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目まいのする散歩 (中公文庫 た 13-9)

東京で散歩する場所は、明治神宮、武道館、代々木公園だという。私には縁の薄いところばかり。

ホントに目眩がして恍惚の老人の彷徨なのだ。

下井草やら九段坂上ビル六階指圧に通っていたそうな。「中先生」による間に合わせだそうな。

荻窪にいたころは貯金帳も作れなかったが、生活がそれなりに安定して「貯金のある散歩」が可能になったという>ただし、「貯金帳にしがみついた散歩」なのだと云う。

クサノオウって何? 表参道にはまだ同潤会アパートがあったのだった。

肴町やら下井草やら江の島やらの風景や風俗も面白い。

「家賃を滞らせない人物」として、大家の覚えが良かったのか(;´・ω・) まーでも、子持ち夫婦ものだし…。ホント太宰は迷惑だよなー。

目黒の寺での百合子さんや幼女=花さんの所作もイイ。

三軒茶屋や高井戸の思い出もいい。公団住宅

?も人間模様が印象的。勿論、神保町のRも。

八ミリカメラ、そして鬼姫の凄くカッコいいこと!

ソ連散歩は船の中と鉄道の中が多い。百合子さんの記述よりだいぶ抑えめ。

この文章は、筆者辞世の書となったのだな。