「if not」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
別表記:
「if not」とは、条件節や比較節を用いて状況や事実に対する代替案を提案する際に「もしそうでないなら」「そうでない場合」を意味する言葉として使われる英語表現である。
「if not」とは・「if not」の意味
「if not」とは、条件を提示して代替の状況や選択肢を考慮したりある事実を比較したりする場合に用いられる英語表現である。この表現は、柔軟な考え方や可能性を示す場合に用いられることが多い。なお、「if not」には「条件節」と「比較節」の2つの用法がある。条件節の用法では、「もしそうでないなら」という意味で使用される。たとえば、「If not for the rain, 」なら、「もし雨が降っていなければ、」となり、以下の文章には、雨が降らない条件下での代替の状況が提案されるのが普通である。
比較節の用法では、「ひょっとすると」や「~も同然」という意味で、1つの事実や状況がほかの事実や状況と同等か、またはそれ以上である可能性を示唆する場合に用いられる。たとえば、「A is as interesting, if not more so, than B(AはBと同じくらい面白い、ひょっとするとそれ以上かもしれない)」などである。
このように、「if not」は、条件節や比較節を用いて、状況や事実に対する代替案や可能性を柔軟に示す場合に使われる表現である。
「if not」の語源
「if not」は、英語の接続詞「if」と否定を表す「not」の組み合わせから成り立っている。そして、「if」は古英語の「gif」に由来するとされ、条件を示す接続詞として使用される。さらに、「gif」は、より古い言語であるプロト・ゲルマン語の「*ja(もし)」と「*ibi(もし、場合によっては)」の組み合わせから派生しているとされている。
「not」は、「何もない・何もなく」を意味する古英語の「nawhit」や「nawiht」から派生したとされており、否定を表す形容詞・副詞として使用されている。さらに、「nawhit」や「nawiht」は、より古いプロト・ゲルマン語の「*ne(否定)」と「*aiwaz(いつも、常に)」の組み合わせが起源とされている。これらが時とともに変化して英語の文法や意味に適応し、「もしそうでないなら」や「ひょっとすると」などの意味で使用されるようになったのである。
「if not」の発音・読み方
「if not」の発音記号は、アメリカ英語では「ɪf nɒt」、イギリス英語では「ɪf nət」となる。全体的な発音は、アメリカ英語・イギリス英語とも非常に類似している。しかし、カタカナで表記する場合は、アメリカ英語では「イフ ノット」、イギリス英語では「イフ ナット」と表記されることが多い。
また、実際には、「if」の「i」は、英語の 「bit」 や 「sit」 にある短い母音のように発音され、「f」は、上歯を下唇に当てて息を出すことで発音される。また、「not」の「n」は、舌を上歯茎に押し当てて鼻音を作ることで発音され、「o」は、口を丸めて短く開いた状態で発音されるのである。そして、「t」の音は、舌を上歯茎に押し当てることで作られている。
「if not」の類語
代替案や可能性を示す場合に、「if not」と同様に使用できる類語は、おもに以下の4つである。
1.otherwise:「そうでなければ」や「そうでない場合」を意味し、条件や選択肢を提案する場合に使われる
2.or else:「そうでなければ」や「さもなければ」という意味で、代替状況や行動を示す場合に使われる
3.perhaps:「ひょっとすると」や「たぶん」という意味で、事実や状況に対する不確かさや可能性を示す場合に使われる
4.maybe:「ひょっとすると」や「たぶん」という意味で、状況や事実の不確かさや可能性を表現する場合に使われる
また、条件や比較を表す接続詞や表現として、「if not」と同様に使用できるおもな類語には、以下のようにおもに3つ存在する。
1.albeit:「けれども」や「もっとも」という意味で、事実や状況に対する制約や限定を示す接続詞として使われる
2.even if:「たとえ〜であっても」という意味で、ある条件が成立しても結果が変わらないことを示す場合に使われる
3.in case:「〜の場合に備えて」という意味で、ある状況が起こる可能性に対処するための行動を示す場合に使われる
以上の言葉は「if not」の類語として使用できる。しかし、ニュアンスが微妙に異なるため、それぞれの表現を適切に使い分けることが重要である。
「if not」と「unless」の違い
「if not」と「unless」は両方とも条件を示す接続詞だが、それぞれ異なるニュアンスと用途がある。「if not」は、代替状況や選択肢を提案する場合や、比較節として、ある事実や状況が他の事実や状況以上である可能性を示唆する場合に多く使用される。一方、「unless」は、否定の条件が成立しない限り、ある結果が生じないことを示す場合に多く使用される。
たとえば、「Unless it stops raining, we can't go to the park.(雨が止まない限り、私たちは公園に行けません)」などとなる。つまり、「unless」は「if not」よりも、否定条件に焦点を当てている表現である。
「if not」の使い方・例文
1.代替状況や選択肢を提案する場合
If not for your help, I wouldn't have finished the project on time.
(あなたの助けがなかったら、プロジェクトを時間内に終わらせることはできなかった)
2.比較節として、ある事実や状況が他の事実や状況以上である可能性を示唆する場合
He is skilled, if not an expert, in playing the piano.
(彼はピアノが上手で、ひょっとするとプロと同じくらいである)
3.ある状況や状態が実際にはもっと高いレベルにあるかもしれないことを示す場合
The movie was enjoyable, if not outstanding.
(その映画は楽しく、ひょっとすると傑出しているといえるかもしれない)
4.条件節を導入し、そうでない場合の結果を示す場合
I'll attend the party if not too tired after work.
(仕事の後で疲れすぎていなければ、パーティーに出席する)
以上の例文からわかるように、「if not」は条件節や比較節を用いる場合に、代替状況や選択肢を提案して事実や状況の可能性を示すことを目的としている。