから元気がなくなっているようにも感じますけど、パチンコ屋さんの新装開店っていうのは店内の台を入れ替えるたびに、花輪を飾ったりなんかして今でもやってますよね。

内装、インテリアはそのままだけど、台が新しいのに替わっているんで、ま、たしかに新装ではあるんですけど、景気づけにその町内をチンドン屋さんがピーヒャラ、チンドン、のぼりにそのパチンコ屋さんの名前を翻らせながら回るっていうことをやることもあったわけです。

あとの1回は肉屋さんの新規開店。
お店の開店でチンドンやるのは昭和の後半でもすでに珍しかったですね。

かなりオールドファッションの宣伝方法。チンドン屋さん。
同じ人たちじゃなかったと思うんですけど、3回とも3人組でした。

チンドン太鼓を腹に吊るして先頭を歩く羽織姿の男の人。続いてクラリネットを吹きながら行くモーニングを着こんだ男の人。そして三味線を弾きながら口上を調子良く張り上げる和服姿の女の人。

3人ともなぜだか白塗りの顔でしたね。
決まりがあるのかどうか、ちょっと分かりませんが、伝統的にそういうスタイルっていうのがあるんでしょうね。

昭和の中期ごろには、チンドン屋さんが通れば子どもたちがワアワア集まって来たっていう話も聞きますけど、見たとき、昭和の後半には、むしろ大人も子どもも離れていっていましたね。

突然、大音量でチンドンやり始めるもんですから、ん? 何事? って感じで受け止められるのはしょうがないでしょうね。
日常的な馴染みが、もうすっかり無いわけですから、ビックリ、の方が大きいんですよね。

チンドン太鼓は、ホントよく考えられた打楽器の集合体で、とにかく賑やかでした。
クラリネットが演奏していたのは昭和歌謡だったですね。

当然、昔ながらのスタイルってことで、電気なんかは一切使っていなくて、生音ですね。

三味線の音も結構聞こえるんですけど、クラリネットってけっこう大きな音がするんだなあって、妙に感心した記憶があります。

とくに音楽活動をやっていたわけじゃないんで、クラリネットっていう楽器に触れ合う機会がありませんでした。
チンドン屋さんの演奏で、生音を聞いたのが初めてって感じ。

そのせいなのか、お気楽極楽に吹けば、簡単に音の出る楽器なんだろうなって思っていたんですが、けっこう音を出すこと自体も難しいみたいですね。

リコーダーとはわけが違う!

って、ついこの前、居酒屋さんのカウンターで隣り合った、高校生の時にブラスバンドでトランペットをやっていたっていうオッサンが言ってました。

へええ、そんな難しい楽器だったんだ。ってことは、チンドン屋さんってかなり巧かったんですねえ。

歩きながらクラリネットを演奏するのって、慣れもあるんでしょうけれども、けっこう高度な技だろうっていうことでしたね。

でもまあ、音を出すだけならそんなに時間経たずに出来ますけどね。
ってことらしいんですけど、むむむっ。やりませんよ、クラリネットを吹こうとは思いませんです。

クラリネットって言えば、おそらく誰もが思い浮かべる童謡がありますね。

クラリネットこわしちゃった」

調子のイイ歌で、ちっちゃい頃、誰でも歌ったことのある歌じゃないでしょうか。

でもですね、フランスの童謡なんだそうですけど、改めて考えてみますと不思議な歌詞なんですよね。

音が出なくなっちゃったよ、っていう子どもの嘆きなんですけど、クラリネットって簡単に吹ける楽器なんだろうって思っていたのは、この歌詞の影響があるかもですね。

子どもが、クラリネットが壊れるまで吹いているって歌詞ですもんね。

おそらくはちっちゃい子どもが、いつも吹いていて、壊れるまでは音が出せていたってことでしょ。

ただですね、歌詞がだんだん進んでいきますと、おかしなことになってくるんですよね。覚えてます?

最初はドとレとミの音が出ないんですよね。

でも最後はドとレとミとファとソとラとシの音が出なくなっちゃうんです。
全部やないか~い!

ってことなんですよね。

ま、遊び歌ってことなんでしょうから、そこが面白いトコなんでしょねえって思っておりましたですよ、ずっとね。

ところがですね、なんかそういうんじゃないみたいなんです。

日本語の歌詞では、

♪とっても大事にしてたのに

♪こわれて出ない音がある

でしたよね。パパからもらったクラリネットです。こわれちゃったんです。
ところが基のフランス語の歌詞は、

♪僕のクラリネットのドが出なくなっちゃった

♪ああ もしパパがこれを知ったら

♪きっとこう言うよ

っていう感じだそうです。
で、順番にレが出なくなっちゃった、ミが、っていうふうに、全部の音が出ないって順番に続いていくみたいなんですが、一音ずつですね。

で、決定的なのは、こう続くんです。パパの言葉として、

♪リズムに合わせてやるんだ

♪リズムに合わせてだ 坊や

どうやら「坊や」は、パパに教わりながらクラリネットの練習中で、ドの音が出ないことについて、リズムに合わせてやるんだ、って、きっと言うだろうって歌詞みたいなんです。

つまりですね、クラリネットはこわれているんじゃなくって、音が鳴らないのは吹き方のせいだよ、っていうことになりますよね。

音が出ないっていうレベルのことじゃなくって、しっかりしたドの音程が出ない、ってことなのかもです。

吹き方が巧く出来ていないから音が出ないんだから。リズムに合わせて吹いてごらん、っていうパパのアドバイス

なんか、なるほどですね。

日本語訳としては、面白い遊び歌っていうことの方を大事にしたんでしょうね。

で、ぱっきゃらまど、なんですが、日本語歌詞では、

♪オ パッキャマラド パッキャマラド

♪パオパオパ

なんですけど、フランス語では、

Au pas, camarade, Au pas, camarade

Au pas, au pas, au pas

っていうんだそうで、Au pas(オパ)は歩調を合わせる、camarade(カマラード)は仲間っていう意味。
ネイティブとの発音の違いは置いておくとして「歩調を合わせよう、仲間よ」って歌詞なんですね。

なんでクラリネットの練習で歩調を合わせるってことになるんでしょう。
フランスのチンドン屋さんの練習なの?

って思ったらですね、このフランスの「クラリネットこわれちゃった」の基になった歌が、またまた存在していて、それはナポレオン時代のフランス軍の行進曲「玉ねぎの歌」

1800年ごろの行進曲が原型だったんですねえ。

この玉ねぎの歌のリフレイン部分が面白いんで、クラリネットの歌として利用したっていうことみたいです。

♪油で揚げたタマネギが好き

♪うまいから俺はタマネギが好き

Au pas camarade, au pas camarade
(進もう戦友よ 進もう戦友よ)

Au pas, au pas, au pas
(進もう 進もう 進もう)

っていう歌詞なんだそうです。

調子のイイ言葉のリズムと覚えやすい音程ですもんね、童謡にもってきちゃえ、っていうのはとっても納得できます。

歌詞の日本語訳はシャンソン歌手の石井好子さんだそうですけど、その言葉のリズム感を優先して、パッキャラマドにしたんでしょうね。

ところで、フランス人ってオニオンリング好きな国民性なんでしょか?

窓はどこも割れていないんでありました。ゾウさんも出てこないです。
パオ~!

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