読み方:みどり《元来、新芽の意で、そこから色名に転じたといわれる》 色の名のこと。Weblio国語辞典では「緑」の意味や使い方、用例、類似表現などを解説しています。">

「緑(みどり)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

」のその他の用法については「みどり」をご覧ください。

緑色の

みどり

16進表記 #008000
RGB (0, 128, 0)
CMYK (50, 0, 50, 0)
HSV (120°, 50%, 100%)
マンセル値 2.5G 6.5/10
出典 HTML/CSS[1]

(みどり、)またはグリーン[2]。(英語: green)は、可視光スペクトル色黄色青緑の間にある。500-570 nm の波長がおよそ緑の色相である。植物のような色。緑色(リョクショク、みどりいろ)は同義語

緑は、光の三原色の一つである。RGBカラーモデルでは原色であり、CMYKカラーモデルではシアンイエローの混色によってつくられる。緑はエヴァルト・ヘリングが提唱した反対色説におけるユニーク色相のひとつでもあり、心理四原色(・緑・)のひとつでもある。なお、緑は赤の補色であるとされる。

緑は(緑色の、特に新緑のころの)、新・若葉、植物一般、転じて森林自然などを指す語としても用いられる。

また、緑は寒暖のどちらにも感じられる色であり、中性色に分類される。

緑という色名

グリーンgreen

16進表記 #00B16B
RGB (0, 177, 107)
CMYK (82, 0, 80, 0)
HSV (156°, 100%, 69%)
マンセル値 2.5G 5.5/10
表示されている色は一例です

(みどり)

| | | | | --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | ------- | | 16進表記 | #00793D | | | | |

緑に相当する色はかなり広範に及ぶ色の総称であるが、それぞれの色には多く「柳色」や「モスグリーン」などの固有の色名が付いている。より黄色に近い色は黄緑として、より青に近い色は青緑として総称されることも多い。英語グリーン (green) をはじめ欧米人が感じる対応する色名は、日本人にとっての緑よりも明るく鮮やかな色である傾向がある。緑はまた漢字でとも表記されるが、この場合やや青みの強い色を表すことが多く、比較的藍緑色に近い色合いである。翠は本来、カワセミの羽根の色を指す名前である。詩的な、あるいは文語的な表現として、の深く青い色や艶やかな黒髪の色を表すのに「緑」を使うことがある。

語源

「みどり」という語が登場するのは平安時代になってからであるが、これは本来「瑞々しさ」を表す意味[3](現在でも[_いつ?_]「みどりの黒髪」「嬰児(みどりご)」などの用法が残っている)であったらしい。それが転じて新芽の色を示すようになったと言われる[_誰によって?_]。英語のグリーンも「」 (grass) や「育つ」 (grow) と語源を同じくすると言われ[_誰によって?_]、いずれにしても新鮮さのイメージを喚起する色である。

光源色としての緑

green (webcolor)
16進表記
lime (webcolor)
16進表記

(green) は光の三原色のひとつである。ウェブブラウザ等で green と名前で指定もできるが、その色はRGB#008000 であり純色ではない[1]。純色(原色)の緑の名前は lime で、そちらであれば #00FF00 となる[1]。具体的には「明るい緑」に近い色として感じられる色が表示される。

緑の光源は、色合いとしては日常的に目にする緑色よりも明るく鮮やかに感じられる。

JIS規格としての緑

JIS慣用色名
マンセル値
グリーンJIS慣用色名
マンセル値

日本産業規格 (JIS) の規格では、緑およびグリーンがそれぞれ定義されている。この両者の色は、微妙に異なる色として定義されている。

色彩科学における緑

国際照明委員会 (CIE) はCIE1931RGB表色系において、546.1 nm の波長の単色光を緑 (G) の原刺激と定めた。ただし、原刺激の種類は等色実験において研究者が自由に定めることができるものであり、必ずしも人々がもっとも赤、緑、青に感じる色光を選択してはいない点に注意が必要である。G(緑)の原刺激 546.1 nmとB(青)の原刺激 435.8 nm は、1931年当時すでに普及していた水銀灯の出す2波長であり、分離して入手しやすい明るい光であるという理由で選択されたにすぎない[4]

緑の色料

天然に大量に存在する緑色は葉緑素で、化学的にはポルフィリン構造(ポルフィリン環)と呼ばれる特殊な有機構造を持つ分子の中心に金属元素(マグネシウム)を配位している。よく似た構造の鮮明な緑色顔料としてはフタロシアニングリーンがある。着色材料用途のポルフィリン系以外のピロール系化合物としてはジケトピロロピロールがあり、橙色からにかけての重要な顔料である。

古くから顔料として使われたのは孔雀石の粉末で、銅の錆(緑青)と同じく塩基性炭酸銅を主成分とする。無機顔料では有害性の低いビリジアン酸化クロム酸化クロム緑)がよく使われる。ピーコックと呼ばれるセラミック顔料も緑色無機顔料である。

緑色無機顔料

緑土

緑土は海緑石と灰緑石からなる。これら鉱物は水酸化鉄水酸化マグネシウム、硅酸アルミニウム[_要検証 – ノート_]、カリウムなどからなる。硅酸錯塩[_要検証 – ノート_]と同様緑土の組成は様々である。色合いは鈍い黄緑色から淡緑灰色のものまで様々ある。このように発色する原因は2価の鉄(第一鉄)にあるが、大半の鉄は3価の鉄(第二鉄)として存在している。緑土は透明性が高く、着色力は強くない。イタリアの画家が好んでテンペラにおいて下層に用いた。太古よりヨーロッパで使用されてきた顔料で、比較的広範囲において産出するが、良質の顔料用途になるものの産地は限られる。

銅系緑色顔料

岩緑青 Mountain Green

岩緑青・マウンテン グリーンはマラカイト (Malachite)、つまり天然の塩基性炭酸銅で、組成式は Cu2(CO3)(OH)2 で、世界中に産する孔雀石の粉末である。最も古くから知られた鮮明な緑色顔料であると考えられている。今日では使用頻度は高くないが、日本画ではいまだ重要な位置にある。岩緑青の古名は青丹(物理的に青色と丹色の物質を混合すると緑青色になるが、そういう意味ではない)。

ベルデグリ Verdigris

ベルデグリは二塩基性酢酸銅である。酢酸臭を伴う緑青色の粉末である。中心製造地は、かつてフランス南部のモンペリエ周辺にあった。銅系顔料の内では反応性が高く、水に一部溶解し、酸には溶解する。加熱すると分解してCuO酸化銅が残る。硫黄を含む顔料と反応すると黒変する。アントワーヌ・ヴァトーは硫黄系顔料であるウルトラマリンと混合して用いたようであるが、色合いを鮮明なまま残しているというように、この理屈に反する事例も知られている。D.V.トンプソン[_要曖昧さ回避_]はイタリア初期風景画において愛用された顔料であるが黒変した事例が数多いとしている。ファンエイクグリーン (Van Eyck Green) と強い関係がある。場合によっては炭酸銅黄銅青銅から出来る青若しくは緑の錆を指す。Colour Index Generic Name, Pigment Green 20。

ファンエイクグリーン Van Eyck Green

ヤン・ファン・エイクによる緑の解釈(アルノルフィーニ夫妻像、1434年)

13世紀から14世紀末にかけて、装飾写本にしばしば見受けられる特徴的な緑がある。それは、油を含んでいるような外観を呈し、顕微鏡で観察しても銅塩の結晶は見えないが、銅を含んでいる。断面や脆弱性から、バインダーが樹脂質であると判断される。希塩酸には溶解する。これを研究したA.P.ローリーはこれをファン エイク グリーンと呼んだ。ファン エイクの作品の多くで使用されている。テオドール・ド・マイエルヌの文献がこれを記述した最古のものとして知られる。銅塩と純粋なバルサムとで絵具を作ると青緑色になるので、これより黄味の、暖かみのある緑は、ケルシトロンレーキ、サフランガンボージ英語版)などを添加することによって顕色したとの説をローリーは提出している。この色は、樹脂系バインダーの保護力が高いために保存状態の良いものが多い。

シェーレ緑 Sheele's Green

シェーレ緑は酸性亜ヒ酸銅で、組成式は CuHAsO3 で、1778年カール・ヴィルヘルム・シェーレが初めて合成した、合成緑色顔料の嚆矢である。品質はそれ程高くなかったので、これに続くエメラルド緑に直ちに取って代わられる。硫黄や硫化物、鉛に触れると黒変し、酸では分解する。黄緑色を呈するがすぐさま褪色現象が現れる。毒性は極めて高い。18世紀から19世紀初頭には絵画にも使用されたとされている。Colour Index Generic Name, Pigment Green 22。

エメラルド緑 Emerald Green

エメラルド緑はアセト亜ヒ酸銅で、組成式は Cu(C2H3O2)3⋅Cu(AsO2)2 で、1814年にドイツシュヴァインフルトで初めて合成された。かなり鮮明な緑色無機顔料で、亜鉛緑ともコバルトクロム緑とも全く異なる。硫黄を含む空気や物質で黒変する。や温アルカリで分解される。毒性が高いことから、パリグリーンと呼ばれ殺虫剤に使用された。油性の媒材 (Binder) で用いた場合の耐久性は高い。絵画における使用例は少なく、ド ヴェルトの報告では1例のみである。中国の古銅器の緑青のイミテーションとしての使用がある。Colour Index Generic Name, Pigment Green 21。

コバルト系緑色顔料

亜鉛緑/コバルト緑 Zinc Green / Cobalt Green

亜鉛緑・コバルト緑は亜鉛コバルトの酸化物固溶体。1780年にドイツ人のリンマンによって発見された。A.P.ローリーによれば、最初に文献に登場するのは1835年である。コバルトの亜鉛に対する比率は僅かであり、コバルトと亜鉛の比率を多少変えても色合いは殆ど変化しない。耐光性が高く、濃酸には侵されるがアルカリには侵されない。加えて、かなりの高温でも影響を受けない。しかしながら、不透明な無機顔料としては透明性が高く、彩度もそれほど高くないのに高価であるため、美術家には喜ばれていない。マグネシウムを添加したものは暗緑色であり、そうでないものは淡い青緑色になる。Colour Index Generic Name, Pigment Green 19。

チタンコバルト緑 Cobalt Titanate Green

チタンとコバルトの酸化物固溶体。亜鉛やニッケルが加えられて製品化されたものも多く流通している。Colour Index Generic Name, Pigment Green 50。

コバルトクロム緑 Cobalt Chromium Green

コバルトとクロムアルミニウムの酸化物固溶体。堅牢性は極めて高く、絵画技法をはじめ、耐熱性を要求される分野、例えば窯業に至る広い用途を持っている。Colour Index Generic Name, Pigment Green 26。類縁の顔料にコバルトクロム青がある。これはクロム含有量が少ないコバルトクロム緑である。

クロム系緑色顔料

酸化クロム緑 Chromium Oxide Green

酸化クロム緑は酸化クロムで、組成式は Cr2O3。最も安定した緑色顔料である。不透明で、硬度が高い。ヴォークランは1809年に陶器釉薬への使用を提出している。美術家用絵具に採用されたのは1862年頃である。Colour Index Generic Name, Pigment Green 17。Chromium Oxide Green Brilliant は後述の含水酸化クロムを指す。

ビリジアン Viridian

ビリジアンは含水酸化クロムで、組成式は Cr2O3⋅2H2O で表す場合がある。含水量は約40%。ヨーロッパで製造されている伝統的なやや不透明で明るいエメラルドグリーンを呈するもの、これより不透明だが不鮮明なもの、透明性が高く色感に乏しいものなど、様々ある。1838年にフランス人のパンヌティエが発見したが、1859年にギネーが特許を公告させ普及した。このため、ギネーの緑とも呼ばれる。鮮明な青味のある緑を呈する、耐光性の高い顔料である。Colour Index Generic Name, Pigment Green 18。

緑色有機顔料

レーキ顔料でない純然たる有機顔料で、緑色のものの種類はそれほど豊富ではない。フタロシアニンの普及に伴い、緑色顔料の生産は大きく変化したと言える。

フタロシアニン

フタロシアニングリーンG

葉緑素に似た化学構造を持つフタロシアニンは1933年、ICI(インペリアル ケミカル インダストリーズ)社のリンステッドたちがフタロシアニンと命名、1935年に工業化され、モナストラルブルーの名で商品顔料になった。アメリカでは、1936年に別の名で取引が始まる。鮮明で着色力が非常に強く、プロシア青の倍程の着色力がある。フタロシアニン緑はフタロシアニン青に続いて開発され、塩素化銅フタロシアニンは1838年に商品化された。Colour Index Generic Name には Pigment Green 7、臭素化塩素化フタロシアニンの Pigment Green 36、臭素化塩素化亜鉛フタロシアニンの Pigment Green 58 が記載されている。液晶テレビを含む液晶ディスプレイカラーフィルタの緑には、構成要素として Pigment Green 36 が使われている。

緑のほかに、緑青・ターコイズを呈する無金属フタロシアニン、鮮明な緑気味の青であるフタロシアニン青がある。いずれも化学的に安定な構造で、比較的安価に大量生産されている。

ペリレン

ペリレンテトラカルボン酸二無水物
Pigment Red 224

ペリレン顔料は、ペリレンテトラカルボン酸二無水物(英語版)の六員環を構成している酸素原子2個を脱落させた構造を有する顔料である。赤から紫、そして、緑(但し黒い緑)といった幅広い色相を持つ顔料グループであり、一般に着色力、堅牢性に優れる。緑色のペリレン顔料である Pigment Black 31 は、緑味を呈する黒色顔料であるが、色相は濃度バインダーなどの条件により相違する。

緑色染料および緑色レーキ顔料

緑色の染料およびレーキ顔料についてはここで述べる。顔料の世界では、アゾメチン前駆体、特にイミンを構造中に有する顔料をアゾメチン顔料と称する。

クロウメモドキ科の熟成した液果から抽出することが可能な緑色成分があり、これが本来の「サップグリーン」である。サップグリーンは、今日では専ら名称として残る。色素としてラムネチンエモジンを含んでいる。

アントラキノン

エモジン

アントラキノン

前述のように、クロウメモドキ科の熟成した液果から抽出可能な成分のエモジンは、アントラキノン染料に数えられる。

フラボン

ラムネチン

フラボン

前述のように、クロウメモドキ科の熟成した液果から抽出可能な成分のラムネチンは、フラボン染料に数えられる。

アゾメチン

ナフトールグリーン

アゾメチン系の緑色顔料としては、緑色のニトロソ染料のナフトールグリーンBのレーキ顔料 (Pigment Green 8) がある。印象的な深い緑を呈する。堅牢であるが、耐水性にやや劣るところがある。

マラカイトグリーン

マラカイトグリーンは、カルボニウム系の塩基性染料である。このレーキは、安価な水性絵具などにも用いられる。

複合による緑色

現在使われている緑は、黄と青の物質を混合したものや併用したもの、黄と青緑の物質を混合したものや併用したものが多い。例としてカドミウム黄とウルトラマリンブルー、フタロシアニン緑、若しくはビリジアンの混合物であるカドミウムグリーン、かつて代表的だった例として黄鉛紺青の混合物であるクロムグリーンがある。

これらは顔料を混合しただけのものを用いるものあれば、共沈顔料と呼ばれる、複数の顔料を組み合わせた顔料を用いる場合もある。

緑に関する事項

緑をさす「青」

青信号

青野菜の一例(ほうれん草

古代日本語の固有の色名は、アカクロシロアヲの四語のみだったとの説が存在する[3]。緑が色名として明確に扱われてこなかったため、現在緑色と言われる色そのものは日本語では「青」によって表現されてきた。例えば、

少なくとも過去において緑色と青色を明確に切り分けなかった言語は日本語に限らず非常に多く、東アジア漢字文化圏東南アジアインドアフリカマヤ語などの中南米の言語にみられる。緑色 (green) と青色 (blue) とを分節しない語彙を表すため、しばしば言語学者はグルー (grue) という語を使用しており、こうした言語はグルー言語とも呼ばれる。さらに、このような言語では黒色とも区別されず、いわば「暗い色」として表されることがあり、これは特に赤道直下の言語に多い[6]

言語ごとの色の分節の食い違いは、最も一般的には色の分け方に物理学的な根拠がなく、ソシュール言語学が主張するように最終的にはそれが文化によって分節されていることによる[7]。しかし、グルー言語が熱帯をはじめ比較的温暖な地域に多いことから、これは野外活動により浴びる紫外線から網膜を保護するために加齢とともに水晶体が黄変して、青色のような短波長の感度が低下し、実際に区別が困難になるためであるとする学説もある (lens-brunescence hypothesis)[8]。現代でも高齢者は白内障による視界の黄変化により白と黄色、青と黒、緑と青などの区別が困難となる。

手術用敷布が緑である理由

医療機関では、手術の際に緑色もしくは青色の手術着や敷布を使用する。の赤色を長時間凝視し続けると補色残像という色の錯覚を引き起こし、赤の補色である青緑色の残像が視界全体に生じて手術の妨げになるため、赤の補色を多用することで補色残像の影響を緩和する効果を利用している[9]

近似色

脚注

  1. ^ a b cCSS Color Module Level 3” (英語). World Wide Web Consortium (2022年1月18日). 2024年11月8日閲覧。
  2. ^ 「緑」の英語・英語例文・英語表現 - Weblio和英辞書
  3. ^ a b 新村出 編『広辞苑 第五版』岩波書店、1998年11月。ISBN 4-00-080112-0
  4. ^ 池田光男『色彩工学の基礎』朝倉書店、1980年、55-56頁。ISBN 9784254210125
  5. ^左側通行・右側通行”. 自衛隊鹿児島地方協力本部. 2018年2月4日閲覧。[_リンク切れ_]
  6. ^ Paul Kay and Luisa Maffi. “Feature/Chapter 134: Green and Blue”. The World Atlas of Language Structures Online, WALS. 2009年12月25日閲覧。
  7. ^ 鈴木孝夫『ことばと文化』〈岩波新書〉。
  8. ^ D. T. Lindsey and A. M. Brown (2002). “Color Naming and the Phototoxic Effects of Sunlight on the Eye”. Psychological Science 13: 506–512.
  9. ^ 宮本サナエ『いろ色なお話: 色彩の世界への招待状』文芸社、2000年、31-32頁。ISBN 4-8355-0727-4

参考文献

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2021年5月)

関連項目

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ベルギー政党

フルンGroen
党首 ナディア・ナイイェレミー・ファネーックハウト
成立年月日 1982年(アハレフ)2003年(フルン!)2012年(フルン)
代議院議席数 6 / 150 (4%)(2024年6月)
元老院議席数 2 / 60 (3%)(2024年6月)
政治的思想・立場 緑の政治
国際組織 グローバルグリーンズ欧州緑の党
公式サイト www.groen.be
テンプレートを表示

フルン(**オランダ語: Groen)は、ベルギー政党。オランダ語(フラマン語)圏であるフランデレン地域を基盤とする環境政党緑の党)である。党名は「**」の意味。

概要

1970年代の環境保護運動 アハレフAgalev)を源流とする。運動名は当初「別の生活を始める」(Anders Gaan Leven)の意味だったが、政党化するにあたって「別の仕事に行き、生活し、愛する」(Anders Gaan Arbeiden, Leven, En Vrijen)との意味になった。

1981年ベルギー連邦総選挙(英語版)で初めて国会入りした。その後、社会運動と区別するため1982年に独自に政党化した。1999年にはフラームス自由民主ヒー・フェルホフスタットが率いる連立政権(第1次フェルホフスタット内閣(英語版))に加わり、2名の大臣(消費者問題・公衆衛生・環境大臣、開発協力閣外大臣)を輩出した。

しかし2003年ベルギー連邦総選挙(英語版)では全議席を失う結果となった。これを機に党名を「**フルン!Groen!**)」に改めるなど党内改革を進め、2007年ベルギー連邦総選挙(英語版)では下院である代議院では150議席のうち4議席を獲得し、上院である元老院では71議席(王族を含まない)のうち2議席を確保した。

2009年には社会自由党(英語版)(Sociaal-Liberale Partij: SLP)を吸収合併した。

2010年ベルギー連邦総選挙(英語版)においては代議院で5議席を獲得した。各党は連立政権をなかなか形成できず(2010~2011年のベルギー政府(英語版))、政局は混迷、ワロン系社会党のエリオ・ディルポ首相となるまで、535日を要したが、ディルポ政権には参加せず、野党となった。その後、2012年に党名から「**!**」を外し、現在の党名となった。

2014年ベルギー連邦総選挙(英語版)では代議院で6議席を獲得した。その後の政党間協議によってシャルル・ミシェルによる連立政権(ミシェル内閣)が誕生したが、フルンはこれに加わらず、野党に留まった。

2019年ベルギー連邦総選挙(英語版)では代議員で8議席を獲得した。その後の政党間協議は難航したが、選挙から16か月後にアレクサンダー・デ・クローを首班とするデ・クロー内閣が成立すると、連立与党(7党)に加わり、公共サービス・国営企業・電気通信・郵政大臣とエネルギー大臣を輩出した。

フランス語圏であるベルギー南部のワロン地域の環境政党「エコロ」とは密接な関係を保っており、代議院では統一会派を組んでいる。またヨーロッパ規模では欧州緑の党の、世界規模ではグローバルグリーンズのメンバーとなっている。

歴代党首

元々は党首を置いておらず、権限の弱い代表(Political Secretary)しかいなかったが、2003年の総選挙敗北後の党内改革で党首職を設置するようになった。

氏名 就任日 退任日
1 Vera Dua 2003年11月15日 2007年11月10日
2 Mieke Vogels 2007年11月10日 2009年10月25日
3 Wouter Van Besien 2009年10月25日 2014年11月15日
4 メイレム・アルマジ(英語版) (Meyrem_Almaci) 2014年11月15日 2022年6月11日[1]
5 ナディア・ナイ (Nadia Naji)イェレミー・ファネーックハウト (Jeremie Vaneeckhout) 2022年6月11日[2]

脚注

  1. ^Meyrem Almaci stopt als voorzitter van Groen: "Het is nu aan andere mensen, dat zal Groen deugd doen"” [Meyrem Almaci quits as president of Groen: "Up to other people now, which will benefit Groen"]. vrtnws (2022年). 2022年3月23日閲覧。
  2. ^Groen heeft nieuw voorzittersduo: Jeremie Vaneeckhout en Nadia Naji halen het in de eerste stemronde” [Groen has new presidential duo: Jeremie Vaneeckhout and Nadia Naji win already in first round of elections]. vrtnws (2022年6月11日). 2022年6月11日閲覧。

外部リンク

グローバルグリーンズ(世界の緑の党
ヨーロッパ 同盟90/緑の党ドイツ緑の党スウェーデン緑の同盟フィンランド緑の党フランススイス緑の党スイス) 緑のヨーロッパ(イタリア緑の党オーストリアLMP・ハンガリー緑の党ハンガリー緑の党ポーランド緑の党チェコ緑の党ロシア緑のオルタナティヴ(ロシア) エコロベルギーワロン地域) フルン(ベルギーフランデレン地域フルンリンクスオランダ左翼環境運動アイスランドイングランド・ウェールズ緑の党イギリス) スコットランド緑の党 北アイルランド緑の党 緑の党アイルランド社会主義人民党 - デンマークの環境政党 社会党 - ノルウェーの環境政党
南北アメリカ アメリカ緑の党アメリカカナダ緑の党カナダ緑の党メキシコ) 緑の党(ブラジル) 環境党(チリ) 緑の党(コロンビア) ニカラグア環境緑の党(ニカラグア
オセアニア オーストラリア緑の党オーストラリア緑の党ニュージーランド
アジア 緑の党グリーンズジャパン日本市民の勇気・緑の党モンゴル) フィリピン緑の党(フィリピン台湾緑党台湾緑色党(韓国)