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いけうちおさむ

いけうち・おさむ 【池内 紀】
文学者(独文学)。池内了は弟。池内恵は息子。

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関連ブログ

Le ciel bleu sur Europe ヨーロッパに広がる青い空9ヶ月前

モーツァルトとは何か 池内紀 著モーツァルトとは何か 池内紀 著 表紙 モーツァルトとは何か 池内紀 著 文藝春秋 発行 1991年12月25日 第一刷 第1章 時代の申し子、時代の頂点 モーツァルトが死んだのは1791年。社会秩序が音を立てて崩れていった時代。フランス革命を準備した総体的な変化があった。 モーツァルトが元気だった頃のヨーロッパは、国意識は弱かった。ザルツブルクという都市、あるいはミュンヘンという町があって、そのあたりのバイエルンという地方があってという、地方なり、町が、非常に緩やかな形で集合していた状態。とくにドイツ語圏は。 当時のヨーロッパは、宮廷はフランス語、音楽家の仲間と会うときはイタリア語。教会の司…

#モーツァルト#池内紀#ザルツブルク#ウィーン#イタリア好き

ネットで話題

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84ブックマークドイツ文学者の池内紀さん死去 | 共同通信this.kiji.is

45ブックマーク舛添要一の怒り「池内紀『ヒトラーの時代』に罵声を浴びせる研究者たちへ言いたいこと」 | 文春オンラインbunshun.jp

21ブックマークAmazon.co.jp: 香水—ある人殺しの物語: 本: パトリック ジュースキント,Patrick S?uskind,池内 紀www.amazon.co.jp

17ブックマークドイツ文学者・池内紀さん死去 エッセーでも人気博す:朝日新聞デジタルwww.asahi.com

16ブックマークドイツ文学者の池内紀さん死去 78歳 「ファウスト」、軽妙なエッセーも人気 | 毎日新聞mainichi.jp

14ブックマーク今週の本棚:池内紀・評 『現代語訳でよむ日本の憲法』=柴田元幸・翻訳、木村草太・法律用語監修 - 毎日新聞mainichi.jp

13ブックマーク(寄稿)私の歩んだ戦後70年 ドイツ文学者・エッセイスト、池内紀:朝日新聞デジタルwww.asahi.com

11ブックマークAmazon.co.jp: 新訳決定版 ファウスト 第一部 (集英社文庫ヘリテージシリーズ): ゲーテ (著), 池内紀 (翻訳): 本www.amazon.co.jp

11ブックマークAmazon.co.jp: カフカ短篇集 (岩波文庫 赤 438-3): フランツ・カフカ, 池内紀: 本www.amazon.co.jp

関連ブログ

Le ciel bleu sur Europe ヨーロッパに広がる青い空9ヶ月前

須賀敦子全集 別巻 対談・鼎談須賀敦子全集 別巻 対談・鼎談 表紙 須賀敦子全集 別巻 河出書房新社 発行 2001年4月10日 初版発行 須賀敦子さんの対談・鼎談集です。 向井敏:丸谷才一さんは最初の三行で人を惹きつけなければならないと、よく言っているでしょう。 その絶品の一つ。小津次郎の『シェイクスピア伝説』の書評の書き出し 「伊勢松坂の小津家は二人の優れた文学研究者を世に送り込んだ。一人は現代の小津次郎で、・・・もう一人は江戸後期の小津弥四郎で、その専門は『古事記』と『源氏物語』である」 そして、ついでのようにこう書き添えるんです。 「念のために言ひ添へて置けば、弥四郎は後年、本居宣長と名を改めた」(笑)p29-30…

#須賀敦子#イタリア#丸谷才一#池内紀#ペトラルカ

星見るアルパカ2年前

22冊目 「すごいトシヨリ散歩」 池内紀・川本三郎すごいトシヨリ散歩 作者:池内 紀,川本 三郎 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 別に散歩しているわけではない対談本 鉄道とか映画とか本とか旅とか 池内氏がちらりと映画の筋や俳優の話をするとすかさず川本氏がタイトルや名前を言うの 単純にすごいなと思う

#池内紀#川本三郎

El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚2年前

すごいトシヨリBOOKやや独善的? エンドポイント理論は応用できる! すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる (毎日新聞出版) 作者:池内 紀 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 正しいのかはわからないが次のような立場 群れるのをやめて一人ひとりが過去を背負い、一人ひとりが自分の老いを迎えるのが本来であって、群れて、集まって、はしゃいで、というのは老いの尊厳に対する侮蔑ではないか。P37 予想外のところで自分を見た時、見知らぬ他人がいる驚き。そういう見知らぬ他人に近くなった自分と、いかに折り合いをつけていくのかというのが、老いていく日々の特徴です。P41 ヨーロッパの人は、教養にもよりますが、「横…

#エンドポイント理論#池内紀

いのししのひとりごと2年前

「すごいトシヨリBOOK」池内紀すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる 作者:池内 紀 毎日新聞出版 Amazon 母は、いつまでも、母のままだと思ってた。 けど、母だって、当然、年を取る。70歳を超えたあたりくらいから、母が、祖母に似てきたなあーーと思い始め、母も年を取ったなあと思う時がぐんと増えた。 年を取るって、どんな感じなんだろ。。 で、手に取ったこの本。 「すごいトシヨリBOOK」 年寄り、、という言葉にふつうはあんまりいい印象はないのに、この本のタイトルと言ったら、年寄りを「トシヨリ」とカタカナに変換し、年寄りを形容するには使いそうもない「すごい」を「トシヨリ」の前につけ、そして、すごいトシヨリについ…

#すごいトシヨリBOOK#池内紀#読書

書きたいことを書きたいだけ2年前

悪魔とは何か『悪魔の話』池内紀著 感想悪魔の話 (講談社現代新書) 作者:池内 紀 講談社 Amazon 古今東西の悪魔に関する話を集めた本。中世の魔女狩りや、昭和の怪事件「赤マント」など、話題が拡散しすぎてる感もあるけど、よく言うとバラエティに富んでいて面白く読んだ。 ”悪魔”という存在の形而上学的、神学的な考察が印象に残った。キリスト教において、神と悪魔の関係をどう解釈したのかという話。 神は(1)善で(2)全知全能である。悪魔の存在はこの前提を突き崩す。悪魔は神によって創造されたか、神から独立した存在か、どちらであるが、 教父たちは考えた。悪が神から生じることはありえない。なぜなら悪は神と対立するものだから。 池内紀著『悪魔…

#悪魔#池内紀#講談社現代新書#読書

本はねころんで2年前

暑さのせいか全国的にはずいぶんと気温があがっているようで、関西の家族からはひどく 暑いという声が聞こえてきます。こちらは本日も気温が上がらずで、たぶん 20度に届かなかったでありましょう。何度まであがったのかとアメダスで 確認をしようとしましたら、朝5時から気温が表示されていません。あらま どうしたのかと思いましたら、これはアメダスが使っているシステムの通信 障害のせいなのだそうです。 当方は、アメダス確認ではじめて通信障害のことを知ったのですが、障害が おきた通信会社のユーザーは大変なことになっているようです。そういえば 当方の大阪の家族もユーザーでありましたが、本日は自宅にいるときはWi-Fi のライ…

#東プロイセン#消えた国#多和田葉子#池内紀

Le ciel bleu sur Europe ヨーロッパに広がる青い空2年前

ゲーテさん こんばんは 池内紀 著ゲーテさん こんばんは 池内紀 著 表紙 ゲーテさん こんばんは池内紀 著集英社 発行2001年9月10日 第1刷発行ドイツの文豪ゲーテについて、一般的なイメージをくつがえすように、楽しく、面白く書いています。1765年、16歳のゲーテはライプツィヒ大学に入学 ギリシャ語、ラテン語、フランス語、イタリア語に堪能で英語もできた。地理、歴史、博物学に詳しい。ピアノが弾けて絵が上手。ダンスと乗馬は玄人はだし。一字の乱れもない見事な筆跡 p7ヨーロッパの18世紀は「啓蒙主義の時代」で、言いかえれば教育ブームの世紀だった。また父親は資産家で、その人生は財産の管理と、我が子の教育に費やされた。 「ファウス…

#ゲーテ#池内紀#イタリア紀行#若きウェルテルの悩み#マンハイム

Le ciel bleu sur Europe ヨーロッパに広がる青い空3年前

カント先生の散歩 池内紀 著カント先生の散歩 池内紀 著 表紙 カント先生の散歩池内紀 著潮出版社 発行2013年6月20日 初版発行以前、池内さんの「消えた国 追われた人々 東プロシアの旅」という紀行文を楽しく読ませていただきました。その東プロシアから一歩も出なかった哲学者カント。自分は名前だけは知っていても、思想は全く知りません。それでも彼の半生をユニークなエピソードを織り込みながら、平易な文章で描いたこの本も興味深く拝読することが出来ました。大学での争いや老いの描写は、池内さんの経験も反映されているのかと思うと、読んで切なくなる箇所もありました。 私のカント先生の紹介1724年4月22日、革具職人の息子として、東プ…

#カント#池内紀#東プロシア#ケーニヒスベルク#ゲーテ

Le ciel bleu sur Europe ヨーロッパに広がる青い空3年前

すごいトシヨリ散歩 池内紀・川本三郎 編すごいトシヨリ散歩 池内紀・川本三郎 編 表紙 すごいトシヨリ散歩池内紀・川本三郎 編毎日新聞出版 発行2021年11月5日 発行ドイツ文学者、エッセイストの池内紀さん(2019年8月逝去)と、評論家の川本三郎さんによる対談集です。もとは月刊誌『望星』で2016年9月号から2019年9月号に連載されていたものです。普通、ヨーロッパの都市の真ん中は「旧市街」といわれるいちばん古い地域で、王宮や官庁など由緒ある建物が集まっている。ところが東京の中心は、巨大な空間に一家族だけが住んでいる。中世や近世ならそれもわかるんですけど、21世紀の神話みたい。これにも外国人は驚きます。p22一つ目小町有名な町の…

#池内紀#川本三郎#菅江真澄#ゲーテ#高峰秀子

夢見るように、考えたい6日前

10月5日 日本の文化に疎すぎる。見渡せば 花も紅葉もなかりけり 浦のとま屋の秋の夕暮れ 藤原定家 さて、いままで和歌を詠んだことは一度もない。 もっと言えば百人一首は家にあったことはあったが、それはどちらかというと絵で選ぶものであり、そこに書かれている歌は全くと言っていいほど把握していない。 競技カルタなどの従事者はともかく、こうした文化に触れている人々は今の時代どれほどあるのだろうか。 例えばいわゆる西欧文明が無いころ。 当然日々の娯楽教養余暇対応でこうしたものが文化として楽しまれたであろう。 私はそうではなくどちらかというと”洋物”が好きであった。 もう洋物が日常生活に入ってきており、和もの洋物どっちですか、ということに…

楽山楽水日記(Ⅱ)8日前

池内 紀著「ぼくのドイツ文学講義」2024年10月1日(火) 池内紀著「ぼくのドイツ文学講義」読了。 池内紀(1940-2019)はドイツ文学者にしてエッセイスト、神戸大学、東京都立大学、東京大学で教鞭をとり、その時に講義の教材にしたものがベース、カフカを除けば殆ど無名の(私が知らないだけかも😅)、ナチスに迫害されたユダヤ系作家達が取り上げられている。 当時理系の学生の入社試験の科目に、ドイツ語読解があったキリンビール社を受験するため、大学では第二外国語としてドイツ語を履修したが、どんな先生だったか、講義内容は印象が薄く、退屈だったように覚えている。 一方、池内紀の講義なら多分型破り、堅苦しいドイツ語の授業が軽妙洒脱なものに変…

晴耕雨読と〇部録11日前

9月のビブリオバトルの結果9月29日(日)の 第121回志津ビブリオバトルに参加しました。私は第2ゲーム(テーマフリー)に『日出処の天子』で参加しました。 結果は以下のとおりです。赤字がチャンプ本です。第1ゲーム テーマ「福」 1. 『朱雀家の滅亡』三島由紀夫池内紀/河出書房新社 2. 『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』竜田一人/講談社 3. 『幸福論』バートランド・ラッセル/角川ソフィア文庫 いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)【電子書籍】[ 竜田一人 ]価格: 660 円楽天で詳細を見る 第2ゲーム テーマフリー 1. 『日出処の天子』山岸凉子/白泉社 2. 『カラスの教科書』松原始/講談社 3. 『ス…

物語とワークショップ12日前

カフカ『判決』読書会の報告読書会の報告です^_^ 今回は初参加の方もいらしてくれ、やはりメンバーが増えると空気が変わるなぁというのを実感しました。ありがとうございます。 さて、カフカ『判決』です。 この小説はカフカが夜の10時から翌朝の6時までかけて一気呵成に書き上げ作品です。初めて納得する小説が書けたと満足し、生前出版された数少ない小説のうちのひとつでもあります。おそらく評価されている以上に、カフカ本人にとって小説を書くという行為の発見と、作風を確立するきっかけともなった大事な作品なのでしょう。実際この数か月後にはあの有名な『変身』が書き上げられており、確かに、父と息子の関係には『変身』が思い出されてハッとするところ…

ちよりの読書室14日前

子供の頃に読んだ本 『飛ぶ教室』 エーリヒ・ケストナー 池内紀訳 新潮文庫 子供の頃から読書が好きでたくさんの本を読んだはずなのだが、ミヒャエル・エンデの『モモ』やサン=テグジュペリの『星の王子さま』などは記憶があるものの他にどんな話を読んでいたのか思い出せない。 私の読書の原点は?と考えたときに思い浮かぶのは村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』。どう考えても子供が読む本じゃない。 そこで、子供の頃に読んでおいたほうが良かったであろう作品を大人になった今読んでみようと思い立ちこの本を手に取りました。 ドイツのギムナジウム(9年制の学校)を舞台に、「飛ぶ教室」という演劇をクリスマスに上演するため練習に励…

Dribs and Drabs14日前

トーマス・C・フォスター『大学教授のように小説を読む方法 増補新版』白水社池澤夏樹のは作家側からの読解だったが,こちらは批評家側からの読解。合わせて読むと面白い。重なる部分は少ないけれど,その少ない重なった部分が,池澤夏樹が「小説は〈世界〉を描く」といったところ,フォスターが「ストーリーはひとつ」といってところ,というのが興味深い。 こういう本を読むと久しぶりに小説が読みたくなるんだけど,実際にこの本の最後に「テストケース」ってことで短篇が載っているんだけど,それ読んでやっぱり自分が全然読めるようになっていなかったり,そもそも傑作と称されているこの短篇をちっともそう思えなかったりして,自分の変わらなさに愕然とした。ただ著者が最後に書いているように,「自分が読む本を自…

tamutamu2024のブログ16日前

自民党総裁選に関する社説・コラム(2024年8月21・22・24・25・26・28・29・30・31日・9月5・7・11・12・13・14・15・16・17・18・19・21・22・23・24・25日)自民党総裁選の日程は9月12日告示、27日投開票となった 毎日新聞 自民総裁選と外交・安保 地に足着いた議論足りぬ(2024年9月25日『毎日新聞』-「社説」) 隣国と安定的な関係を築くことは国益にかなうはずだが、目に付くのは強硬な姿勢ばかりだ。地に足の着いた議論が足りない。 自民党総裁選では、中国を念頭に安全保障を巡る議論が先鋭化している。石破茂元幹事長は、アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設に意欲を示す。高市早苗経済安全保障担当相は、非核三原則のうち核兵器を「持ち込ませず」の見直しが必要だと訴え、河野太郎デジタル相は原子力潜水艦の導入に言及した。 しかし、中国と関係の深い周辺国を巻き…

楽山楽水日記(Ⅱ)1ヶ月前

池内紀著「名人たちの世界」2024年9月6日(金) 「池内紀の仕事場7 、名人たちの世界」読了。昭和の笑芸の名人たち、落語家や漫才師の紹介と、その噺の中に出てくる東京の地誌物語。 著者のドイツ文学者、池内紀を知ったのは、NHKラジオドイツ語講座のテキスト(巻末の読みもの「ドイツ職業づくし」)だったと思いますが、それ以来お堅いドイツ語の先生とは思えない洒脱な文章術と、何より山旅と温泉好きと言うので、すっかりファンになりました。 これまで読んだ作品は、「日本の森を歩く」、「山の朝霧 里の湯煙」、「山の仲間たち」など21冊。本作品が22冊目。

採血の牛1ヶ月前

開かないドアずいぶん前のしょうもない思い出話だがなんか思い出したので書く。 もう10年以上前、或る職場に通っていた頃のことである。 その日は残業で遅くなった。誰もいなくなり、私は一人で事務所を出た。エレベータで1階に降りると、いつも使用している正面出入口が閉ざされていた。 この職場にはたまに来るだけの立場だったので知らなかったが、遅くなると正面出入口は閉まってしまうらしい。が、正面出入口の反対側に倉庫があり、いったん倉庫を経由して外に出られるらしい。私はドアを開けて倉庫に入った。 倉庫のドアAから、諸々の備品等が置かれている中を抜けて、道路につながる小さなドアBへ。それを開ければ外に出られる、はずだった。…

ことばと猫1ヶ月前

カフカの生涯 / 池内 紀カフカの生涯 / 池内 紀(いけうちおさむ) 新書館 明るくてちょっとおかしな、まったく新しいカフカ像が見えてくる! カフカ自身の言葉、日記や手紙、また作品という「精神の証言」をよりどころに、これまでの壮大なカフカ神話からこぼれ落ちた小さな事柄を拾い上げる評伝。(アマゾンの商品説明より) 商品説明に、「明るくて」と書いてあるけれど、ぜんぜん明るくないよ。笑 ちょっとおかしくもなかったよ。 とてもまじめで、不器用ながらもその時代を一生懸命に 生きたフランツ・カフカの生涯が記されていました。 カフカの日記や作品、手紙など膨大な記録から、 著者がカフカの生涯についてまとめたこの一冊。 時代背景から詳…

かかみの歳時記2ヶ月前

敗戦忌『遊園地の木馬』 池内 紀著 久しぶりの池内さん。キビキビした歯切れの良い文章が懐かしい。もう亡くなられて五年にもなるのですね。 岡武さんが『ふくらむ読書』で触れておられた本。県図書館の閉架棚から出してもらった三十年前のエッセイ集だ。 読んでいて、つくづく池内さんは意志の人だと思う。テレビはいらない。パソコンや携帯電話には使われない。ここでは三十年前の話だが、意志は硬く、最後まで原稿は手書きで、ネットなどは利用されなかったらしい。これはTに聞いた話だが、エアコンもお嫌いで、それがおなくなりになった夏の間の体力消耗を招いたらしい。 東大教授にして、偉ぶらない庶民的な気さくな人だったと岡武さんは偲…

晴走雨読 横鎌日記2ヶ月前

「植草甚一スタイル」昔、随分と昔だが、J・Jと呼ばれたコラムニスト/エッセイストがいた。近年まではそんな名前の女性月刊誌があったし、最近ではジャスミン茶割りの焼酎の名称になっている。野球選手やミュージシャンでも「ジェイジェイ」はいるらしい。簡潔だし響きもいい。 社会人になってから30代あたりまで、それとなくあこがれていたのがJ・Jの愛称で知られる植草甚一さんだ。映画中毒者を意味する「シネマディクト」に、甚一のJを足した「シネマディクトJ」との愛称から、上記のように縮められて呼ばれるようになったとか。1979年に亡くなっているので同時代に読んではいないが、80年代後半あたりから90年代あたりにはまだ植草さんの本は普…

ウルソの読書記録2ヶ月前

124冊目『飛ぶ教室』エーリヒ・ケストナー飛ぶ教室 (新潮文庫) 作者:エーリヒ ケストナー 新潮社 Amazon 個人的評価★★★★☆ ただ自分を騙さず、人に騙されずにいてほしい。不運はしっかり見据えることを学んでほしい。うまくいかないことがあっても、たじろがず、運が悪くても、しょげないことだ。元気を出せ!打たれ強くあることを覚えてほしい。 P24第二の前書きより ドイツの詩人・作家の児童文学の名作 新潮文庫2024のプレミアムカバーと池内紀訳に惹かれて購入 ドイツのギムナジウム(小学校4年修了で入学する9年制の高等学校)の寄宿舎に入っている5年生の悪ガキたちのお話 一応、クリスマス物語という形式なので、様々な事件を通しての生徒たち…

tamutamu2024のブログ2ヶ月前

旧優生保護法に違憲判決に関する社説・コラム(2024年7月4・5・17・18・19・26・28日)損害を被っても…(2024年7月28日『毎日新聞』-「余録」) 旧優生保護法を巡る国家賠償訴訟で、最高裁が除斥期間を適用せずに国に賠償を命じ、記者会見で笑顔を見せる原告たち=東京都千代田区で2024年7月3日、猪飼健史撮影 旧優生保護法を巡る訴訟で判決が言い渡された最高裁大法廷=東京都千代田区で2024年7月3日午後2時57分(代表撮影) 損害を被っても、何もしないまま一定の期間が過ぎると、賠償を求められなくなる。民法の決まりで、時間がたつにつれ事実関係の証明が難しくなることなどが理由だ。「権利の上に眠る者」、つまり「行使できるのに、しない人」は保護しないという考え方も根拠になっている ▲以前…

Dribs and Drabs2ヶ月前

池澤夏樹『世界文学を読みほどく:スタンダールからピンチョンまで』新潮社(新潮選書)池澤夏樹の小説って読んだことがなかったけど,この本は面白かった。作家という立場から他の小説を読みほどく。場(世界)があって人物があって,それで小説は〈世界〉を描く,という話。作者の視線(神の立場なのか,登場人物たちと同一の地平にいるのか)とか,描写の仕方とか,得るものが多かった。 世界文学を読みほどく (新潮選書)作者:池澤 夏樹新潮社Amazon はじめに ぼくは文学についてアカデミックな訓練をまったく受けていない。好きなものを勝手に読み、その中から抽出した原理のようなものと自分の体験を素材に、一種の変換操作を施して作品を生み出している創作者である。では、その原理のようなものを語ることはでき…