第33回広島ベイマラソン大会(2024/11/17) 平たい坂で牡蠣雑炊!そして広島の歴史に向き合う。 (original) (raw)
広島県で公道を走れるフルの大会はここしかないはずです。参加者数2万人以上の神戸マラソンを見送って、フル252人の伝統の大会を選びました。スターターは何とあの岸田文雄前首相だったとのことで、サプライズが過ぎます。
コースは一周4.5kmのフラットな道を9周するものです。“平坦な坂の道を行く”というと、ユークリッド幾何学の外の話か、はたまた禅の公案かという響きがあり、どんな所か気になりませんか。ひろしまベイブリッジを望み、広島大橋を観ながら、また穏やかな波の音に耳を委ねながら落ち着いて走れる環境は贅沢です。ガーミンさんの高度計は周回の記録が苦手で、細かく上っているかのように表示されましたが、フラットと思って間違いないでしょう(総上昇量736mは絶対に嘘)。
周回コースと聞くと“飽きてしまうのでは”と思われる方も多いと思いますし、実際に大興奮はしないのですが、同じ方に何度も応援していただけることは周回コースのよさだと再認識しました。ふくい桜マラソンTシャツで走ったところ、若い方に“ピンクマン”と覚えていただき、何度も声をかけていただけて楽しかったです。“あのおっちゃんのところまで行こう”とか、“あの女性はまだ応援して下さっているのか”などと、一人一人の応援をよく噛み締めることができます。
終了後はお楽しみの牡蠣雑炊です。フルの人には残っていないのではと冷や冷やしましたが、無事に(問題なく)ありつくことができ、坂町の牡蠣の深き味わいに身も心も充たされます。撤収が早いので、スタート前に坂うめじろう様の写真を撮影し、うめじろうまんじゅうも買えてよかったです。終了後もコーヒーは遅くまで提供して下さっていたので、談笑しながら温まりました。
走りは無調整かつ全く無理せずです。心拍数の上がり具合をチェックしながら走り、後半は自然とスピードも少し出て、40km以降は追い込んで十分な負荷をかけられました。それにしてもマジックスピード初代さんはフル12本目にもかかわらずいい仕事をしてくれます(3時間14分台。152bpm, 189spm, ストライド1.15m, 上下動比5.0%, 上下動6.1cm, 左右接地時間バランス49.1%:50.9%, 接地時間254ms)。
前に広島に来たのは、18きっぷを使った20代の前半だと思うので、実に20年弱の時を挟んでいます。一度しか訪問していないはずですが、厳島神社に行ったこと、平和記念資料館であまりに強いショックを受けたこと、広島市民球場の外野席から前田さんの背中を見ていたこと、お好み焼きがとてつもなくおいしかったこと、と思い出深い場所です。今回ようやく再訪でき、記憶をつなげられたのでよかったです。
坂町の皆様、温かな応援の中、気持ちのよいシーサイドコースを走らせていただきありがとうございました!
参加者数3桁のローカル大会も大好きです。遠くとも一度は参れ長井マラソン。
更なるレア度を追求する貴方には五島つばきマラソンでしょう。47都道府県フル完走のためには必須の大会で、旅ランというより旅ができます。
周回コースマニアの方には榛名湖マラソンですね。今度こそ高低差のある文字通りの坂が待っています。
続きのページには、コースの写真や移動の情報に加え、宮島観光や広島で感じたことなども沢山書いています。写真をスクロールするだけでも、“行ってみたいな”と思っていただけるかと思います。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど、何でもいいので反応をいただけますと、四角い私が丸く収めます。
次回予告は、“あの山を登らなくてもいいなんて!”です。
前日
宮島まで
07:50新大阪発→09:10広島着→09:44宮島口着で移動しました。もう少し早く着きたい気持ちもありながら、7時大阪発は結構きつい(富山マラソンもギリギリだった)ため、安全策を取りました。結果として、目覚めると7時過ぎという失態を犯しながらも何とか間に合ったので大正解でした。
出だしからこのざまですので、当然朝食の時間もなく、牛乳と水を飲み、移動中にプロテインバーを食べたくらいです。
株主優待は、広島くらいの距離だとそこまで力を発揮しないのですが、無策よりはましなので金券ショップで4,700円で買い求めました。往路は5,730円+4,700円と1,030円をケチることができました。復路は18:18広島発→19:43新大阪着です。5,570+4700円ですから、870円は浮きました。この節約が職場へのお土産の原資になるわけです。
みずほはきれいで広く、とても快適でした。
広島から宮島への電車は、ホームの人の多さから乗れないのではと心配しましたが、8両編成だったので実際は余裕でした。大半が宮島口を目指していたとはいえ、間の駅で降りる方も案外いて、座ることすらできました。
天気が持ってくれてラッキーでした。
移動中読書は、角川ソフィア文庫ビギナーズクラシックスの南総里見八犬伝でした。曲亭馬琴が何か書いたらしいくらいの前提知識しかありませんでしたが、28年に渡る連載(のようなイメージ)で106冊にまで達したという大長編ぶりにまず驚きます。内容はキャラも立っていますし、犬士の数奇な運命や展開が“江戸時代の人達もこういう話が好きだったのか”と思わせるもので、中二病的な部分もくすぐられます。仇討ちや残酷な仕打ちが平気で出てくる点には、こういうことをよしとしているから……。と思うところもありますが、それはまた別の話です。
宮島観光
コインロッカー
いきなり地味な話から入りますが、宮島では歩きが長くなるので、どこかで預けたいところです。JR宮島口駅出てすぐのロッカーが一つだけ空いていたので、そこを利用しました(小400円)。9:50頃で残り一つですからかなりの人気ぶりです。駄目でも500円で隣の荷物預かりを利用できます。
結構な激戦区だったようです。
宮島に渡ってからもロッカーはありますが、期待して埋まっていたらショックですよね。11:30前の時点では意外と小ロッカー(300円)も空きがありましたが、常に安寧の地が約束されているわけではありません。
宮島に勝負をかける手もなくはないですが。
フェリー
宮島口駅から宮島口桟橋までは歩いてすぐです。乗船も交通系ICカードでスムーズです。乗船時間も10分程度と短く、風もまだ冷たい季節ではないため、眺めのよい展望デッキに行きました。
乗船所の前ではお酒のイベントも。
乗る前から楽しみでたまりません。
離れていく桟橋、すれ違う船、近づいて来る大鳥居と、ワクワクしながら眺めていました。私を含めた観光客は、フェリーから見える大鳥居に喜びますが、もう少ししたらもっとずっと近くで見ることができるので、エネルギーはセーブした方がよいのかもしれません。
短い時間ですが旅情が味わえます。
割と大きく見えます。
宮島に降り立つと、付近に当たり前のように鹿がいます。油断すると布や紙を食べられるそうなので正直あまり関わりたくないところです。獰猛な感じはしなかったのですが、やはり動物のことですから、触らぬ鹿に祟りなしです。
何もしてこないとは思いますが。
言わずと知れた日本三景の一つです。
手漕ぎの船で鳥居の近くまで行けるのでしょうか。
宮島ロープウェー
混雑日は事前予約が必要です。12:15~12:30の枠で予約していました。あわよくば先に厳島神社を見学しようと考えていたのですが、11:40頃には入口までに長蛇の列ができており、とても間に合わないと理解したため直行しました。
この先少し行っただけで「最後尾」の札が。
水に囲まれた厳島神社をスルーします。
辺り一帯は一大観光地ですから、お店も多くて見ていて楽しめます。もみじ谷公園の紅葉も進んできて、所々で美しい赤が見られました。もう少し後だともっとすごかったと思います。
土産物巡りだけで一日が終わりそうです。
冷たいもみじ饅頭自販機も。
この季節に来られてありがたいことです。
是非実物を見ていただきたいです。
12時にはロープウェー乗り場の下まで来ていたのですが、ここからが進みません。券売機とゲートが狭く、予約と下で買ったチケットは一体何だったのかと思いながら12:15は経過しました。階段で止まっている時間は、さながら富士登山競走の様相を呈していましたが、12:30までには乗車できたのでよかったです。ちなみにゴンドラは相席かつ意外と乗車時間が長いので、元気いっぱいの外国人観光客グループに囲まれて結構辛かったです。まあ観光地なんてどこもこんなもんです(ロープウェイなどは各地で乗りまくっています)。
榧谷駅を経て獅子岩駅に到着。まずは左の獅子岩展望台へ。曇りのため視界は満点とはいかないものの、青い瀬戸内海に浮かぶ島々の姿は気持ちよいものです。
ここだけで帰るのは惜しいです。
かなりの高さを感じられます。多島美。
弥山展望台
そのまま混む前に帰るか、弥山(みせん)展望台を目指すかの二択ですが、次に生きてここに来られるかは分からないため、やはり行けるところまで行くべきと判断します。片道30分と表示がありましたが、止まらず歩き続けたところ20分もかかりませんでした(体力と上り耐性に依ります)。歩きやすく舗装されていますので、危険はほぼないと思います。
最初は下りで油断させます。足元はよく整備されており安全です。
予習不足過ぎて恋人の聖地も弥山本堂もいわれが分からないまま進みましたが、奇岩「くぐり岩」は誰が見ても迫力を感じるものです。何故あの山の上に多くの巨岩があるのでしょう。噴火で飛んできた岩でもないですし。後で解説を見ると、花崗岩が風化したとありますが、またちょっと地学の知識を見直しておきたいと思います。
弥山本堂まで来ればあと一息です。
弥山展望台は、360°のパノラマが楽しめ、“ここまで来た甲斐があった”と実感すること間違いなしです。本当に遠くの方まで望めますので。大鳥居の方は木の枝に遮られて見えないというのがまた奥ゆかしくてよいですね。
下から上って来たら熱い瞬間です。
展望台はしっかりした建物です。
360°のパノラマの中、絶妙に隠された厳島神社もよいですね。
売店では記念に栞を購入しました。帰りは少し違うルートになりますが、干満岩のいわれ(潮の満ち引きに合わせて穴の中の水位が変わるらしい)や、上りでは見落としていた遠くの眺望などを面白がりながら歩きました。本当はフル前日に上り下りはよろしくないのですが、2023年の長井マラソン前日に山寺で弾丸観光をした時に比べれば軽いもんです。
旅の思い出に。
思い切り割れています。
干満岩の穴は除きにくい位置にあります(右上)。
男塾のメンバーが支えるには最適の絵面です。
旅先ではロープウェイに乗っておけば間違いありません。
なかなか丁度いい感じのセンスを放つ顔嵌めパネルです。
厳島神社
再びのもみじ谷公園、鹿の襲撃(襲われていません)、歴史の息づく旅館などを経て、厳島神社へと向かいます。
ナチュラルに迫ってきます。
日本人でもこういう建物を見るとはしゃぎます。
どんなに並んでいてもここに入らずに帰るわけにはいかないと意を決して行ってみると、14:40頃には列は解消していました。干潮が近づいたことで神殿の方は見栄えがしなくなり、大鳥居の方に向かう人が増えたせいかもしれません。
ほぼ並ばずに入れました。満潮を取るか、干潮を取るか。
宝物館との共通券を買い求め、人生二度目の厳島神社を歩きます。この社殿は平清盛公の時代に現在の形になったとのことですが、本当によくこんな発想が生まれたものだな、今後こんなものを生み出せる人などいるまいと、毎度思います(鹿児島の仙厳園しかり)。
水害からも復興を遂げていました。
本殿、高舞台も、能舞台も、以前見た時のことと、その間のことを考えながら歩きました。
人気撮影スポットには長蛇の列が。
でも多分こっちを撮った方がよい気がします。
力作揃いの、というより熟練者の絵も沢山ありました。
能も本物を観なくてはなりません。ここでとまでは言いませんが。
反り橋もここまで角度をつけなくても。
出口の先には宝物館があります。こちらは撮影禁止なのですが、国宝の平家納経、金銀荘雲竜文銅製経箱などが展示されていて、金箔を施した経文や経箱の特長的な意匠・細工などを間近で見られます。厳島神社の扁額、複数の刀剣、舞楽の衣装に面、能装束など、見応えがありました。栄華物語には、藤原道長が紫式部にちょっかいを出す件があったと思います。
静かにじっくりと鑑賞できますのでおすすめです。
七五三のお詣りに来ている家族連れの方も多かったです。
この日の干潮時刻は15:49ということで、丁度よい頃合いになりました。見てみると潮も引き、大鳥居が足元の方まで姿を顕にしています。初めて見る景色です。絶好の機会ですので、あの下まで行くしかありません。
ついにその全貌が明らかに。
とはいえ辺りは水が流れていますので、慎重に進む必要があります。できるだけ水が少ない所を見極め、踵で歩いて水が染み込まないよう頑張ります。
そしてようやく大鳥居の真下に立つと、もうそれだけで単純に嬉しかったです。圧倒されるとか、神々しいとかもあるのですが、もっと単純に“実物を近くで見るとこんなに大きいのか”とか、“もうこの場に立てることもないかもしれない”とか、そんな感情が先に立ちました。その脚に触れながら思ったこともありますが、ここにこうして立つことができたのは、一生の思い出になります。
こんなに神秘的な場所に立てるとは、感じ入ります。
真下も真下。二度とできない経験です。
柱にはびっしりと。
あまりゆっくりしていると、足元が水に沈みます。
記念のクリアファイル、宮島限定カープハンカチを購入し、古くから観光客を集めてきたお店を見ながら、フェリーターミナルへと向かいました。
今の時代だからこそ写ルンですが熱いと聞きます。
カープファンの友人に渡しましょう。
一歩歩くごとに何か食べなくてはならないくらい、お店が多いです。
広島グルメ
朝食:あなごめしうえのさん
宮島へと渡る前に、まずはこちらにお邪魔しました。明治34年創業の老舗中の老舗です。10時開店ですのでいけるだろうと甘く見ていましたが、10時前で既に第一陣はスタートブロックに整列しており、私が名前を書いたのは二枚目の予約表でした(第2ウェーブからのスタートともいう)。土曜の観光地をなめてはいけません。
風格からして違います。
本を読んで時間をつぶしていると、一人だからか意外と早く回って来て、35分程で着席できました。迷うことなくあなごめし並を注文します。
第1ウェーブが去ったタイミングでした。
掛けられた札とその文字がまたいい感じです。
待っている時間すら楽しいものですが、丁度よいくらいのタイミングで、待望のあなごめしが登場しました。もう香りが違います。穴子の身もふっくらしていて、秘伝のたれも絶妙の相性、ご飯も生姜も全てがうまくて至福の時に浸っていました。
香りも見た目も醸し出す空気も、極上でした。
うなぎを食べると翌日速く走れるというデータ(※回答者数一名。分かる人向け)がありますが、穴子もここまでうまければそれ以上の力を授けてくれる気がしました。待ち時間はありましたが、待つ以上に得られるものがある名店です。
どんな夢でも叶いそうな気すらします。至福。
パン活・スイーツ活
- 海辺の手作りパン屋さん
宮島に渡るべく宮島港を目指していたところ、その姿を目にしたため吸い込まれてしまいました。
スルーという選択肢など存在しません。
定番のパンにお洒落なサンドイッチもあり、どれもおいしそうですが、あなごめしから間も空いていなかったため、デザートとして木苺のアップルパイを選びました。ほぼ果実というくらいふんだんにフルーツが使われていて、とてもおいしくいただきました。
食べ過ぎてしまうパターンです。どれも気になります。
嗚呼素晴らしき果実の恵みよ。
- ミヤトヨ本店さん
もみじ饅頭には多彩なバリエーションがあるのですが、「チーズ元祖」と銘打っていますので、気になります。温かくて少し甘い皮に包まれたチーズはよく合っていて、元祖の味わいに魅了されました。
元祖を巡る争いが生じたりしないのでしょうか。
- 紅葉堂さん
揚げもみじという言葉も、漂ってくるその香りも、行列も、“ここで食べないでどうする!”と圧をかけてきます。瀬戸内レモンと限定のレアチーズをいただきました。特に瀬戸内レモンはチーズケーキの味わいとカリっと揚げられたもみじ饅頭のコラボがよかったです。どちらも勢いよく食べてしまったのが惜しいです。また食べねば。
もっとゆっくり味わうべきでしたが、いかんせんおいしくて……。
- e's time cafe & ANDERSENさん(広島駅)
夕食後のデザートにとショコラショコララズベリー(誤記ではありません)をいただきました。金沢のエムザにもあるので、ちょっと食べたくなったのです。期待通りの甘酸っぱさとチョコの香りは、私好みでした。
駅の目立つ所にあるので、引力がすごいです。
夕食:お好み焼きみっちゃん総本店さん(ekie店)
昭和25年から、広島の復興と共に歩んできた老舗です。お好みソースに片栗粉を入れたり、そば入りお好み焼きを考案したりと、何かと元祖とされる工夫を編み出し、皆のお腹と心を満たして来られました。17:30前だったのでまだそこまで混んでおらず、食券もすぐに買えましたが、数分後には長蛇の列になっていました。やはり早い時間に来るのがよさそうです。
二代目による襲名がなされたそうです。
広島のお好み焼きは、初めて広島に来た時に食べて驚く程おいしかったのを覚えています。今回はその理由を確かめたいという思いもありました。選んだメニューは、かき・そば入りのお好み焼きです。
長年憧れてきた広島お好み焼きが目の前に。
久しぶりに食べ、この卵とソース、麺の組み合わせが特に素晴らしく、そこに豚肉とキャベツ、もやしが合わさることでうまみと満足感が更にランクアップするものだと感じました。今回はそこに贅沢にも牡蠣が加わりますので、もうこれ以上望むものはありません。生きているうちにまた食べられて、本当によかったです。
一体どういうことかというくらいの相性です。
牡蠣もいくつも入っていて、贅沢の極みでした。
お宿
駅チカのトラストホテルさんです。キャビンデラックスで4,500円。こういうタイプの宿も久しぶりですが、スペースも十分で言うことなしです。大浴場も清潔で快適です。
同じフロアの方にも恵まれ、夜も静かに眠ることができました。入口とトイレの双方に近かったのですが、耳栓を使えばそう気になりませんでした。近所に騒ぐ人さえいなければ快適なものです。
キャビンタイプも色々ですが、歴代でもかなり上位の環境でした。
レース当日
レース前
スタートが10:10、電車も8:39広島発でよいので、7時起床です。前日は23時台には消灯して7時間は眠れましたし、心拍数も普段通りでした。
宿泊料金が安いにもかかわらず何と豪華な朝食がついて来るので、今日はたっぷり食べて走ることにしました。塩サバにカレーという味と香りの強いものも恐れずに選択し、コーヒーゼリーとパンプリンまでデザートに付けました。おかずも種類が多い上に味もそれぞれの食材に合っており、満点+αです。
ここまで用意していただいた以上、食べるしかありません。
全力で走らない限りは、たっぷり食べても特に影響はないのです。
お腹も目覚めてくれてリスクも減らせ、暇なのでもう一っ風呂浴びておきました。部屋でテーピング、ソックス、主な着替えを終えて出発です。8:39広島発→9:04坂着の呉線で移動です。
色々な電車に乗るのもまた楽しみの一つです。
坂に到着後、ドラッグストアで2lの水を買っておきました。大会会場までは歩いて10分程。案内表示に従って真っすぐ行くのみですから、方向音痴の私でも迷いようがありません。
坂駅もすぐそこが山なので、何となく神戸を思います。
かわいいサイズの消防車さん。
会場はグラウンドにしても入口の看板の感じにしても、いかにも地方で長年続いているという雰囲気に充ちており、私的には大好物です。空気としては、鯖江つつじマラソンや野々市じょんからの里マラソンが近いかもしれません。
これこれ!この空気ですよ!伝わりますか?
受付は当日ですので、案内はがきを渡してナンバーカード、マフラータオル、プログラムを受け取ります。注目はゼッケン留めがいつもの金属ピンではなく、再利用可能なゼッケンホルダーだったことです。こういう取り組みはすごくいいと思います。
ウェアに穴も開かないので、皆嬉しいと思います。
大会は5kmの部がメイン、というと言い過ぎですが、応援の方も多く、にぎやかでした。10時前には沢山の出店も並び、パンや地元の名物も販売されていました。何となく“フルの後は売り切れ続出ではないか”という気がしたため、ここで坂うめじろうまんじゅうを買うと共に、坂うめじろう先生のお写真を撮影させていただきました。
多分この時間が一番盛り上がっています。
お店も思ったより多いです。この時間は。
坂うめじろう先生、ポーズも決めて下さりました。
うめじろうまんじゅうも楽しみです。
男子更衣室は多分ない(!)ので、走れる格好で来ることが必要です。終わった後どうなるのかは推して知るべしです(大きなタオルを持参しました)。荷物預かりもないので、富山マラソンの荷物預かり袋に入れてその辺に置いておきましたが、まあ誰も盗らんでしょう。
スタート前には(朝食をあれだけ食べたにもかかわらず)別所のかすていらの優しい味で金沢を思い、補給に苦戦することも考えてアミノ酸も飲んでおきました。補助グラウンドに集合し、そこから歩いて公道に出ます。
金沢の秘伝の味です。庶民向け。
参加人数が多くないので、全てに余裕があります。
スタートはゲートがあるわけではなく、言われたところがスタートラインというナチュラルテイストです。“まあまあ前の方に来たし、写真でも撮るか”とスマホに手をかけたところで、“位置について!”とスターターの方が物凄い気合で言葉を放ち、気圧されて撮影どころではありませんでした。“陸上関係の団体の役員さんかな”くらいに思っていましたが、後で聞くところによると何とあの岸田前首相だったとのことです。プログラムにもどこにも書いていないのですが、金沢マラソンに浜辺美波さんが来られる以上の衝撃でした。私の経験上、過去一番の大物でしたし、これからもこんな場に出くわすことはないでしょう。
【ちょっと真面目な話】
シューズ
フル12本目のマジックスピード初代さんです。これだけ走ってもアウトソールがまだかなり残っていて、クッションもへたっていないので、ロング走にはもってこいだろうと起用しました。
私のフルマラソンシューズご長寿ランキング独走中です。
装備
完全な曇天でしたので、ふくい桜マラソンTシャツにしました。暑ければアンダーアーマーノースリーブですが、今日の天気なら問題ないと判断しました。Tシャツを着るからには目立つ色でアピールしたいところです。オホーツク網走マラソンキャップも持って来ましたが、日差しもないので不要と考えました。
ミズノマルチポケットパンツ、ザムストハイソックス、ニューハレ踵二重はいつも通りです。Tシャツは擦れ易いので、ワセリンは多めに塗っておきます。
オホーツク網走マラソンTシャツも考えましたが、全身黒ずくめになるのでピンクで。
練習
富山マラソンの後は少々の疲労があったくらいで、概ね練習を普通に継続できました。金曜には閾値走が思ったよりきっちり走れましたし、翌週の火曜には閾値走も10kmで40分を切り、走力がついてきた手応えもありました。
みやすのんき先生の『サブスリー教室 驚異の「ケニア式」マラソン練習法』を読み、閾値走は速く走るよりも距離を伸ばした方がよさそうだと学んだため、練習を変えてみました。これからどれくらい速くなるか楽しみです。それにしても気温が下がると楽です。つい最近まで5kmで20分を超えてしまうことも度々ありましたが、ようやくマラソンシーズンになってきました。
月曜:スロージョグ11km
火曜:オフ
水曜:有酸素ジョグ47分(Zone1,2)、懸垂逆上がり、懸垂
木曜:有酸素ジョグ62分(Zone2,3)
金曜:閾値走7km(27:26, ソーティマジックLT2)
土曜:朝オフ(金沢検定中級。撃沈)、夜、有酸素ジョグ110分(Zone1)
日曜:有酸素ジョグ20km(休憩多し。チカモリ遺跡など)
月曜:有酸素ジョグ61分(Zone2,3)
火曜:閾値走10km(39:48, ソーティマジックLT2)
水曜:朝、有酸素ジョグ53分(10.2km), 懸垂逆上がり、懸垂、夜トレッドミル歩き45分(15%, 6km/h, 4.5km, 暑さ耐性)
木曜:有酸素ジョグ50分(10km)
金曜:有酸素ジョグ37分(5:55/km)
土曜:オフ
大甘なガーミンさん。
レース
序盤~前半
- 序盤
まずは体調を確認すると共にコースの楽しみを見つける時間です。会場前から走り出し、1kmも行かないうちに海沿いの道に出ます。ここで視界が開けた時の喜びはなかなかのものでしたので、その先の8回でも楽しみにしていました。“あれがひろしまベイブリッジか”と思いながら、下関海響マラソンや神戸マラソンのことも思い出していました。
思い描いていたシーサイドコースです。
この海沿いは穏やかな波の音も心地よく、視覚だけでなく聴覚からも癒しがもたらされます。やっぱり走ったことのない道を走るのは、それ自体が大きな喜びです。応援も数こそ多くないものの、ずっと見守って下さっていますので、頑張ろうという気持ちになります。
優しい潮風を感じながら走れます。
橋の下を潜り走っていくと、右手に復路の給水所が見えてきます。その先を少し行っただけで折り返しですから近いものです。折り返しの回数は多くなりますが、一本当たりの距離も短いため、そこまで辛くなさそうだと分かります。
この先の周回でも励みになりました。
折り返し地点でも待っていて下さる方がいます。
エイドはテーブルが長いわけではなく、特に後半になって来ると止まっている方も多い(周回コースあるある)ため、取れてコップ一つ、タイミングが合わなければパスという具合でした。バナナやレモンもあるのですが、人をかわして取るには少々難しかったため、今日は最後まで水分のみで乗り切ることにしました。本番の別大と同じです。
復路は左手に海が見え、またしてもいい気持ちです。
1周で4.5km、9周して最後は短い距離で折り返して、10回マットを通過すると終われるという仕組みです。周回が分からなくならないように、輪ゴムを毎回一つずつ捨てるという方式も準備されていました。でも外そうとしてうまく外せないと焦りそうです。
会場の近くに帰ってきました。
これで一周、4.5kmです。この少し前にもう一か所の給水があります。
ちなみにガーミンさんの高度計は苦手な周回コースだからかギザギザしていますが、こんなに上ることはありません。平坦な坂の道と思っていただいてまず間違いはないはずです。
流石にこれはないでしょう。
最初数キロは4分50秒台だったので、“今日は3時間30分近くなるかな。流石にほぼ最後尾からスタートした篠山マラソンより遅いのはちょっとな”と思いつつも、流れに任せることにします。その後は徐々に上がり、7kmで33分40秒くらいだったと思います。
復路へと折り返すと、割とすぐに給水が見えます。
- 前半
周回の往復コースですので、何度も同じランナーさんとすれ違います。当然ながら地元の方が多いので、お互いに声をかけあったりする場面もよく見られました。周回かつ往復だと、こうして何度も会えるのがいいなと思いました。
そして周回コースであること自体が、後々効いてきます。ふくい桜マラソンTシャツで目立とうとしたのが功を奏し、確か一周目で“ピンクマン”と命名していただき、その後も会う度に声をかけてくれる若者がおられました。後半脚が攣ったランナーのために彼がダッシュで水を取りに行ったりする姿を見ましたし、ずっとぐるぐる回っているからこその経験もできました。
風はそよ風くらいで、基本的に往路が追い風、復路が向かい風だったと思います。心地よいくらいの強さで、曇りで暑くなかったことと重なって快適でした。14kmで1時間6分台くらいだったはずです。
中盤
- 中盤①
4周目に入っても、日が急に照り始めることもありませんので、景色は変わりません。スタートが10:10で既に十分明るく、それ以上変わりようもないので、淡々と走ります。キロ4分40秒を少し切るくらいが多かったようです。
これくらいの時間になると、ハーフの方と周回差がつき、走路がそこまで広くない分、少しカーブしている箇所では走りにくかったり、給水に苦戦したりする場面も出てきます。それでも、参加されている方は全体的に穏やかで、無理な割込みもなく譲り合い、紙コップや給水のマナーもかなりよかったと思います。大型大会で時折見られる殺伐とした空気がなく、大変のびのびとした気持ちで走ることができました。
中間点で“このペースで行けば3時間19分か”と考えていましたので、多分1時間39分30秒くらいだったのでしょう。この辺りでも心拍数は150bpm付近で安定していました。
- 中盤②
淡々と走っている時間は、移動中に読んだ宮本輝『泥の河』の中で、晋平が息子に語り掛けた“人はあっという間に死ぬ”“すかみたいな死に方”といった言葉が浮かんでいました。自分もこうして走っていても、いつか必ず、全く予想外にふっと終わってしまうのだと。自分に何らかの物語を見出そうとどんなに願っても、結局はそういうものなのだろうと。
そんな心境でぼんやりしていたこともあり、写真はいきなり25km地点まで飛びます。前に7km手前くらいで撮影して以来、1時間23分程淡々と走っていたことになり、自分でも驚きます。折角ですので、給水所の写真も残しておきます。コップを並べる手際もかなりよく、狙った時には必ず取り易い場所に置いていただいていました。感謝です。
旅ランナーにしては写真が少ないですがご容赦を。
水とスポドリ、飴があります。会場近くのエイドではバナナとレモンも。
注目の心拍数は26kmくらいから155bpmを超えるようになり、2時間を経過してカーディアック・ドリフトが始まったようです。ここからは同じくらいのペースで走るだけで、心肺にも程よい刺激が入るお得な時間です。脚の疲労耐性も強化できますので、今後どれだけ走力が伸びるだろうかとワクワクしながら走っていました。
6周時点で27kmですので、残すはたったの三周です。28kmは考え事をしていたのか、時計を見るのを忘れました。速い方には普通に周回差をつけられながら、完全に自分のペースで進みます。
後半~終盤
- 後半
7周目に入っても特に身体に変化が起きるわけでもなく走って折り返し、給水を取って進みます。30km地点の通過も2時間19分台で、無理のないペースです。
親亀の上に子亀が乗っているかのような30km, 3km看板です。
走っていると、自転車で移動する弁当運搬係の子の姿や、監視員の方が牡蠣雑炊をおいしそうに食べておられる様子も見られて、和やかな大会の空気もよいものだと実感します。周回コースだと警備や誘導の方の人数も少なくて済む反面、応援されている方は帰るに帰れず、長時間参加することになるだろうから大変だと思います。ありがたさが身に染みます。
主観的には特に変わらないのですが、心拍数は上がるもので、8周目に入り32kmを過ぎてからは160台に乗っています。段々と鍛錬ポイントが貯まっていくのが嬉しいですね。とはいえ流石に“端まで行くのも後2回か”と、終わりも待ち遠しくなってきます。
35kmで2時間42分台。残りの距離を32分台で行けるかどうかくらいかなと考えていました。
写真だけ見ても距離は分かりませんが、確かに35km過ぎです。
- 終盤
9周目に入ってからは、“今日一日お世話になったコースを撮っておこう”と名残惜しい思いを抱きながら、往路を行きました。折り返し地点でも長時間応援していただけて嬉しかったです。給水の先にはピンクマンの名付け親もおられましたので、“一日ありがとうございました”と笑顔でお応えできました。
最後はやはり名残惜しいものです。かと言ってあと5周とかは無理です。
ここまで来ると終わった気分になりますが、まだあります。
元気な応援、ありがとうございました。
遠くに見えますが、走ってみると片道は短いものです。
この海沿いの静かな道もあと少しで見納めです。牡蠣の港を過ぎると、いよいよ40kmが近づいてきます。心拍数は160台前半でしんどくもなく、脚がつる気配もないので、最後くらいは上げることにします。
少し空が顔を覗かせて、それまでとは違う景色に感じられました。
距離表示を信じたいところですが、ここに至るまでにGPSより数十秒短くなっていたにもかかわらず、最終的にはGPSは42.26kmになっていたことから、実際は2.195km以上あったと思います(40kmの表示から10分以上かかっています)。直線を爆走できることもなく、勢いがつき始めた頃に折り返しという展開ですので、スピードが上がらない割には苦しく感じました。
意外と上がらず、長く感じます。
それでも何とか最終折り返しの撮影に成功してラストに向かう道では、フルで私以外に唯一ふくい桜マラソンTシャツを着ていた男性から応援の声もいただき、嬉しかったです。最後くらいは笑顔でいくぞと気持ちを切り替え、給水もパスして競技場に入ります。
同じTシャツを着ていてよかったなと感謝しました。
このマットを踏むのも10回目です。不足すると失格という表示があります。
トラックに入ってから長く感じるのは何度も経験済みですので、“あんまり速くないけど、最後に上げると経験値がでかい”と言い聞かせながら、落ち過ぎないようにします。ラスト200mでどうにか3時間15分は切れそうと分かり、最後は、“この白い大きなゲートを潜らせていただくのも滅多にできない貴重な経験だよな”と思いながら一枚を収め、笑顔でフィニッシュテープを切らせていただきました。
入口の芝も、赤いトラックも、ラストに相応しい演出です。
ついに広島のフルを走れたという喜びは大きかったです。ありがとうございます。
アフター
会場
いつも通り自分でチップを外し、笑顔でお礼をお伝えします。フィニッシュ後に笑顔で“楽しかったです!”と言える瞬間が大好きなのです。“神戸マラソンを蹴ってまで坂町に来ました!”と言うと喜んでいただけました。
ゼリー、ドリンクとアクエリアスをいただき、即時発行の完走賞競技場の外に出ます。プロテイン、プロテインバー、アミノ酸、ビタミンCを摂取し、リカバリーに入ります。
宿に冷蔵庫がなく、チチヤスのご当地牛乳を逃したのだけが心残りです。
マジックスピード初代さんは、まだいけるんじゃないかというくらい安定していましたし、アウトソールも大きく削れてはいません。むしろ先にアッパーがやられるのではないかという気配があります。今後どこまでどのように使うかは、迷いどころです。今日もありがとうございました。
トラックの色が移っているのも珍しくていいですね。
ピンクマンの衣装と共に。
この時点で既にテントの撤収はかなり進んでおり、“もしや牡蠣雑炊も完売では”という恐怖に襲われ、着替えも終わっていないのに速足でテントに駆け寄ります。小心者の心配は杞憂に終わり、無事に牡蠣のあのうまみの詰まった塩味とご飯が揃った幸せの一杯を全身で楽しみました。
手を合わせて、更に拝んでからいただきます。
ぷりっとした牡蠣は坂の名産です。
そして今回いいなと思ったのは、カップのリサイクルで、内側のフィルムをはがして容器はまた使えるという仕組みになっていました。ちょっとしたことでも積み重ねていくのが大事です。
一人の力は小さくとも継続し、広げていくことが大事です。
もうお店もないよなあと思いつつ、牡蠣雑炊の隣のテントに行くと、まだコーヒーはいただけるということで注文しました。驚いたことにめっちゃご親切なお母さま方が三人がかりでコーヒーを用意して下さり、わざわざミルクまで入れて下さるという過剰接待ぶりに恐縮します。傍におられたおじさまとも、ついに広島の大会に出られた喜びをお伝えしたりと、係の皆様は優しかったです。
フルの開始が遅い分、撤収までにフィニッシュできなくても仕方ありません。
おまけまでいただいてしまいました。
お楽しみ抽選会は、フル以外の部とフルの部があり、チャンスは与えられているのですが、如何せんまだフィニッシュしていない人の方が多いので、抽選するも当選者不在という事態が重なり、それもまた可笑しかったです。私のナンバーが呼ばれた気がしたのですが、名前が違ったので、別の方だったのかもしれません。まあそれも含めてのんびりとした時間でとてもよかったです。
スタンドからも応援でき、山をバックにぽつぽつと走って来られる方の姿と、静かな町の大会を眺めながら、改めて自分はこういう地方の大会と空気が好きだなと感じていました。
スタンドでお弁当を食べている方もおられ、のんびりした空気です。
一つ一つがとても味のある、よいものでした。
私、こういうフィニッシュシーンが大好きなんです。
駅の近くでは、第26回坂町・川本町特産品フェアが開催されており、こちらで鈴木水産さんの牡蠣ピザをいただきました。チーズと牡蠣ですからうまくないはずがありません。会場では大量に食べられなくとも、帰り道にイベント会場があるのはありがたいことです。マラソン完走も労っていただき、また来たくなりました。
実は朝から目を付けていました。
ここでまた牡蠣がいただけるとは、嬉しかったです。そしてまたうまい。
広島市内
呉に行くプランも練りましたが、終了時間も遅く余裕がないことから、広島市内に行くのがベストと考えて予定を組みました(そもそも前日の宮島で大幅に予定を超過しましたが)。電車は14:57坂発→15:18広島着です。まずはシェアサイクルで街中を巡り、パン活から始めます。
金沢や福井、小松などと同じタイプのものです。
パン活
- ALOFTさん
外から見て明らかによさげだったので入店しました。お洒落な様子の割に意外とお求めやすい価格帯のパンもあり、リピーターにも優しいです。
間違いなくうまいですし、目移りするラインナップです。
フロマージュはチーズがたっぷりどっさり、チーズ好きにはたまりません。チョコくるみはパフも入っていてザクザク感も楽しめます。
どれを買っても間違いなさそうです。しかし種類が多くて迷います。
- Notte Biancaさん
人気店のようなのでチェックしていました。こちらも見るからにおいしそうなパンが並んでいます。
やはり迷いに迷う充実の品揃えです。明太子フランスが人気だとか。
厚切りベーコンのグラタンクロワッサンは、ベーコンのうまみもクロワッサン生地もリッチな味わいで素晴らしいです。ノアレザンカンパーニュは好きなので、どこに行っても買ってしまいますが、こちらもフルーツたっぷりで生地ともよくなじんでいました。
全国のパン屋さんを巡れる幸せ者です。
広島の歴史
街中を自転車で走っていても、この川沿いに多くの方が水を求めて集まり、また命を落としたのか、この垂れ柳は何とか焼き尽くされずに耐えたのか、といったことを感じずにはいられません。
当時のことを思わずにはいられません。
平和大通りには、広島市医師会原爆殉職碑の祈りの手、広島市立高女原爆慰霊碑など、言葉にできないくらい悲惨な歴史の跡が残されています。
あまりに多くの方が命を落としました。
E=mc2と書かれています。
この川も。
原爆ドームも、こんなことは書きたくもありませんし直視したくもないのですが、その瞬間にはここにおられた方全員が即死しているのです。もう何も言えません。
一度この前に立ってください。
絶対に犯してはいけない過ちがありました。
原爆の子の像も、こうなることは分かっていながら、原爆を人に対して用いる人間の恐ろしさと愚かさにどうかなりそうでした。
この苦しい気持ちは忘れずに。
広島平和記念資料館では、身も縮こまり展示に声も漏れるばかりでした。一つ一つの言葉が重くのしかかり、三輪車も弁当箱も銀行の前の人の跡も、以前見た時と同じ姿で、時が止まったままにそこに存在しました。暗いので、泣いてもいいのです。人間はどんなに酷いこともするのです。しかし、二度とこんな恐ろしいことを繰り返してはならないと、少なくとも今日ここに来られた方は思ったはずです。
現実は、知らなくては、伝えなくてはなりません。
見たくない現実ですが、直視しなくてはなりません。ここには必ず来るべきですし、辛いですが、来た意味は大きかったです。
二度と起こしてはなりません。絶対に。
気付くとすっかり暗くなり、時間もギリギリになっていましたので、急いで宿に預けた荷物をピックアップし、ダッシュで駅に戻ってお土産のもみじ饅頭を買い、新幹線に乗り込みました。帰宅後、荷物の整理や洗濯を済ませ、長い一日を締め括りました。
結局定番のお土産になりました。
最後に
前々から出てみたかった広島ベイマラソン大会は、期待以上に私好みの大会で、是非この路線で多くのランナーを惹きつけてほしいなと思いました。都会の刺激的な大会もよいですが、こうした静かな道を心穏やかに走り、優しい地元の方と交流できるのが、マラソン大会の大きな魅力だと思っています。
広島は、宮島観光を楽しむこともできれば戦争の悲しい現実と復興の力を知ることもでき、複雑な思いになることもあります。それでも今ここに自分達が生きていられることに感謝し、過ちは二度と繰り返してはならないと決意を新たにできる場所だと思います。
こうして素敵なマラソン大会に参加させていただくと共に、自分の中でもまた一つ大きな記憶が生まれた広島への旅でした。応援して下さった坂町の皆様には、重ねてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。