元気よく繋ぐ (original) (raw)
はじめに
この記事は個人の体験記です。再現性は保証しません。
人によって経歴や状況が異なるため「こうすれば合格できる!」という方法論のつもりはありません。
勝手に参考にして頂くのは全然OKです。
受験の動機
きっかけは大学時代の友人Aと会社の同僚Bに触発されたからです。
友人Aは大学の研究室時代からの長い付き合いです。
もともと大手の民間企業で活躍していましたが、色々あって地元で電気系の公務員に転職しました。
その際、電験三種を取得する必要があったようで1年で合格しました。
(確か公務員に合格してからだったかな?)
同僚Bは、以前一緒に仕事をしたことがあり、メチャクチャ真面目で優秀です。
その彼が1年かけて電験三種を取ったらしく、話を聞くと「結構勉強した」とのこと。
2人の話を聞いてから自分でも電験三種(電気主任技術者)について調べた結果、こんな考えになりました。
・優秀な知り合い2人が必要に迫られて、または必要がなくても労力を割いて受験したのなら、それなりに勉強する価値がありそうだ
・自分も彼らと同じ電気電子系。電気の知識を整理する意味でも、内容が体系化された資格試験を利用するのは良さそう
・アラフォーだし老後に向けて何か1つ業務独占で求人数の多い国家資格を取っておきたい
・知り合い二人は年1回の受験で一発合格したが、2022年度からは年2回になっている。このタイミングでの制度改正はまさに自分に受けろと言っているようなもの
そんな訳で、2023年(R5)上期試験をターゲットに2月末から独学で勉強を始めました。
自分の経歴・状況
私についての情報です。
- 旧帝大&同大学院卒
- 民間企業の研究開発職(電気電子系)
- 10年ほど前に技術士一次試験(電気電子)合格済み
- 2024年3月にASD(自閉症スペクトラム障害)の診断済み
- 子供(未就学児)がいる
以上から、次のようなことが言えます。
■有利な点
▶理論・機械で役立ちました。
■不利な点
▶複数の科目を同時並行で勉強するのがストレス、学習計画が甘く試験直前に追い込みがち、細かい部分に引っかかって時間をロスする、など。
▶興味の有無が科目毎のパフォーマンスに直結。理論・機械は三相交流とかモーターの仕組みなどが出てきて「なるほど〜」という感じで興味が持てたのですが、電力の知識問題あたりから「こんなのが出るのか…」と辛くなり、法規の条文問題には「なんでこんなもん覚えなあかんの?」と逆ギレしてペースダウン、なんてことも。
- 子供がまだ小さく寝かしつけの必要あり。そのため帰宅後の勉強が難しい。また土日に昼寝をしてくれないときは勉強時間の確保が難しい。
▶平日は定時退社&帰宅後すぐに風呂に入れ、21時に寝かしつけ。大抵疲れからか、不幸にも寝落ちし、翌朝4~5時に起きて1時間朝活…できれば御の字で、だいたい平均30分。起きれなければ学習不可。平日の日中は妻がワンオペで子供を見てくれているので、土日の子供の相手は自分がメイン。午前はどこか連れて行き、午後に子供が昼寝してくれれば1.5~2時間は学習可、寝なければ面倒を見る片手間に何か読むぐらい
そんな環境でした。
学習のとっかかり
ちゃんとした資格試験の勉強は10年以上前に受けた技術士一次試験ぶり。
「どうやって勉強しようかな~」と思っていたところ、たまたまYoutubeで以下の電太郎さんの動画を目にしました。
【最短合格】電験三種を全科目合格するための最も効率がいい方法
この動画のおかげで、
を学習する前に知ることができました。
(「**電験合格さんの動画がなかったら、リアルに合格者が3割ぐらい減っている**んじゃないか」というコメントが印象的でした)
その上で自分なりにやり方をアレンジ。
電太郎さんは「テキストは不要」とおっしゃっていますが、自分はまとまった知識を参照できるものが欲しかったのでテキストは買いました。(みん欲しシリーズ)
またTwitterを使って勉強時間や残り日数をカウントするのは面倒だし変に焦るだけになりそうです。そこで気分が乗った時だけ勉強した内容をつぶやき、普段は他に勉強している人のつぶやきを見て「自分ひとりじゃないぞ」とモチベーションを維持する目的にしました。
学習方針
R5下期まで
- 年2回になったこと・マルチタスクが苦手なことから、無理せず2科目ずつ分けて受ける。
- 受験する科目は、みん欲しに下図のような説明があったので、まず理論&機械、次に電力&法規 の順で攻略する。
- 受験は紙での筆記試験にする。CBTは日程や場所を選べるメリットはありますが、画面を見ながらだと目が疲れたり操作が慣れなそうなのと、日程が前倒しになるため学習期間が短くなる、お盆休みに詰め込めないというデメリットを重視し、選びませんでした。紙の方が昔から慣れていますし、決まった日程で受験・合格発表を迎える方が**Twitterのお祭りに参加しやすいというのもあります。勉強を楽しむために割とこれは重要。実際、合格報告にいいねが100件以上**ついていて効果を実感しています(ツイ廃の感想)。
- 各科目はじめに電験合格さんのYouTube動画(講義編)を見ながらB5ルーズリーフに板書、その後過去問(みん欲し10年間)演習。わからないところがあればみん欲しのテキストや問題集を参照。いきなり本のテキストから入らない。
- 特に覚えたいことは自分で暗記カードを作る。カードはコレクト社の無地の情報カード(C-531)を使用。
R6上期 (法規1科目集中)
- 1科目残った法規を叩き潰すため、電気書院の「過去問マスタ 法規の15年間」を購入し、スマホの法規アプリを全パート課金。
- 暗記カードは作らない。覚えたいところはみん欲しテキストに緑マッキーで塗りつぶして赤シートで隠せるようにする。
- 「法規の15年間」を全部洗うようにする。計算問題はルーズリーフに自分なりの納得する解答を書く。(模範解答を見ながらでもいい) わからなければ「みん欲し10年間」の解答も参照。
- 法規の解答の条文がみん欲しにも載っていないときは法規アプリで確認する。
結果と学習スケジュール
結果
- R5上期 理論・機械に合格 (理論:80点、機械:85点)
- R5下期 電力のみ合格、法規不合格 (電力:70点、法規:38点)
- R6上期 法規に合格 (法規:81点)
でクリアとなりました。
学習スケジュール
スケジュールと言うか、結果的にこうなっただけなんですけど、スケジュール表もどきの上から電験三種の日程と、個人的な事情(言い訳)、各科目の進捗結果を記載しています。(クリックで拡大)
各科目の矢印を見ると、割と余裕をもって準備したように見えますが、矢印はあくまで「手をつけていた(つけようとしていた)期間」で日々の学習密度はバラバラ・スカスカです。
R5年度上期(理論・機械)
実家とのしょうもないいざこざの対応で時間と精神を削られ、お盆前までの完成度は4割、お盆に超集中して7~8割に仕上げた印象です。
R5年度下期(電力・法規)
準備期間としては長かったのですが、
など、学習が全く進まなかった時期がありました。
結果として電力は何とか合格ラインを超えたようですが、法規の完成度が低すぎました。
自分としては試験によく出る部分を重点的にやったつもりが、そもそも十分ではない上に「なんかこれ嫌/苦手だな〜」と思った所は都合よく飛ばしていました。
本番ではそんなスカスカの穴を狙われて惨敗(38点)。当然の結果です。
下期は上期のお盆のような試験直前の追い込み期間がない点で自分にとって不利ではありますが、受験者全員同じ条件ですし言い訳になりませんね。
(ちなみに子供の癇癪はご飯の量を増やしたらマシになりました。体が大きくなったのにしばらく微妙にお腹が空いていた状態だったようでかわいそうなことをしました)
(またこの時期に幼稚園に預かり保育をお願いして妻の負担を少し減らすことができました)
R6年度上期(法規)
【少し電験から脱線】
4~7月は前から気になっていた技術士(電気電子)二次試験の学習期間に充て、電験の勉強は一旦お休み。
といっても技術士の勉強、全然できていませんでした。
論文をひたすら書く記述式試験のため、どう対策していいのかわからずに過去問の模範解答を眺めて「こんなの自分では書けないなぁ」とか呻いてたぐらいです。
もっと技術キーワードをまとめるとかやりようはあったはずなのに…。
ただこれも言い訳になりますが、4月から自身の特性についてのカウンセリングが始まり、それを通して「本当に今の仕事(専門)は自分に合っているのか? もしかすると専門や職種を変えた方がストレスがなくなり生き辛くなくなるのでは?」という根本的なところに迷いが生じ、専門に特化した技術士の勉強に身が入らなかったというのがあります。
そして合計勉強時間20h以下というふざけた状態で技術士二次試験の本番を迎え、揉みくちゃになりながら一応最後まであがきました。
もちろん合格はしてないでしょうが、意外にも「無勉強にしては意外とあがけたな」「基礎的な技術知識をもっと抑えれば良い答案がかけたかもしれない」という手ごたえがあり、「もう少し今の技術的な専門分野を続けてみよう。それでもなお精神的に病むぐらい何もかも上手くいかなければ方針転換を検討しよう」という考えになりました。
結果的に自身に対する迷いが和らいだので、14000円払って二次試験を受けた意味はあったと思います。
【ここから電験の話】
技術士試験が7/15で電験本番が8/18。1か月しかありません(知ってた)。
といっても全くのゼロスタートではなく、赤点ライン(38点)からのスタートです。
合格ライン60点まで20点ちょっと。
でもギリギリ狙いは不安だし、Twitterで合格報告している人たちは80点~90点台ばかり。
どうせやるなら自分もそれぐらいの点数は叩き出したい、という気持ちがありました。
前回知識の穴を見事に突かれて死んだことと、R5年度の傾向から過去問流用率が高いこと、これらを踏まえて過去問をしっかりやりこんで穴を塞ぐのが一番という当たり前の方針になりました。
なのでTwitterでみんなが絶賛しているスマホの法規アプリに課金し、分野別に過去問をソートしてくれている電気書院の「法規の15年間」を購入。
朝起きて妻の背中に座ってマッサージしているときは「15年間」の知識問題を読み、通勤時間は法規アプリ、自宅で机に座れるときは「15年間」の計算問題を解く(初見が無理なら解答をトレースする)、という過ごし方でお盆前に55%ぐらいの完成度。
もちろんこのまま本番を迎える訳にはいかないので、お盆休みに図書館に通い、直前で7割以上の完成度に持っていったつもりです。
1か月で赤点ラインから合格ラインに持って行けたのはよく頑張ったと思います。
そんな訳で、当初の予定ではR5年度中に2科目ずつ受かってスマートに1年で終わらせる計画(願望)でしたが、ちょっとプライベートがグチャグチャすぎて難しかったです。
こんなの学習開始時点で予想できる訳ないし仕方ないですね。
電験三種学習で得られた気づき
せっかく頑張って合格したし、今後の学習に繋がる個人的な収穫を書いておきます。
科目合格制&年2回開催はとてもありがたい
電験を経験して、改めて「科目合格制っていいなぁ」と実感しました。
試験を受けて最低1科目でも受かれば、ノルマが1つ減る。
次は他の科目に集中できる。
何より「ここまで進んだぞ」と進捗を実感できるのが大きい。
自分は特性上時間的に視野が狭いため、あまり気長に待てません。
少しでも進んでいないと不安になるので、試験を自分のペースで分割できるのはとてもありがたいです。
しかも年2回になり、失敗しても1年待たずに半年でリベンジできるのも、悔しい気持ちを抱き続ける期間が短くできるという点でよかったです。
(本当に、年1回で4科目受験されていた方はメンタルが強いな~と思います)
なので、科目合格制&年2回開催の資格として一陸技は受ける気がかなりあります。
科目合格制ではありませんが、年2回やってる応用情報も興味があり(無謀にも)勉強中。
技術士は・・・年1回かぁ。(科目合格制にならないかなぁ)
動画学習は使える
何気に動画を使ってちゃんと勉強したのは今回が初めて。
電験合格さんの講義にはお世話になりました。
内容の質が高ければ、動画は本よりもわかりやすいかもしれません。
口でうまく説明できないのですが、黒板やホワイトボードは本と違って自由に書けるため、手書きならではのわかりやすい表現が可能になり、見れば一発で理解できる板書に仕上がっているシーンが多々あります。
また、電験合格さんは説明がわかりやすいのはもちろん、講義の内容自体が説明→例題の流れで過不足なく整理されていて、「どういう知識・問題が重要なのか」というエッセンスが授業で自然と吸収できるのが素晴らしいです。
特性上視野が狭い自分にとっては、この「全体を俯瞰できる」講義がとても助かりました。
なので、まず電験合格さんの動画を見ながら板書→過去問演習→板書や過去問でわからないところはみん欲しテキストで確認 というやり方はよかったと思います。
みん欲しテキストもわかりやすく書かれており、重要度が★★★のように記載されていてかなり親切なのですが、いきなりテキストを読んでから過去問に入ろうとすると、「あれ?何が重要なんだっけ?」とまた読み返すことになりかねません。
重要なところ(知識の幹となる部分)を先に身につけてから、枝葉となる知識を後から補完する方が、頭に入りやすいですよね。
電験関連は基本的に電験合格さんしか見ていなかったのですが、今思えばAki塾長の動画ももっと見ておけばよかったなと思います。
そんな訳で、動画学習の効果を実感しました。
スタディプラスとかUdemyもコンテンツによっては有効なんでしょうね。
過去問以外の演習は下手に増やさない
さんざん電験合格さんを褒め称えたあとで何を言い出すんだと思われそうですが、「**電験合格さんの講義で出てきた例題はどれぐらい解くべきか?**」と悩む場面がありました。
少し古めではあるものの、電験三種の重要な点を網羅した良問揃いだから当然解いた方がいいし、その後過去問に入ればいい。簡単な話です。
では**電験合格さんの例題が解けなかったり間違ったらできるまでやり直すか?**
ここでも迷いました。
「変なところを気にするんだな。適当に飛ばせばいいだろう」と思うでしょう?
でも特性上気になってしまうんです。やっかいですね。
結局、理論・機械では電験合格さんの例題が気になって完成度を高めてから過去問に入るようにしたのですが、肝心のみん欲し過去問10年間の周回が間に合いませんでした。
その教訓もあって、電力・法規では電験合格さんの例題は理解用と割り切るようにし、法規1科目残しの段階では「15年間」を仕上げることに集中、それ以外の問題は一切解かない!ぐらいの気持ちでいました。
なので、視野が狭くこだわりを持ちやすい特性の私は、「〇〇の15年間を仕上げれば受かる。それ以外の問題は解かない。(ただし解答を理解するためには色々参照する)」と最初から割り切っておけばよかったかもしれません。
ルーズリーフは綴じられたノートより便利
これは人生を通した後悔になります(壮大)。
小学生の間はルーズリーフの存在を知らなかったので仕方ありませんが、中学か高校からルーズリーフ派になっておけばよかったと思います。
学生時代から社会人になって最近まで、ずっと紙の綴じられたノートを使っていました。
どんどん嵩張ります。
使わなくなったノートはもう何書いてたかわからなくなり、無くすか処分するしかありません。
ルーズリーフなら、順番を入れ替えられるし、好きなカテゴリで整理できるし、何より「もうあまり読まなくなったけど捨てるのはもったいない」といったものはスキャンしてpdf化できます。
このことに大学時代に気づいていれば…と悔やんでもしょうがないのですが、アラフォーになって電験三種を勉強してからルーズリーフ派になったというお話でした。
暗記カードは下手に作らない
「学習方針」のところにも書きましたが、理論・機械ではコレクト社の無地の情報カード(C-531)を使って暗記カードを作っていました。
なんでこんなことをしたかというと、大学院試験の時に同じことをして効果があったと思っていたので踏襲しました。
おそらく理論・機械あたりは確かに効果があったんだと思います。
でも電力・法規あたりから、「なんかこれ結局電験合格さんの板書やみん欲しに書いてある内容をカードに写してるだけじゃない?」と思うようになり、法規1科目残しの段階ではカードを作るのを止めました。
たぶんTwitterで「こんな暗記カードを作った!」とかやってるうちに、カードを作るのが目的になってしまってました。
なんで暗記カードを作るか?と言えば、必要な情報を問いと答えの形式にして圧縮し、持ち歩いて確認するためです。
またシャッフルしてクイズ性を持たせて刺激を与えることもできます。
でもそれって法規アプリでほとんどカバーできるし、シャッフルする意味もそんなにないんですよね。
あと法規の条文はみん欲しテキストに載っているから、学生時代のように必要な箇所(過去問で問われた箇所)を緑ペンで塗って赤シートで隠せるようにすれば、それでチェック問題の完成です。(※緑ペンは色の濃いマッキー推奨)
わざわざカードに書き写して問題を作らなくてもよかったんです。
結局、カード作りは途中から自己満足になっていたかなと反省。
どちらかというと、後述する「自分なりの解答ノートを作って、その中で必要な知識をまとめる」方が脳に定着した実感があります。
「法規の15年間」のような分野別ソート過去問は効率的復習に便利。でもちょっと不親切。
法規1科目残しで威力を発揮したのが電気書院の「法規の15年間」。
この「〇〇の□□年間シリーズ」をずっと「ただ過去問が年度別にたくさん収録されている本」だと思っていました(無知)。
そうではなくて、「法規の15年間」だったら、過去15年間の問題を分野別に並べ替えて、左に問題・右に解答という見開きの構成で収録してくれたものだったんですね。
この分野別にソートしてくれただけでも助かりました。
「みん欲し過去問10年間」はボリュームとしては問題ないのですが、次のような不満点がありました。
- 問題編と解答編が分かれている
- 問題編が科目別になっていない(解答編は科目別)
- 解答編に問題が書かれているが小さくて見づらく、結局問題編を見た方がいい
- 解答編に「類題」として他の年度の情報が書かれているが、記載の仕方が適当で対応が取れていない・網羅されていない
上記の不満点をまとめると「同じ分野の問題を短時間にパラパラめくって確認できない」こと。でもまぁ3000円だしコスパとしてはマシか、と思って使っていましたが、さすがに法規1科目残しで「15年間」の存在を知ってからは、絶対にこの教材を使い倒す!と決意しました。
「同じ分野の問題を短時間にパラパラめくって確認」できたおかげでかなり効率が上がりました。
(あれ?もしかして理論から使っていたらよかったのでは?という気持ちは悲しくなるから封印)
とはいえ、「15年間」も万能ではありません。
- 解答がコンパクトにまとめられていて解説も最小限。「なんでそうなるの?」という疑問には答えてくれない。
- 式変形も一足飛びでサラッと書かれていて「この数字どこから出てきたん?」みたいなのがあったりする
- 解法が変に難解で、小学生風に計算したら解ける問題を、わざわざ関数にしてから解くみたいな大人ぶったところがある
といった特徴があります。
「みん欲し」シリーズは何だかんだ初心者に優しく、ステップを刻んで無理のない式変形や解法を書いてくれているのでわかりやすいです(突然の手のひら返し)。
なので、高速で過去問を確認するために「15年間」を柱として、解答がわかりにくいところは「みん欲し」の過去問解答を参照、という使い方をしました。
電験の最後の科目で分野別ソート過去問の良さに気づけたのは収穫でした。
地味に他の資格試験にも生かせる知見だと思います。
解答はまず読んで納得できるのが前提。その上で自分なりに納得できる解答を作り、その解法を覚える。
電験合格さんの例題演習でも、みん欲し過去問でも、まず解答が納得できなければその問題は自力では解けません。
また、どんなに読んでいる解答がわかりやすいと思っても、ちょっとした図や式変形、解く順番などが引っかかったり自分に合ってなければ納得しないまま丸暗記することになり、無駄な負荷が生じます。
負担なく頭に入れるにはどうするか。
それは自分が一番納得できる解答を作り、ルーズリーフに収録することだと気づきました。
自分が納得できる解答なので、図や式や解法は本番でも再現できる解答です。
なのでこの解法自体を頭にイメージとして焼きつければ正解できるようになります。
「そこまでしなくても、問題集に書かれた解説で十分納得できるよ」という問題は、適当に正解を書いたりして省略すればいいだけ。
これも電験最後の科目で気づけてよかったです。
Twitter(自称X)はモチベーション維持に有効
「学習のとっかかり」でも書きましたが、Twitterで学習垢を作ったのはかなり有効でした。
記憶が曖昧ですが、とにかく電験・電気設備界隈を中心に、技術士や情報系、電子回路、全然関係のない士業の方、英語学習系など気になる人はどんどんフォローし、それにつれてフォロワーもある程度増えていきました。
Twitter(自称X)を利用する効果は以下の通り。
- 自分の勉強した内容を(時には写真付きで)アップするといいねがもらえる(報酬効果)
- 他の人が勉強したツイート(勉強時間、内容、学習風景、タイムラプス動画など)を見ることができ、「自分以外にもこんなに頑張っている人がいるんだ」「自分一人だけじゃないぞ」と安心できる
- 他の人の成長が何となくわかり(前よりも点数が上がった、解けるようになったなど)、希望がもらえる
- 単純に有益な情報が流れてくる
- 何らかの資格試験の本番や合格発表の時期になると突然TLがザワつき出し、お祭り気分が味わえる
- 自分が合格したときにたくさんいいねがもらえる
Twitter(自称X)はいろいろ改悪されていますが、学習界隈に限っては本当に優しい世界だと思います。
電験三種の結果。
「合格者一覧にあります」を頂きました。 pic.twitter.com/1rfcFYhifQ— きさいち@学習垢 (@kisaichi_learn) September 2, 2024
変にバズり過ぎず、内容も専門的だからインプレゾンビも湧きませんしね。
まとめ
- 40歳になる前に業務独占で求人数の多い国家資格を独学で取得できた
- いろんなトラブルに逢いながらも諦めずに目標に向けて努力できたという成功体験を得られた
- 自分なりの学習スタイルを確立できた
ということで電験三種のおかげで良い体験ができました。
これからも自分にとって意味のある資格試験に挑戦していきたいと思います。
それではまた!
たまには純度の高い趣味の記事も書こう。
原曲メドレー作者のきさいちです。(突然の自己紹介)
最近は時間がなくて手軽なマッシュアップを時々投稿していますが、メドレー製作は諦めていません。
本日2024年7月5日に、Sound Horizonの曲で作った『【原曲メドレー】さんほら』が10周年を迎えました。
2014年に投稿してから、ニコニコはもちろんYouTubeにも時々コメントがありうれしい限りです。
ゴチャ混ぜメドレーを作っていく中で、唯一作ったジャンルメドレーとしては完成度が高く、結構気に入っています。
よく緩急をつけつつ、自分の好きな曲だけでスッキリまとめたなぁ、と(自画自賛)。
ジャンルメドレーは選曲のカテゴリに頭を悩ませる必要がなくなるので、その分のリソースを構成に充てられる点で割と作りやすいのではと思います。
さて、このメドレー動画、サンホラのRevoさんの真似事(リスペクト)として、とある「暗号」を仕込んでいます。
投稿して10年も経ったことだし、今回はその暗号をネタバレしてしまおうと思います。
たぶん誰も気にしてないか、解いてもらってない気がするので…。
あ、でもニコニコで「暗号わかった。今日はいいことありそう」的なコメントをした方がいました。たぶん正解です。解いてくれてありがとうございます。
「暗号?何それ知らん…ネタバレの前に解いてみよう」という方へ
本当にそんな方がいたら光栄ですが、動画はこちらです。
現在ニコニコが(いろんな意味で)ダメになってるのでYouTubeのリンクをどうぞ。
この動画の右下には所々2桁の数字が表れます。
それらが何を表しているか?という問題です。
【ヒント】
・Sound Horizonのことを知らなくても全く問題ありません。
・出てくる数字は解読にすべて使います。
・動画で数字が登場するタイミングは重要ではありません。
・数字が登場する順番は重要です。
・計算や数式は使いません。
ネタバレ早よ!という方へ
ではまず数字を順に示していきましょう。
自分でもどこらへんに数字を入れたかなんて覚えておらず、動画を見返すしかありません。
1分27秒あたり → 「53」
4分12秒あたり → 「95」
7分50秒あたり → 「71」
9分46秒あたり → 「06」
11分41秒あたり → 「19」
14分19秒あたり → 「39」
これで数字は出揃いました。
出てきた数字を順に並べましょう。
これらを何かの文字に変換するんですね。
53
95
71
06
19
39
Revoさんがサンホラの曲に仕込んだ暗号は「ポケベル」でした。
「ポケベルって何?」という若い方は、歴史の勉強だと思ってググってください。
他にも謎解き系だといろんな暗号があるんですね。
もったいぶるのはこれぐらいにして、正解に移ります。
正解の解説
数字を文字に変換するのには、学校の化学で習った「周期律表」を使います。
動画に出てきた2桁の数字は**原子番号**です。
(上表はこちらから拝借しました)
数字を変換していきましょう。
53:I (ヨウ素)
95:Am (アメリシウム)
71:Lu (ルテチウム)
06:C (炭素)
19:K (カリウム)
39:Y (イットリウム)
となります。
並べると ”I am Lucky. ”(私は幸せです)
これが答えです。
正解の由来ですが、サンホラの曲の中に「11文字の伝言」として、ポケベルの暗号で「しあわせにおなりなさい」というメッセージが仕込まれていました。
せっかく暗号遊びをリスペクトするなら伝言へのアンサーにしようという訳で、何か文字を数字に変換できるものはないかな、と考えて周期律表を使うことにしました。
というか、謎解きやクイズに詳しくないので、「数字と文字が出てくる表」が周期律表ぐらいしか思いつきませんでした。
ただ、いざ作ろうとしたら元素記号で「I」「Am」まではいいとして、「happy」が作れないことが判明。
(「H」「P」「Y」はあるけど、「A」「Ha」「Ap」という元素記号が存在しない)
困ったな…と表を眺めていたら「Lu (ルテチウム)」が目に入り、「そうだ、HappyじゃなくてLuckyなら作れるじゃん!」と気づきました。いい判断。
そんな懐かしい昔話でした。
暗号、おわかりだったでしょうか?
これからも『【原曲メドレー】さんほら』をよろしくお願いします。
おまけ
Revoさんの最後のライブはいつになるんだろう?
サンホラは妻に色々教えてもらって過去作品を履修して「朝までハロウィン」あたりから初ライブに参加しました。
Moira(ミラ) や Marchen(メルヘン)を生で観たかったな。
存在を知るのが遅すぎた…。
劇団四季方式で定期公演してくれないかな~。
最後のライブは絶対にチケット取って夫婦で観に行きたい(決意)。
サプライズでAらまりさんが登場したらたぶん泣く(妻談)
前回までのあらすじ
MENSA(メンサ)に興味を持つまで
知能検査結果が出てしばらくは、意味もなくIQ130とかWAISとかのキーワードでネットを検索した。
すると、どうやら世間的には「ギフテッド」と呼ばれる集団にギリ入るらしい。
ギフテッドはなんとなく知ってはいる。
ただ自分の幼少期を思い返しても、何かズバ抜けたエピソードがある訳ではない。
地元の小学校では成績は良かった方だが、当時は珍しい塾通いのチートだったのもあるし、何か特別な才能を発揮したこともない。
自分がギフテッドだったか?と言われてもピンとこない。
どちらかというと発達障害だったことで説明がつくエピソードの方が多い。残念。
あとは「メンサ」というキーワードもちょこちょこヒットした。
たしかIQの高い秘密の集団だよな~と思って検索すると、どうやらIQ130が入会のボーダーらしい。
しかも、知能検査(WAIS-Ⅳ)の結果を証明書として入会判定に使えることがわかった。
あれ? もしかして俺メンサ入れたりする?
なんかよくわからない秘密の集団に入れるかも、と思うと厨二病心がくすぐられ、興味が湧いてきた。
メンサに入れると何があるのかな?と思い、JAPAN MENSAのホームページを調べてみる。
「INFORMATION」の「行事予定」のページを開くと、いろんなイベントをやっていることがわかった。
テーブルゲームだとか懇親会だとか、普通に飲み会とか。
その中で目を引いたのが「WAISの結果を用いた座談会」というオフ会。
今年の2月に行われたらしい。
イベントの説明文によると、
WAISを利用して、
MENSAに証明書入会した方も沢山いると思います。
僕もそんな一人です。
この結果を有効利用しない手はないので、
他の会員の方と自分の強み・弱みを考慮して、
生活をより豊かにする為の話し合いを出来たらと考えています。
同じような傾向がある方とどうやって弱い部分に対応しているか、
どのような事を意識して強みを発揮しているか等々、
建設的な議論をしていけたら嬉しいです。
これは面白そう!
WAISを受けてる時点で俺と同じ特性持ちである可能性が高い。
自分と似たような凸凹を持つ人と会って話せるということか。
自分と全く同じIQの分布の人はどんな感じなんだろう?
俺と同じような困りごとを抱えているのか?
仕事で何か工夫してるのかな?
いろいろ聞きたいことがある。
正直このイベントに参加するためだけでもMENSA会員になる価値がある。
そう思って入会の手続きを進めることにした。
MENSA入会申請まで
善は急げということで、再度「証明書による入会判定について」のページを見る。
その中に記載されている「入会申請書類確認表」というチェックリストがすべてYESにならないとダメらしい。
この段階でチェックリストに不足している項目は、
証明書(知能検査結果)に
・「検査者の正式資格名」が記載されている
・「検査者」「検査実施機関」「証明者」いずれかの押印がある
の2点。
もらった検査結果には、心理士さんの名前は書いているが、「公認心理士」のような資格名称は書いていない。
あと心理士さんやクリニックの押印もない。
このままでは入会申請に使えない。
そこで、次のカウンセリングのときに資格名称の記入と押印を心理士さんに頼んでみた。
正直、「うちはフォーマットが決まっているので、そういう特別な対応はしてないんです。。」とか言われるかもと思ったが、あっさり対応してくれた。
正式な資格名称を印字し、手書きで氏名も書き、印鑑を押してくれたし、「一度検査結果は発行しているから追加料金とかないです」とのこと。
ありがたい。
これで証明書は申請に使える状態になった。
あとはチェックリストにある項目を対応していくだけ。
せっかくなので技術士二次試験の申込と同じようにA4サイズの封筒に入れ、郵便局から簡易書留で提出した。
「JAPAN MENSA事務局 証明入会係」と書かれたのを職員に見られたのが少し恥ずかしかった。
「**おや、あなた随分と自分の頭に自信がおありなんですね(笑)**」とか思われたらどうしよう…と思った(被害妄想)が、仕方ない。
MENSA合格判定
入会申請を出してから3週間ぐらい経った頃、「JAPAN MENSA 事務局」から入会判定の結果通知メールが来た。
この文面がおもしろい。
JAPAN MENSAの入会申請をお送りいただきありがとうございました。
お送りいただいた証明書を審査した結果、あなたはメンサ入会資格である
人類の上位2%以内のIQを持つ事を示していました。ようこそメンサの世界へ、あなたはメンサに入会する資格があります。
入会手続きをする事により、毎月会報を受け取ったり、
ウェブサイトの会員エリアへのアクセスが許可されます。
同じ趣味を持つ人と顔を合わせて交流を深めるのも良いでしょう。入会手続き方法をお知らせいたします。
妻からは「詐欺メールみたいで草」とめっちゃ笑われた。
なんでこんなに怪しい文章になったのかは知らんが、入会金を振り込んでしばらくすると会員番号(ID)とパスワードが送られてきて、ちゃんとMENSAの会員ページにログインできたので、無事詐欺ではないことがわかった。
あとは入会手続きのときにプラスチックの会員証カードも申し込んだ(2500円)。
持ってても何の特典もないけど、なんか秘密組織のカードっぽくて面白いし、妻も「どんなのか見てみたい」と言ってたし。
記念品と思えばそんなに高くないか。
申し込んで2カ月ほどしたら届きました。
妻は「ブラックカードみたいでかっこいい!」と言ってました。
なかなか高級感あふれるデザイン。
あまり人に見せる機会はないけど、何かの話のネタにはなりそう。
おまけ
「WAISの結果を用いた座談会」が割と早い時期に開催されるのを知り、参加しました。
詳細は書けませんが、いろんな傾向の人と話ができて楽しかったのと、自分自身のこと、将来のことまで考えるきっかけにもなり、非常に有意義な時間を過ごせました。
また自分の仕事の状況に変化があれば、報告ついでに参加したいな。
本当に、このオフ会に参加するためだけでも会員になってよかった。