何かに狂ってる (original) (raw)

こんにちは。秋見鳥です。

今週も観劇weekでした。実家の親に言えないスケジュールで生活している。もう田舎には帰れないね。

大して拡散性もなくわかりやすさを排除したログを残すことに何の意味があるかとは思いますが、一応書き記しておこうと思います。例によって未見の方への配慮ナシ、ネタバレありなので、地雷を察知した方はブラウザバック!

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こんにちは。秋見鳥です。

夏バテです。大絶賛夏バテ中です。

金曜日あたりから完全に体調が終わっておりました。汗びっしょりで三時くらいに目が覚めるんですよね、エアコンつけてるのに。そしてそのまま眠れない。寝不足ゆえか、胃もたれもするしお通じも悪い。熱中症も疑い、この世の終わりのような気持ちでいましたが、どうも夏バテっぽいと定義づけたらちょっと楽になりました。自分の状態や感情に名前を付けて整理することはやはり有用です。なんとか昨日、今日は少し涼しかったので、睡眠も取れるようになり、胃腸も回復してきました。

金曜日から四日間、とんでもなくエンタメ漬けの日々を過ごしてきたのでちょろっと感想を書き記しておこうと思います。いや何、ひとつずつ記事立てようかと思ったけどね、大した感想も書かないんだからもう一回にまとめちゃっていいかなってね(怠惰)

例のごとくバンバンネタバレします。あと未見の方への配慮はありません。夏バテ中だからね! 唐突に始まって急に終わるよ! 目次を見て自衛してください。

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開幕おめでとうございます!

s-ryozanpaku.com

紫テント……? ああ今年もそんな季節か~。チケットぴあで事前抽選もやってるの? 気張ってるねえ。まあ桟敷席は毎年余裕あるから大丈夫でしょ……と高を括っていたのはいつのことだったか。

前売開始日もろくに確認せずTwitterのTL周回をしていたら

『おちょこの傘持つメリーポピンズ』
指定席・桟敷席ともに全日程完売いたしました。
ご予約いただいた皆様、本当にありがとうございます。

現在増席を検討中です。
当日券や増席分の販売については決定次第Xで発表いたします。

ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

新宿梁山泊(紫テント) (@SRyozanpaku) 2024年4月23日

……ふぁっ!? えっ、まじで? まあアンテナ張ってないほうが悪いよな……

そして今月のはじめ、またしてもTwitter(意地でもXとは呼ばない)周回している最中に、紫テントの話題を目にし、

新宿梁山泊(紫テント) (@SRyozanpaku) 2024年6月11日

へえ、中村勘九郎。今年は中村勘九郎が出るのかー。ふーん。

……中村勘九郎

お前先月シネマ歌舞伎見て「いや~中村勘九郎の演じる悪いお兄さんは美味しいよね~」とか言ったばっかりじゃねぇか!

www.shochiku.co.jp

バタバタしながら当日抽選でチケットを得て、上手側の立ち見席から観劇させていただきました。「初日は人が集中するからどうせ外れるやろ~。本命は平日椅子席よ」と軽い気持ちでタップしたらまさかの当選してしまってびっくりです。でも冷静に考えてみると仕事終わり6時半までに花園神社に行くのはちょっと間に合わない可能性があるので、今日観ることができたのは天のお取り計らいなのかもしれないな、と思いました。どうせ紫テントなんかどこ座っても無事に帰れないからね。

桟敷席→腰と尻と首、要するに全身が死ぬ

椅子席→たぶん尻が死ぬ

補助椅子席→たぶん腰と尻が死ぬ

歌舞伎座の柔らか座布団に慣れた皆々様におかれましてはどうぞご自愛いただきたく存じます。紫テントは歌舞伎座新橋演舞場のような、安心安全な劇場とは違いますよ。戦場と心得ていただいて……。

まだ初日で、オペレーションなどままならない中、対応いただいた劇団員の皆様方には頭が上がりません。まだ日程は続きますので、どうか最後まで事件や事故泣く完走できますように。

※ここからネタバレあり感想です

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※下記の公演のネタバレを含みます。

チェルフィッチュ×金氏徹平「消しゴム山」

・演劇実験室◉万有引力「砂漠の動物園」

先週末は土日と舞台の日でした。とても楽しかったけれど、さすがに体も疲れたらしい。日曜日の夜は9時くらいに倒れ込むように布団にもぐりこんで、そのまま朝までぐっすり。ポケスリのスコア100なんて初めて見た。大人には体力的に無理だと思っていた。

www.pokemonsleep.net

本当はこの記録も土日に書く予定だったのだけれど、ぼんやりしていたら火曜日になったので慌ててキーボードを叩いている。おかしい、時間の流れが早すぎる。月曜日はどこに消えた。

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こんにちは、秋見鳥です。

前回の記事で「今月はもう一回能を観に行く予定があるので」的なことを書いた気がするのですが、早速行ってきました。

stage.exhn.jp

前回観たのが『鵺』でしたが、今回はその鵺を退治した頼政が主人公。

ということで国立能楽堂へ向かうのだけれど……なんと寝不足! 昨日寝つきが悪すぎて全然寝られなかったのです。しかも日頃の不摂生がたたりちょっとお腹が張ってる感じがする。体調パラメータ、100点満点中3点。絶対寝るじゃーん。

とりあえず近所のファミマで眠気覚ましのコーヒー(SでよかったのにM買ったの本当に馬鹿)と観能中のトイレ防止のために大福を買い、食べ飲みながら向かいました。国立能楽堂は実は一回だけ行ったことがあるので、道は何となくわかる。駅から一本、まあ迷うことはないでしょ――とたかを括っていたのですが、代々木駅で降りてみると思っていたのと様相が違いとても驚きました。

あ、あれ、もっと綺麗な駅だったはず……改札出て左にNewDaysがあって国立競技場が……ない!

どうやら、前回は千駄ヶ谷駅から歩いた様子。今回は代々木駅で降りてしまったのですね。急いで道を調べ徒歩で向かいました。早めに家を出ておいてよかった。これだから寝不足はだめ。使い物にならない。

新宿高島屋のビルが思いのほか近くに見えたので、新宿から代々木は全然歩けそう。代々木から国立能楽堂までもそんなに遠くない。国立能楽堂から千駄ヶ谷も歩ける。

つまり新宿から国立競技場は歩いて行ける?

これは私にとってはちょっとした発見です。東京は、地方民が思っているより狭く小さい。また一つ行動範囲が広がりました。

国立能楽堂売店もあり食堂もあり資料館もあり、ちょっとした能のテーマパークみたいで、テンション上がる。座席にモニターがついているのも熱い。

前回の観能の際は中正面から見たのですが、今回は脇正面のチケットを買いました。脇正面は玄人向けと聞いたので今まで嫌煙していましたが、チケット代を鑑みて初挑戦です。お金は大事だからね……

まずは狂言富士松』。簡単にあらすじを読みこんでいきましたが、今回はそれだけでは少し準備不足でした。途中から二人の会話についていけず、オチも今ひとつ腑に落ちない。休憩時間中にどういう意味だったのだろうと調べていたら、下記のブログに答えがありました。

art.juqcho.jp

連歌の付け合いが眼目なので、国立能楽堂のように字幕表示器がないと理解するのが難しいかもしれませんが、二人の練達の狂言師のユーモラスな掛け合いのテンポを楽しむだけでも、十分に面白い曲でした。

なるほど~。今回字幕表示ありませんでしたからね。

偉ぶった主と、冷汗垂らしながらその機嫌を取る太郎冠者という構図は何となく現代のオフィスの構図にも思えて面白かったです。あと、扇で酒を飲む仕草などから、やはり落語の源流はこの辺りにあるんじゃないかなと思いました。

本命、『頼政』。面白かったですね~。修羅物は動きが大きく、生死の駆け引きの生々しさもあり、血が滾る気がしますね。鼓のテンポもここまで速く弾くんだなと少し驚きました。

後半、頼政でしか使わないとされる能面と、頭巾をつけてシテが登場しますが、そうすると面を括る紐が完全に隠れることになる。手足もほとんど見えないので本当に人間ではない、人形か異形のように見えるのが面白かったです。

最後、自刃の際に、扇を投げ捨てる演出がすごい。能をするには手放せないものが宙を舞い落ちる、その鮮やかさと呆気なさが壮絶な緊張感を与える効果があるなと思いました。

脇正面だと舞や能面などほとんど見えないんじゃないかと思っていたのですが、あまり関係なかったです。現代演劇だと正面の客席を意識することが多いですが、言われてみると、能はそれほど客席を意識していませんね。ワキはずっと常座で正面に背を向ける形で話していることも多いし、謡も脇正面のほうを見ている。だいたいでーんと柱が立っている時点で、見切れることを端から許容している。普段客席はありませんが、舞台向かって右側とか、後ろから見ても案外面白いんじゃないかなと思いました。いやでも謡の背中から見るのはちょっと難しいか。

また今回特に橋掛かりの近くの席だったので、揚幕の向こう、鏡の間での物音が少しだけ聞こえてドキドキしました。資料室で鏡の間を描いた図がありとても興味深かったのですが、そりゃ準備とか、大変だろうなと思います。こっちで間狂言やっている間に、村の翁から武将に変身しないといけないですものね……。間狂言といえば、アイの方の肩衣の背中に白い鳥が描かれていてすごく素敵だったのですが、何の鳥だったのでしょう? 知識がなくてわからない。これも脇正面だったからよく見えたのだろうなと思います。

そして、我々は大人しく席に座って黙って能を観ていますが、昔はどうだったのかな、などと考えました。室町時代はきっとルールがなかったはずなので、お酒をちょっとちびりつつ、揚幕からシテが現れたらちょっと喝采が上がったり、要所では一緒に謡ったり、もっと賑やかで和やかな雰囲気で観ていたのかもしれないな、と……。まあ今回はお話の内容から和やかな雰囲気にはならないかもしれませんが。

アニメ映画『犬王』では「平家の亡霊が弔ってくれと囁く」と言って、平家物語を主軸とした能が作られる様を描きました。追い詰められた頼政は辞世の句を詠んだ後虚しく自害する。血と脂の匂いが充満する戦の場面は決して美しくはないけれども、それをあえて描く語り口に、そのまんまですが映画の内容を思い出しました。

inuoh-anime.com

また気になる番組があれば観に行きたいですね。

能を観に行きたい、と思った。

最後に行ったのはちょうど一年くらい前だった気がする。わざわざ有休休暇を取得して行ったのに、私は最初から最後まで寝てしまったのだ。

そう、本当に、最初から最後まで。

ワキの登場を見ていると思ったら退場する後ろ姿を見ていた。さすがの私もこれはひどいと思った。劇場の人もこんなお客はお断りだろう。

それまでにも何度か能を観に行ったことはあり、その時に学んだことはある。能を観るのに必要なもの、それは慣れだ。ゆったりとした動きや独特の謡の抑揚、用語やお囃子など、何度か観て、聞いて、目と耳を育てることが肝要だと思っていた。そのために図書館で本を借りてみたりNHKの「ラジオ能楽堂」を通勤時間に聞いたりしていたけれど、いざ本番に臨んでみて、寝てしまって何も覚えていないというのは、あまりにも不調法というものである。思えばそれまでの能の体験も、どこかこっかで記憶を失っていた瞬間がある。良席だろうが前の席だろうが演者がすごい人だろうが関係ない。

もう能を観に行くことはないだろう。勉強をすることもやめてしまったけれど、今になって急にふと思い立ってしまったのだ。

能を観に行きたい、と。

本質的に能が好きかと問われると自信がない。たぶん私はゲームとか2.5次元演劇とか、もっと刺激的なもののほうが好きだと思う。けれど、能のあの会場に存在する、張り詰めているのにどこか体の力を抜いていられるような、独特の、不思議な雰囲気は、嫌いじゃない。

あとこれは以前能を観に行った時に能楽師の人がおっしゃっていたことだけれど、能は照明も特に使わないし、音響のマイクやスピーカーも使わない。己の身と声で表現する、という原始的な演劇表現だ。その講演では、Wi-FiBluetoothもいらないんです、と言ったところで笑いが起きていた。でもそんな空間には、今のご時世、意識的に足を運ばなければ身を置くこともできやしない。

絶対寝るしな、と後ろめたい気持ちがありながらも、一度生まれてしまった衝動を打ち消すことはできなかった。ちょうどたまたま目に入ったこんな記事も背中を後押しした。

togetter.com

というわけで行ってきました。銀座、観世能楽堂

kanze.net

行こうと思ってすぐ行けるのは東京のよいところですね。観世能楽堂は客席の電波がすごく悪いところが好きです。そうだね。能は電波のいらない演劇だからね。

お目当ては「鵺」の演目。かつて「刀剣乱舞」というゲームにドはまりしていた私にとっては身近な内容なので実際に能で見たら面白いんじゃないかなと思った。

というわけで前置きの自分語りが長くなりましたが、今回の番組の感想をば……

楊貴妃

小道具が豪華。舞台中央に据えられた台の中から布が取り払われ、楊貴妃が姿を現す。ただ今回、時間がなくて手元のあらすじだけを読んで臨んでしまったので、謡の中身や舞を理解するところまではできませんでした。たたまたま手元にあった本では「(謡の文字起こしをした活字に目を取られると)能の本質を見誤る」といったことが書かれていましたが、やはり初学者には必要ですね。謡の独特の音調を即座に文字に変換して現代語として飲み込むにはまだ修行が足りない。また、舞も穏やかな印象がありました。もしかして謡が中心? どうなんだろうわかんないや……

楊貴妃の衣装と小道具の赤が素敵で、それを見ていたら終わっていました。

佐渡

狂言はコント。気張らずに見れて言葉も現代に近いのでありがたい。袖の下をお代官様に渡すところの仕草は落語に通じるものがありますね。会場からも何度か笑いが上がって、場が和やかに、温かい雰囲気になったのがよかったです。

白頭というのが特殊演出で異形の中でも異形、神格が少し上がることを示すそうな。それに合わせてでしょうか。衣装もぎらんぎらんに豪華で見応えがありました。前半の村人風のうらぶれた姿からの豹変ぶりがすごい。たまたま手元に「新日本古典文学全集」(小学館)のコピーがあったので持って行ったのですが、それによると通常は赤頭、赤いかつらでやるそうです。

楊貴妃」と比べると舞が豪華ですごいダイナミックですね。動きが激しくて面白かったです。「さてもわれ悪心外道の変化となつて……」から最後までのシテと地謡の掛け合いは一瞬に感じました。この一曲ですごい満足した。やはり怒りや恨みといった感情は、普段は表に出さなくても誰でも、うちには必ず抱えているものだからこそ、胸を打つことができるんだよな、とその感情の露呈する舞と謡を見聞きしながら思った。このために足を運んでよかった。

「鵺」は実は来月国立能楽堂の普及公演でもやるんですよね。

www.ntj.jac.go.jp

解説も聞けるし行きたかったのですが、別の予定がすでに入っているため今回は見送ることに……。これも能楽師の方が以前おっしゃっていたことですが、能の公演は基本的には繰り返し行わない、一回限りのもの。でもそれはそれですごく大切なことであり、良いことだと思います。

実は能のチケット、もう一つ買ってあるので、そちらも楽しみです。

こんにちは。秋見鳥です。

二日連続で別の舞台を見に行く異常者をやっていました。それぞれとても面白かったです。

※ここから下記の公演のネタバレがあります
劇団やりたかった「みんなのご機嫌よかれが肝心かなめ」
Daisy times produce「横浜キョンシーRENDEZ-VOUS」

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