『団地のふたり』『ロジウラのマタハリ 春光乍洩』 (original) (raw)
9月2日、台風10号の影響で伏見ミリオン座での永瀬正敏さんの舞台挨拶が中止になった日、『箱男』を観に行く前にロジウラのマタハリに寄ると小泉今日子さんのサインが置いてあったので、「え?キョンキョン来たの?」とお聞きしたところ、小泉さんが主演されているドラマに使うある物をお貸ししたお礼にいただいたそうだ。
サインは右から、小泉今日子さん、小林聡美さん、ムロツヨシさん。
そのドラマとは9月1日からNHKBS で放送中の『団地のふたり』(全10回)。
ある物については放送回が終わるまでお話しできないとのことで、気になってドラマを観たら、どっぷりと嵌ってしまった。
高齢化と過疎化が進む東京郊外の団地に住む幼馴染のふたり。
小泉今日子さん演じる野枝(ノエチ)は片道2時間かけて通勤する大学の非常勤講師で離婚歴があり、小林聡美さん演じる奈津子(なっちゃん)は人気に翳りが見えるイラストレーターで過去に同棲を解消している。
ともすれば人生の意義を見失い中年期の心の危機であるミッドライフクライシスに陥ってしまうような設定だが、ふたりは片意地張らぬ太極拳のような自然体で日々をやり過ごす。
努力して夢を叶える人は極わずかで、もし叶ったとしてもそこで人生が終わるわけではなくその先も続いていく。
恋愛が成就しても happy together になるとは限らないし、ぼちぼちやって生きましょう。
重くなりそうなテーマをユーモアとして昇華しているのもいいし、ほっこりとした音楽にも癒やされ、劇中の昭和歌謡はどの曲もそらで歌えてしまう。
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ムロツヨシさんが出演された第4回にそのある物が登場した。
予告編にチラリと映っている映画『ブエノスアイレス』の作中で使われているイグアスの滝ランプのレプリカで、物語の重要なアイテムになっていた。
『ブエノスアイレス』のメイキングと未公開映像を集めたドキュメンタリー映画『ブエノスアイレスの摂氏零度』の香港版DVDの発売に際し、初回特典としてポストカードとセットで売り出されたそうで、かなりのレア物である。
以前にも書いたが『春光乍洩』とは『ブエノスアイレス』の原題で、店内の壁はもちろん、メニューやトイレにもブエノスアイレス。
今はランプを飾っていないので、「NHKの方よく見つけましたね」とお聞きすると、名駅にお店があったときにSNSに投稿したことがあったそうで、貴重な物なので中々貸してもらえるところが見つからず、借りる際と返却の際にプロデューサーがわざわざ名古屋まで来られたそうである。
ドラマの外側にもドラマはある。
再放送もあるので是非ともご覧いただきたい。
毎回、なっちゃんが生活費の足しにフリマサイトで不要品を売るのだが、誰かにとって要らない物でも誰かにとっては必要な物となる。
それは人も同じ。
さだまさしさんや吉田拓郎さんの楽譜が結構な高値で売れていたので手持ちの楽譜がいくらで売れているのかメルカリで見ると、憂歌団は1000円という有り難い値段。
麗蘭は7799円で売れていて、マジ?
さらに SHERBET は9000円で売れていて、ウソ?
私が持っていて本棚の肥やしにしておくより、必要な人に使っていただいた方がいいのは言うまでもない。