ペラっと積読紹介① (original) (raw)

まっさら未読の積読本を冒頭の5ページ〜30ページ程度読んで紹介してみたの第一弾です。 いちおうのルールは①目次を除いて最低5ページ読むこと。②続きが気になっても30分以上読まないこと。③感想も頑張って書かないこと(できるだけ読みながら30分以内の間に書いていく)としました。
第一弾として今日は8冊読みました(語弊があるな)。

一冊目 筒井康隆フェミニズム殺人事件』

小説家の石坂は執筆のために南紀・産浜のホテルへ向かう。ちょうど第一章、ホテルに着くまでが5ページ相当。章が短くて読み易い。
〈行くのは六年ぶりだが、待遇がよく、料理が旨く、そして静かなホテルだ。〉
料理が旨く、ということは表紙の伊勢海老料理が出てくるのだろうか。ちょっと期待。
第一章の終わりでホテル支配人の夫婦が出迎えてくれるが、支配人の夫人が〈あきらかにジバンシィと思える、シルエットの美しいスーツ〉を着ているという描写。ジバンシィに何か独特なシルエットの美しさがあるのだろうか。石坂の違いがわかる男っぷりの描写が続く。ホテルに滞在している他の客がこれからゾクゾクと登場してくる気配。文庫裏表紙のあらすじによると三人が次々と殺されるらしい。第二章の終わり、20ページまで読んだ。

二冊目 ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』

文庫になった瞬間に買ったのに、読まずに放置していた。分厚いねん。 一九六九年、沼地で青年の死体が発見される場面から物語が始まり、時代は遡って一九五二年、6歳の少女カイアの母が家(小屋)を出ていく場面に移る。Ⅰ部1章の終わり、21ページまで読んだ。こちらも全体は長いのだけど章立てが細かくて、読みやすそう。なんで目次がないんだろう。細かすぎるからなのかな。ネタバレするからなのかな。ちょっと不便。母さんは帰ってこなそう。裏表紙にも〈6歳で家族に見捨てられ、生き延びてきたカイア〉とある。17年後、23歳になったカイアが青年殺しの嫌疑をかけられてしまうが、本当はどうなんだ?っていう話のようだ。〈物語は予想だにしない結末へ〉と書かれているので、いわゆるミステリ的な展開ではないんだろう。人間の偏見と、生命の厳かさのようなテーマかなと勝手に予想。読み易いと思う。

三冊目 マーガレット・アトウッド誓願

こちらも文庫になった瞬間に買った記憶。本書の前作侍女の物語を読んだのは何年前だったか。HULU制作のドラマ「ハンドメイズ・テイル」を観て衝撃を受けた。ドラマのシーンと照らし合わせながらKindleであっという間に読んでしまって、文庫版を本屋で見たときに、こんなに分厚かったんだってびっくりした。続編となる本書も一気読み系なのか? これも章立てが細かい。一章でちょうど5ページ。一章からリディア小母が登場!ドラマでは結構ひどいことをしていた気がするんだけど、小説の方はどうだったか。とにかくタフで情にも厚い人だったはず。リディア小母を味方につけたら物語がものすごいことになりそうだ。リディア小母の手記から物語が再開する。独裁国家ギレアデでは女性は読み書きを禁じられている。小母は例外的に許可されている部分があるが、さすがに手記を残すのはNGのようで、監視カメラの死角に隠している。一章の最後、リディア伯母の独白。〈まあ、お待ちなさい。私は胸の内で語りかける。これから、もっとひどいことになるから。〉ギャー!!楽しみ!!ひどいこと楽しみ!! 二章からは司令官の娘の語りが続く。きっと侍女が産んだ子どもだ。これが二人目の主人公だろう。二章の途中、30ページまで読んだ。

四冊目 筒井康隆富豪刑事

富豪で刑事の神戸大助が主人公の連作短編のようだ。金を湯水のように使って次々と事件を解決していく。はじめに富豪刑事が手掛ける事件は時効が迫る7年前の5億円強奪事件。容疑者四人に金を使わせてみるために個人的に接近して囮捜査を進める神戸。今のところ、容疑者いいやつだな。神戸も人好きのするキャラクターで憎めない。ドラマ版では、深田恭子が大助役だったみたいだ。見てないけど。小説版が気に入ったら見てみようかな。馬鹿馬鹿しい気配が漂ってきて大変期待が膨らんだ。38ページまで。

五冊目 村田沙耶香『地球星人』

お盆休みは父の実家に親戚一同が集う。いとこの由宇と会えることを毎年楽しみにしていた主人公の奈月は魔法少女だった。ある年その秘密を由宇に打ち明けると、由宇も実は宇宙人なのだという。秘密を分け合って恋人同士となった二人。だが大人になった由宇は地球星人の常識に洗脳されつつあった。芥川賞受賞作、コンビニ人間から2年後の長編。ぶっ飛んでそうだなあ。

六冊目 村田沙耶香『消滅世界』

こっちは『コンビニ人間』の前の長編。
解説が斎藤環だ。解説気になる。だけど5ページ読書は続くよ。
性と愛が主題なのかしら。「愛し合って生まれる」ということ。異性と恋に落ちるということはどんなことか。形が違っても、本質は同じか。楽しみだ。
つい時間を忘れて真剣に読んでしまいそうになった。続きが気になる。解説も読みたいし。これは今回積読5ページ消化が終わったら本格的に読んでいくことにしよう。34ページまで読んだ。

七冊目 村上龍コインロッカー・ベイビーズ

これも前々から読みたい読みたいと思っていて未読だった作品。最近ブックオフで購入。新装版。解説が金原ひとみだ!? 解説読みたい。だけど5ページ読書だ。
裏表紙読むとキクとハシはコインロッカーで生まれてハシが母を探しに消えて、ハシを追ってキクが東京へやって来てなんだかんだの物語らしい。深海に眠るダチュラがどうのこうのとか、あらすじの後半がレヴェル高くて意味がわからない。
主人公の二人はほぼコインロッカーで生まれて同じ乳児院で育つ。病弱で自閉的なハシの傍にはいつもキクがいた。〈キクとハシは肉体と病気の関係だった。肉体は解決不可能な危機に見舞われた時病気の中に退避する。〉おおー。14ページまで。

八冊目 多和田葉子『献灯使』

これは放っておいても近いうちに読もうと思っていたから今回入れるかどうか少し悩んだのだけど。全米図書賞(翻訳文学部門)受賞作。 大災害に見舞われ鎖国状態の日本。元気な老人と軟弱な子どもたち。身体の弱い「無名」は「献灯使」として日本から旅立つ。表題作を含む中短編の5編を収録。表題作が最初に収録されているので、「献灯使」の冒頭から読んでいく。
鎖国状態の日本から外来語が消えていく。外来語以外も消えていく。言葉の寿命は短くなっている。「made in どこそこ」の新しい解釈「岩手まで」。たんぽぽがデカい。突然変異、もとい、環境同化で。何年かしたら、もう全く家の外に出ることができなくなるかもしれない。ありえなそうでいてもうすでにありそうな世界。この世界で起こりうること、もしかしたら、もうすでに起きていることが描かれているのかもしれない(それは「請願」にもいえそう)。16ページまで。

とりあえず第三弾くらいまでやると思う。