音楽遊覧飛行 2024年10月14日・17日(イブラヒム・マーロフ、マルコス・ヴァーリ、モンゴ・サンタマリア、ティグラン・ハマシアン) (original) (raw)
【目次】
世界のリズム(サラーム海上)
ヨーロッパや中東、アジア、南米など世界各地で発展したリズムを楽しめる音楽の特集でした。
10/14
Ibrahim Maalouf「Love Anthem」
フランス在住のレバノン人トランペッター:イブラヒム・マーロフの16枚目のスタジオ・アルバム『Trumpets Of Michel-ange』(ミケランジェロのトランペット)。このアルバムはイブラヒムの父親が1960年代にレバノンで発明したクォータートーン・トランペット、半音のまた半音、微分音が出せる特別なトランペットをイブラヒムが世界中に普及することを目的に作られました。彼は11月に久々に来日公演を行います。
Marcos Valle「Life Is What It Is」
今年81歳を迎えた歌手で作曲家のマルコス・ヴァーリの5年ぶりのニューアルバム『Tunel Acustico』。全編爽快なブラジリアン・ディスコ、ブラジリアンAOR路線ですが、この曲は1970年代マルコス・ヴァーリがアメリカで活躍していた時代にロックバンド:シカゴとの共演から生まれた曲。
10/17
Mongo Santamaria「Cloud Nine」
キューバ出身で1950年代からアメリカで活動しラテンジャズを確立したパーカッショニスト:モンゴ・サンタマリア。1971年のアルバム『Mongo At Montreaux』にはモンゴの強烈なリズムを生み出すパーカッションとバンドのエネルギーが余すことなく表現され、ライブの興奮がそのまま記録されています。
Tigran Hamasyan「The Quest Begins」
木曜日は「SDGsのグローバルミュージック」。今月はアルメニアのピアニストで作曲家のティグラン・ハマシアンの最新2枚組アルバム『The Bird of a Thousand Voices』が紹介されました。
この作品はアルメニア教会に残された古い写本の中にあった鳥に関する民話と細密画をもとにした同名のビデオゲームのサウンドトラックとしてスタートしました。最終的には24曲、1時間半の大作となりました。ティグランは以前からアルメニアの伝統音楽からの深い影響を受け、アメリカに渡ったのちジャズとクラシックとの融合を探求する中で独自の音楽スタイルを築き上げてきました。そして2015年には5世紀から20世紀の間に書かれたアルメニア教会の讃美歌や宗教音楽をエレバン州立合唱団と共演したアルバムを発表しています。
『The Bird of a Thousand Voices』について彼は「讃美歌は想像力豊かでクリエイティブなもので、中世の讃美歌には祈りが表現されています。そして教会に残された古い写本には素晴らしい装飾が施されたスピリチュアルな鳥、擬人化された鳥が描かれています。これは私たちの想像力の宝、記憶の宝のようなものです。焼け残った灰から物語を読み、蘇らせるための大きなインスピレーションになります。これは単なる音楽ではなく、より大きなプロセスなのです。」と述べています。
ティグランは今年春に首都エレバンの山の上にピアノを運んで、この作品のプレミア・コンサートを行いました。このコンサートはアルメニアの自然の中で音楽を奏でることで環境保護の重要性を訴えかけるものでもあり、SDGsの11の目標「住み続けられるまちづくり」という目標に貢献しています。