【ダン・ナイルズ】ASML決算ミスはAI投資抑制の予兆。次の注目はAzure、AWS。 (original) (raw)
塾長です。
昨日(米国10/15)はNasdaqが大きく下落。どうやら半導体が良くなかったらしい。
S&P500、5,815(-0.76%)
Nasdaq、18,315(-1.01%)
【米国市況】株反落、ASMLショックで半導体下落-ドル149円台前半 - Bloomberg
15日の米国株式相場は反落。オランダの半導体製造装置大手ASMLの決算が失望された。半導体輸出規制が厳格化される可能性も懸念され、これまでの強気相場を率いた半導体株への売りがかさんだ。
エヌビディア製などAI半導体、米政府が国別輸出規制を検討-関係者 - Bloomberg
債券・為替・コモ:
原油、71.05
10年債、4.0380
ドル円、149.3230
Bitcoin、66,718
経済指標:
10月 NY連銀製造業景気指数、-11.9(予想3.4)
NY連銀製造業は再び縮小圏、5カ月ぶり低水準-受注・出荷が低迷 - Bloomberg
米消費者の支払い延滞予想、2020年4月以来の高水準に-NY連銀調査 - Bloomberg
同連銀が15日に発表した月次の消費者期待調査の結果によると、向こう3カ月に債務の最低返済額を滞納する確率を14.2%と消費者が予想していることが分かった。上昇は4カ月連続で、回答者のうち中年層の上昇が目立った。
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同時に、今後1年間の見通しに関してはより楽観的となっており、労働市場の好転や株価上昇、金利低下を背景に財務状況や信用へのアクセスが改善すると予想した回答者が増えた。
「どっちなんだい!?」という感じ。
金融政策:
■デーリー、タカ派的発言・・・、というか、最近FED高官は年内利下げが1回(25bpt)だけになるかも知れないと市場に知らしめようとしている;
サンフランシスコ連銀総裁、経済成長を守るため警戒維持する必要 - Bloomberg
総裁は政策金利をどの程度の速さで引き下げ可能かを見極めるためデータを注視していくと述べた上で、年内にあと1回か2回の追加利下げが行われる可能性が高いとの認識をあらためて示した。
財政政策:
なし。
地政学:
なし。
個別株:
■ASML、UNH、BAC、GS、JNJ、C、UALなどが決算;
ASML、7-9月受注は予想のわずか半分-来年の見通し引下げ - Bloomberg
ASMLは16日朝の決算発表を予定していたが、1日早く公表された。
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事情に詳しい関係者によると、ASMLが予定より早く決算を公表したのはミスが原因で、近く説明の発表があるという。
-16.26%
UnitedHealth expects 2020 earnings growth at low end of long-term range | Reuters
-8.11%
米BofA、第3四半期は減益 NII減も投資銀行業務が支え | ロイター
+0.55%
ゴールドマン、45%増益-株式トレーダーとディールメーカーがけん引 - Bloomberg
-0.07%
J&J、7-9月決算は市場予想上回る-がん治療薬の売り上げ急増 - Bloomberg
+1.55%
Citigroup profit beats estimates on investment banking surge
シティ、トレーディングで予想外の増収-ボラティリティーが追い風 - Bloomberg
-5.11%
United Airlines plans $1.5 billion share buyback, forecasts fourth-quarter earnings above estimates
-0.68%
■〆はダン・ナイルズ;
ーASMLのニュースをどのように受け止めましたか?
・大きなピクチャーを見なければならない。我々はこれについて7月以来語ってきた。究極的な最終需要者の売上に心配がある。それが誰かというと、Microsoft、Amazon、Googleだ。それら3社は7月の決算発表で、将来の売上見通しを減らした。これは、ある時点で、食物連鎖の上流に波及する。彼らは半導体を誰かから買っていて、彼らはファンダリに半導体を作らせており、彼らは半導体製造装置が買っている。ASMLの売上はnVidiaの売上だけに依存しているわけではない。nVidiaのジェンスン・ファンは「需要はキチガイじみている」と語っていた。少なくとも今は、ね。そこでASMLの決算内容を見てみると、小さなミスではない。彼らは受注を50%ミスしたのだ。周辺部において、他のセクターが弱いと言う事はできるが、それは他セクターに留まらない。なぜなら、我々は今年のほとんどの時期において、アナログ・セクターや、コントローラー・セクターの見通しを下げたきたからだ。これが何を意味するかというと、今日ASMLの装置を買うと、それで半導体を作るのは1年後である。これら半導体の流通における見通しが考えられていたよりも弱いという事だ。災害的とは言えないが、もしあなたが「需要はキチガイじみている」という考えに沿って投資しており、それが永遠に続くと考えているのであれば、多くの人がそうしているようだが、その人達はASMLの装置が最終的に売上を作るという事実を忘れている。もしかしたら彼らは「巨大データセンター事業者(hyper-scaler)のcapexは60%伸びた」と言うかも知れないが、そのcapexの伸びは、来年、+10%になるかも知れないのだ。それは災害ではないが、もしあなたが+40%と予想していたならば、問題である。
私はこのように全体像を見ている。明らかに、AI以外(non-AI)でこれ(ASML決算ミス、受注ミス)が起きたのではない。なぜならAI以外はそもそも予想されていなかったのだ。
ーASML以外に何を注目していたら良いだろう?
・6、7月以来語ってきたことだが、nVidiaは今年は良いだろうが、来年第1四半期に入れば、Microsoft、Amazonなどがキラーアプリを開発し、売上にそれが表れ、利益が向上しない限りは、来年の最初の6か月、AIの消化フェーズに入るだろう。一方、nVidiaの次の四半期の売上増加率は7~11%だ。多分、3、6か月後は大丈夫だろう。AIトレードの前線であるMicrosft、Amazon、Googleは7月四半期から弱い見通しを出している。後端のASMLは受注を50%ミスしている。これを人々は頭に入れておかなければならない。今決算シーズンにおいてnVidiaは予想を上回るだろう。Blackwellが出るからだ。そして人々は「AIトレードは大丈夫じゃないか」と言うだろう。以前にも言ったが、コロナの時期、nVidiaの売上は20%減少した。それは同じ顧客(Amazon,、Google、Microsft)がコロナ時期の(過剰な)投資を消化したからだ。その後生成AIが出てきて、-20%だった売上が、+84%となった。コロナで売上が+80%となり、消化期間で-20%、生成AIで+80%になった。次にその消化期間が来るということだ。
ーnVidiaの決算のどこを見るべきか?マージンの減少か?
・nVidiaはこれを最後に見る者だ(AI半導体需要の減退の影響を最後に受ける)。私は食物連鎖の先頭を見る。Microsft、Amazon、Googleの決算の影響をnVidiaは受けるだろう。特にMicrosoftだ。先四半期、彼らはAzureの数字をミスした。OpenAIがあったにも関わらずだ。彼らには他の問題もあると言う事である。Amazonも注目に値する。彼らは最大の巨大データセンター事業者だからだ。AWSについて何を言うか注目だ。問題の先行指標となる。コロナの時もそうであったように、nVidiaは後から影響が出る。コロナの消化時、彼らはネガティブなガイダンスを出してはいたが、nVidiaの影響が遅れて出てくるのは、巨大データセンター事業者がnVidiaの半導体をあるだけ買っていくからだ。
ということで・・・;
・コロナでデータセンター需要が高まった時も、過剰投資→投資抑制(過剰投資の消化期間)となったように、生成AIでも同じことが起きる。
・既に食物連鎖(AIのサプライチェーン)の先端では見通しが引下げられている。今回、後端であるASMLが見通しを大きく下回る決算を出した。ASMLの半導体製造装置はAIチップ以外の製造にも使われるわけだが、元々AI以外は期待されていなかったので、これ(受注ミス)はAIによるものだ。今日ASMLの装置を買っても、作り始められるのは1年後。すなわち、1年後のAIチップへの投資が抑制されている事を示している。
今後3か月はBlackwellもあるので大丈夫。来年第1四半期にAIのキラーアプリが出て、巨大データセンター事業者の売上・利益に貢献しない限り、彼らは投資抑制期間(過剰投資の消化期間)に入るだろう。
・人々はAI投資が永遠に伸び続けると想定し、投資している。それは事実を見ていない。
だ、そうです。
基本的に今まで言ってきた事を同じ。今回のASML決算でその主張が補強された、裏付けられた、と言っている。
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