京都へロングドライブ・LEXUS SC430 (original) (raw)

2023年12月2日。
明日 マリノス今シーズン最終戦
ということで対京都アウェイへ向かった。

前節までは "もしや最終京都戦で優勝決定か⁉︎" ってなこの上ない状況だった。
"優勝の楽しみを抱いて京都旅行" "あわよくば京都で優勝祝い" という目論見があったのだ。
ところが その前節の試合 マリノスは情けなくもスコアレスで引き分け 他会場で神戸が勝ってしまったがために 優勝の目そのものがあえなく潰えてしまったのだ。
まあそれでも せっかくだからということで久しぶりの京都旅行となった次第。

もともと Kは3日朝の礼拝に出てから というので私単独で先行することになっていた。
そしてフト思いついた。
『どうせなら車で行くのもいいな』と。
この頃はあまりMarthaに乗る機会がない。今回なら時間の制約もないし うんちょうどいいや。

と言うわけで 京都へロングドライヴ敢行となった。


12月2日 晴れわたる冬空。
10時4分 自宅出発。
天気晴朗 気分上々。

いつものように R134で柳島。そこから湘南バイパスへ乗る。
この道はいつも気持ちがいいね。
何より交通量が少ない。その上ずっと高架道路なので視界が広い。
海老名からショートカットで伊勢原までは実に爽快なのだ。

そしてこの日は土曜日だが 東名も何とはなしに穏やかに流れている。
これから京都までロングドライヴ
明日はマリノス観戦
しかも京都では連泊の予定
っとくりゃあ 気分もおのずと軽やかに浮かれようってもんだ。


まずは足柄でスターバックス

大井松田辺りで若干渋滞気味だったが 『京都に夜までに着けばいい』って ただそれだけの旅 のんびり気楽な旅だから 気にもならない。

ということで 朝食のつもりの足柄SA。
スターバックスでコーヒー注文して 別の店でクワットロ・フォルマッジオ。

ここサーヴィスエリアはまた 何とはなしに気分ががいいんだね 全体の雰囲気が。

それに いち早くスマートインターチェンジシステムを取り入れていて そのスマートゲイトの入退路がなかなか面白いんだよ。
「スマート」とはデジタルを利用して無人であることを意味しているようでね。
複雑にクネクネと入り組んだ入退路が 幾何学模様にデザインされている無人のエリア。そこに配置されたいくつかのゲイトが 車のETCに反応して パカッ パカッとあっちが開いたりこっちが閉まったりするんだ。周囲にまったく人影がなくゲイトだけが作動している。無人のエリアでロボットだけ動いてるって感じで その様がちょっと近未来的なんだな。

(自宅から56㎞)


続いて 遠州森町のサーヴィス・エリア。

『石松の故郷なんだんなあ』などと 意味もなくノスタルジィに和む。
実際 この日は写真の通り車も人も少なく 黄昏ていた。
そうだねえ 焼津なんか通っても 『あゝ焼津の半次だな』なんて郷愁を感ずる この感覚が不思議だなあ。

森の石松」は 映画小説マンガなど人気者で有名ではあるが 実在したか否さえはっきりしない人物なのに なぜか親近感はある。
「焼津の半次」は これはもう"お話"だろうね。

この「焼津の半次」ってのは 私が子どもの頃見ていたTV時代劇の登場人物だった。記憶には半次しかなかったが 後で調べて思い出したことは 「焼津の半次」は主役ではなく 主役の相棒だったんだね。まあ今ならダブル主演とも言うが。つまり「素浪人と渡世人」という 二人の凸凹コンビが織りなすバディームーヴィーでありロードムーヴィーだったなと。
「お調子者だが正義感が強く気っ風のいい渡世人」という設定は印象に残っているんだ。きっと毎週くらい見ていたんだろう。

その半次役は品川隆二って俳優で 知らなかったが当時 すでに二枚目スターだったらしいね。生涯二枚目しかやらなかったと言うのに この「焼津の半次」だけは何故かコミカルな役柄で それがまた人気にもなたという。そして(これも後で調べたところ)この人もやっぱり「森の石松」役をやっていたんだね。そりゃそうだろう。時代劇のスター俳優ならみんなやったんだろうから。

バディ・ムーヴィーというからには相方も紹介せねばなるまい。
近衛十四郎。今から振り返ると 主役を張るにはちょっと地味だったんじゃないかなと思える風貌をしていた。若くもなく顔つきも厳つい。役柄も 普段はちょっとだらしない浪人でおっちょこちょい。ただしそこは主役 ひとたび剣を抜けば鮮やかに悪人どもを切り倒すという見せ場も用意されていた。実際その殺陣は 当時の映画界きっての腕だったらしく 立ち回りの美しさで群を抜いていたとの評価がある。
ま この番組 人気シリーズだったようだから あれはあれで良かったんだね。
ちなみに この人は実生活では松方弘樹のお父さんだ。

というわけで「遠州 森」のパーキングエリアは人影もまばら 黄昏ていた。

(自宅から176㎞)


ここは鈴鹿

サーキットへ行くなら みんなここから降りて行くのかな。
(と言ってもこっから一般道だいぶ南へ下るけどね)

向こうに見えるグリーンのマルマークは「大阪のO」らしい。
反対車線用には「名古屋のN」マーク。
中央には「鈴鹿のS」マークが。

最新式?

夕闇が迫り 遠くおぼろに灯り
だんだん京都へ近づく旅情をそそる。
しばし佇み
そこはかとない心地よさに浸る。

(自宅から349㎞)


さて 名神・京都東ICを降りれば ようやくにして京都。
街中へ入るとさすがにホッとする。
無機質な高速道路をずっと走り継いできたということもあるだろうし 旅の目的地に着いたという安ど感もあるだろう。しかしそれだけではなく 京都には ある種"ホームタウン"という感覚もあるんだ。
山瀬が京都在籍の4年間 試合ごとに西京極へ通ってきたという 文字通りの"ホーム感"だよ。その3年間山瀬も幸せそうだったし そういう意味で思い入れも親近感もあるんだね。

そのまま夕暮れの京都の街をゆく。渋滞もなく こころなしか ざわめきがおっとりしているようじゃないか。

信号の地名表示に「蹴上」なんて見ると 『あゝ京都だなあ』と実感する。
「蹴上」... 桜とか疎水とかで有名な観光地ではあるが 初めて見た時『妙な地名があるもんだな』と興味をそそられた。その由来の義経伝説を知った後 『そんなことが地名になるのか』 とそっちの方が面白かったね。
義経が鞍馬で修業を終えて鎌倉へ向かう途上 平家の武将 関原与一の一行と遭遇した。その時 どうしたわけか 関原与一側の馬が「蹴上げた」泥が義経に掛かってしまったんだね。首途(かどで)を汚されたといって激昂した義経は 相手方を叩き切り 中でも与一の鼻と耳を削ぎ落してしまった という話なんだよ。
いや だとしてもさ その刀を洗ったという「血洗池(ちあらいいけ)」だの 「御陵血洗町(みささぎちあらいちょう)」だの そんな血生臭い故事をまんま地名として残してるだなんて 京都って面白いなと思ったもんだよ。義経を誇りにしてたんだろうね。

さて そんな由来をいちいち辿っていたら先へ進めないほどの史跡の町 京都をなおもゆく。
岡崎公園 平安神宮横を通り過ぎ丸太町通へ入る。
交通量も 河原町あたりのひしめくような繁華街と違って 田舎町の夕暮れ 穏やかなざわめきって感じでちょうどよい。

そしていよいよ
丸太町橋で鴨川を渡ってすぐ 路地を南へ折れれば
やれやれ そこが今日の目的地だったとさ!

ダイヤモンド京都ソサエティ

18時56分 ホテルエントランス 着。

小ぢんまり落ち着いた いい雰囲気のホテル。
豪華でもなくオシャレでもないが いかにも歴史ありげなゆとりの佇まい。

客室から鴨川を見る。
「鴨川側」の客室からね。
そう このホテルは鴨川のほとりに建っており やはり鴨川がウリなのだ。
その「鴨川側」の客室はここ1室だけしか残っていなかった。見ての通り 眼下の鴨川が対岸の街の灯りを照らしておっとり流れる風情。これを予約できたのもラッキィだったね。

狭いながらも庭があり こんな京都らしい演出が。
この向こうが鴨川で 庭から直接川べりの遊歩道へ出られる という好立地。
目の前の鴨川 その向こうには東山三十六峰が広がっているんだ。まあ そんな贅沢な景観が庭みたいなもんなんだから 自分とこは狭くてもいいんだよ。

鴨川側から見たホテル。
今時 4階建てだ。これが老舗のゆとりってもんだね。

左が 鴨川。

そして

翌3日の朝焼け空。

冬の京都。空気がピンと張りつめている。
サッカー日和。

車はね
運転しているただそのことだけで満足。
特に美しい景色 めずらしいことがなくてもいい。
漫然と のんびり約9時間かけてのロングドライヴ。
こういうスタイルもあるんだよ。

楽しかった。

茅ヶ崎~京都。

423㎞