オリエントコーポレーションとは - わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

株式会社オリエントコーポレーションOrient Corporation

本社ビルとしている麹町ミレニアムガーデンオフィスタワー(2016年5月)
種類 株式会社
市場情報 東証プライム 8585
略称 オリコ
本社所在地 日本102-8503東京都千代田区麹町5丁目2番地1
設立 1951年昭和26年)3月15日
業種 その他金融業
法人番号 9010001070784
事業内容 個品割賦事業、カード・融資事業、銀行保証事業、決済・保証事業
代表者 梅宮真(代表取締役社長兼社長執行役員
資本金 1,500億28百万円(2017年3月31日現在)
発行済株式総数 普通株式 1,718,346,703株第一回I種優先株式 70,000,000株(2017年6月30日現在)
営業利益 連結:335億15百万円(2017年3月期)
純利益 連結:286億90百万円(2017年3月期)
純資産 連結:3,039億円(2017年3月31日現在)
総資産 連結:5兆3,290億円(2017年3月31日現在)
従業員数 単体:3,333名連結:4,966名(2021年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 みずほ銀行 48.67%伊藤忠商事 16.52%日本トラスティ信託口 9.16%小手川隆 1.68%東京センチュリー 0.89%(2018年9月30日現在)
主要子会社 下記参照
関係する人物 齋藤雅之(取締役会長兼会長執行役員)
外部リンク www.orico.co.jp
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株式会社オリエントコーポレーション: _Orient Corporation_)は、東京都千代田区に本社を置くみずほ銀行系(みずほフィナンシャルグループ)の大手信販会社(ショッピングクレジット・オートローンクレジットカード)。「オリコ」は同社が発行するクレジットカードの「オリコカード」など、同社の正式なブランド名として用いられており、会社名を示す略称としても使われている。

概説

信販業界大手4社の一角を成し、販売信用オートローンは業界トップである[1]。特にオートローンでは最短30分程度で契約可否を行う審査ノウハウと、中古車ディーラーに営業社員を訪問させるフォロー体制があり、他社に1歩抜きん出たシェアを有する。2007年11月には楽天KCから旧国内信販事業のオートローン事業やショッピングローン事業等を譲受した[2]クレジットカードの有効会員数は2020年3月末時点で1,101万人である[3]MasterCardのプリンシパルメンバーであり、MasterCardブランドを主力にすると共にMasterCard Worldwideの国際理事として重要な役割を担っている。

第一勧業銀行(現在のみずほ銀行)との結びつきが強く、過払い金返還に伴う巨額の貸倒引当金と赤字を計上した2010年9月にはみずほフィナンシャルグループ(MHFG)が筆頭株主となり、持分法適用関連会社とされた[4][注釈 1]。2015年9月末までに出資比率(議決権ベース)を現行の約22%から49%までに引き上げ、ビッグデータの共同活用等を行い、新たにカード事業を中心とした決済事業分野での連携を強化する方針を執った[5][6]。みずほ銀行のATMに掲示されている使用可能クレジットカードの表記では、みずほと資本的結びつきが強いユーシーカード(UC)とクレディセゾン(セゾンカード)と並び、他のカード会社と比較して大きく表記されている。

社名のオリエント(Orient)は東洋の英語読みである。古代オリエント博物館の運営は同社である[_要出典_]。オリエントという名前は一般的に日本の高度経済成長期において使われた単語であり、著名企業ではオリエント・リース(現:オリックス)[注釈 2]オリエンタルランドオリエンタル (食品メーカー)などが同じ語句を使用しているが資本的な関係はない[7]

経営改革

2006年度は同業他社が早期に改革に乗り出す中、ギリギリまで黒字を計上する見通しであったが、貸金業法改正によるグレーゾーン金利廃止などの要因から2007年3月期決算で4579億円の赤字に陥る見通しとなっている。これにより大幅な改革に乗り出す構えであり、債務超過回避と経営改革の資金調達の為、みずほグループにグループ会社化を前提として同グループを中心に総額2,900億円の資本増強の実施を要請している。また、経営体質を強化する為に今後5年間で営業拠点を半減させると共に社員を1,300人削減し、本社ビル(麹町ミレニアムガーデン)の区分所有権を森ビルへ売却した(2014年に野村不動産のファンドが取得している)。

経営改革は同業の三菱UFJニコスアプラスも乗り出すことを発表しており、みずほグループ入りを踏まえた今後の改革に期待されるが発表された経営改革が割賦販売中心で新味に欠けているとの批判も多い。

2007年3月期に債務超過に陥ったことから、上場について東証1部から2部に指定替えとなった。そして、資本欠損の填補のために、2007年5月2日に、資本金の減少を行った上で、債務の株式化とみずほグループ・伊藤忠商事等を割当先とする第三者割当増資を実施した[8][9]。それに伴い、株式併合単元株式数の変更を行なった。同年6月28日に、減資と増資によって生じた資本準備金剰余金を欠損填補に充当する措置を実施した。

2008年からみずほ銀行による支援が開始されたが経営再建を果たせず、2010年9月にはみずほフィナンシャルグループが持ち株比率を27%に引き上げ、筆頭株主となった[10]。オリエントコーポレーションの社長、会長には、歴代旧第一勧業銀行出身者が就いていた[11]

不祥事

2003年に暴力団構成員が同社支店勤務の社員に顧客リストを持ち出させ、オリコ側に金銭要求した恐喝未遂事件が発生。同年3月にリストを持ち出した社員は窃盗容疑で逮捕され懲戒解雇、暴力団構成員も恐喝容疑で逮捕された。その後、内部関係者が持ち出した情報を基に金銭を要求する類似事件としてYahoo! BB顧客情報漏洩事件KDDI顧客情報流出事件ベネッセ個人情報流出事件などが発生している。

2003年より悪質リフォーム業者が十分な判断能力が無い高齢者に対して訪問販売で持ち掛けた高額なリフォーム工事に対して、あっせんを受けたオリコなど信販各社が慎重な契約確認などをせず高額な契約を締結させた結果、手抜き工事や工事自体を実施していない契約不履行詐欺状態にあるにもかかわらず被害者がローンの返済を行わなくてはならなくなるという「リフォーム詐欺事件」が2006年に表面化した。契約者の返済が滞ると家屋を差押えられたり、団体信用生命保険が付保されるなどバブル期の変額保険問題を彷彿とさせる事件であり、なりふり構わず貸し付ける杜撰な審査体制であるとマスメディアテレビ朝日系列「ワイド!スクランブル」など)で酷評された。なお、オリコはこの報道がされる1年前には率先してこのような行為を行っていた有限会社富士商や類似業者に対して契約解除を行っている。2008年の割賦販売法抜本的な見直し(支払見込可能額の設定・高額の生活耐久消費財には丁寧な審査を行い、返済能力を確認する旨)改正の起因となった。

2012年12月から開始された金融庁の調査により、みずほ銀行暴力団融資事件が明らかとなった。

これはオリコのキャプティブローンにおいて、申込者が暴力団関係者であることのチェックをすり抜けて信用保証を引き受け、みずほ銀行がオリコの信用保証とあっせんを基に自動車購入資金を融資した件数が230件・融資額2億9千万円あったとされるもので、2013年9月27日にみずほ銀行に対し金融庁から業務改善命令が出された[12]。問題となった融資のうち返済不能となった147件、計約1億8000万円はオリコがみずほ銀行に対し代位弁済していた[13]。 同年10月15日齋藤雅之社長を委員長とする反社態勢強化委員会及び特別調査部会が設置され、16日には、みずほ銀行とデータベース強化のためシステムを接続するなどの再発防止策をまとめた報告書を経済産業省に提出した[14]。また2014年1月には、同省から割賦販売法に基づき業務改善命令が発動された[15][16]

グループ会社

連結子会社

持分法適用関連会社

沿革

加盟する信用情報機関

クレジットカードなどの信用審査を行うために、以下の信用情報機関に加盟している。

クレジットカード

国際ブランド

MasterCardのプリンシパルメンバーであり、MasterCardブランドを主力にすると共にMasterCard Worldwideの国際理事として重要な役割を担っている。また、VISAに関してはユーシーカード株式会社の発行権を利用していたが、現在は発行権を取得している[23]。さらに株式会社ジェーシービーブランド開放提携によるJCBのクレジットカードも発行している。一時期一般カードはMasterCardブランドのみ募集していたが、2014年現在はVISA・JCBブランドの募集も再開されている。

また、シティカードジャパン株式会社が発行する提携カードである「オリコダイナースカード」も存在するが、表立つ新規募集はなされていない。

主なプロパーカード

国際ブランド付きオリコカード(提携カードを含む)には、「海外旅行傷害保険」・「国内旅行傷害保険」・「紛失・盗難保障」・「シートベルト傷害保険」・「ショッピングガード」の各種保障・保険サービスが付帯する。ゴールドカードでは保障内容が拡充されている。

「Orico Card iD×QUICPay」をはじめ、個性的なデザインと機能を備えた一般カードもしくはUptyに準ずるカードを発行している。

主な提携カード

現在発行している主な提携カードは以下の種類である。詳細は、公式サイトを参照のこと。

エンターテイメント系

自動車系

旅行系

ショッピング系

家電量販店系

住宅系

プロバイダー系

スポーツ系

社会貢献系

2010.8.23現在

その他

非接触ICカード機能

オリコクワトロカード[25]

非接触ICカード通信技術を内蔵しており、一部のマンスリーマンションやビジネスホテルの電子鍵として使用できる。

MasterCardコンタクトレス

浦安市にあるショッピングモールイクスピアリとの提携カード「イクスピアリカード[26]」などで、MasterCardが推進する非接触決済サービスに対応している。

iD/QUICPay

Premium Gold iDやデザインカードの一部にiDまたはQUICPayが搭載されている。

2009年4月から募集開始の「JRタワースクエアカードカードiD QUICPay」ではプラスチックカード上のFelicaでは国内初のiDとQUICPayの両方の決済ブランド搭載され、2010年11月にはプロパーに準拠するデザインカードにおいても「Orico Card iD×QUICPay(JCB)」が募集開始されている。

Kitaca

2009年4月から募集開始の「JRタワースクエアカード Kitaca」においてJR北海道のKitacaが搭載されている。内蔵kitacaへのクレジットチャージはJR北海道のみどりの窓口における手続のみ。

長崎スマートカード

ココカラーカードに搭載。

エヌタスTカード

長崎自動車グループでのIC交通乗車機能搭載。オートチャージ対応。

脚注

注釈

  1. ^ オリコの歴代社長は第一勧業銀行の副頭取か、みずほコーポレート銀行の専務。また、2005年から2010年までは伊藤忠商事筆頭株主であった。
  2. ^ 1988年にオリエント・リースが阪急ブレーブスを買収してプロ野球に参入した際、間違えてオリエントファイナンスへ取材に行った報道陣も存在した。(社名はいずれも当時のもの)

出典

  1. ^ (8585)オリエントコーポの株価・業績・競合 会社四季報オンライン
  2. ^ [1]
  3. ^財務・業績情報(主要指標・計数推移)”. 株式会社オリエントコーポレーション. 2021年2月11日閲覧。
  4. ^ [2]
  5. ^ “みずほ、オリコの出資比率引き上げ正式発表”. 日本経済新聞. (2015年7月31日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASGC31H09_R30C15A7EE8000/ 2015年8月3日閲覧。
  6. ^株式会社オリエントコーポレーションとの連携強化について』(プレスリリース)株式会社みずほフィナンシャルグループ 株式会社みずほ銀行、2015年7月31日。http://www.mizuho-fg.co.jp/release/20150731_2release_jp.html。2015年8月3日閲覧。
  7. ^ グループ会社一覧 - オリコ
  8. ^ “オリコ、2千億円規模赤字 みずほに支援要請、傘下へ”. 共同通信. (2007年2月15日). http://www.47news.jp/CN/200702/CN2007021501000214.html 2014年6月29日閲覧。
  9. ^ “オリコ、赤字4579億円 金融支援2900億円”. 共同通信. (2007年3月6日). http://www.47news.jp/CN/200703/CN2007030601000260.html 2014年6月29日閲覧。
  10. ^ “みずほ、オリコを傘下に 貸金業法対応で立て直し”. 共同通信. (2010年5月12日). http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010051201000277.html 2014年6月29日閲覧。
  11. ^ 「みずほ銀、暴力団融資問題の“火種”オリコめぐる、旧3行抗争の歴史と変わる勢力図」ビジネスジャーナル2013.10.09
  12. ^ 「暴力団融資のみずほ銀行 内情はまるで「半沢直樹」?」ブルームバーグ2013/10/10
  13. ^ 「みずほ組員融資:オリコ常務「回収努力はするが難しい」」毎日新聞 2013年10月17日
  14. ^ 「みずほ銀と共同で審査強化=暴力団融資問題で—オリコ 」 ウォールストリート・ジャーナル 2013年10月15日
  15. ^ “経産省、オリコに業務改善命令へ 暴力団融資で”. 共同通信. (2014年1月17日). http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014011701001062.html 2014年6月29日閲覧。
  16. ^ “オリコに改善命令 経産省”. 日本経済新聞. (2014年1月17日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASGC1700W_X10C14A1EE8000/ 2014年6月29日閲覧。
  17. ^ 会社分割によるユーシーカード株式会社の保証事業の承継に関するお知らせ (PDF)
  18. ^ 株式会社オートリの株式取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせイチネンホールディングス 2022年3月4日
  19. ^ 株式会社オートリの株式譲渡に関するお知らせオリエントコーポレーション 2022年3月4日
  20. ^イオンフィナンシャルサービス株式会社との業務提携の検討の具体化及びイオンプロダクトファイナンス株式会社の全株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社オリエントコーポレーション、2024年1月11日。https://ssl4.eir-parts.net/doc/8585/tdnet/2379637/00.pdf。2024年1月12日閲覧。
  21. ^連結子会社の異動(株式譲渡)及び株式会社オリエントコーポレーションとの業務提携の検討の具体化に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)イオンフィナンシャルサービス株式会社、2024年1月11日。https://www.aeonfinancial.co.jp/-/media/AeonGroup/Aeonfinancial/Files/news/2024/news240111_2.pdf?la=ja-JP。2024年1月12日閲覧。
  22. ^イオンフィナンシャルサービス株式会社との業務提携に係る基本合意書の締結及びイオンプロダクトファイナンス株式会社の全株式取得(完全子会社化)完了並びに商号変更に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)株式会社オリエントコーポレーション、2024年3月25日。https://ssl4.eir-parts.net/doc/8585/tdnet/2413228/00.pdf。2024年4月10日閲覧。
  23. ^Visaカードのお申し込み先”. 2012年1月23日閲覧。
  24. ^オリコEXGold forBizのメリットとサービス詳細|法人カードおすすめ比較サイト”. xn--t8j4aa4nyhsgsnk44r6z0cgdcj65m.net. 2020年7月24日閲覧。
  25. ^ クワトロカード - オリコ
  26. ^ イクスピアリカード - オリコ

関連項目

外部リンク