少年、ガラスの兎、十四歳の夢 (original) (raw)

少年、ガラスの兎、十四歳の夢

Sから借りた少女漫画を読んでいる。
中国人の少年が「昔、ガラスで兎を作ったが、顔が割れてしまい人に売った。精巧に作ったから手放したくなかった」と話す。もう一人の日本人の少年が「ステンドグラス工房の先生が、割れたガラスをくっつける方法を知っていたよ」と言う。彼はにこにこ話している。ページをめくる。「君は神様の元へいける。セックスをしていないから。十四までにセックスをした子供は地獄へ落ちる。けっして天国には行けない」少年の顔は泣き笑いのように歪んでいる。彼は先生からレイプを受けたのだ。
わたしは起きて「怖い夢を見たの」とNに言う。Nは、あなたはかつての自分のトラウマを想起する夢ばかり見るから話を聞きたくないと言う。
目が覚める。Nは隣で眠っている。