ニギハヤヒとニニギは本当に兄弟なのか?【古代史再考】 (original) (raw)
前回の【飛騨口伝⑧】で書き忘れたのですが、天孫族である**邇邇芸命(ニニギノミコト)が降臨する際、ヒルメムチ命(天照大神)から十種神宝(トクサノカンダカラ)**を授かります。(2024.11.13追記)
画像引用 ニニギ - Wikipedia
この神宝が**ウガヤフキアエズ命に、そこからサヌ命(神武天皇)**に継承されます。
そして神武東征の際、邇邇芸命の兄である**饒速日命(ニギハヤヒノミコト)の兵長である長髄彦(ナガスネヒコ)に進行を阻まれます。しかしサヌ命が饒速日命と同じ十種神宝を持っていたことで、同じ天孫族であるとわかり、見事サヌ命は大和を統治し、初代天皇に君臨する**のです。
この物語からわかるとおり、**饒速日命と邇邇芸命は兄弟**なのです。
しかし、古代史を勉強していくと、このふたりは本当に兄弟なのか疑問に思ってきます。
出雲口伝によると、**饒速日命とは徐福のことだ**と伝えられています。
徐福は秦の始皇帝の命令により、蓬莱山(日本)に不老長寿の薬を探しにきます。
そして1度目の渡来で海部氏の始祖となり、2度目の渡来で**物部氏の始祖**となります。
**海部氏の祖神は天火明命(アメノホアカリノミコト)で、物部氏の祖神は饒速日命であり経津主神(フツヌシノミコト)**です。
しかも出雲口伝では、**素戔嗚尊(スサノオノミコト)も徐福だ**と伝えています。
つまり徐福とは、
徐福 = 饒速日命 = 天火明命 = 経津主神 = 素戔嗚尊
と、四柱の神様の基になっているというのです。
なんとややこしい。。。
しかも、出雲口伝では邇邇芸命は登場しません。
みシまる湟耳さん著の『ヤタガラスの娘』でも、**邇邇芸命の存在を疑っています(もちろん神武天皇も)**。
ということは、邇邇芸命は存在しないのでしょうか?
しかし、飛騨口伝では「邇邇芸命は存在した」としています。
ヒルメムチ命の息子である**天忍穂耳(アメノオシホミミ)**の子どもは、
長男:天火明命
次男:饒速日命
三男:邇邇芸命
で、それぞれ
天火明命 → 飛騨を守る
饒速日命 → 大和を開拓
邇邇芸命 → 九州制圧
を任されます。
これだとすべての辻褄が合うのです。
古代史に関する書物をいろいろ読んできましたが、いちばん腑に落ちるのが飛騨口伝でした。
なんなら天火明命の兄弟なのです。
しかしそうなると、『先代旧事本紀』に登場する
天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊
という天火明命の名前の意味がわからなくなります。
これもまた、考察していきたいと思います。
<参考文献>
※この記事は、飛騨口伝の内容を要約して記しています。詳しく知りたい方は、福来出版のオンラインショップよりご購入し、ご一読ください。
『明らかにされた神武以前』著者:山本健造
https://fukurai.thebase.in/items/64863
『日本のルーツ飛騨』原著者:山本健造 編集者:山本貴美子
https://fukurai.thebase.in/items/39107
『暴かれた古代史』著者:山本貴美子
https://fukurai.thebase.in/items/60054
『裏古事記』著者:山本貴美子
https://fukurai.thebase.in/items/39111
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