<睡眠編>実際に試して良かったこと ~心身の健康のために~ (original) (raw)

はじめに・・

はっきり言って、夜型の人間です。
夜行性の母の影響もあり、中学に上がった頃には既に就寝時間は0時を過ぎていました。
べつにゲームをしたり漫画を読んだりして夜更かししていた記憶はないのですが、自然とそれくらいの時間になってしまっていたと思います。。
ただ当然寝不足なので、学校の授業はたいてい寝ていました。(教師泣かせの親不孝者とは私のことです)
学生の頃はなんとかそれでバランスを取っていましたが(?)、社会人になって仕事中に寝るわけにもいきません。
結果的に、休日はここぞとばかりに昼過ぎまでベッドで過ごす日も。。慢性的な寝不足を休日の寝だめで補おうとしていました。
睡眠不足が借金のように積み重なっていくのを「睡眠負債」と呼ぶそうですが、実はこの「睡眠負債」は休日の寝だめ程度では返せないそうです。
着々と負債を溜めこんでいることに気づかず30代を迎えた私は、仕事やプライベートのストレスから深夜まで動画を観たり飲んだりと、更に睡眠を犠牲にするように。。
恐ろしいのは、そうこうするうちに早く寝ようとしても寝られなくなってしまったことです。
疲労を感じて早めにベッドに入っても、いざとなると一向に眠気がやってこないのです。ひどいとそのまま3、4時間寝られないこともあり、もはや寝つけないことが新たなストレスに。。
こうして疲労やストレスをきちんと解消できないまま半年ほど過ぎた頃、あの2回目のパニック障害のクラッシュが訪れるのです。

私は不眠症

厚生労働省のサイトによれば、不眠症には、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプがあるそうです。なんと一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を抱えており、この10%は一過性でなく慢性の不眠症とのこと。
不眠症と診断されたわけではありませんが、私の場合は明らかに入眠障害タイプ。
不眠とそれによる日中の不調が週に3日以上あり、それが3カ月以上続く場合は慢性不眠症と言うそうなので、それに照らせば、私も慢性的な不眠症かその予備軍だったのではないかと思います。
昔から時々寝つきが悪いことはありましたが、たいていその翌日は疲れてぐっすり眠れるもの。
それなのに体調を大きく崩す前の半年ほどは、寝つきの悪い日が連続して訪れるようになっていました。
例えば、なかなか寝つけずに3時間しか寝られなかった日の夜も、また同じように全然眠れないのです。寝不足で明らかに身体はしんどいのに、いざ布団に入るとむしろ頭が冴えてくるという不思議。。
あまりに眠れないので、どこかに頭をぶつけて気を失おうかと本気で思ったほどです。
寝ようとすればするほど無情にも眠気は遠ざかり、ついアルコールの力を借りてしまうことも。。ただ酔っぱらうと寝つけはするのですが、起きた時に何とも言えないだるさを感じます。
ただでさえ短い睡眠の質が著しく下がっていく悪循環に陥っていました。
パニック障害を発症し、体調を大きく崩したことで、ようやく睡眠の大切さに気付いた私は、この地獄のような悪循環を断つことを決意。
初めて睡眠と真摯に向き合うようになります。

どうやって悪循環を断ち、睡眠を取り戻したのか

初めに、自分の中で「睡眠」の位置づけを変えました。
それまでは、何かやりたいことややらなければならないことがあって時間を作る必要がある時、真っ先に削る対象だった睡眠時間を、何よりも確保すべき優先事項に。
自律神経を整えるのに睡眠は必要不可欠。ストレス発散も睡眠を犠牲にして行うのではなく、むしろ良質で充分な睡眠を取ることで解消していくという考え方に変えました。
睡眠は人生において決して付属品的なものではなく、いかに良い睡眠を取るかが人生を大きく左右するということに気づいたのです。

①起きる時間を固定する
まず、体内サイクルの乱れを解消するために、規則正しい生活を心がけました。
この際、寝る時間を固定するのではなく、起きる時間を固定すると良いそうです。
起きて朝日を浴びれば、だいたいその14~16時間後にメラトニン(眠りを誘う睡眠ホルモン)が分泌されるので、寝る時間は身体が教えてくれるのだとか。。
スタンフォード式 最高の睡眠』(西野精治・著)でも、科学的に就寝時間の前倒しは困難であることを指摘しています。
明日はいつもより1時間早く起きなければならないという場合も、無理に1時間早く寝ようとするより、いつも通りに寝て睡眠時間を1時間削るほうが、すんなり眠れて逆に睡眠の質を確保できる可能性が高いのだそう。。
大切なのは、体内サイクルに沿って眠くなったらベッドに入ること。そのために、休日も寝だめはせず、同じ時間帯に起きることが重要なんだそうです(耳が痛いですネ・・)。

②体温調節や副交感神経を優位にして眠りのスイッチをオン
日中の交感神経優位な状態から、副交感神経優位な状態にして眠りのスイッチを入れるために、寝る直前までスマホやテレビを見ることは極力避けることにしました。
代わりに夕食後はウォーキングやストレッチを取り入れて、昼間の集中モードで強張った心身をほぐすことを意識。前述した下記の呼吸法や運動・ストレッチが自然な眠りに入る手助けをしてくれていると実感してます。

kuruminoniwahe.hatenablog.com

また、睡眠と体温は深い繋がりがあり、寝ている時は起きている時よりも深部体温(脳や内臓など体の内部の温度)が低い状態なのだそうです。
これは、夜になるにつれ徐々に体温を下げ、睡眠中に脳や内臓をしっかりクールダウンすることで、1日活動して溜まった疲労やストレスを解消するためと考えられています。
眠たい時に手足がポカポカするのは、体が眠りにつくために深部体温を下げようと手足から熱放射しているからだとか。
つまり、深部体温が下がることで深い眠りが訪れるのです。
スタンフォード式 最高の睡眠』をはじめとする本やサイトでは、このメカニズムを利用して就寝90分前の入浴が薦められています。
深部体温は上がった分だけ大きく下がろうとする性質があるので、入浴しなかった時と比べて体温の下降がより早く大きくなるそうです。
40度の湯に15分ほど浸かった場合、元の温度まで下がるのに約90分かかるそうなので、寝る90分前に入浴を済ませておけば、そこから更に温度が下がっていきスムーズな入眠に繋げることができるのだそう。
実体験として、眠れない時はなんとなく布団に熱がこもっている場合も。。そんな時は一度ベッドを出て、トイレに行ったり水を飲んだりするだけでも、余分な熱が逃げてまた寝やすくなる気がします。

夏場の冷房や冬場の毛布など、就寝環境を整えることも大切。
東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本先生によれば(※1)、脳の快適温度は人類共通で22~24℃だそうです。
睡眠中、脳は活動を落とし、脳温度を1℃程度下げることで疲労回復を図るそうですが、暑く寝苦しい室温では深部体温が上昇しないよう、吐息の温度を上げて放熱したり、発汗を促したりなど、自律神経が睡眠中も指令を出し続けることに。
その結果、脳の疲労を回復させるべき睡眠中にも自律神経を酷使させてしまい、さらに疲労を蓄積させてしまうことになるのだそうです。
つまり、睡眠時に脳を最適に冷やすことで自律神経を整えることができるのです。
そのため、夏場の冷房はタイマーではなく、朝まで入れっぱなしが正解。
ただ室温22~24℃だと脳には快適でも体には涼しすぎるので、夏でも掛布団や毛布で体を冷やさないようにするのが良いそうです。
実は最近まで夏はタオルケット派だった私は、体が冷えるのが嫌でどんなに寝苦しくても冷房無しで寝ていました。当然起きると全身汗でぐっしょり、どよ~んとした疲労を感じていました。
誰に聞いたかは忘れてしまったのですが、これではもはや寝ながらマラソンをしているようなもの。疲労を解消すべき睡眠で、逆に疲労を溜めこんでいたのです。。
冷房をつけて寝るようになってからは、夏バテに悩むことも減ったように思います。

※1:集英社オンライン『脳の快適温度は22~24度。専門家が教える熱帯夜のエアコン設定の最適解』

③ベッドでは考え事をしない
何より私にとってゲームチェンジャーだったのはこれでした。
みなさんもベッドの中で考え事をしていて眠れなくなった経験はありませんか?
悩みや不安について考えれば考えるほど、頭が冴えて眠れなくなってしまう。わかっているのに、心配性な私はなかなかこれがやめられませんでした。
そんな時、心療内科の主治医に言われてとても印象に残っていることがあります。
それは、起きている時ではなく、今ベッドの中で考えないといけないことなのか?
1時間考えて答えが出ないことは、100時間考えても答えが出ない可能性が高い。
そういうグルグル問題を布団の中で相手にするのはやめましょう。
もし気になることがあれば、メモに書き出しておいて、起きている時に考えるようにしよう、と。
たしかに振り返れば、あーでもないこーでもないと夜な夜な考えていたことは、将来への不安など漠然としていてすぐには答えの出ないものや、仕事上の悩みなどそもそも一人で考えても解決できない類のものが多かった気がします。
最近まで自覚がなかったのですが、どうも私は人よりも事態を深刻に受け止めてしまう傾向があるようです。そして、まだ起こってないことを先回って心配し、不安とストレスのるつぼに自分を追いやってしまうのです。
このことに気づいてからは、ベッドの中で悩み事が浮かんできても、いやいや、今自分が一人で考えたところできっとどうにもならないのだから、一切合切を放棄して寝ちゃおうと切り替えられるようになってきました。
最悪、それで何か失敗したとしても大丈夫。死にやしません。
リスクマネジメントはもちろん大事ですが、必要以上に失敗を恐れ、夜眠れなくなる方がよっぽど体に毒です。

とはいえ、ガチガチのルーティンは作らない

大切なのは睡眠前に心身ともにリラックスすることだと思うので、やらなければならないタスクに追われてストレスになるようでは本末転倒。
今自分は何を求めているのか、何をしたら心地よく過ごせるか、心の声に耳を傾けることもとても大切だと思うのです。
だから、日によっては寝る前にYouTubeを見ることもあれば、風呂に入らないこともあります(え!?)。休日に遅起きすることも。。
体内サイクルが乱れるから昼寝は15時までに済ませたほうがいいとか、30分以上は寝ないほうがいいとか言われてますが、もし体が疲れていたらグーグー寝ちゃいます。
睡眠をとても大切にしているあの大谷翔平選手も、2時間の昼寝を日課にしているとか。夜は夜で10時間くらい寝るそうなので、もはや1日の半分を睡眠にあてていることになりますね!
以前どこかのインタビューで、睡眠の質も大事だが、まずは量を確保することが大切、と語っていたのが印象に残っています。
十分な休息を取ることがあれだけの高いパフォーマンスに繋がっているのかと思うと、いかにいい睡眠を取るかが人生を大きく左右することを身をもって教えてくれる存在です。

余談ですが、1年ほど前からヤモリさん(♂)と暮らしています。
彼は夜行性なので、夜にいつまでも煌々と部屋が明るいのは良くないかなと思い、日が暮れたら照明を暗くして、なるべく早く寝るようになりました。
正直、規則正しい生活を心がける1番のモチベーションになっています。笑
健康のためとはいえ、長年の習慣や癖を変えるのは簡単ではありません。
そんな時は、家族や友人、ペットなど誰かの存在が力をくれることがあります。
他にも、朝に習い事を入れる、生活習慣改善の過程をYouTubeやブログで発信するなど、モチベーションを保つ方法はさまざま。きっかけは何だって良いのです。
何もないのであれば、きっかけなんて自分で作ってしまいましょう。
もしあなたが本当に変わりたいと思っているのなら。