地震を経て、輪島市【たかの洋菓子店】のサバランに出会う (original) (raw)

たまたまのぞいた店で素晴らしくおいしいサバランに出会った。ブリオッシュにたっぷり洋酒をしみこませた大人の味。ケーキの中ではサバランとモンブランが圧倒的に好きなのだけど、作っている店が少ないようでなかなかお目にかかれない高嶺の花である。

野々市にある「1の1 NONOICHI」というカフェにて、日替わりで飲食店が出店しているコーナーをふとのぞいてみたらサバランがおいてあった。予想外の場所で好きな人に遭遇してしまって嬉しいけど緊張~!みたいなときめきが全身を駆け巡る。サバランは残り2個で、私が買った直後にもう1個が売れて店じまい。運命的な駆け込みセーフであった。

シロップをまとった生地はツヤツヤ~。口に含むとブランデーとラムがジュワジュワあふれてくる。最初から最後までまんべんなく染み込んでいて、どの瞬間も至福…!上にのってるのはプルーン。コクのある甘さが洋酒に合う。ドライフルーツをかじりながらラムを飲んでるような状態で、味と香りとアルコールに心身がぽわんとしてくる。ケーキを食べ終えたあともカップの底にはまだ洋酒がひたひたと残っていて、お猪口よろしくぐびっと飲み干した。サバランめ、見た目は素朴で可憐なくせになんという魔性の味。恐ろしい子!

店の名は「たかの洋菓子店」。輪島の老舗ケーキ店なのだけど、元日の能登地震で店は全壊。長く営業できずにいたけれど、野々市のイベントコーナーにて限定的に製造販売を再開したということである。月に2日ほど出店しているようで、私がのぞいたのがちょうどその日だった。出会えてラッキーだったし、次に出店するときにも必ず来ようと思う。サバラン、本当に好みだった。一緒に買ったチーズブッセもとてもおいしかった。被災地応援のためという以前に、単純においしくて大好きだったのでまたどんどん買いたい。

たかの洋菓子店 Instagram

1の1 NONOICHI 石川県野々市市本町2-1-21