生物学・進化生物学を学びたい【読書記録・おすすめ本紹介】 (original) (raw)

記事の内容

この記事では、生物学や進化生物学を学ための本を紹介します。

どれも私が実際に読んでみて面白かったものです。

一般書からやや専門的なものまで、幅広く楽しんでいます。

私自身の読書メモのためにも、誰かの役に立てるためにも、記事として公開しようと思います。

それでは、目次をどうぞ。

このブログ全体のガイドライン

このブログでは、あらゆるジャンルの読書を楽しんでいます。

私は学問オタクですね。

全体のジャンルについてはこちらの記事でまとめています。

ぜひご覧ください。

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生物学の面白さ

私たち生命は何からできているのか?

生命のしくみの本質とはなんだろう?

生命はどのように、何から始まったのか?

なぜこんなにも種類が多いのか?

どのように生命は変化してきたのか?

生命は物質からできている。どんどん小さく分けていけば、極小の部品で動く精密機械のようだ。動力として、化学的な仕掛けを採用している。増えていく仕組みを持つ。

生命の本質の一つは「変化と不変のバランス」だ。その仕組みを司どる仕掛けがDNAだ。これは、情報としての生物という視点でもあり、その実現性の点では化学物質が機能する。設計図を記録し、設計図から部品をつくる。「部品を作る」部品そのものが、設計図から誕生する。この仕組みは本当に素晴らしい。どうやってこんな巧妙なしかけができたのだろう。

生命、情報、物質と分けた時、情報的存在がウイルスだ。細胞の外では物質のように振る舞い、細胞の中では生命のように振る舞う。まさに、情報が本体である存在、と言えようか。生命の定義とは何か、という問いに至る。

このように、区分け、部品、機能が絶対ではないのに生命は機能している。これは、機械で再現できるだろうか?

こんなにも多様な生物たちの関係性はどうなっているのだろう。競争し合い、助け合い、依存し合う。なぜ生命という現象は、このようなゲームを内包しているのか。

生物学 おすすめ本紹介

生命のからくり 中屋敷均

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生命のからくりの本質とは、不変と変化という矛盾する動きを合わせもつことだ。

著者は「不均衡進化論」を推している。その元となる例として挙げているのがDNAの複製過程だ。複製するとき、DNAの二本鎖が解かれ、解かれた一本ずつに対してまた対となる鎖が合成されていく。このとき問題なのは、合成には方向性があるということだ。そのため、片方の鎖では、短い断片(岡崎フラグメント)をまず作り、それらを後から合成するという面倒臭くミスが起こりそうな過程が採用されている。これが変異の元になる。よって、変異がほぼない鎖、変異がややある鎖の二つを生むのだ。「不変」と「変化」を実現している。

著者のいう「生命という現象」。

より広く考えれば、「生命」という現象にとっては、個体とは何か、個体の独立とは何か、あるいは種とは何か、もっと言えば種が絶滅したのか存続しているのかといったことさえ、おそらく「どうでも良いこと」であり、「その現象の継続」、すなわち「情報の保存」と「情報の変革」を繰り返し、新たな有用情報を蓄積していく現象、それがいかなる環境下においても継続していくことが唯一大切なのではないだろうか。個体や種というものは、その継続を強固にするために「生命」が環境に応じて編み出したバリエーションに過ぎない。それらを通じて継続する現象とそが、「生命」の本質であり、その過程で生じた個々の形態、生態によって「生命」を定義しようとする試みは、実は形にとらわれ、実態から離れた霞か雲を掴むような話なのかもしれない。ヒトもブフネラもミトコンドリアもミミウイルスも、皆、同じ調べを奏でて、同じ歌を歌っている。そしておそらく生きている。

p124

生命にとって、

・種類を増やすこと

・生命という装置が存続すること

どちらが目的なのだろう?後者である、という考え方が確からしいか。

生命、非生命に関わらず、既存の物質の形が新たな物質の配置に影響を与える。しかし、生命の特徴は、情報のソースと受け手が互いに影響し合い変化し合う点だ。遺伝情報の実体は、DNA鎖の形そのものに由来する他の分子に対する作用力のようなもの。「他の分子の存在様式に階層的に作用する分子パターン」 である。分子の形そのものが自己組織化を促す。つまり、分子の形そのものが設計図になっている。

二つの情報保持装置とその変化と保持のサイクルが可能となるような環境、これが生命誕生の条件だった、というのが著者の仮説である。

その時から、その二つの小さなオートマタは、分子のパズルを始めた。それはどんな分子パターンを作れば、分解される前に、それと同じ分子パターンをより多く作り出せるかというパズルである。分子の形を少しずつ変えることを幾度も幾度も繰り返し、時々現れる「幸運」すなわち、そのパズルの解を自らの形(情報)としてずっと書き留め続けた。それはそれから40億年もの長い時間ずっと続くことになる、二人遊びだったのである。

p153

WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か

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生物と無生物のあいだ

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動的平衡というアイデア。

世界は分けてもわからない

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生命はデジタルでできている

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そのために、本書ではDIGIOMEという造語を導入した。DIGIOMEとは何か? それは、デジタル信号処理系としてゲノムを捉える考え方だ。ゲノムを構成するDNAが、ゲノム情報という意味で、われわれ生命の設計図たる情報を担っていることは、ワトソン=クリックによるDNAの二重螺旋構造の発見の頃から知られていた。だが、本書ではそこを一歩踏み込んで、ゲノム自体をデジタル情報処理装置として捉える見方を提案したい。
我々人類が、デジタル情報処理装置の恩恵を日常的に享受できるなったのは、わずかにここ数十年のことに過ぎない。だが、生命体はそのそもそもの誕生時からこの高度なディジタル情報処理系の恩恵を享受してきた。周知の様に、我々人類がデジタル情報処理装置の恩恵を享受するには、高性能ながら安価な情報処理装置(例えば、スマホ)の発明が必須だった。生命体はそのような精密な情報処理装置を持っていないにも関わらず、ゲノムをデジタル情報処理装置として機能させることに成功してきた。本書で語りたいのは、なぜ、そんな奇跡のようなことが可能だったのか、ということだ。

生命は「出来事」で成り立っているのか?

本書のアプローチ方法は、生命をデジタル情報処理装置とみることだ。つまり、デジタル情報をもち、その情報を元に情報処理まで行うカラクリがある。

DNAはデータとプログラムを同じ場所で管理する。まるでコンピュータのよう。化学反応を利用したデジタル情報処理形である。

まだまだ、どの部分がデータでどの部分がプログラムなのか、わかっていない。タンパク質がコード化されているのは全体の2%にすぎない。しかし、それ以外の領域からもRNAが生まれる。これらRNAの一部は、タンパク質の発現や機能に影響を与えることがわかっている。

ウイルスは生きている

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ウイルスの意味論 生命の定義を超えた存在

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その生と死はどこか奇妙だ。分解された親から複製され、破壊されても蘇り、体を捨て情報として潜伏し、突然実体化する。常識を問う書。

ウイルスとは何者か。その驚くべき生態が明らかになるたびに、
この問いの答は書き替えられてきた。

ウイルスは、数十億年にわたり生物と共に進化してきた「生命体」でありながら、
細胞外ではまったく活動しない「物質」でもある。その多くは弱く、外界ではすぐに
感染力を失って“死ぬ"。ただし条件さえ整えば、数万年間の凍結状態に置かれ
ても、体がばらばらになってしまったとしても“復活"する。
ウイルスの生と死は、生物のそれとはどこかずれている。

一部のウイルスは、たびたび世界的流行を引き起こしてきた。ただしそれは、
人類がウイルスを本来の宿主から引き離し、都市という居場所を与えた結果
でもある。本来の宿主と共にあるとき、ウイルスは「守護者」にもなりうる。
あるものは宿主を献身的に育て上げ、またあるものは宿主に新たな能力を
与えている。私たちのDNAにもウイルスの遺伝情報が大量に組み込まれており、
一部は生命活動を支えている。

ウイルスの生態を知れば知るほど、生と死の、生物と無生物の、共生と敵対の境界が
曖昧になっていく。読むほどに生物学の根幹にかかわる問に導かれていく一冊。

ウイルスの起源とは?ウイルスが先か、細胞が先か。

タイトルの通り、もっと意味論、つまり、哲学的な考察を期待した。しかし、この観点ではやや物足りず。

京大おどろきのウイルス学講義

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新型コロナウイルスの「次」に来る、動物由来のウイルスは何? 本書では批判を恐れない提言で注目されるウイルス学者が、ペットのイヌやネコが媒介するウイルス、計50頭のニホンザルが血を流してばたばた死んだ原因となったサルレトロウイルス4型など、変異すれば人間社会を脅かす可能性があるウイルスを紹介します。しかし実は、病原性のウイルスは全体のごく一部。病気を起こすどころか、1億年以上前に哺乳類の進化を促したウイルスもあります。すなわち、宿主のDNAを書き換える力を持ち、哺乳類の胎盤の形成に関与したといわれているレトロウイルスです。本書ではレトロウイルスの驚くべき力についても解説します。さらに、「そもそもウイルスとは何か?」、「新型コロナウイルスのワクチン」などのテーマも解説。「多次元」のウイルス学を提唱している著者が京都大学で行なっている、1回生(全学部)向けや医学部2回生向けの授業などの内容を収録した、著者初の単著です。高校生でも十分理解できるよう、わかりやすい解説を目指しました。

細胞の中の分子生物学

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普遍生物学 物質の宿る生命、生命の紡ぐ物理

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「生命とは何か」をいいかえて、「生命一般になりたつ普遍的性質は何か、それをどう理解するか、そのための学問体系はできないか」という問題設定をおいてみます。とても困難にもみえます。しかし、人類はかつて個々の分子によらずにシステム全体をとらえる「熱力学」をつくることに成功しました。では「生きている状態」を規定して、それのみたすべき普遍的性質や一般的法則を求められないでしょうか。これが本書の問いです。

生物は分子が集まって細胞をつくり、細胞が集まって個体をつくり、個体が集まって生態系をつくるというような階層をなします。本書では分子や細胞の要素1つ1つの探索ではなく、要素とその集団の階層間整合性を指導原理として、遺伝、複製、適応、発生、進化の基本的性質を考えていきます:まず、生物でいう非平衡性とはどういうことかを考え直して細胞成長の法則を探ります。次に生命システムは環境変化に適応するべく状態を変化させる可塑性を有する一方で、できるだけ内部状態を維持する頑健性をもつことに着目し、この一見相矛盾する性質が多成分の力学系の中でどう表現されるかをみていきます。さらに細胞内の反応変化だけをとっても桁違いに異なる時間スケールの階層があることに注目し、異なる時間スケールでの現象間の整合性という観点から適応、記憶、進化を考えます。変化しやすい細胞が集まって互いに相互作用すると各細胞状態が異なるタイプに(不可逆的に)分化し、それにより安定した細胞集団が形成されるという多細胞生物の一般原理を追究します。そして可塑性をゆらぎと結びつけることでデタラメな遺伝的変異と淘汰というだけでは語りえない、(表現型の)進化の方向性と拘束を明らかにします。

図書館でちらっとしか読めていない。熟読したい一冊。

システム生物学入門

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第1章 システム生物学とは何か

第I部 システム生物学序説
第2章 システム生物学のための力学系入門
第3章 システム生物学のための熱統計力学入門

第II部 細胞のシステム生物学
第4章 ウルトラセンシティビティ
第5章 キネティックプルーフリーディング
第6章 走化性システム
第7章 概日時計システム
第8章 生命システムにおける普遍性

第III部 代謝のシステム生物学
第9章 代謝反応のモデリング
第10章 フラックスバランス解析の基礎
第11章 フラックスバランス解析の応用
第12章 代謝のダイナミクス

第IV部 進化・生態系のシステム生物学
第13章 数理生態学の基礎
第14章 生命進化の数理モデル
第15章 遺伝的アルゴリズムと適応度地形

新しめの本。

もっと熟読したい。。。。

Essential細胞生物学(原書第5版)

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生物学をガチるならこれ!!大学の標準的な教科書。

もう第五版まで翻訳されてるんですね。

読みやすい。

数でとらえる細胞生物学

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序章:生物における数の指針
なぜ生物を考えるうえで数に気を使う必要があるのか?
BioNumbers リソース
どのように大雑把な計算をするか?
「桁数の生物学」におけるツールキット
大雑把な計算のための厳格なルール
細胞の地理的特徴

第1章サイズと幾何学
細胞とウイルス
細胞小器官
細胞を構築するブロック

第2章濃度と絶対的な数
細胞を構成するもの
細胞の活動調査
組織と信号

第3章エネルギーと力
生物学を物理学で解釈する
生命の通貨と収支

第4章速度と時間
小分子の時間スケール
セントラルドグマ
細胞の力学
細胞周期

第5章情報とエラー
ゲノム
変異とエラー

第6章定量的な雑記

図書館でちらっと読んだのですが、とても良かった。

進化生物学 おすすめ本紹介

進化のからくり

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「歌うカタツムリ」(岩波科学ライブラリー)で第71回毎日出版文化賞 自然科学部門受賞を受賞し、新聞や雑誌の書評で、「稀代の書き手」として絶賛された千葉聡氏(東北大学理学部教授)。本作は受賞後の最新作になる。自身の小笠原のカタツムリ研究のフィールドワークや内外の若手研究者の最新の研究成果を紹介しながら、「進化生物学」の醍醐味を描いたエッセイ的な作品。練り込まれた構成と流れるような巧みな文章で、ダーウィンに始まる進化研究の「バトン」がいまも途切れることなく受け継がれており、我が国の研究者もこれにおおいに貢献していることが分かる。読み始めたらページをめくる手がとまらない、痺れるほど面白い傑作

面白い。生物進化を研究することの様子がよくわかる。このリアリティが本書の魅力。

例に上がるのがカタツムリだ。カタツムリの貝殻には、右巻き、左巻きがある。それは、一つの遺伝子の違いによって起こる。そして、重要なのが、貝殻の巻き方の向きが異なる個体同士は生殖できない、ということだ。これは、一つの遺伝子の違いによる種分化を示す例である。

しかし、著者らは巻き方向が異なる個体同士でも生殖が可能なことを発見し、上の仮説を否定した。このカタツムリの例では種分化は未完だったのだ。

進化とは何か ドーキンス博士の特別講義

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眠れなくなる進化論の話

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理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ

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傑作。

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協力と裏切りの生命進化史

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協力関係があるところには、必ず裏切り者が生まれます。生物における協力関係についても同じです。1個体、1細胞でも裏切り者が現れれば、協力関係に致命的な影響を及ぼします。生物界における裏切り者とは、他の生物からの協力にただ乗りをするものたちのことです。多細胞生物でいえば、がん細胞のように勝手に増殖する身勝手な細胞のことです。協力関係を長期間維持している生物は、実に様々な方法で裏切り者を抑え込んでいます。

「生命多元性原理」入門

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なんで地球にはこんなやたらに生き物がいるんだろう? 遺伝、発生、進化……なんでこんな複雑なシステムができたんだろう? それには深いわけがある! 「多様性」をキーにして、DNA組換えやエビジェネティクス、進化や発生の原理など、最先端生命科学のキモを明快に解説。さらに、最新の生命像と現代思想との共鳴を発見しながら、根源的な「多元性」の原理へと読者を誘う。トップランナー研究者による驚異の生物学入門!

生物はなぜ死ぬのか

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■主な内容
・恐竜が絶滅してくれたおかげで、哺乳類の時代が訪れた
・宇宙人から見た「地球の素晴らしさ」とは
・地球上で最も進化した生物は昆虫である
・遺伝物質DNAとRNAの絶妙な関係
・「死」も、進化が作った仕組みである
・ヒトだけが死を恐れる理由
・“若返る”ベニクラゲの不思議
・超長寿のハダカデバネズミは、なぜがんにならないか
・ヒトの老化スピードが遅くなっている理由とは?
・「若返り薬」の実現性
・少なめの食事で長生きできる理由
・老化細胞は“毒”をばらまく
・テロメアの長さと老化は関係ない?
・生物学的に見ると、子供が親よりも「優秀」なワケ
・ヒトが生きる目的は、子孫を残すことだけではない
・“死なないAI”を生み出してしまったヒトの未来
・有限の命を持つからこそ、「生きる価値」を共有できる
・私たちは、次の世代のために死ななければならない
――すべての生き物は「死ぬため」に生まれてくる。

第1章 そもそも生物はなぜ誕生したのか
第2章 そもそも生物はなぜ絶滅するのか
第3章 そもそも生物はどのように死ぬのか
第4章 そもそもヒトはどのように死ぬのか
第5章 そもそも生物はなぜ死ぬのか

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進化という謎

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生物学の哲学入門

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日本人筆者による初の「生物学の哲学」入門書。生物学を哲学的に学び、生物学を通じて哲学を学べる、一石二鳥の最新版教科書。

生物学の知見に基づき哲学の問いに挑み、生物学に関する哲学的問題を論じる「生物学の哲学」。ダーウィン進化論は何が新しく、そして私たちに何をもたらした? 利他性は進化論で説明できる? 進化は漸進的か断続的か? 発生も進化する? 種に分類できない生物もいる? 基礎から最新の話題まで明快な思考で解き明かす、決定版入門書。

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爆発的進化論

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生命誕生から約40億年。変化は常に一定ではなく、爆発的な進歩を遂げる奇跡的な瞬間が存在した。眼の誕生、骨の発明、あごの獲得、脚の転換、脳の巨大化……。数多のターニングポイントを経て、ゾウリムシのような生物は、やがてヒトへと進化を遂げた。私たちの身体に残る「進化の跡」を探りながら、従来の進化論を次々と覆す、目からウロコの最新生物学講座!

ソロモンの指輪

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「生後まもないハイイロガンの雌のヒナは、こちらをじっとみつめていた。私のふと洩らした言葉に挨拶のひと鳴きを返した瞬間から、彼女は人間の私を母親と認め、よちよち歩きでどこへでもついてくるようになった……“刷り込み”などの理論で著名なノーベル賞受賞の動物行動学者コンラート・ローレンツが、けものや鳥、魚たちの生態をユーモアとシンパシーあふれる筆致で描いた、永遠の名作。
動物行動学の入門書としても最適。
著者の愛すべき人柄がしのばれる「第2版へのまえがき」も初収録。

名著!!

動物好きにはぜひ。

生命、エネルギー、進化

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絶え間なく流動する生体エネルギーが、40億年の進化の成り行きにさまざまな「制約」を課し
てきたと著者は言う。その制約こそが、原初の生命からあなたに至るまでのすべての生物を
彫琢してきたのだ、と。
「化学浸透共役」というエネルギー形態のシンプルかつ変幻自在な特性に注目し、生命の起源の
シナリオを説得的に描きだす第3章、「1遺伝子あたりの利用可能なエネルギー」を手がかりに
真核生物と原核生物の間の大きなギャップを説明する第5章など、目の覚めるようなアイデアを
次々に提示。起源/複雑化/性/死といった難題を統一的に解釈する。
本文より──『生命とは何か(What is Life?)』でシュレーディンガーは……完全に間違った疑問を
発していた。エネルギーを加えると、疑問ははるかに明白なものとなる。
「生とは何か(What is Living?)」だ。──

最前線の研究者の感じているスリルと興奮を体感できる、圧倒的な読み応えの科学書。

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[目次抄]
はじめに――なぜ生命は今こうなっているのか?
第 I 部 問題
1 生命とはなにか?
2 生とはなにか?
第 II 部 生命の起源
3 生命の起源におけるエネルギー
4 細胞の出現
第 III 部 複雑さ
5 複雑な細胞の起源
6 有性生殖と、死の起源
第 IV 部 予言
7 力と栄光

酸化還元反応という化学反応とエネルギー論で、生命の起源、細胞の初期の進化を説明する。

細胞はプロトン(陽子)の流れによってエネルギーを得ている。

エネルギーは進化の要であり、エネルギーを方程式に持ち込んで初めて生命の特質が理解できる、とあなたを納得させたいのである。このエネルギーと生命の関係は生命の始まりにまでさかのほるー生命の根本的な特質は、たゆまず活動する惑星に生じた不均衡から必然的に現れたーということを示したい。生命がエネルギーの流れによって誕生し、プロトン勾配が細胞の出現の鍵を握り、その利用が細菌と古細菌の構造に制約を課したということを明らかにしたい。そうした制約がのちの細胞の進化を決定づけ、細菌と古細菌を、生化学的には巧織でありながら形態は永久に単純なままにしていることを立証したい。

p16

番外編

生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く

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めっちゃ面白い。刺激的な一冊。

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初めて語られた科学と生命と言語の秘密

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第1章 カオスと複雑系の時代で
第2章 「情報」の起源
第3章 編集という方法
第4章 生命の物語を科学する
第5章 脳と情報
第6章 言語の秘密/科学の謎
第7章 「見えないもの」の数学
第8章 「逸れていくもの」への関心
第9章 意識は数式で書けるのか
第10章 集合知と共生の条件
第11章 神とデーモンと変分原理

情報生命

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計算する生命

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コンピュータは人間になれるか? それとも、私たちこそがコンピュータなのか……? 鮮烈なデビュー作『数学する身体』から8年、若き俊英が切り拓いた新地平。河合隼雄学芸賞受賞
「計算」は私たちの生活のそこかしこに現れる。では、指やペンを使う足し算や筆算と、膨大な電力を消費する巨大コンピュータによる計算は、何が異なるのだろうか。機械が人間の能力を遥かに超越し、日夜無言で計算し続けるいま、私たちには一体何が残されるのだろうかーー。気鋭の独立研究者が数学史を古代まで遡り、ユークリッド、デカルト、リーマン、ウィトゲンシュタインといった先人の足跡を辿り、いつしか生命の根源まで到達した果てに提示する新たな地平とは。河合隼雄学芸賞受賞作。

下西風澄さん「解説」より
人工知能が世界を席巻し計算が加速する時代にあって、計算をただ推し進めるのでもなく、しかし計算を止めるのでもなく、立ち止まって計算の意味を問い直し、わかり直そうとすること。そのことによってまた別の方向へ進むかもしれない計算を想像すること。本書が描いてきた数学の歴史における計算の多様性は、わたしたちに「計算する生命」であるという矛盾がもたらす危険と魅惑を投げかけている。

時間の終わりまで

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第1章 永遠の魅惑 始まり、終わり、そしてその先にあるもの
第2章 時間を語る言葉 過去、未来、そして変化
第3章 宇宙の始まりとエントロピー 宇宙創造から構造形成へ
第4章 情報と生命力 構造から生命へ
第5章 粒子と意識 生命から心へ
第6章 言語と物語 心から想像力へ
第7章 脳と信念 想像力から聖なるものへ
第8章 本能と創造性 聖なるものから崇高なるものへ
第9章 生命と心の終焉 宇宙の時間スケール
第10章 時間の黄昏 量子、確率、永遠
第11章 存在の尊さ 心、物質、意味

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