【こち亀】77巻の全話あらすじ紹介 両さんが京都の寺で更生修行! ダメ太郎の電子頭脳と競馬対決! 署の隣の食堂勤務に! 両さんの声が中川や部長そっくりに! (original) (raw)
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」77巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1992年10月発売)
●通信販売大論争!!の巻
ストーリー
両さんはテレフォンショッピングで気になる物があると、どんどん購入していく。しかし、部長からはガラクタばかりが増えていくと説教。
両さんも面白いから必要な物と反論するが、結局、部長に言い負かされてしまう。
部長がパトロールに出ている間、派出所に部長の頼んだマッサージ機が届く。言い負かされた両さんは、マッサージ機の中に忍び込んで部長に仕返しをしようと考える。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人
通信販売を巡って部長と両さんが大論争する話。
両さんが通販で買った物は、フレームのフチにミラーが付いていて振り向かずに後ろを見られたり、ワイパーで曇りを取ることなどができる10徳メガネや、強引に鉄棒の回転をさせるぶらさがり健康機2など。
両さんの通販を批判していた部長だったが、自分もマッサージ機を買っていた。派出所ではなく自宅を送り先にすれば良いのに。
マッサージ機に入った両さんは江戸川乱歩の「人間椅子」のような状態になる。途中で部長にバレるが、部長はマッサージ機の状態のままで両さんに逆襲する。
この部長と両さんの意地の張り合いが見どころ。
●守れ!松茸山!!の巻
ストーリー
松茸が採れる山の今シーズンの権利が売りに出されていて、孫と自然に親しむ目的で部長が購入。
部長が権利を買った山から、今まで知られていなかった松茸の群生地が見つかり、新聞にも取り上げられることに。
しかし、新聞に取り上げられたことから松茸泥棒が出没。部長と両さんも見張りにつくが、範囲が広すぎてカバーしきれない。
元・傭兵のボルボの協力で、地雷原やブービートラップを仕掛け、大規模な泥棒対策を施す。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、本田速人、ボルボ西郷、角田(大原)ひろみ、角田英男、角田大介
松茸が採れる山の権利を買う話。
両さんが部長の松茸山の防衛に熱心な理由は、当然ながら松茸の横流しのためで、親切心からではない。
両さんの嗅覚は鋭く、地元の人たちも知らなかったガケの上にある群生地を嗅ぎつけていた。
ボルボの仕掛けた地雷は、月日によって場所を変えており、乱数表がないとボルボ本人でも地雷原が分からない。
部長の娘一家が松茸狩りに来るが、ボルボのトラップに怯えながらの散策でまったく楽しめていなかった。
この頃のボルボはムダに力の入ったキャラになっている。
●七色の声を持つ男の巻
ストーリー
勤務終わりにカラオケボックスに来た両さんたち。隣のボックスには、歌謡教室の講師が来ていた。両さんと同じ歌をわざわざ選曲し、上手に歌ってくる歌謡教室講師のやり口に怒り心頭の両さんは、大声歌唱で張り合う。
二人で意地を張って12時間歌い続けた結果、翌日の両さんの喉には異常が。喉の辺りを指で押さえると、部長や中川、署長らとそっくりの声が出せるようになっていた。
両さんは、その声を利用し電話でイタズラしようとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、本田速人
前半は歌謡教室講師とのカラオケ対決の話、後半は色々な人の声が出せるようになる話。
当時のカラオケ機は100円玉を入れて歌う方式。両さんは演歌を歌っていた。
両さんの喉に異変が起こった一方、歌謡教室の講師は入院する羽目になっていた。
両さんの喉は、最終的に菊池桃子の声が出せるようになる。
●盗撮にご用心!の巻
ストーリー
小型の高性能ビデオカメラを警察装備の携帯無線機(SW)に仕込んだ両さん。カメラを仕掛けたSWを部長、中川、麗子の装備とそれぞれすり替え、三人の日常から弱みを握る。
反撃に転じるため、中川は赤鉛筆型の小型カメラを仕込むが、勘の良い両さんは、それを見破る。しかし、中川の本命は頭髪に仕込んだもう一つのカメラ。カメラの存在に気付かない両さんは、アダルトビデオ屋などで日常を送る。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛
小型カメラを仕込んで盗撮する話。
両さんが握った部長の弱みは賭け将棋をしていたこと。路上で詰将棋の問題を出し、1回料金いくらで支払って挑戦し、勝ったらプレゼントを貰えるシステムの大道詰将棋。部長はお金こそ出していなかったが、口だけ出していた。
中川が両さんに仕込んだカメラは頭髪の中。髪の毛を剃って、そこに小型カメラを装着し、その上に髪を植えるというもの。両さんが派出所で寝ているスキに仕込んだ。
●本日より「食べだおれ」店勤務に処す!の巻
ストーリー
葛飾署の隣に和食、洋食、中華、すしの総合食堂チェーン店「食べだおれ」10号店が開業。
開店すぐの店は好調ながら人材不足で体力のある出前担当を探しているということから、部長と署長は両さんを人材として店に差し出す。
500名が勤める葛飾署からの出前注文には、署内に詳しい両さんが担当となる。
交通課、警ら係、取調室、署長室と、署内の様々な部署に、両さんは出前を届けていく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、屯田五目須(署長)
葛飾署内への出前の担当になる話。
この話は次の「両津流スペシャルメニューの巻」にも続くので、実質的には前後編の前編。
両さんの「食べだおれ」勤務は10日間。食事代をこれまで踏み倒しているのを帳消しにする条件のため、バイト代は無し。10日間の勤務は警察官としては有休扱い。ただし、前借りの有休なので、15年先まで有休はないとのこと。(その後、休んでる話があるような……)
中川と麗子は、この話の間、いつもの派出所勤務ではなく署内勤務になっていて、両さんの出前を受け取ることになる。
●両津流スペシャルメニューの巻
ストーリー
引き続き総合食堂チェーン店「食べだおれ」での勤務を続ける両さん。出前の料理を数人分に分けて数を誤魔化し、小遣い稼ぎをするが、忘田の密告で部長にバレてしまいあえなく失敗。
部長から店に連絡が入り、今度は店内での勤務を命じられる。
勤務していると、署長や部長などの署の上司たちが食事に来る。店に送り込んだ意趣返しに、辛味やハナクソなどを料理に入れて仕返しを謀る。
主な登場人物
前話に続き、食堂に勤める話。
10日間の勤務は前話で終わったのだが、署長から正式に辞令が出され、三週間の勤務が追加で課されていた。
すぐに何でも忘れてしまう忘田も、両さんと一緒に勤務する羽目になる。
手を洗わずに寿司を握っていることに関し、両さんは「10個も握っているうちに 手はきれいになる!」と豪語している。この言い訳は、その後寿司職人として勤務するようになった119巻「お寿司屋さんの作り方!!の巻 寿司修業編 その③」でも同じような発言をしている。
総合食堂の「食べだおれ」が隣にできたのに署のランチ事情は改善しなかったのか、以降も両さんが署内で寿司やおにぎりなど色んな昼食を販売する話が何度も出てくる。
●必勝!C(コンピューター)競馬!?の巻
ストーリー
警視庁に来ていた両さんだが、競馬中継のラジオが聞こえづらかったため、ダメ太郎たちが勤務する捜査8課ロボット分室でテレビ中継を見ることに。ダメ太郎も一緒に競馬中継を見るも、両さんの持っていた競馬新聞のデータから両さん以上の精度で、次々的中させていく。
後日、部長や中川たちと共に競馬場に観戦に行き、そこで両さんとダメ太郎で競馬の予想勝負ををする。
両さんは20年培った野性の勘で勝負すると息巻くも、データから導くダメ太郎の予想の方が的中率がはるかに高い。
ダメ太郎の持つ競馬新聞から次の予想をこっそり盗み見る両さん。大穴ではあるが、ダメ太郎が次の予想の確率は98%と聞き、サラ金で借りた500万円をダメ太郎のチェックした馬に全額ツッコむ。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、丸出ダメ太郎、度怒り炎の介
ロボット警官のダメ太郎と競馬予想勝負をする話。
一年分の競馬新聞のデータを本庁のやつにフロッピーにまとめてもらった、と語っていたので、警視庁に来ていたのは仕事ではないのかもしれない。
この話に出てくる馬名は、ジンザン、フグリキャップ、ポイントテン、メグロアサマといった名馬をもじったと思われるものがいくつか出てくる。
1991年から一枠一頭制が入って、36通りから152通りに買い方が変わったので、頭では覚えきれん、と作中で両さんは語っている。
サラ金で両さんが担保に差し出したのは警察手帳。そんな物を担保に出してはマズイだろうが、サラ金は両さんの勢いに押されて現金を用立てたっぽい。
●給料を追え!!の巻
ストーリー
両さんたちの給与は現金支給ではなく、銀行振り込み。だが、両さんは振り込みの同日に全額引き出し現金化していて、振り込みの意味は薄い。
今月も銀行で給料を引き出そうとするが、商店街の借金取りがボーナスだけでなく給料も狙って銀行前で張り込んでいるので、なかなか引き出せない。
わざわざ電車を使って遠くの金融機関で現金化するも、駅でスリに現金の入った封筒を奪われてしまう。
両さんは執念で、駅のホームでスリ一味と大立ち回り。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、尾崎(プラモ屋)
給与振り込みを巡る話。
前半は給与が振り込みになったことの社会的動きと、両さんの動向、後半は現金化した給料を巡ってスリグループや商店街の借金取りと争う展開になっている。
給与振り込みについて冒頭で解説されているが、銀行振り込みは1970年代から始まっており、当時(1991年)では普通のことだった。両さんたちが振り込みになるのは、71巻「生意気CD機(キャッシュディスペンサー)の巻」から。
両さんたちの給与は15日払い。給与は¥312,516~¥327,612、ボーナスは¥828,862振り込まれている。
振り込みの同日に全部現金化するので、水道代・電気代などの自動引き落としは全くされていない。中川にちゃんと払っているのか疑念を抱かれていた。
ラストの現金をFAXで送信する行為は、コピー機でニセ札を作るのと同じなのでマネしてはいけない。
●ご乱心!?両津和尚の巻(前編)
ストーリー
両さんの性格と行動には目に余るものがあると、京都の寛極寺(かんごくでら)という人間の更生に関して有名な寺に預けられることに。
頭を坊主にさせられ、頭には西遊記の孫悟空の輪のような物を被せられる。頭の輪は、怒ると電気ショックが流れる仕組みの物だった。
厳しい修行に嫌気がさした両さんは、脱走を企てる。しかし、この寺は、裏には断崖絶壁、正面には虎の放し飼い、各所に赤外線監視装置を装備という脱出不可能と言われた寺だった。
主な登場人物
京都の厳しい修行の寺に預けられる話の前編。
冒頭では、一般人のポルシェと自転車で競争を仕掛けた上、空冷エンジンに発砲で穴を空けようとしていた。
京都までは護送車で運ばれていて、まるで犯罪者扱い。
頭にはめられた輪の名前は、江慈尊蛮頭(えじそん ばんどう)。ちなみに西遊記の孫悟空の輪は「緊箍児(きんこじ)」。
厳しい修行を課す住職だが、本人は高級な洋酒を大量に所有するなど生臭坊主だった。
●ご乱心!?両津和尚の巻(後編)
ストーリー
寛極寺を脱走し、京都の街を行く両さん。頭にはめられた輪は、強引に外したものの、一文無しで東京まで戻る当てがない。
両さんは、荒れ果てた古寺で住職の振りをして、インチキな解説で観光客からお金を稼ぐ。その古寺の主の住職に見つかってしまうが、その住職とは競馬の趣味で意気投合。二人で古寺を観光地化する計画を練る。
一方、中川の経営するホテルが京都でオープンするので、招待客の部長を伴って中川も京都に。
住職と両さん、部長と中川はそれぞれ祇園に飲みに出る。
主な登場人物
京都の厳しい修行の寺に預けられる話の後編。
寛極寺を脱走する際に、高価そうな仏像を持ち出していたが、それはダミーで価値のない物だった。
両さんと意気投合した住職の宗派は、楽々宗(らくらくしゅう)と言い、何事もやりたいことは自由にやるという宗派だった。両さんは住職から養子になって寺を継がないかと誘われる。
この少し前のバブル景気の頃、各地に巨大な観音像や大仏が何体も建てられていた。お寺の羽振りが良かったのかもしれない。
「本日より「食べだおれ」店勤務に処す!の巻」と「両津流スペシャルメニューの巻」、「ご乱心!?両津和尚の巻(前・後編)」と、前後編のストーリーが2本収録されている巻。
個人的オススメは、ダメ太郎と競馬対決する「必勝!C(コンピューター)競馬!?の巻」。