フィンランド (original) (raw)

曖昧さ回避 」はこの項目へ転送されています。中国・夏王朝の王については「槐 (夏)」をご覧ください。

フィンランド共和国(フィンランドきょうわこく、フィンランド語: Suomen tasavalta、スウェーデン語: Republiken Finland)、通称フィンランドは、北ヨーロッパに位置する共和制国家首都ヘルシンキバルト海東岸に位置する国の一つであり、国境は、北はノルウェー、西はスウェーデン、東はロシアと接する。南はフィンランド湾を挟みエストニアと相対している。

フィンランド共和国

Suomen tasavalta(フィンランド語)
Republiken Finland(スウェーデン語)

国旗 国章

国の標語:なし

国歌Maamme(フィンランド語)
Vårt Land(スウェーデン語)
我等の地

  1. IMF Data and Statistics 2021年10月15日閲覧(

国体の変化が激しい歴史を持つ国家であり、王制から共和制へ変換された国々の一国として知られている。ロシア帝国第二次ロシア・スウェーデン戦争後にフィンランドを併合してフィンランド大公国にした1809年まで、スウェーデン王国に属していた。のちにロシア帝国がロシア革命で崩壊して1917年に独立した。独立後、フィンランドでは4つの戦争が行われた。1918年のフィンランド内戦、ロシア革命で成立したソビエト連邦冬戦争(1939年 - 1940年)、第二次世界大戦独ソ戦)に伴うソ連と継続戦争(1941年 - 1944年)、ソ連と講和後のナチス・ドイツラップランド戦争(1944年 - 1945年)である。それぞれの戦争において、共和国の軍隊は、軍の最高司令官であるマンネルヘイム元帥によって率いられた。冬戦争と継続戦争により幾らかの土地をソ連に奪われるも、ソ連に併合されたバルト三国と異なり独立を維持した。

首都ヘルシンキは露仏同盟以来、ロシア帝国の主要都市であるサンクトペテルブルク方面へ西側諸国が投資や往来をするための前線基地となってきた。フィンランドで成長しているもう一つの重要な都市エリアは、ヘルシンキの北約180 kmにあるタンペレである。同じく直近の旧領ヴィボルグサイマー運河の出口であったが、現在はロシア領で、ノルド・ストリームの経由地となっている。ロシアと欧州諸国の間にある地政学的な重要性から、度々勢力争いの舞台や戦場になってきた。

外交安全保障エネルギー政策を巡り東西の綱引きが行われている。西側の技術によるオルキルオト原子力発電所とソ連の技術で建設されたロヴィーサ原子力発電所の両方を運用する唯一の国であり、オンカロ処分場2020年に開設されれば世界初の使用済み核燃料の最終処分場となる。情報産業政治と関係しており、公職経歴者が民間企業の幹部になる例として、エスコ・アホ首相経験者でノキア取締役を務めている。

人口や経済規模は小さいが一人当たりGDPなどを見ると、豊かで自由な民主主義国として知られている。フィンランドは2014年のOECDレビューにおいて「世界でもっとも競争力が高く、かつ市民が生活に満足している国のひとつである」と報告された[1]。フィンランドは収入、雇用と所得、住居、ワークライフバランス、保健状態、教育と技能、社会的結びつき、市民契約、環境の質、個人の安全、主観的幸福の各評価において、全ての点でOECD加盟国平均を上回っている[1]

同国は1995年、欧州連合(EU)加盟国となった。2020年の積極的平和指数で欧州連合で第1位にランクされた[2]

2022年、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を行い[3]、2023年、トルコが承認したことでNATO全加盟国の承認が完了し[4]、同年4月4日にNATOに加盟した[5][6]

国名

フィンランドは「フィン人の国」の意味で、スオミはフィン人の自称である。「スオミ」の語源については多くの説が提唱されており定説はないが、同じウラル系の「サーミ」や「サーミッド」(サモエード)と同源とする見方がある。「フィン」についてはタキトゥスゲルマニア』にある「北方に住む貧しいフェンニ人」が最古の現存する記述である。「スオミ」については古くはフィンランド南西端、バルト海沿岸にある都市トゥルクを中心とする限られた地域を指す単語であったのが、のちに国土全体を指す単語に変容し、そこに住んでいたスオミ族の名がフィンランド語の名称になった。トゥルク周辺は現在では「本来のスオミ(Varsinais-Suomi)」と呼ばれている。「スオミ」は、フィンランド語で「湖沼沼地」を表す単語「スオ」(suo)に由来すると言われる[7]

正式名称は、フィンランド語では _Suomen tasavalta_(スオメン・タサヴァルタ)、通称 Suomi [ˈsuo̯mi] ( 音声ファイル)(スオミ)。形容詞はSuomalainen(スオマライネン)。スウェーデン語では _Republiken Finland_(レプブリケン・フィンランド)、通称 Finland [ˈfɪ̌nland] ( 音声ファイル)(フィンランド)。形容詞はfinsk(フィンスク)(Suomi Finland.ogg 各音声)。公用語はフィンランド語とスウェーデン語。

日本語の表記は フィンランド共和国、通称 フィンランド漢字による当て字では芬蘭(古くは芬蘭土とも)と表記し、と略す。

英語表記は国名が「Finland」、国民が「Finn(s)」、形容詞は「Finnish」。

国の象徴

→詳細は「フィンランドの国の象徴(英語版)」を参照

フィンランドが外交使節を派遣している諸国の一覧図

→詳細は「フィンランドの国際関係(英語版)」を参照

第二次世界大戦後、資本主義体制を維持したまま共産化ワルシャワ条約機構へ加盟も強いられず、ソ連へ配慮しながらも中立国として国際的立場を維持した。外交のみならず国内的にもソビエト批判をタブーとする空気に支配される状況は、海外では「フィンランド化」と呼ばれることもあった。そのため、「フィンランド外交とは、西側にあまり尻を出しすぎぬほどに、ロシアに頭を下げることである」との風刺が生まれるほどであった[_要出典_]。日本では、中曽根康弘首相が「日本は何もしないでいるとフィンランドのようにソ連のお情けをこうような国になってしまう」、「うっかり手を出したらひどい目にあうという状態にしておかないと平和は守れない」と演説で述べ、日本がフィンランドのようなソ連に逆らえない国になることへの懸念を述べたことが、駐日フィンランド大使館から注意喚起を受けた[29]

しかしながら、その立場を逆手に取り、冷戦下では全欧安全保障協力会議の発足を主導し、東西貿易の窓口として栄え、国民の生活水準は世界一のレベルになった。北欧理事会を中心とする北欧主義(Nordicism)、国連を中心とする世界秩序の構築が国是となっている。冷戦終結後、西欧との連携を深め欧州連合(EU)に加盟した。

軍事的には中立を保ち、北大西洋条約機構(NATO)には長い間加盟しなかった。ロシア連邦の周辺諸国に対する軍事的脅威を受けてNATO加盟を申請する権利は留保していた(「歴史」参照)が、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けて世論はNATO加盟支持が多数となり、同年4月には議会でNATO加盟申請をめぐる審議を開始し[30]、同年5月に正式にNATOへ加盟を申請。2023年3月30日までに全加盟国がフィンランドの加盟を承認し、4月4日に正式に加盟したことにより、外交政策の歴史的転換が実現した[14]

→「フィンランドとNATOの関係(英語版)」を参照

フィンランドは2014年に改定した学習指導要領で学校教育において情報の真偽を批判的に考えることが盛り込まれ、2017年にフェイクニュース対策センターがNATOとEUの協力を得てヘルシンキに設置された。これらはロシアによる情報工作も念頭に置いている[31]

日本との関係

在フィンランド日本国大使館

駐日フィンランド大使館

ラップランド

南東部の風景

ヨーロッパ北東部に位置し、北欧ないし北東欧と呼ばれる。北側はノルウェー、西側はスウェーデンと国境を接する。西はボスニア湾、南西はバルト海、南はフィンランド湾に面する。ボスニア湾の対岸はスウェーデン、フィンランド湾の対岸はエストニアである。東から南東にかけてはロシアと陸上で国境を接する。北西部がスカンディナヴィア半島に含まれるとする場合があるが、厳密な規定はない[33]

国土の大半は平坦な地形で、氷河に削られて形成されたが無数に点在する。植生はタイガ地衣類が多い。森林は粘菌が多様に生息する。

首都のヘルシンキは国の最南部に位置し、フィンランド湾に面する。国土の大半が寒冷な気候であることから、ヘルシンキをはじめとする規模の大きな都市はその多くが国の南部に偏在している。

フィンランドにある大きめの湖は以下の通り。

気候

フィンランドは緯度の影響を最も受ける地域である。同国は北緯60度から70度の間に位置する為、北欧エリアにおいて冬期が最も長いことでも知られている。

[[icon]](./ファイル:Wiki%5Fletter%5Fw%5Fcropped.svg) この節の加筆が望まれています。

ヘルシンキの繁華街

タンペレの航空写真

ポルヴォーの旧市街

フィンランドは、19の(maakunta、マークンタ)に分かれる。2009年までは県の上位行政区画として州が存在し、6つの(lääni、レーニ)に区分されていたが、2010年1月1日に廃止された[34]。2010年まで東ウーシマー県が存在し、県の数は20であったが2011年1月1日に東ウーシマー県とウーシマー県とが合併して新たなウーシマー県が発足したため、東ウーシマー県は消滅し、県の数は19となった[35]

OECDは、フィンランドは世界で最も地方分権が進んでいる国の一つだと評している[36]

県の一覧

主要都市

国内最大企業Nokiaの本社ビル

人口とGDPの規模が日本の北海道とほぼ同じのフィンランドは、1980年代以降、農業林業中心の経済体制から、携帯電話の生産量が世界1位になるなどのハイテク産業を基幹とする工業先進国へと著しい変化を遂げることに成功した。特に、150年前からある老舗企業のノキア(NOKIA)やLinuxが有名である。高い教育水準なども影響した結果、ヨーロッパ内でも有数の経済大国となった。世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表する国際経済競争力の順位では、2001年から2004年までと4年連続首位となった(2002年はいったん2位と発表されたが、その後の再評価で1位に修正された)。現在では付加価値ベースで71.2パーセントをサービス業が占めている[37]。フィンランドは2014年のOECDによるレビューにおいて「世界でもっとも競争力が高く、かつ市民が生活に満足している国のひとつである」と報告された[1]。フィンランドはOECD BetteLife Indexの多軸評価において、全ての点でOECD平均を上回っている[1]

ナショナル・フラッグ・キャリアフィンランド航空だが、政府は既に株式の半数以上を売却している。

労働市場

労・使・国の3者協議によるネオ・コーポラティズムを採用する[38]。年間労働時間は平均で1,672時間[37]。タイムバンキング(英語版)制度があり、多忙な時期に残業して、閑散期に余計に休める制度が存在する。1994年に16.6パーセントまで上昇した失業率は不況からの脱却とともに年々改善を続け、2012年には7.7パーセントまで下がった[37]

労働年齢層の就業率は男性70.6パーセント、女性68.2パーセント(2012年)と[37]、女性の労働力化が進んでおり、特に法律家・医師は女性が半数を占めている。企業で高い地位を占める女性も増えているが、男性に比べるとまだ少ない。女性は男性に比べ正社員として雇用されにくい傾向があり、若い世代の女性で契約期間つき雇用が多い(20代女性の4割が派遣社員)。

女性の労働力化によってGDPや購買力が増加する一方で、ロシア人バルト三国から流入する女性労働者も増えており、特に売春などの性産業に従事する者が多い。2008年時点ではフィンランド国内に8,000人もの売春婦が存在しているとする見方もある[39]

観光

さらに見る 民族構成(フィンランド) ...

民族構成(フィンランド)
フィン人 92%
スウェーデン人 5%
その他 3%

閉じる

フィンランドの人口ピラミッド

特徴として男女同権思想がある。生産性の低い土地に生活して、農業時代から女性も男性と同様に働き発言権を持っていた。フィンランドで普通選挙が導入されたとき、ヨーロッパ初の女性参政権が付属していた。2015年現在も女性の社会進出は世界最高レベルで、労働市場における女性比率は40パーセントで[40]アファーマティヴ・アクション制クオータ制などのフェミニズムプログラムなしで達成している。

フィンランドの国会議員は定数の3分の1以上にあたる76人の女性議員がいる(2015年現在)。兵役は男子のみの義務で女子は志願制である。

俗説としてフィンランド人は「恥ずかしがりや」であり、サウナなど集団で集まりやすい場を大切にし、顔を合わせずに会話のできる電話や携帯電話の普及が早かったと言われる[41]。ヨーロッパで「フィンランド人は無口で、話すときは独特の抑揚のない言語で不機嫌そうにしゃべる」ステレオタイプの印象が元になった[41]

民族

民族比率は、フィン人が91.7パーセント、スウェーデン人スウェーデン系フィンランド人)が5.5パーセント、サーミ人が0.1パーセント、ロマ人が0.1パーセント。2022年の統計によると、外国人は32万3,686人(5.8パーセント)[42]、1/4がロシア人エストニア人である。21世紀に入り難民などを積極的に受け入れはじめ、ソマリア人アルバニア人イラク人クルド人などがその中心となっており、ほとんどがヘルシンキ都市圏に在住している。近年は難民受け入れに対する反感が強く「真のフィンランド人」など移民受け入れに反対する排外主義政党の躍進をもたらしている。

言語

→詳細は「フィンランドの言語(英語版)」を参照

使用されている言語フィンランド語が93.4パーセント、スウェーデン語が5.9パーセントで、この2言語が公用語である。1919年に制定された。サーミ人サーミ語を使用し、1970年代にその地位は向上した。1999年の基本法制定により、準公用語と明記された。同時にロマ人その他の少数民族に対する配慮も加えられている。ロシア語を母語とするロシアからのいわゆる帰還者は最近増加しつつある。スウェーデン語は既にフィンランドに根を下ろしており、少数派とはいえ、企業や産業界で影響力を持ち、政府にも主要政党を持っているため、公用語問題は歴史的な問題であった。これに対しロシア語は1世紀にわたり支配社会の上層部にのみ影響を与えただけで、国民に浸透することはなかった。

宗教

フィンランド福音ルター派教会のトゥルク大聖堂

→詳細は「フィンランドの宗教(英語版)」を参照

宗教は、フィンランド福音ルター派教会が66.6パーセント、フィンランド正教会が1.1パーセント、ほかの宗教(ローマ・カトリック教会ユダヤ教イスラム教)1.7%、無宗教30.6%パーセントである[43]フィンランド福音ルター派教会フィンランド正教会国教として扱われ、政府が国民から直接税の形で集めた教会税によって資金的援助を受けている。近年は国民の信仰心の低下や政教分離の意見の高まりなどから、教会の支援は世論から支持を受けなくなる傾向にあり、それに伴い「教会税」も毎年減少傾向にある。

婚姻

婚姻する際には夫婦別姓、夫婦同姓、相手の姓の付加(後置)を選択することができる[44]1930年の婚姻法では妻が夫の姓に改姓することが義務づけられていたが、1986年に改正された[44]。2017年より同性婚も可能となった[45]

出生率

2023年の出生率は1.26であった[46]。この少子化傾向について、Population Research Instituteの研究者は「われわれは、欧州における新しい日本である(We’re the new Japan of Europe)」と形容している[47]

教育

アールト大学

学校教育ではフィンランド語、スウェーデン語が必修だが、オーランド諸島はフィンランド語は必修でなく、英語やその他の言語の教育が行われている。本土のスウェーデン系国民は幼いころからテレビなどを通じて自然にフィンランド語を習得することが多いが、フィンランド系国民の多くは7年生(中学校の初年度)から学校でスウェーデン語の学習を始める。現在ではスウェーデン語より英語に重点がおかれており、小学3年生程度から英語の授業が始まる。小学校高学年、中学校でもその他の外国語を選択科目として履修できる。外国語科目のカリキュラムなどは自治体や学校により異なることがある。国民の外国語に対する関心も全般に高いため、4 - 5か国語を使いこなすフィンランド人も多い。

大学は全て国立で無料であり[48]受験戦争はフランスや日本ほど厳しくはない。しかし教育における「フィンランドメソッド」が注目を集めている。生徒は競争による相対評価ではなく、達成度によって評価されるといわれている。ただし、これは学力の違いを無視した平等教育ではない。実際には高校入学は中学の成績に基づいて振り分けが行われている[49]。中学校の教育に特筆されるのは3分の1の(成績の低い)生徒が特別学級に振り分けられるか、補習授業を受けていることである。学力による差別化および低学力の生徒に対する個別の教育により落ちこぼれを学校ぐるみで防ぐ制度がフィンランドの教育の特徴である[50]

ユネスコの定義による高等教育機関(大学およびその他全ての高等教育機関・課程)の進学率は世界第2位の87パーセントである(2004年度)。2004年度に行われたOECD(経済協力開発機構)のPISA(学習到達度調査)では世界一である。OECDの調査は多くの問題点が指摘されている。PISAは(1)読解力(2)数学リテラシー(3)科学リテラシーの3分野のみを57か国で調査したものである。

フィンランドの学校は週休2日制である。教師はその専門性が一層重んじられ、修士の学位取得が基本である。(日本に置き換えればさしづめ教師全員が専修免許状を有している状況である。修士が標準とされる職業は日本と比べて多い。日本と異なり、学士と修士は大学で、リセンシアーテ(修士と博士の中間学位)と博士は大学院で取得する仕組みから、修士レベルの学業がよりスタンダードなものである。)授業時間も日本よりかなり少なく「総合的な学習」に相当する時間は日本より多い。近年日本で批判されている「ゆとり教育」に類似するが、家庭学習を重視して宿題が比較的多く、成績別教育で成績下位者の支援態勢が特に手厚いなど、相違点が多い。制度的に教育内容や教授方法について教育行政の指示が少なく、分権化が進んでいること、義務教育にも留年制度があること、小学校から大学まで多くの学校で学費が無料であることなどの違いがある。

1943年の法により、小中学校および後期中等教育学校・職業学校(日本の高等学校普通科と専門学科に近似)における給食は完全に無料である[51]

保健

→詳細は「フィンランドの保健(英語版)」を参照

[[icon]](./ファイル:Wiki%5Fletter%5Fw%5Fcropped.svg) この節の加筆が望まれています。

医療

フィンランド人の平均寿命は、2015年では平均で80.77歳(男性77.82歳、女性83.86歳)であった[52]。およそ市民307人あたり1人の医師がいる[53]。 公営の保健センターが整備され、総合診療医(GP)によるプライマリケアが提供される[54]

GDPあたり保健支出は9.6パーセント[43]。医療費のおよそ18.9パーセントは自己負担であり、76.6パーセントは租税負担となる。近年の『ランセット』誌の研究によれば、フィンランドは193か国の中で死産率が最も低く、イギリス・フランス・ニュージーランドよりも低い[55][56]

課題として、ほかのOECD諸国同様に人口の高齢化があり[57]、65歳以上が人口の23.5パーセントを占めている(2024年)[43]。GDPに占める保健・介護費用も伸び続けており、2000年代は約6パーセント台であったが、2060年には13パーセントに達すると推測されている[58]医療費の約55パーセントは65歳以上人口が占めており、認知症患者も増え続けている[58]

妊娠4か月以前に医者か地方自治体の妊婦向けクリニックで診療を受けたことがあり、かつ妊娠154日以上のすべての妊婦には妊婦パックが配られている。

OECD各国の老人(65歳以上)1人あたりの生産年齢(20 - 64歳)人口[59]

北欧モデルの高福祉高負担国であり、GDPに占める税収比は43.9パーセントと上位国のひとつである(2014年)[60]

OECDの人生満足度(Life Satisfaction)では第6位、国連世界幸福度報告では世界1位(2018年から2020年)、世界幸福地図では第6位、The Earth Institute(英語版)による国民総幸福量(GNH)では世界2位(2012年[61])であると報告された。

市民活動

フィンランドにはNPOが約7 - 8万存在し、国民の5人に4人がNPOに参加している[62]。他の北欧諸国と同様、世界で最も参加率の高い国のひとつである[62]

移民制度

→詳細は「フィンランドへの移民(英語版)」を参照

移民受け入れスウェーデンと異なり、ノルウェーやデンマークと同様に、安易な移民受け入れに反対する政党「真のフィンランド人」が、エドゥスクンタ(国会)で第二党政党の連立与党として政権に影響力を持っている[63]

→詳細は「フィンランドにおける犯罪(英語版)」を参照

2022年の世界平和指数「安全とセキュリティ」のカテゴリーで世界7位[64]

ヨーロッパで比較的に治安が良い国とされるが、夏季冬季の観光シーズンは、首都ヘルシンキなどの都市部で置き引きスリなど窃盗が多い。

テロ事件は、2017年8月のトゥルク市内でナイフを用いた無差別襲撃事件が発生し、2名が死亡、8名が負傷した[65]

[[icon]](./ファイル:Wiki%5Fletter%5Fw%5Fcropped.svg) この節の加筆が望まれています。

人権

→詳細は「フィンランドにおける人権(英語版)」を参照

他者の人権の受け入れ、汚職の少なさ、情報の自由な流れ、良好なビジネス環境、高いレベルの人的資本、資源の公平な配分、十分に機能する政府、および近隣諸国との良好な関係によって決まる2022年の「積極的平和指数」で世界第3位、「他者の権利の受容」で世界第1位、「よく機能する政府」で世界第1位[66][67]である。

→詳細は「フィンランドのメディア(英語版)」を参照

国境なき記者団 (RWB) の年次報道自由指数は、フィンランドを2010年から2016年までの6年連続で「最も報道の自由が高い国」として挙げている。2017年に首相のユハ・シピラによる「シピラゲート」事件を受けて3位へ落位している[68]

→「フィンランドにおける検閲(英語版)」も参照

[[icon]](./ファイル:Wiki%5Fletter%5Fw%5Fcropped.svg) この節の加筆が望まれています。

テレビ

→詳細は「フィンランドのテレビ(英語版)」を参照

インターネット

→詳細は「フィンランドのインターネット(英語版)」を参照

順位は『最も偉大なフィンランド人』による。

政治家

文化人

スポーツ選手

  1. 第2版,日本大百科全書(ニッポニカ),世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,百科事典マイペディア,世界大百科事典. “フィンランドとは”. コトバンク. 2019年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月12日閲覧。
  2. フィンランドとの不可侵条約廃棄を通告(『朝日新聞』昭和14年11月30日夕刊)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p382 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  3. 日本経済新聞』朝刊2022年1月5日(国際面)2022年1月8日閲覧
  4. 『毎日新聞』朝刊2022年1月14日:【デジタルを問う 欧州からの報告】フィンランドの小学校 偽情報見破る教育(1面)/隣国・露の「拡散」に対抗(3面)
  5. ""Upper secondary school is mainly intended for students aged 16-19. The schools select their own pupils, based on their comprehensive school grades." アーカイブ 2010年12月24日 - ウェイバックマシン
  6. "In 2006 approximately one third of students in comprehensive school were transferred to special education or received part-time special education which is significantly more than in OECD countries on average (Statistics Finland, 2008). Special education has a key part to play in improving equity and combating educational failure in Finnish schools." アーカイブ 2012年3月16日 - ウェイバックマシン
  7. Lawn, Joy E; Blencowe, Hannah; Pattinson, Robert; Cousens, Simon; Kumar, Rajesh; Ibiebele, Ibinabo; Gardosi, Jason; Day, Louise T et al. (2011). “Stillbirths: Where? When? Why? How to make the data count?”. The Lancet 377 (9775): 1448–1463. doi:10.1016/S0140-6736(10)62187-3. ISSN 01406736.
  8. 経済平和研究所”. www.rotary.org. 2021年11月10日閲覧。
  9. Richards, J.M. 800 Years of Finnish Architecture. London: David & Charles, 1978. ISBN 0-7153-7512-1