ザ・スターリン (8/9) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)
M.J.Qは半分以上ザ・スターリンの曲だけど、全然違う
──ミチロウさんのことが再び好きになったのは、ソロになってからなんですよ。ソロで見て度肝抜かれて。1人でパンクやってる感じで。
そうそう、それでやってくうちに、1人でやるとフォークって言われるじゃないですか。だからフォークじゃないんだ、みたいなのがあったんで、アコースティックパンクみたいなイメージで歌い出して。でも、まだグランジやりたいっていう思いはあったんで、それでCOMMENT ALLEZ-VOUS?をやったんですよ。COMMENT ALLEZ-VOUS?っていうのは僕はグランジっぽいイメージでやろうとしたんですけど、やっぱりバンドは面倒くさいからね。
──今みたいに、いろいろユニットやってるぐらいのかかわり方のほうがいい感じですか?
今やってるのは全部、自分の中では1人でやってて、1人じゃできないアコースティックな音楽っていうのをやりたくてM.J.Qとかノータリンズをやり出したんですよ。僕の中では、1人じゃやりきれないアコースティックな、アンプラグドなパンクの音楽っていうのを誰もやってないなっていうのがあって、それをやりたくて。ドラマーが替わると全然変わっちゃうから。一貫してるのはベースレス、エレキギターなし、それだけですよ。
──体力的にもすごいし、好奇心というか、そういうのが枯れないのがすごいなと思いますよね。
ああ、そうですね。M.J.Qは半分以上ザ・スターリンの曲なんですけど、でも全然違うことやってる感じなんですよね。みんな「M.J.Qでザ・スターリンやるんだったら、ザ・スターリンやれば?」みたいに言うんですけど、ちょっと違ってて。
ザ・スターリンが復活するたびに胃潰瘍になる
──要所要所でザ・スターリン復活ライブ的なこともやってきたじゃないですか。
ああ、でもあれはただのファンサービスですよ(あっさりと)。
──ダハハハハ! 本人に思い入れは全然なく。
そんなに。やるのは10年に1回、みたいな。2001年にやった復活ライブも、ホントにやる気なかったんですよ。
──ケイゴさんとかとやったときですよね。
そうそう、やる気ないんで、冗談半分で「じゃあ還暦までやんねえよ」って言ってたら、還暦になっちゃったんで、「やりましょう」とかいきなりケイゴから連絡が来て。ケイゴ、10年間待ってたんですね、一緒にやるの。10年間待ちに待って、「もう還暦だからやろうぜ」みたいな。だから、「次は70歳までやりませんよ」って。
──70歳のザ・スターリン観たいですけどね。
やりたくないですよ! お決まりで、やっぱりザ・スターリンやったら胃潰瘍になっちゃって。
──そうなんですか!
そうそう。2001年のときもザ・スターリンやったあと胃潰瘍になって入院して。今回もザ・スターリンやって、4月にまた胃潰瘍になって。入院はしなかったんですけど、血吐いて。
──それは体力的なものですか? それとも精神的なものなんですか?
体力的なものもあるだろうし、なんでしょうね? わかんないです。
──やりたくないなっていう気持ちが胃を蝕んでいく感じの(笑)。
嫌々やってるから(笑)。
DISC 1(第一部)収録曲
- 虫
- 廃魚
- M-16(マイナー・シックスティーン)
- T-Legs
- アクマデ憐レム歌
- 溺愛
- おまえの犬になる
- バイ・バイ・ニーチェ
DISC 2(第ニ部)収録曲
- オープニング・アナウンス
- 猟奇ハンター
- 渚の天婦羅ロック
- バキューム
- ハロー・アイ・ラブ・ユーに捧ぐ
- ワイルドで行こう(Born To Be Wild)
- 天プラ
- 電動コケシ
- アザラシ
- NO FUN
- アーチスト / マリアンヌ
- お母さんいい加減-先天性労働者
- ロマンチスト
- 下水道のペテン師
- STOP GIRL
- 爆裂(バースト)ヘッド
- 豚に真珠
- GASS
- 仰げば尊し
- 解剖室
- ワルシャワの幻想
- Fish Inn
DISC 1「MINUS ONE」収録曲
- LOVE TERRORIST
- 24時間愛のファシズム
- KOREA
- -1(マイナス・ワン)
- Relo Relo
- New York PARANOIA
- ウルトラ・SEX・MAN
- Sha.La.La.
- 羊飼いのうた(LIVE)
- タイフーン・レディ・フラッシュ(LIVE)
- キリの中(LIVE)
- ウルトラ・SEX・MAN
- 24時間愛のファシズム
DISC 2「DEBUT!」収録曲
- 愛してやるさ!
- 猟奇ハンター(LIVE)
- 冷蔵庫(LIVE)
- 天上ペニス(LIVE)
- STOP GIRL(LIVE)
- 爆裂(バースト)ヘッド(LIVE)
- 先天性労働者(LIVE)
- メシ喰わせろ!(LIVE)
- 渚の天婦羅ロック(LIVE)
- バキューム(LIVE)
- 解剖室(LIVE)
- 仰げば尊し(LIVE)
- 20st Century Boy(LIVE)
- 虫(LIVE)
- バイ・バイ“ニーチェ”(LIVE)
- GASS(ORIGINAL VERSION)
遠藤ミチロウ(えんどうみちろう)
日本のロックシーンに衝撃を与えた伝説のパンクバンド、ザ・スターリンの中心人物として1982年にアルバム「STOP JAP」でメジャーデビュー。その強烈な存在感とカリスマ性で圧倒的な支持を集め、一世を風靡する。1985年にバンドを解散してからは、ソロアーティストとしてのキャリアをスタート。また、パラノイア・スター、ビデオ・スターリン、スターリン、COMMENT ALLEZ-VOUS?など、さまざまなバンドでも活躍する。ソロ名義では年間100本以上におよぶライブを開催するなど、その活動スタイルはアグレッシブ。また、若手アーティストとの交流も多く、グループ魂、大槻ケンヂらとも共演している。近年はソロのほか、石塚俊明(頭脳警察)と坂本弘道とのNOTALIN'S、中村達也(LOSALIOS)とのTOUCH-ME、クハラカズユキ(The Birthday)&山本久土とのM.J.Qなど、ライブを中心に積極的な活動を続けている。