【こち亀】78巻の全話あらすじ紹介 弟・金次郎の結婚で両さんが中川の親戚に! 部長の千葉の新居に甲冑姿で新年祝い! コンピュータ操作でボーナスを4000万円に! (original) (raw)
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」78巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1992年12月発売)
●ネオ・ボーナス争奪戦!!の巻
ストーリー
商店街の借金取りに追われる両さんは、今月の給料も受け取って署から出たところを取り押さえられ奪われてしまう。
お金のない両さんは、署長に10年分の給料の前借りを頼むが、取りつく島もなく断られる。
そこで、今度は署の総務人事課に忍び込み、コンピュータを使って、自分のボーナスを4000万円にする。さらに署長、部長、中川、麗子らのボーナスの額を勝手にイジる。
4000万円のボーナスを銀行で現金で受け取る両さん。しかし、両さんにナビコンを仕掛けたプラモ屋ら商店街の面々が、ボーナスを狙ってくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)、尾崎(プラモ屋)
43巻「ボーナス争奪戦!の巻」53巻「ボーナス争奪戦!!の巻」73巻「ボーナス戦線異状なし!の巻」に続く商店街とのボーナス争奪戦の話。
署のコンピュータをイジって不正を働くが、現実的に署のコンピュータの操作だけで、何のチェックもなく署長を巡査に降格させたり、ボーナス額を変更したりはできなさそうな気がする。
変更する前の元々のボーナス額は、両さん¥825,672、寺井¥685,712、署長¥2,125,629。正確な額は不明だが部長は約98万円。
定期的にあったボーナス争奪戦だが、この回以降は13年後の145巻「ボーナス争奪戦'04の巻」まで描かれない。
●ケーキ屋・両さん!?の巻
ストーリー
年末にアルバイトを探す両さんは、麗子の紹介で知り合いのケーキ屋のバイトを始める。
ケーキ作りは素人だったが、従来の凝り性で独創的なケーキのアイデアを出すようになる。
両さんの勤めるケーキ屋にクリスマスケーキの注文が多く入る。両さんは部長にはウ〇コ型のケーキを作製。
さらに麗子の会社のパーティー用に、1000万円かけた15トンの巨大ケーキを作製するが、徹夜作業をしていたため、巨大ケーキの中で寝てしまう。
主な登場人物
ケーキ屋になる話。
以降の話でも、麗子のケーキ作りの手伝いのバイトをしたりと、両さんがケーキ作りをすることがある。
両さんがバイトした店の名前は「DO. DE. SUKA. DEN」。外国語っぽい雰囲気ながら元ネタは「どですかでん」。
両さんの開発したケーキは、味噌を全体に塗って梅干しやシシャモをアレンジした和風ケーキや、おせちケーキセット、チョコエクレアに寿司ネタを乗っけたすしケーキなど。
部長のケーキには、部長が嫌いな物として山イモとセロリを加えている。
●新築祝いは鎧で御免!?の巻
ストーリー
部長がそれまで住んでいた建売住宅を売って、その資金で家を新築。新築祝いを持っていけば、新年会で豪華なごちそうにあずかれると考え、時代劇好きな部長のためにプレゼントの鎧兜を用意する。
しかし、部長からは新築の家が汚れると、両さんだけ新年会に呼んでくれない。
それでも1992年の年明け、勝手に部長宅を訪れる両さん。だが、部長は両さんを徹底的に無視。
部長に認めて欲しい両さんは、今度はプレゼントの甲冑をまとって訪問しようとするが、近くで時代劇映画を撮影しているロケ隊に出演のエキストラと間違われてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、大原良子
部長の新築祝いの話。
部長の新居は、相当の田舎。今後も部長のこの家は何度も登場する。
それまで住んでいた建売住宅はバブルが弾ける寸前に売ったので、15年前に買った値の3倍で売れた。
新年会のごちそう目当てとはいえ、部長に気に入られようとしている両さんがいじらしい。
部長宅の近くで撮影していた映画のタイトルは「華の平次」。元ネタは「花の慶次 -雲のかなたに-」。ポスターも元ネタに近いデザインになっている。
ラストは圧巻の迫力。
今回発生した部長宅の破損は、映画会社が弁償している。
●空飛ぶ絨毯!?の巻
ストーリー
派出所にも色々な国からの外国人が訪ねてくるようになったが、語学に堪能な中川と麗子が対応していた。
仕事帰りの両さんは、行き倒れていた外国人男性を寮の自室に泊めてあげる。男性はペルシャ絨毯の行商に来ていたが仲間とはぐれてしまっていたのだった。
翌日、無事に仲間と合流できた男性は一宿一飯のお礼として両さんにペルシャ絨毯を一枚プレゼントする。ただの貰い物なので、レプリカの安物だと思っていた両さんだったが、1930年代に作られた5000万円以上の値打ちのある物だった。
高級品であると知った両さんは、絨毯のレンタル業を始める。ある日、絨毯の商談の帰り、ビルの屋上で強風に煽られ絨毯が飛ばされてしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、麻里愛、戸塚金次、屯田五目須(署長)
高級ペルシャ絨毯の話。
タイトルは「空飛ぶ絨毯!?の巻」だが、空飛ぶ魔法の絨毯というわけではない。本当に空を飛ぶ魔法の絨毯の話は47巻「空とぶじゅうたん!?の巻」。
ラストは、ビルの屋上に和風のペントハウスを作っている社長と商談していたので、高層ビルの屋上で絨毯を持ち運ぶ展開になっていた。
ペルシャ絨毯を派出所に持ってくるシーンでは、両さん、戸塚、寺井、麗子、中川と5人も同時に勤務している。どんな勤務シフトなんだろうか? 引継ぎのタイミングだろうか?
冒頭では、両さんがサイン色紙を眺めながら、大ファンの設定の春日八郎(1991年没)が亡くなったことを悼んでいる。色紙には「別れの一本杉」の曲名が書かれていた。
●葛飾署スキー旅行の巻
ストーリー
秋の旅行がない代わり、葛飾署の旅行先は冬のスキー。両さんはバスに遅刻するが、中川のF40の爆走で現地にたどり着く。
スキー場に併設されたスケート場で、美人スケーターの飛田京香を追いかけたり、雪の中に飛び込んだりとスキー場を楽しむ。
賞金20万円目当てに、寒中水泳、雪上タンデム自転車、スキーと、二人一組で挑むトライアスロン大会に、本田と挑む。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、屯田五目須(署長)
葛飾署のスキー旅行に行く話。
1本の連続したストーリーというよりは、雪上車に踏まれたり、中川のF40を雪中に埋めたりと、細かいエピソードの連発といった構成。
両さんとしては、中川たちとカナダでのスキーに行く方が良かったのだが、給料から旅行費が積み立てられていると聞いて、元を取るために署の旅行に参加した。両さんはともかく、中川にとっては給料からの旅行費の積み立てなんて、はした金にも入らない額だろうに、中川と麗子も署の旅行に参加する。
両さんは女子とはいえ、オリンピック候補選手を追い立てるほど、スケートが速い。
スポーツ万能の中川が目の前にいるのに、トライアスロンの相方に両さんが本田を指名するのが謎。
●ツェッペリン号発進せよ!の巻
ストーリー
マジックハンドやカメラなどを搭載するよう両さんはラジコン気球を改造。ヘリと異なり、空中での停止が容易で、ペンを掴んで字を書くことも可能なほど精密な動きができていた。
ヘリと違い、音もなく忍び寄ることもできるので、両さんは部長を尾行し、制帽に落書きをしたり、犬の糞をポケットに詰めたりとやりたい放題。
主な登場人物
ラジコン気球の話。
作中、気球とは言っているが、飛行船といった方が正確。(タイトルのツェッペリン号も実在の飛行船が元)
カメラを組み込むのは費用が掛かるので、両さん個人では難しく、電子技術メーカーとの共同開発。開発費に700万円かかっていた。現代だと小型カメラは安価で容易に取り付けられるので、今なら両さん一人で作り上げただろう。
専用グローブでマジックハンドと飛行船本体の操縦を行い、バイザーのついた専用ヘルメットでカメラの映像を受信。遠隔操縦が可能となっている。
●占い師!ノストラ・両津の巻
ストーリー
麗子の見合い相手の逮捕、次長のケガ、部長の交通事故など、両さんが予想したことが立て続けに現実のものとなる。
あまりの的中ぶりにマスコミに「現代のノストラダムス」と取り上げられ、一躍時の人に。
署内に「大予言課」が設置され、無料占いの住民サービスを始めるが、両さんはお金を取り始める。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
予言が当たる話。
序盤で両さんの予言が当たっていたのは、たまたまらしく、特に理由は語られていない。
当時(1992年)は、1999年のノストラダムスの大予言を控えていた頃。
両さんはアメリカが合衆国から共和国になり、日本やヨーロッパもアメリカ共和国に組み込まれると予言していた。
EUの発足となるマーストリヒト条約の発効は翌1993年のこと。
●すべるんです!?の巻
ストーリー
中川、麗子と中川の系列会社のスケート場に来た両さん。そこにはマリアとホンダラ親父も来ており、両さんはホンダラ親父といつもの争いに発展する。
二人の暴れっぷりを見込まれ、特別コースをローラースケートで走るスケーターモトクロスのキャンペーンの大会に出場を打診される。
報酬10万円がかかっているとあり、ラフプレーで他の出場者を潰そうとする両さんだが、拳法家のホンダラ親父が対抗してくる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、麻里晩、板池
スケートをする話。
前半は通常のアイススケート、後半はローラースケートでのモトクロス。
本当は中川、麗子と交代で勤務につく予定だったが、寺井を電話で呼び出し強引に両さんは休んでいた。なお、両さんは時期外れの正月休みで20日間休んだ直後だった。
麗子はスケートで国体に出たことがある設定。
終盤は、ホンダラ親父と争ううちに、モトクロスレースそっちのけでケンカする展開になる。
●兄として…!の巻
ストーリー
弁護士をしている弟・金次郎が結婚することに。相手は霧ケ谷建設の次女で、実は中川の遠縁。
両さんが式に参加すると聞いて、不安になり中川も出席する。
新婦側の出席者は政治家や大学教授などが並び、対する両津家側は大工などの職人のオンパレード。
式が始まると司会がいるのに、両さんが仕切りだす。政治家の挨拶を途中で切り上げ、得意のしゃべりで盛り上げ、お色直しに神輿を持ち込んでくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、両津銀次、両津よね、両津勘兵衛、両津金次郎、両津(霧ヶ谷)景子、霧ヶ谷英次郎
弟・金次郎の結婚式の話。会場は実在する雷5656会館。
これを機に両さんは中川と親戚になる。とはいっても相当遠い親戚。
祭り好きの両さんが悪ノリする展開だが、今回は良い方向に転ぶ。ページの都合からか祖父・勘兵衛の出番はほぼない。
新婦側から挨拶する国会議員に対抗し、両津家からは元組長の極道のおじきを出そうとする。警察官の身内が元・極道でも大丈夫なんだろうか?
雷5656会館 | 【公式】浅草においでよ! (asakusanioideyo.com)
●身内として…!の巻
ストーリー
金次郎の結婚で、遠縁ながら中川と親戚となった両さん。上機嫌で身内として中川財閥の会社に活をいれてやると息巻く。戸惑う中川だったが、下手に刺激すると面倒になるとの部長の助言で、末端の運輸会社の倉庫番の役目を与える。
それでも両さんは勝手に業務を拡張していき、中川運輸の利益はどんどん上がっていく。
主な登場人物
身内として中川の会社に口出しする話。
中川の関連子会社は163社と言われている。
身内だと分かるようにと、名刺を作るが、その肩書は「中川総合グループ 親戚」という分かりやすいのか分かりにくいのか判然としないものだった。
中川運輸では「スーパーガードストアキーパー」という役職を与えられるが、要は倉庫番だった。
中川運輸の倉庫はオートメーション化されており、テトリスのように上から降ってくるコンテナに両さんは潰されそうになる。
「兄として…!の巻」「身内として…!の巻」の話より、弟・金次郎の結婚で両さんと中川が遠縁となる。
このことから以降の話では、中川の系列会社に社長の親戚としてムリを言うことがたびたび発生する。
部長の「コンピューターウィルスみたいに蝕むぞ」という警告は当たっている。
個人的オススメは、ボーナスの額を操作する「ネオ・ボーナス争奪戦!!の巻」とオチがダイナミックな「新築祝いは鎧で御免!?の巻」。