またデニーロかよっ!? (original) (raw)

Civil War

2024年公開

監督:アレックス・ガーランド

主演:キルステン・キャロライン・ダンスト

あらすじ
憲法で禁じられているはずの3期目に突入し、FBIを解散させるなどの暴挙に及んだ大統領に反発し、19の州が分離独立を表明、内戦が勃発した近未来のアメリカ合衆国。テキサス・カリフォルニアが連合する「西部勢力(WF)」と、フロリダ~オクラホマにかけて広がる「フロリダ連合」は政府軍を次々と撃退してワシントンD.C.に迫り、首都陥落は時間の問題となっていた。
ベテラン戦場カメラマンのリーと記者のジョエルは、14か月間メディアの取材に応じていないホワイトハウスの大統領に直撃インタビューを行うべく、リーの師である老記者サミーと、リーに憧れる駆け出し写真家ジェシーを連れ、ニューヨークを出発する

※ネタバレ注意

劇場で観たことを後悔した作品

アメリカの内戦を描いた作品だが、内戦の理由にあまり説明(というか描写)が無い。

異常事態でのスリルと緊張感、そこに食い込むジャーナリズムとしての姿勢を描いた作品…でいいのかな?

無論、米国人からすれば、うちらが想像つかないようなリアルなものとして映るんだろうけども。

銃声の迫力がすごい。

終始張り詰めたような緊張感の中で、唐突に鳴り響く銃声に、何度座席から飛び上がりそうになったか。これが劇場で観たことを後悔した理由だ。くだらねえ。

私は静寂からの轟音ビックリ系がオールNGなのだ。映画館でホラーは無理なのだ。だからエイリアン・ロムルスも配信で観るのだ。

話が脱線したが、とにかくどっと疲れたのだ。

内容的には、確かに面白い。

内戦という異常事態での人や場所の描写が素晴らしい。容易に想像できる無法地帯。カメラマン目線で映されるからか、アングルやカットも目を引くものが多かった。

爽快感はない。後味は良くも悪くもない。スパッと始まってスパッと終わるって印象。あと分かっちゃいたけどグロい。

終盤のワシントンでの攻防。

打って変わって戦争映画(いやまあ戦争映画だけれども)を観てるような気分だった。ヘリの火砲の軌道とか、バリケードを踏み潰す戦車、ロケット砲の飛んでく軌道とか純粋に観てて楽しめた。

あと大統領専用車ってやっぱ頑丈なんだな。

話題にもなった赤サングラスの軍人「お前どこのアメリカ人」の人

演じた俳優、ジェシー・プレモンス(クレジットなし)は主演のキルスティン・ダンストの旦那さんとのこと。あのサングラスは自前らしい。

このサングラスといい冷淡な態度といい、確かにゾッとするキャラだった。

もし日本人って言っても撃つんだろうな。

個人的にはその前の、正体不明の狙撃手と戦う軍人二人も怖かった。理由もわからず、殺してくるから殺すっていうスタンス。爪や髪の色がカラフルなのも、淡々とした冷静な物言いも怖かった。

「そっか…お前バカなんだな」

キルスティン・ダンスト演じる主人公のリー

序盤〜中盤くらいは割と落ち着いてて冷静だったけど、終盤あたりで急にメンタル崩れたのが気になった。PTSD?それとも道中で崩壊の描写あったっけか?

ケイリー・スピーニー演じるジェシー

序盤頼りない存在だったが、後半で一気に成長する…というか覚悟が決まって物怖じせずガンガン進んでく。苦境を経て成長するタイプ。あと可愛い。

ハワト!ハワトじゃないか!

と勝手にテンション上がったのが、サミーを演じるスティーブン・ヘンダーソン。すっかりDUNEの白目剥く人ってイメージ。

道中死ぬだろうなと思いつつやっぱり死んでった。悲しい…

総評…リアルな銃声が急に鳴り響くからびっくりするよ!

Fight Club

1999年公開

監督:デヴィッド・フィンチャー

主演:ブラッド・ピット

Amazon.co.jp: ファイト・クラブを観る | Prime Video

あらすじ
空虚な生活を送るヤング・エグゼクティブのジャックは、謎の男テイラーに導かれるまま、謎の秘密組織「ファイト・クラブ」のメンバーになる。そこは鍛え抜かれた男達が己の拳のみを武器に闘いを繰り広げる、壮絶で危険な空間だった…

※ネタバレ注意

繰り返し観たい映画

兼ねてから興味あった作品をアマプラで視聴

私的にはやや難解。複雑なストーリー展開と伏線の回収がすんなりと入ってこなかった。一回観ただけでは理解が深まらない。むしろ何度も観たいと思わせるほどの魅力がある。

フィンチャー監督らしい世界観の作り込みと奇抜な演出の数々。そして個性あふれるキャラクターによって、難解と感じつつも楽しめた。

伏線の数々も思い起こせば「確かに!」と頷けるものもあった(上司の目の前で自らを殴るシーンとか)が、初見では一息には飲み込めなかった。奇抜な演出に気を取られてたのかしら?

終盤のタイラーとの駐車場での殴り合い(というか一人芝居)

シリアスな場面なんだけども、観てる分にはシュールでちょっと笑ってしまった。タイラーの変なテンションとか。

ブラッド・ピット演じるタイラー・ダーデンが凄くいいキャラクター。やっぱ良い映画はキャラが良い。特に台詞回しがかっこいい。ルー相手に殴られてる時の高笑いも最高。

エドワード・ノートン演じる「僕」

不健康そうな表情でギラついた目をした演技が良い。上にも書いた上司の前で殴るシーンが迫真すぎる。

ヘレナ・ボナム=カーター演じるマーラ・シンガー。

正直、ストーリー上立ち位置にあんま重要性感じず、何でそこにいるの?って風に観てた。見た目がキャラ立ちまくってるからよかったけど。あと、道路の中央で堂々と立ち止まって、堂々と歩く姿がパンクだった。

ところで、映画に度々映るサブリミナル。怖くなかった?

あれ初見だと、下手なホラーより怖いと思うんだ。怖かったよね?ね?

総評…繰り返し観るほど面白くなるスルメ映画…だと思う

Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain,

2001年公開

監督:ジャン=ピエール・ジュネ

主演:オドレイ・トトゥ

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あらすじ
神経質な元教師の母親アマンディーヌと、冷淡な元軍医の父親ラファエルを持つアメリはあまり構ってもらえず、両親との身体接触は父親による彼女の心臓検査時だけだった。いつも父親に触れてもらうのを望んでいたが、あまりに稀なことなので、アメリは検査のたびに心臓が高揚するほどだった。
そんなアメリの心音を聞き、心臓に障害があると勘違いした父親は、学校に登校させずアメリの周りから子供たちを遠ざけてしまう。やがてアメリは母親を事故で亡くし、孤独の中で想像力の豊かな、しかし周囲と満足なコミュニケーションがとれない不器用な少女に育っていった…

奇妙で不器用な人間たち

パリの華やかなビジュアルと、メリハリの効いたカッチリした演出。「グランド・ブダペスト・ホテル」観た時も思ったけど、こういう演出だとまあキャラ名覚えられないし、ストーリーが追えない。だから頭空っぽでビジュアル重視で見ればOK…

かと思いきや、唐突なセックス描写とかポルノとかぶっ込んでくるから、油断ならない作品だった(?)

登場人物が不器用で奇妙な連中ばかりで、そんな人たちをアメリが(結構強引に)幸せにしてゆくストーリー。

最初、意味不明な描写でも後々になって伏線回収される場面が多々出てくる。見始めの頃は退屈って思うかもしれない(私は思った)

キャラ名はうろ覚えだったけど、彼らの好きなことはすんなり頭に入ってきた。しかも割と共感できるやつ。ブリュレ割るのとか楽しそう。

最初にこういう開示がされたから、登場人物もキャラが立っててよかった。ただ夢中になれるほど好きってキャラは一人もいなかったな。嫌いでないんだけど別に好きくもないかなーってくらいの絶妙さ。

アメリ。髪型可愛い。レオンのマチルダ見た時も思ったけどああいう髪型、私好き。ミディアムボブ?好き。

アメリの生い立ちからああいう性格なのはしゃーないんだけど、「めんどくせーことしてんなあ…」って心ん中で多々ツッコミしてしまった。

いーから直接行けよ!って何度思ったことか。そういうキャラが周りにいなかったってのも原因か。ガラス男が近いけど、あれはちょっと違うかな。

アメリが、コリニョン宅で色々仕掛ける時の圧倒的ホームアローン感。思わず顔がにやけてしまった。

コリニョンはアホ!コリニョンはマヌケ!

ジョゼフは結局変われなかったのが悲しい。せっかく新しい恋が始まったのに。報われなかったのは彼とジョルジェットだけだよね。

しかしこの二人とにかく激しい。

総評…人によっては内容退屈かもしれない。ビジュアルは満点

REBEL MOON: パート1 ディレクターズカット

2024年公開

監督:ザック・スナイダー

主演:ソフィア・ブテラ

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あらすじ
ザック・スナイダー監督によるSFスペクタクル巨編のハードコアなディレクターズ・カット版!銀河のアウトローたちと帝国マザーワールドとの決戦を描く!

グロい

撲殺シーンとか、銃撃シーンとか、死体から歯引っこ抜くとか、掻っ捌いた腹からウジャウジャ湧いてくる蜘蛛の子とか、とにかくグロい。

あとガッツリ性交シーン。

…あれ必要かなあ?

村の一員であることを示すシーンor軍時代の経験からあんま抵抗なかったのを表すシーンなのかな?

だとしても別に必要ないような。

DCで一番大きな変化は、冒頭のアリスの過去描写なんだけど…これまた必要なかったかなってのが感想。あの場面で何を伝えたいのかがわからない。

アリスくんが通常盤とは違う、何かすごい活躍するってんならまだしも別にそんなのなかったし、「冷酷非道なマザーワールドの侵略とそれに虐げられる星々の民の図」なんてのは通常盤でもまざまざと見せつけていたからあの場面の必要性も感じない。ただアリス可哀想、で終わる場面。

ジミー、通常盤だと唐突なツノ頭で再登場だったから、それまでの経緯をちゃんと描写してて良かった。

あとはネメシスとの出会いの前に飲食シーンがあったのもよかった。これまた唐突だったからね。

DCの期待が、物語の補完だっただけにここへきて変に新しい場面つーか要素入れないでほしかった。特にあのキングズ・ゲイズの動力炉?の顔。絶対何か曰く付きのモノだよ。アレ

総評…セリフとか場面とか世界観や設定がちょっとずつ足されていった印象。正直、あんま観る必要性がないかも…

Awakenings

1990年公開

監督:ペニー・マーシャル

主演:ロバート・デ・ニーロ

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あらすじ

1969年、ブロンクスの慢性神経病患者専門の病院に赴任して来たマルコム・セイヤー医師。

ある日、患者たちに反射神経が残っていることに気付いたセイヤーは、ボールや音楽など様々なものを使った訓練により、患者たちの生気を取り戻すことに成功する。更なる回復を目指し、セイヤーはパーキンソン病の新薬を使うことを考え、最も重症のレナードに対して使うことを上司のカウフマン医師とレナードの唯一の家族である母親に認めてもらう。

当初はなかなか成果が現れなかったが、ある夜、レナードは自力でベッドから起き上がり、セイヤーと言葉を交わす…

レナードの朝」という邦題のセンスが素晴らしい

鑑賞し終えた後で、改めてこの邦題に感心した。ちなみに原題は「Awakening」

洋画の邦題ってしょうもないものが多いけど、たまにこういった内容に合致しつつ洒落た言葉で表現したものが出てくるから侮れない(?)「天使にラブソングを…」とかね。

本作は、医師オリバー・サックス著の医療ノンフィクションを元にした映画。慢性神経病の主人公レナードが、新薬によって30年ぶりに目覚めるという内容。…いやはやセンスのいい邦題つけたよね。

テンポはゆったりとしていて、派手さはなく、患者と医師とのドラマを控えめに淡々と描いた作品。

主人公レナードを演じたロバート・デ・ニーロが素晴らしい。安心の素晴らしい演技。

薬の投与前、投与後、副作用、効果が切れる寸前の状態と、4つとも全然違う演技で、まるで別人のようでもあった。ただ一貫して表情は、長い眠りから覚めたばかりの子供だったのも素晴らしい。

目覚めたレナードは後々、自由に外出しようとしたり、女性に恋をしたりする。そしてその変貌ぶりに彼の母親はショックを受ける。子供の頃のおとなしく控えめな彼じゃなかったからだ。

だが果たしてそれは本当に薬の副作用なのだろうか?

確かに子供の頃から30年もの間眠っていたから中身も子供のはずだ。

だが子供は親の知らないうちに急速に成長をする。環境も劇的に変わって、性格も一変したかもしれない可能性だってある。

何より眠っていた30年間も成長を続けていたという可能性もあるのではないか?肉体的にではなく、精神的に。

レナードは眠っていると見せかけて、実は無意識のままで知覚やその他感覚はあったのではないだろうか?実は見たり聞いたりすることはできていて、そこから知識を得て、母親も本人も知らないうちに成長を遂げていたのではないか?

レナードはちゃんと子供から大人へと成長を遂げていて、目覚めた後も無意識にそれを自覚していたのではないだろうか?

そんなレナードがセイヤー医師に影響を与え、変化を齎したと考えると胸熱ではなかろうか?生きていることは素晴らしいというテーマがより深いものに感じないだろうか?

…クソみたいな考察でホント申し訳ないが…

一番の名シーンはレナードとポーラの食堂でのダンス。

直前でのレナードの会話と、去っていこうとする彼を引き止めるポーラからのダンスシーンは自然な描写で美しかった。痙攣も治って微笑するレナードも良かった。

ロビン・ウィリアムズの演技も、デ・ニーロに負けないほど素晴らしかった。セイヤー医師の人付き合い苦手な性格が、セリフでなく細かな演技で描写されていたのが良かった。ダンスシーンやレナードとの2ショットシーンとか。

しかし「グッドウィル・ハンティング」といい、ロビンはこう、「人生にくたびれた医者」ってイメージが根づいちゃったな。

総評…生きていることをテーマとした、優しい気持ちになれる映画

Guillermo del Toro's Pinocchio

2022年公開

監督:ギレルモ・デル・トロ

主演:ユアン・マクレガー

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あらすじ

第一次世界大戦下のイタリア王国で暮らすゼペットは、爆弾によって、息子カルロを喪ってしまう。彼はカルロの墓の側に松の木を植え、息子の死を悼みながら20年間を過ごすことになる。やがて、成長した木にはコオロギのセバスチャン・J・クリケットが住み着くようになるが、酒浸りになっていたゼペットが新しい息子を作り出すために木を切り倒してしまう。ゼペットは人形を作る途中で眠ってしまい、その間にゼペットの嘆きを聞いた木の精霊が人形に命を吹き込み、人形に「ピノッキオ」と名前を与える…

パンクなピノッキオ

本作はその名の通りの「ギレルモ・デル・トロピノッキオ」

メイキング見ただけで恐ろしく手間がかかってるのが分かるストップモーションアニメの映画。完成に15年余りの歳月がかかったとか。

ただあまりにも綺麗に動きすぎてるから事前情報がないとそうとはわかんないと思う。普通にクラシックさを出した3DCGアニメと言われても差し支えないレベル。もう少しカクついた動きだったらそう見えたかもしれんけど。とにかく動きは素晴らしい。まさに生きている動き。

何より素晴らしかったのは主人公がピノッキオだということ。

ディズニー映画版ピノキオでは、実質的にジミニー・クリケットが主役だった。彼の視点でピノキオを描いてるにすぎず、言ってしまえば「ピノキオの物語」をただ眺めているにすぎない。良い悪いは別として。

だが本作では、良心であるクリケットは登場はするも、あまり側にいることなく、正直ほとんど役に立っていない。

そんでピノッキオ。

見た目はクラシックな可愛らしい(不気味?)木の人形でありながら、中身はかなりパンキッシュ。

自由奔放でやんちゃで、自分に正直に生き、言うことを聞かず我を通そうとする。人によっては鼻持ちならない厄介者に見えるかもだが、彼は自分自身で考え、導き出した答え=「良い子」に向かって自分で向かってゆく。

でも決して唯我独尊ってわけじゃなく、ゼペットやクリケット、死の精霊などの交流から学び、成長してゆく姿も描写される。この映画は、「良い子になってハッピーエンド」ではなく、主人公ピノッキオの成長を描いた作品なのだ。

作中「限りある時間と死」の描写が多々あり、ラストの展開は驚かされたと同時に切なくもなった。戦時中という背景もあり、シリアスな雰囲気が漂う。

だが全体的には暗く湿った感じはなく、歌や笑いありの喜劇のような作風で観やすかった。

やたら潰されるクリケットが面白い。「人生は痛みを伴う…」

キャラクターの演技(というか声)が素晴らしい。

クリケットを演じたのはユアン・マクレガー

ユアン・マクレガーゆえに、クリケットの声がイケメンすぎる。知的で落ち着いた声。

ところでクリケットの歌もユアンなんだろうか?そこら辺の情報が出てこないからわからんのだけど、もしそうなら歌うますぎ。

精霊を演じたのはティルダ・スウィントン

この方の声は、神秘的で心地のいい、良い意味で人間離れしたイメージ。どうでもいいけど精霊のビジュアル的に「コンスタンティン」のガブリエルを連想してしまった。

一番驚いたのは、スパツァトゥーラを演じたケイト・ブランシェット

ガラドリエル様が、ヘラ様が、猿を演じてる…だと!?全然気づかなかったし、違和感もなかった。あんな品のある声なのにすごいな…

総評…大人向けだが、観やすく、笑えて楽しい要素もあるピノッキオ。メイキングも一緒に観るともっと楽しめる

最後まで読んでいただきありがとうございました!

明日も23時ごろに投稿予定!

ではまた〜ノシ

The Chronicles of Riddick

2004年公開

監督:デヴィッド・トゥーヒー

主演:ヴィン・ディーゼル

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あらすじ

銀河全体を支配しようとするロード・マーシャル率いる狂信的集団ネクロモンガーが武力と恐怖の力で星を次々と破壊し統治していく。はるかな暗黒の未来、氷の惑星で本能の命じるまま戦い続けるリディックはクールだが生きるためなら獣と化す。20件以上の超A級犯罪で5つの惑星から指名手配を受け、懸賞金がかけられ、トゥームズ率いる賞金稼ぎたちに執拗に追われていたリディックは、旧知のイマムが住むヘリオン星系・ヘリオン第一惑星へ飛ぶ。エーテル状の生命体エレメンタル族の預言者アリオンは、リディックがロード・マーシャルによって撲滅されたヒューリア人の生き残りだと信じて探していたのだった…

リディック”というキャラクターで成り立っている映画

凶悪犯罪者リディックの活躍を描いたSF映画。同監督による2000年公開のSF映画ピッチブラック」の続編。

壮大なスペースオペラであり、魔術のような神秘的な要素もある。

が、正直薄っぺらい。ビジュアルも脚本もB級SF感が拭えない。スターウォーズ的アナログな近未来感を出してるが、メカニックとか装備品は魅力を感じるものがない。スターウォーズデューンと比べてしまうとだいぶ見劣りしてしまう。

ストーリーも単純そうに見えて所々ややこしかったり、リディックの目的がちょっと見えてこなかったりと終始モヤモヤした。

だがこの”リディック”というキャラクターが素晴らしい。

演じたヴィン・ディーゼルの演技も相まって、どの場面においても抜群の存在感を放っている。

スキンヘッドにゴーグル、黒のタンクトップに両手ナイフ装備が抜群にかっこいい。知っている人が「リディック」と聞けばすぐにビジュアルを連想できる。

あとヴィン・ディーゼル声もかっこいい。独特のしわがれた低い声はずっと聴いてられる。普段は落ち着いたトーンなのに、叫ぶと迫力満点なのもいい。

何より一番気に入ってるのが、彼のヒーロー性だ。

リディックは作中や煽り文で、凶悪犯罪者、悪魔、アンチヒーロー呼ばわりされているが、作中では

といった、凶悪犯罪者とは名ばかりのヒーローっぷりを見せつけている。

まあ他者に冷たくそっけない態度をとり、敵は容赦無く殺すけども。邪悪な存在では決してない。むしろリディックアウトローな部分は、彼以上の悪党・外道の前でしか出ないから、悪ってイメージが全然湧かない。若干ヒーロー寄りのダークヒーロー?みたいな?

叫ぶシーンなど、冷静に見えて激情家の部分があるのもリディックの魅力の一つ。

だからこそ惜しい。勿体無い。

脚本がもう少ししっかりしてれば、今よりももっと人気の出るシリーズになってたと思うんだ。壮大なスペースオペラもいいが、DCのようなシリアスでダークなSFにしてくれてたら個人的に嬉しかったかも。

ジュディ・デンチ演じるエアリオン

立ち位置があまりにもベネ・ゲセリットすぎないかなあ…

総評…内容はイマイチ…でもリディックがかっこいい!他作品のヒーローに負けてない!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

明日も23時ごろに投稿予定!

ではまた〜ノシ