「嗜好品(しこうひん)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
読み方:しこうひん
「嗜好品」とは、味や風味を楽しむために個人が好んで摂取する製品のことを意味する表現。
「嗜好品」の基本的な意味
嗜好品とは、栄養を目的とせずにただ、味や風味を楽しむために摂取する食べ物や飲み物のことである。代表的なのはお菓子やコーヒー、紅茶や酒などで、これらは摂取しなくても何ら人体に影響はない。むしろ、栄養学的には摂りすぎると体に悪影響を及ぼすこともある製品で、味や摂取した時のリラックス感、高揚感などを求めて個人が好んで求めるものである。また、香辛料も嗜好品であり食べ物以外にはタバコなどの喫煙物も嗜好品の一つとされていて、それらに含まれている独特な味やカフェイン、アルコールや刺激物、ニコチンなどは中毒性もあり個人の意思のコントロール力が問われる製品でもある。
趣味で口にするもので贅沢品と定義されるものでもあり、なくても困らない製品ではあるが、摂取することによって幸福感や充足感が得られるため、結果的にはストレスの解消にも繋がるのでなくなるのは困る、という人も一定数は存在する。そのかわり、酒やタバコには他の製品よりも多くの税金がかけられていて、理由としては、お菓子や酒以外の飲み物は子供が摂取する機会も多いが、酒やタバコは20歳を過ぎた成人に限られているため使用者には税の負担を担う力があること、消費量が多いので税収に期待ができることなどが挙げられる。なお、単純に国民の健康を害さないように、との理由もある。
「嗜好品」の発音・読み方
嗜好品の読み方は「しこうひん」である。読む際の発音に音の高低差はなく、同じ高さの音で読む言葉だ。
「嗜好品」の語源・由来
1912年に刊行した雑誌「太陽」に掲載された森鴎外の短編小説「藤棚」に嗜好品という言葉を使った文章が書かれていて、これが嗜好品の語源とされている。なお、作品には、人生には嗜好品は必要なものだが毒となるものも存在する、などの内容の文章が描かれている。
「嗜好品」の使い方・例文
嗜好品は、好んで摂取している人に対してはポジティブな言葉となるが、否定的な人に対してはネガティブな印象を与える言葉となる。そのため例文には、「嗜好品を楽しんでいる時間はとても贅沢だね」や「嗜好品は節度さえ守ればそんなに体に悪くはないよ」、「嗜好品はもっと増税すべきだなんて、お菓子も嗜好品なのを分かって言ってるの?」や「これらの嗜好品は海外で集めた自慢のコレクションだ」などが挙げられる。
また、「嗜好品をたしなむなんてかっこつけてないで節酒をしてちょうだい」や「子供の前で嗜好品を楽しむのは止めてください」、「嗜好品は摂りすぎるとあなたの体に良くないわ」や「嗜好品を買うお金があるなら子供のおもちゃでも買ってあげてよ」なども例文となる。
「嗜好品」の英訳
嗜好品は日本特有の意味合いを持つ言葉で、英訳にするのは難しいとされる。そのため、「articles of taste(味わうための商品)」や「pleasure products(楽しむための生産品)」、「discretionary item(任意のアイテム)」などと英訳することはできるが日本語の嗜好品の意味を深く伝えることはできない。また、「luxury goods」や「luxury food」、「luxury item」など豪華や贅沢を意味する「luxury」を使用した言葉で英訳することもあるが、国や地域によって贅沢なものは異なり基準も違うため嗜好品として完全に伝えることは難しい。
そのため「Coffee is articles of taste.(コーヒーは嗜好品です)」や「Cigarettes are taxd as pleasure products.(タバコは嗜好品として税金がかけられています)」、「Tea is a discretionary item,but it's a favorite food.(紅茶は嗜好品だけど好物なの)」などと英文にすることはできるが、本意を伝えるには完璧ではない。しかし、伝える人の国や環境を把握した上で使用するには、贅沢なものとして「luxury goods」や「luxury food」、「luxury item」を使うと意味は通じる。例えば「DO you like coffee and other luxury goods?(コーヒーなどの嗜好品は好きかしら?)」や「It's a luxury food ,but I eat chocolate.(嗜好品だけど私はチョコレートを食べる)」、「You like alcohol as a luxury item.(君は嗜好品としてお酒が好きだね)」などである。